森と木を愛するすべての方へ

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フラッシュニュース

 

2024年

 

門別競馬場の厩舎に道産材

11月14日号

日高産材優先で33棟・カラマツ集成材、トドマツ製材2500立方メートル使用

 日高町門別地区の国道235号線沿いにある道営ホッカイドウ競馬の門別競馬場の厩舎(きゅうしゃ)が建て替えになる。1棟あたり競走馬24頭が入る長さ約50mの木造厩舎を33棟新築する計画で、建設地の造成工事が始まっている。これにまとまった量の道産木材が使われる。
 門別競馬場の建物老朽化に伴い、厩舎、厩務員の住居、業務施設を順次整備する。事業主体は北海道軽種馬振興公社。全体の整備費は250億円規模を見込む。
 このうち、厩舎の建築は、競馬場に隣接する広い敷地に令和6年度と7年度で進める。道農政部によると、1区画当たりに、▽厩舎1棟(木造平屋約544平方メートル)▽事務所兼倉庫1棟(木造2階建て延べ約142平方メートル)▽円形の馬用ウォーキングマシン▽パドックを設ける。このセットを33区画分整備する。

 

ナラ枯れ被害178本 松前、福島、知内町で

11月14日号

今後増加する可能性も

道は11月1日、ナラ枯れ被害木の調査結果を公表し、松前町、福島町、知内町の3町で40カ所178本の被害木を発見したことを公表した。現在も現地調査を継続しており、今後増える可能性もある。
 ナラ枯れ対策被害防止会議で特に被害発生の可能性があり、重点対策エリアに指定された松前町、福島町、知内町、木古内町の600haの調査を行った。民有林における調査では衛星画像による調査および昨年被害があった地域の近辺ではヘリコプターによる上空調査で懸念される個所を発見し、現地調査で被害木を判定した。

 

事業体に向けナラ枯れの防除のための燻蒸作業実演

11月14日号

北海道森林管理局 国有林での被害受け

 福島町で2本、知内町で4本のナラ枯れ被害が公表された国有林の被害対策として、北海道森林管理局は、10月30日に福島町の国有林で、ナラ枯れ対策の現地検討会を実施した。
 現地検討会には、道、近隣自治体、主に国有林で事業を行っている林業事業体など53人が参加した。燻蒸作業が未体験の事業体もあることから、伐倒燻蒸作業の実演がお行われ、あわせて、今後の対応等について話し合われた。

 

くしろ木づなフェスティバルに3900人

11月14日号

森林の魅力 道内最大イベント

道内有数の森林面積を有する釧路市で、道内最大級の木材イベント「くしろ木づなフェスティバル2024」が10月26、27日に開かれた。釧路市と釧路森林資源活用円卓会議による実行委員会が主催した。釧路市観光国際交流センターに林業・木材関係者が38のブースを出展し、木工体験、ステージショー、高性能林業機械の実演など催した。

 

オホーツク管内森林組合振興会 2泊3日農林業体験ツアー

11月14日号

伐倒作業、育苗の魅力学ぶ
東京、道内から10人参加

オホーツク管内森林組合振興会とオホーツク農業協同組合長会は10月16日から18日まで2泊3日の農業施設及び種苗生産、造材現場の体験ツアーを開催した。東京、道内から一般参加者10人が参加し、湧別町、滝上町、紋別市の農業、林業現場を体験した。

 

新工場36万立方メートル、資源保続可能 木材安定供給に関する意見交換

11月7日号

道、森林調査簿をもとに試算
造林未済地増えないように

北海道林業・木材産業に関する連絡会議

道と道木連は道産木材安定供給に関する意見交換会を11月1日に札幌で、5日に釧路で開催した。札幌会場にはオンラインを含め林業、木材産業関連団体約150人が参加し、7月に発表された大規模木材加工施設の道内進出計画に対して道が得た情報の説明が行われ、今後の対応について意見交換が行われた。

 

川井林業最新鋭工場 岩手県雫石町でラミナ生産

11月7日号

原木36万立方メートル、高速製材
原木は岩手、青森、秋田から

岩手県盛岡市の西に位置する雫石町に株式会社川井林業(澤田令社長)の雫石工場がある。株式会社ウッティかわい(宮古市)向けのラミナを生産する製材工場である。老朽化した旧工場に替え、リンク社製の最新製材機を核とした量産工場を建設した。国産材製材協会の視察に同行し、10月に本格稼働した新工場を訪れた。
 県のシンボル岩手山の麓、牛乳で有名な小岩井農場の隣接地に雫石工場が稼働している。スギ、カラマツ、アカマツを原料にしたラミナ製造拠点である。

 

新工場進出、運材に懸念 林業木材産業に関する連絡会議

11月7日号

中間土場設置など検討を

北海道林業・木材産業に関する連絡会議

道林業木材課は北海道林業・木材産業に関する連絡会議を10月22日オンラインで行った。関係団体や企業など約30人が出席し、道内の林業・木材産業を取り巻く情勢を踏まえた課題と対応について話し合った。

 

秋田北部の50社で構成 米代川流域森林・林業活性化協同組合

11月7日号

中国木材に20万立方メートル供給を目指す
原木増産が課題、出荷にメリット

秋田県北部で原木消費24万立方メートル規模の中国木材能代工場が本格稼働した。原木の供給はどうなっているのか。能代市の中国木材の取材のあと、地元の素材生産業などで構成する米代川流域森林・林業活性化協同組合(理事長・金野忠徳白神森林組合長)を訪ね、藤田潤一事務局長に原木供給に果たす役割を聞いた。

 

えんしんの森で植樹祭

11月7日号

遠軽信用金庫

遠軽信用金庫は、遠軽町と森林づくり協定を締結し、生田原にある町有林約4haを「えんしんの森」と名付け、植栽・下刈りなど進めている。9月28日、この森で遠軽信用金庫職員とその家族約80人が参加して植樹祭を開催した。

 

滝上国保診療所建替視察 西紋地区林業・林産業に関する懇談会

11月7日号

原木24万立方メートル、従業員250人目指す

西紋地区林業・林産業に関する懇談会は10月16日、滝上町国民健康保険診療所建替工事の現場視察および建築に関する説明を滝上町文化センターで行った。森林管理署、振興局、関係市町、森林組合、林業関係団体約40人が参加し、構造建築完了後の現場視察および説明を受けた。

 

中国木材能代工場 スギ集成管柱を東日本へ

10月24日号

原木24万立方メートル、従業員250人目指す

中国木材能代工場

 秋田県能代市は、秋田市中心部から北に50〜60km、米代川下流の能代平野に位置する人口4万7000人の市である。ここに製材最大手の中国木材株式会社(堀川保彦社長)が進出し能代工場を建設した。製材工場は今年1月に完成、集成材工場は7月に完成した。本格稼働する巨大な能代工場を訪れた。取材は10月17日国産材製材協会の視察に同行して行った。
 米代川沿いにある能代工業団地に3カ所計約44fの敷地を使って、製材工場、集成材工場、ラミナ天然乾燥場などが完成した。事業費は約270億円(土地取得費除く)、最終的な従業員は250人をめざし、原木消費量は2シフト生産で年間約24万@をめざしている。西日本に製品を供給する宮崎県日向工場に次いで、東日本向けにスギ集成管柱を供給する大規模な拠点工場が誕生した。

 

林業従事者確保できない 森林の担い手対策検討会

10月24日号

大規模工場進出 地方の人口減少

森林の担い手対策検討会

道林業木材課は9月4日札幌市の第2水産ビル会議室で第1回森林の担い手対策検討会を開催した。この会議は、人口減少が全国以上に進み、森林づくりの担い手対策が喫緊の課題となっていることから、学識経験者、道森林管理局、造林・素材生産、種苗生産、木材産業各事業者、森林組合、教育機関などの意見を聴取し、意見を政策に反映させるために行われる。
 今回の検討会では、人材育成の現状と課題について話し合われ、各委員から様々な意見が出された。

 

小坂林野庁次長ら被災地を視察

10月24日号

胆振東部地震の再生へ

林野庁小坂次長来道

胆振東部地震による被災地の再生に向けた現地検討会を苫小牧広域森林組合が関係機関を招き10月11日むかわ町と厚真町で開催した。
 林野庁本庁から小坂善太郎林野庁次長や、道森林管理局、道開発局、道農政事務所、むかわ、厚真、安平の各町長、道総務部、水産林務部など約30人が参加し、ヘリでの被災山林の現地視察や厚真町の被災現場の視察が行われた。

 

公共建築物に道産材を 札幌市に活用を要望

10月24日号

道木連・道森連が全道キャラバン

札幌市へ要望

木材需要が減退する中、道木連と道森連は市町村の公共建築物への道産材利用を求める全道キャラバンを9月から始めた。空知、後志管内を終えたあと、10月15日には大消費地の札幌市に道産材の積極的利用を要望した。
 札幌市への要望には、道木連の三津橋央会長、内田敏博副会長、道森連の有末道弘会長、根布谷禎一副会長、札幌市森林組合の吉田嗣博組合長が参加。また道森林管理局の吉村洋局長、道水産林務部の岡嶋秀典部長らが同行した。札幌市建設局みどりの推進部を訪れ、荻田葉一建設局長に要望書を手渡した。
 要望項目は次の2項目。○庁舎等の公共建築物に道産材を活用し、地域全体として建築物の木造化・木質化を進めて行く原動力となっていただきたい○森林環境譲与税を活用しながら道産材利用を一層推進し、ゼロカーボンやSDGsに資するよう努めていただきたい。

 

森林の仕事ガイダンス

10月24日号

就業希望者60人が参加

森林の仕事ガイダンス

北海道森林整備担い手支援センターは10月12日、森林の仕事ガイダンスを札幌市の札幌エルプラザで開催した。林業に就業を検討している人約60人が参加し、森林組合、造林、素材生産事業体24団体と就業のための相談を行った。
 林業の仕事を紹介し、就業相談を行うこのイベントでは、全道から造林・造材会社、森林組合など24の事業体が出展。就業条件や具体的な仕事内容などを紹介した。

 

カラ製協情報交換 製材需要回復見えず

10月17日号

受注1〜2週間、短納期が多い スギ梱包材が安く流通

北海道カラマツ製材業協議会

北海道カラマツ製材業協議会は情報交換会を10月10日、北見市民会館会議室で開催した。会員企業と道森連、道林業木材課・オホーツク総合振興局林務課など約30人が出席した。一部自動車関連の梱包材に荷動きがあるが、今年度下期に入っても需要回復は感じられない。道外のスギ梱包材が市場に入ってきている状況など情報交換した。

 

林業従事者横ばい 道が林業労働力実態調査

10月17日号

4180人 造林従事者は減少傾向

道林業木材課は10月3日林業労働力実態調査報告書を公表した。道内の林業従事者は4180人となり、前回令和3年度調査比98%となった。10年間の調査では素材生産が平成25年度比110%、種苗生産が143%と増加傾向にあるが、造林が76%と減少傾向にある。

 

立木公売後ろ倒しも 国有林材供給調整検討委員会

10月17日号

住宅着工数減少による需要減
素材在庫率の高い状態が継続

道森林管理局は第2回国有林材供給調整検討委員会を9月12日、道局大会議室で行った。委員からは住宅着工減少に伴い、原木価格の弱含み、素材在庫率が高く推移していることが報告された。そのため、立木販売公告の再公告の取りやめおよび立木公売時期の後ろ倒しを地域の実情に合わせて対応すべきと意見を取りまとめた。
 会議の結果を踏まえ道森林管理局は、国有林材の供給について、立木販売公告の再公告の取りやめ、公売時期の後ろ倒しに取り組むこととした。

 

農林水産祭 総理大臣賞に惣田政宏氏

10月17日号

広尾町 惣田種苗園

農林水産省と日本農林漁業振興会は10月2日、優れた技術で業績を上げた農林水産経営者を表彰する第63回農林水産祭の受賞者を発表した。道内関係の林産部門では、北海道広尾町で苗木生産を行う惣田政宏氏が内閣総理大臣賞を受賞した。

 

道民森づくりの集いに1000人

10月17日号

札幌市 さとらんど

道民森づくりの集い

森林づくりへの理解を広げる「道民森づくりの集い2024」が10月5日、サッポロさとらんど(東区丘珠町)で開催された。道、森林管理局、札幌市、森と緑の会が主催し、来場者は約1000人にのぼった。
 屋内会場の1つさとらんど交流館では、中央に積み木など木のおもちゃ体験ゾーンがあり、これを囲んで森づくりに関わる18団体が出展した。
 また、屋外会場では、大きな樹木にロープをかけのぼっていくツリーイング体験(三笠森水遊学舎)も行われた。

 

苗木需要見込みが低調 林業種苗需給会議で意見交換

10月10日号

苗木需要見込みが低調

北海道林業用種苗需給連絡会議

北海道林業用種苗需給連絡会議が10月1日札幌市で開かれ、令和6需給年度の種子まきつけ計画など協議した。計画作成にあたり、苗木の需要見込みをまとめた結果、以前の需要見込み量の水準を大幅に下回っていた。これらについて出席者が意見を述べた。
 計画作成にあたり、需要対象となる各年度(カラマツは令和8需給年度、トドマツ裸苗は令和11需給年度など)の需要見込みをまとめたところ、スギからアカエゾマツまで全樹種合計で約1823万本となり、以前より少なくなった。しかし今後、伐採量が増加した場合、苗木不足により必要な植林が困難になる恐れがある。安定的な生産体制を維持するため、苗木生産見込みを需要を上回る約1880万本と設定して、種子まきつけを行うこととした。

 

水源林造成3万ha記念式典

10月10日号

札幌で開催

水源林造成3万ha記念式典

 北海道水源林造林協議会は10月2日、札幌市のホテルポールスター札幌で北海道水源林造成事業3万ha達成記念式典を開催した。林野庁や道、市町村や森林組合、協力事業者、功労者など約90人が参加し、達成を慶んだ。

 

大樹町で現地検討会 下刈機械化 ICTハーベスタなど

10月10日号

「北欧をモデルにした北海道十勝型機械化林業経営」実証グループ

大樹

拒蜊笳ム業、泣Tンエイ緑化などで構成される「北欧をモデルにした北海道十勝型機械化林業経営」実証グループは9月27日大樹町で現地検討会を実施した。午前中は大樹町福祉センターで実証の説明が行われ、午後から大樹町内の民有林でドローンによる林地把握などの現地実演会が行われ、林野庁、研究機関、道、林業事業体などが参加した。

 

道産材の利用を要望 道木連と道森連

10月10日号

岩見沢市と新十津川町に

道木連と道森連は、9月25日岩見沢市と新十津川町に、木材需要の減少に伴う公共建築物における道産材の積極的利用についての要望書を提出した。これは、住宅着工の減少などにより製材の荷動きが低調のまま回復が見られないことおよび森林環境譲与税の活用を図るため、庁舎等の公共建築物の整備において道産材を活用してもらえるよう、全道各14振興局で要請を行う一環として行われた。

 

町有林クレジット創出相次ぐ

10月3日号

大手企業や都市自治体と連携

森林吸収クレジットを取得したい市町村と、市有林・町有林でのクレジット創出に協力したい企業などとの連携事例が相次いでいる。富良野市はNTTドコモと合意書を締結、福島町は北海道銀行などと連携協定を締結、また清水町は東京都北区と協定を締結し、それぞれJ-クレジット創出に取り組む。

 

オホーツク木材協議会、意見交換会

10月3日号

建築材低調、燃料材は高止まり

オホーツク木材協議会は林業界意見交換会を9月19日、北見市端野町公民館で開催した。造材業、森林組合、製材工場、バイオマス発電所、運送会社、市町村、道、森林管理署など約90人が出席し、木材の動向、業界の課題について意見交換を行った(サイプレス・スナダヤ砂田社長による事業説明は9月26日号既報)。

 

地拵え機械で効率化 美幌町森林組合

10月3日号

協力粉砕機を導入

美幌町地拵え機械

美幌町森林組合は、森林整備の効率化に向けて地拵え機械を1台導入した。イタリア製の林業用粉砕機械でラジコン式。人手不足が懸念される造林分野の省力化に活用する。
 美幌町の一般民有林は約1万1200haにのぼり、人工林のうちほとんどがカラマツという道内有数のカラマツ地帯となっている。人工林の整備と循環を担う森林組合は年間100〜140haを伐採し、伐採地にはその年のうちに地拵え作業・植栽まで行っている。
 このうち地拵え作業は、造林地を極力きれいにし野ねずみ被害を防止しようと、ほとんどの現場で全刈り・火入れ地拵えを行っている。その工程は、下請け事業体や直営班がチップソーを付けた刈払機で人力地拵えを行い、その後、ボサをブルドーザーで押し集め、日程を調整して火入れを行う。火入れ後も3日以上鎮火確認のため巡回するなど、人手と時間をかけている。
 こうした中、近年は労働力不足が進んでおり、加えて火入れや煙について一般の人の理解が必要になってきた。そこで組合は造林保育の一部機械化を検討し、最適な機械を探した。検討の結果、強力な粉砕能力、登坂能力などを持つイタリアFAE社製の林業用マルチャー(粉砕機械)RCU―75を7月に茨城県の代理店から導入した。

 

オホーツク木材協議会 スナダヤ 釧路新事業を説明

9月26日号

トドマツ主体 フル稼働まで6年 原木増を

オホーツク木材協議会

林業・木材産業の連携に向けこのほど発足したオホーツク木材協議会(会長・脇坂敏夫湧別林産社長)は、林業界意見交換会を9月19日、北見市端野町公民館で開催した。北海道への大規模製材工場の進出計画について、サイプレス・スナダヤの砂田和之社長を招いて説明を聞き、質問を行った。管内の造材業、森林組合、製材工場、流通商社、バイオマス発電所、運送会社、市町村、道、森林管理署など約90人が出席した。

≪詳細は民有林新聞9月26日号1面をご覧ください≫

 

第3回道議会定例会代表質問 森林由来クレジット全道の道有林で創出へ

9月26日号

森林所有者へのノウハウ提供、森林吸収源対策推進計画改正へ

道議会

9月13日、17日の第3回道議会代表質問では、森林吸収によるJ―クレジットなどについて質問が出た。
 安住太伸議員(自民党・道民会議、旭川市選出)が、道有林のJ―クレジットを今年度から販売開始することについて、売れ行きが心配される一方、森林整備に活用できる新たな資金確保や森林の価値向上に期待の声があるとした。それを踏まえ、「創出販売を全道60万haの道有林に広げ、他の民有林に普及展開するために森林吸収源対策推進計画の見直しの必要がある」として所見を問いた。
 鈴木直道知事は、「J―クレジットを活用した森林整備が道内各地で展開されるよう地域のモデルとなる道有林全域でのクレジットの創出、販売ノウハウの森林所有者への提供など民有林への普及を図る方針を盛り込むため、森林吸収源対策推進計画を年度内に改正し取り組みを進める」と述べた。
 また白川祥二議員(北海道結志会、空知地域選出)はJ―クレジットの創出や販売について、人手が限られている市町村や森林所有者にどう普及するのか所見を聞いた。
 知事は、「解説した冊子の作成や研修会の開催などを行い、民間企業との連携や航空レーザ測量の活用等道有林の取り組みによって得られたノウハウの提供や、国の地域林政アドバイザー制度の活用を促すなどの取り組みを促進する」と述べた

 

第3回道議会定例会代表質問 低密度植栽、普及に時間をかけて

9月26日号

森林整備  道議会で質問

代表質問では今後の森林整備について質問があった。笹田浩議員(民主・道民連合、渡島地域選出)は、低密度植栽に関して、「多くの森林が主伐、再造林の時期を迎えている現在、森林資源の循環利用の選択肢の一つと考えるが、植栽密度は目標林形からの逆算で考えるべきであり、林地の立地条件などで判断すべきと考えているため道内の様々な立地条件のデータやデメリットに対応した支援策を提供して、時間をかけて進めるべきと考える」とし、知事の所見を聞いた。
 三橋剛副知事が答弁し、「低密度植栽について市町村や森林組合が参加する検討会議を開催しているが、会議では自然災害や原木生産量の減少に対する不安が出たことから、先行事例や省力化の効果を取りまとめた冊子を活用し、現地での技術的な支援を行うとともに、地域の関係者と意見交換を重ね、地域の実情に応じた効率的な森林施業を促し、ゼロカーボン北海道の実現に貢献する森林の若返りを進める」と答弁した。

 

全国から150人苗畑視察 全苗連生産者の集い 現地研修会

9月26日号

美瑛 竹内山林緑化農園で

第8回全苗連生産者の集い現地研修会が9月5日、美瑛町の拠|内山林緑化農園で行われ、全国各地の苗木生産者約150人がカラマツ裸苗の苗畑やコンテナ育苗施設を視察した。

 

栄林会青年部、渡島で研修

9月26日号

会員山林視察、意見交換

栄林会青年部は9月11日と12日、現地研修会を渡島管内で開催した。栄林会会員、青年部員、道渡島総合振興局、道総研林業試験場など約45人が参加して、三菱マテリアルの山林(森町)、千歳林業の山林(鹿部町)の施業状況を視察した。

 

釧路林業・木材産業懇談会 工場進出、原木や運材で競合

9月19日号

釧路ウッドプロダクツ 体制強化に手厚い支援を 地元業界が要望

釧路総合振興局は、「釧路地域林業・木材産業懇談会」を9月5日、釧路市中部地区コミュニティセンターで開催した。造材業や製材加工業18社・団体、6森林組合、道水産林務部、釧路・十勝・根室の振興局から計40人が出席して、国内最大級の製材工場の釧路進出に伴う影響、また人手不足の問題について意見を交わした。

≪詳細は民有林新聞9月19日号1面をご覧ください≫

 

胆振東部森林再生・林業復興会議 計画2年目植林296ha実行

9月19日号

崩壊斜面への植栽が増加

道は「胆振東部森林再生・林業復興連絡会議」を8月30日、厚真町総合福祉センターで開いた。平成30年9月6日に発生した巨大地震により厚真・安平・むかわ町で約4300haの森林が崩壊した。町、森林組合、森づくり協同組合、森林整備センター、林野庁、道、試験研究機関など47人が出席し、森林再生の進捗状況と課題など協議した。
 令和4年に策定した胆振東部地震森林再生実施計画がめざす全体事業量は、被害木整理593ha、植林1116ha、緑化等103ha、自然回復3548ha。令和4年度と5年度の実績は、被害木整理約190ha(進捗率83%)、植林約296ha(同111%)、緑化等51ha(同102%)、林道等5万9532m(同105%)となっており、おおむね順調に進んでいる。

 

全苗連生産者の集いで報告 働きやすい環境づくり

9月19日号

9月4日に札幌市のカナモトホールで行われた全苗連生産者の集いでは、山林種苗生産者の状況報告として、北斗市の拠J口精光園の谷口淳一代表取締役と、幕別町の拒蜊笳ム業の松村幹了代表取締役が両社の労務軽減、働きやすい環境づくりの取り組みについて報告を行った。

 

ユースエール企業に大澤木材が認定

9月19日号

大澤木材株式会社(本社釧路市阿寒町)が、若者の育成に積極的な「ユースエール認定企業」として厚生労働省北海道労働局から認定され、9月10日に同社で認定通知書交付式が行われた。

 

森林・林業・環境機械展示実演会 33社が出展

9月12日号

33社が高性能機械、草刈機
来場者1500人、操作を体験

林業機械展 2024

北海道林業機械化協会は9月8日、9日に当別町道民の森で、2024北海道森林・林業・環境機械展示実演会を開催した。33の企業、団体が出展し、多くの来場者がグラップル、ハーベスタやドローンなどの実演、展示、体験を行った。

 

全苗連生産者の集い 札幌で

9月12日号

400人が技術向上を誓う

全苗連生産者の集い2024

全国山林種苗協同組合連合会と北海道山林種苗協同組合は9月4日、札幌市のカナモトホールで第8回全苗連生産者の集いを開催した。全国から山林種苗生産者等400人が来場し、交流および生産状況について講演を聞き、技術向上に取り組んだ。

 

物林会 北海道に145人

9月12日号

都市木造化、新たな需要に

物林会

物林鰍ヘ「2024年物林会北海道」を9月2日、札幌グランドホテルで開いた。全道から取引先の木材加工会社、造材会社、森林組合、ハウスメーカーなど145人が出席して講演会、懇親会など行われた。

 

町有林クレジット創出相次ぐ

9月12日号

大手企業と協定結び、申請、販売

森林吸収クレジットを取得したい道内市町村と、町有林でのクレジット創出に協力したい企業との連携事例が見られる。取得には、手続きの煩雑さ、費用負担の発生、販売先が確保できるかなどハードルがあるが、協力が得られることで取り組みが進みつつある。

 

野ねずみ被害、後志で急増

9月12日号

カラマツ食害、90%越え林地も

今年の雪解け後、造林地に野ねずみの被害が多く見つかった。道のまとめによると全道合計1203haの森林被害が報告されており、昨年度に比べ倍増した。全道各地で被害が見られた中、特に後志、胆振管内などでは被害面積が激増した。
 このうち、最も被害面積が大きかったのは後志で267haにのぼった。過去5年間、被害は非常に少なかったが激増した。南しりべし森林組合によると、後志南部では蘭越町のカラマツ造林地などで被害が見つかった。すでに昨年秋から地拵え作業などで林地に入ると、ねずみが走っている状況が多く見られた。これを捕食するキツネも山でよく見るようになっていた。

 

北海道・東北ブロック林業グループコンクール
森町林業グループ最優秀賞

9月12日号

道内からの受賞は16年ぶり
来年全国コンクールで発表

北海道・東北ブロック令和6年度林業グループコンクールが8月29日に仙台市のホテル白萩で行われ、北海道代表の森町林業グループが最優秀賞を受賞した。道内からの受賞は平成20年の歌登青年の山林業グループ以来16年ぶり。今後、森町林業グループは北海道・東北ブロック代表として令和7年2月27日に東京で行われる全国林業グループコンクールで発表を行う。

 

ナラ枯れ対策会議 カシノナガキクイムシ増加

9月5日号

119匹捕獲、北東に生息域拡大
松前、福島、知内、木古内町で

ナラ枯れ会議

道水産林務部は、この夏の調査でカシノナガキクイムシの捕獲数が明らかに増加したことから、ナラ枯れ被害拡大防止対策会議を8月23日、札幌市の道庁別館で開いた。森林管理局、関係町、森林総研北海道支所、道総研林業試験場、道の関係課、渡島と檜山の振興局・森林室が出席した。

今回の生息調査で発見されたのは、昨年捕獲された17個体の7倍にのぼる119個体である。フェロモンを用いた成虫捕獲トラップを、渡島半島南西部の6町、30カ所に設置したところ、4町の15カ所で捕獲された。一般民有林で67個体、道有林で51個体、国有林で1個体が見つかっている。4町の捕獲数は次のとおり。

▽松前町29個体(道有林、一般民有林)
 ▽福島町52個体(道有林、一般民有林、国有林)
 ▽知内町35個体(一般民有林)
 ▽木古内町3個体(一般民有林)
 このほか調査した厚沢部町、上ノ国町では捕獲されなかった。

 

釧路林業団体が坂本農林大臣に要望

9月5日号

大規模工場進出、大きな影響
原木確保、地元業界に手厚い支援を

坂本哲志農林水産大臣が8月28日、釧路市を訪れ、釧路・根室管内の農林水産業団体からの要望を聞いた。ANAクラウンプラザホテル釧路で開かれた要望会に、農協、漁協に加え林業団体から釧路地区森林組合振興会、釧路地方林業会が出席し、地域が抱える課題を訴え国の支援を要望した。

 

住友林業が森林クレジット取得支援サービスを開始

9月5日号

支援サイト「森かち」

住友林業とNTTコミュニケーションズは協力して森林由来のJ-クレジット取得を支援するサービスを始める。
 8月27日<森林価値創造プラットフォーム『森かち』>をウェブ上に開設して支援サービスを開始した。

 

道木連 チップ価格引き上げ要請

9月5日号

王子木材緑化、日本製紙木材に

北海道木材産業協同組合連合会は、王子木材緑化と日本製紙木材を訪れ、チップ価格の引き上げを要請した。原料材高騰など生産コストが上昇していることから適正な反映を求めた。

 

自作の絵画 33点道へ寄贈 画家 久居勇雄さん

9月5日号

画家 久居勇雄さん

寄贈式

道水産林務部関連のポスターをデザインしたことのある画家久居勇雄さんが自作の絵画33点を道庁に寄贈したことから8月28日知事会議室で三橋剛副知事から感謝状が贈呈された。

 

草刈り機、運搬ドローン実演会 北斗市で

9月5日号

渡島東部森林室 北斗市有林で

新世紀森林組合  原木選別

渡島東部森林室は8月22日、造林・保育作業等の省力化・効率化に向けた機械実演会を、北斗市のきひじき高原キャンプ場向かいの北斗市有林で開催した。リモコン式草刈り機や苗木運搬用ドローンなどの現地実演会が行われた。近隣の森林管理署、振興局、市町、森林組合、造材業者など約90人が参加した。

 

令和5年度貿易統計 丸太輸出増えて165万立方メートル

8月22日号

国内木材需要低調、円安基調で

財務省貿易統計によると、令和5年度の丸太輸出量は、約3割伸びて約165万3000立方メートルとなった。九州各県から、また秋田県からの輸出が増えるなど、近年では最高水準となった。北海道からは主に函館港から輸出が行われ、道内合計では約7万1000立方メートルとなった。

 

カシノナガキクイムシ119匹 松前、福島、知内、木古内で発見

8月22日号

7月調査

道森林整備課は道南地域におけるカシノナガキクイムシの生息調査の結果を8月15日に公表した。道南地域30カ所に設置したトラップのうち15カ所で119個体を確認した。
 生息調査は7月に1カ月間連続して行った。調査は、松前町、福島町、知内町、木古内町、上ノ国町、厚沢部町内の30カ所で行った。そのうち、松前町、知内町、福島町、木古内町の15調査地点でカシノナガキクイムシを発見した。現時点ではナラ枯れ被害<木は確認されていない。

 

石狩地域バイオマス発電所 令和8年運転開始に向け建設中

8月22日号

未利用材、タンコロ、伐根、集荷進む

石狩湾新港地域内では石狩地域バイオマス発電所の工事が令和8年1月の運転開始に向けて着々と進んでいる。当発電所は発電出力9950kW、年間発電量約8000万kWhの電力を供給し、その燃料として国産木質チップ約10万tを使う予定としている。石狩地域バイオマス発電所の原材料の集荷について話を聞いた。

≪詳細は民有林新聞8月22日号3面をご覧ください≫

 

置戸町 新世紀森林組合の製材工場 原木選別し高強度ラミナ

8月15日号

東京の木造高層ビルに

新世紀森林組合  原木選別

置戸町の市街地から約8q離れた川南地区に新生紀森林組合のカラマツ製材工場がある。数カ月に1度、原木土場から「カーン」と木槌で木材を叩く音が聞こえる。
 高強度ラミナ製材の注文に応えるため、強度を測る音である。高強度ラミナ供給の取り組みについて森林組合に聞いた。

≪詳細は民有林新聞8月15日号1面をご覧ください≫

 

札幌林材協会 市況委員会 プレカット製材、価格下落

8月15日号

住宅床面積減で受注伸びず

札幌林材協会は札樽圏の建築材需要、市況の先行き動向などを情報交換する市況委員会を7月29日札幌市の林業会館で開催した。
 札幌市内の木材販売店からは、プレカット製材価格の値下げの発生、円安に伴う欧州材購入減などが報告された。

 

道森林土木設計協会 30周年イベント

8月15日号

森林土木設計協会イベント

北海道森林土木設計協会は8月2日、3日に札幌市の札幌駅前通地下広場で30周年記念イベントを開催し、約350人が来訪した。このイベントは、協会の広報活動として行われ、光学測量機器や測量用無人航空機などの測量用機器やパネル、3D模型の展示などが行われた。

 

林業用種苗需給会議 規格見直し、選苗効率化へ

8月8日号

1号、2号見直し サイズの要望には可能な限り対応

林業用種苗需給会議 

北海道林業用種苗需給連絡会議が8月1日、道庁会議室で開かれた。道、道苗組、道森連、栄林会、造林協会、森林管理局、森林整備センター、林木育種センター、林業試験場など構成員が出席し、苗木生産の省力化に向け新たな苗木規格を決定した。
 苗木生産現場は労働者減少、高齢化が進行しているが、一方で、今後造林量の増加が見込まれるなど苗木供給への期待は高まっている。現状の苗木生産では、掘り取りや選苗に時間がかかっており、特に根元径や苗長を1o、1p単位で測定する過程に手間がかかっている。これらを効率化するため、道は、裸苗の規格を見直して1号・2号のサイズを含んだ新規格をつくる案を示し、協議を進めてきた。
 意見交換会を行った結果を踏まえ、この日の林業用種苗需給連絡会議では、品質や大きさに関する懸念の声があったが、人員不足・苗木の安定供給に対応するため、規格見直しの方向性はおおむね理解が得られたと結論付けた。
 新たな規格を別表のとおり決定し、令和7年1月から適用する。
 また、運用にあたっては、大きめ・小さめなどの要望があった場合には生産者は可能な限り対応すること、生産者と需要者は密に連絡調整を行うこと、品質の低下があった場合は系統組織等に連絡することなど確認した。

 

道木連針葉樹対策委員会 製材需要低迷続く

8月8日号

土木用資材、非住宅案件は発生

令和6年度第1回道木連針葉樹対策委員会

北海道木材産業協同組合連合会は第1回針葉樹対策委員会を7月31日、札幌市の林業会館会議室で開催した。製材企業と森林管理局、道庁など20人が出席し、製材と原木の動向を情報交換した。

 

第2回道有林における森林由来クレジットの販売に関する懇談会

8月8日号

様々な手法で販売へ、森林整備への貢献、実感できるよう

第2回道有林における森林由来クレジットの販売に関する懇談会

道有林における森林由来クレジットの販売に関する第2回有識者懇談会が7月29日札幌市のかでる2・7で行われ、航空レーザによる測定を活用し産出が見込まれるJ―クレジット約58万tの販売方針について素案が提示され、意見聴取が行われた。
 今回の懇談会では、販売目的、基本的な考え方などが含まれた素案が提示され、秋以降のJ―クレジット販売に向けた準備が進むこととなった。販売方針に関しては10月ごろに策定される。

 

道産建築材活用促進事業 11棟に補助

8月8日号

宿泊施設、貸別荘、コンビニ等

道単独事業の「道産建築材活用促進事業」は、道産木材を活用した民間の非住宅建築物に木工事費の2分の1以内で、上限300万円を補助する事業である。令和5年度事業で道は、宿泊施設、店舗など11棟の建築物を支援し、構造材、内外装材などの活用を促進した。
 令和5年度は、北斗市や小樽市、稚内市、新ひだか町などで建築された、カラマツ集成材を梁に使用したヴィラ型宿泊施設、トドマツ板材を内外装に使ったコンビニエンスストアなどの建築を支援した。

 

興部町、イオン環境財団、オホーツク中央森林組合 森林保全協定を締結

8月8日号

防風林を更新、保育

オホーツク管内興部町の森林を保全する協定を、公益財団法人イオン環境財団、興部町、オホーツク中央森林組合が7月30日締結した。
 ボランティア植樹や環境教育に取り組んでいるイオン環境財団と、フィールドを持つ興部町、造林事業を実施するオホーツク中央森林組合の3者が、道のほっかいどう企業の森林づくりの仕組みにより連携して森林整備を進める。

 

町有林クレジットで協定 安平町と株式会社ステラグリーン

8月8日号

胆振管内安平町と株式会社ステラーグリーン(東京都中央区)は「カーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」を7月31日締結した。
 株式会社ステラーグリーンは、ソフトバンク株式会社の子会社で、地方自治体向けサービスを提供するSBプレイヤーズ株式会社の100%子会社。今年5月に設立された。森林カーボンクレジットの創出支援・販売などを業務内容としており、地域と連携した事業では北海道の安平町が初めてとなる。

 

シカ誘引捕獲講習会 厚岸町で

8月1日号

50人が新手法を学ぶ

エゾシカ森林被害を防ごうと、くくりわなによる効率的な捕獲手法を学ぶ「小林式シカ誘引捕獲講習会」が7月9日、厚岸町内で開かれた。
 小林式シカ誘引捕獲法は、林野庁職員の小林正典さんが開発した。シカが餌を食べる時、口元近くに前足を置く習性、また、石や障害物をよけて歩く習性があることから考案した。
 設置する際に、わなを丸く囲むように小石を地面に埋め込む。この時、小石の頭が地面から飛び出すように埋め込み、足の置き場を気にするシカが、中心のわなを踏むようにする。最後に、小石を囲むように餌(乾草系ヘイキューブなど)を撒いて誘引する。
 講習会では、開発者の林野庁国有林野部経営企画課・小林正典さんを講師に招き、厚岸町役場で説明が行われたあと、道有林に移動して設置の実演が行われた。

 

当麻町森林組合がクリーンラーチ苗木

8月1日号

さし木増殖を農協に委託

当麻町森林組合 クリーンラーチ

当麻町森林組合は、クリーンラーチ苗の生産を、当麻農業協同組合と連携して取り組む。さし木技術による幼苗生産を農協が受け持ち、できた幼苗を森林組合の苗畑に移してコンテナ苗として育てる。今年約1万4000本の生産をめざし取り組んでいる。

 

道木連チップ委員会 原料集まらず価格高騰

7月25日号

在庫少なくチップ生産調整

道木連は木材チップ・山棒対策委員会を7月19日、札幌市の林業会館会議室で開催した。各地区のチップ工場、背板チップを供給する製材工場、地方木協、道、森林管理局など20人が出席し、道内林業の動向、原料材の需給など協議した。
 協議では、チップ工場が原料不足の状況を報告した。。
 また、製材需要低調で一般材の流通が悪いことから、山の伐採量が減り、パルプ材の流通量が減っているのではないかとの意見もあった。バイオマス発電所も原料事情から停止する施設や計画が進んでいない施設があり、採算が難しいのではないかとの意見があった。
 今後について、「チップ価格は若干上げてもらったが、原料価格に追いついていない。製紙関係を含め、値上げ要請が必要ではないか」「量的に集荷するのは難しく、システムや公売に依存すると平均価格が押し上げられる。生産しても原木代がでない。チップの値上げを引き続きお願いする必要がある」との意見が出た。

 

十勝指導林家協議会20周年

7月25日号

帯広市で記念式典、特別講演

十勝管内指導林家協議会は創立20周年記念式典と祝賀会を6月28日、ホテルグランテラス帯広で開催した。会員に加え、北海道指導林家連絡協議会、森林組合、林業グループ、青年林業士、道など合わせて45人が出席し、活動20年の節目を祝った。
 協議会は、平成16年6月、23人の指導林家により発足した。これまでに管内外での研修会、地域木工教室、市町村森林整備計画実行管理推進チームへの参加など、林業技術の普及啓発、林業後継者の育成指導に取り組んできた。式辞では、思いを新たにこれからも活動を続け、地域林業に貢献していく考えを示した。

 

機械下刈り現地検討会

7月25日号

下川町、道上川北部森林室、上川北部森林管理署

機械下刈検討会 下川町

下川町、道上川北部森林室、上川北部森林管理署は7月18日、下川町の町有林で令和6年度民有林における機械による下刈の現地検討会を開催した。大学、各市町、森林組合、生産協同組合、林業事業体など約150人が参加し、機械による下刈の実演などが行われた。
 今回の機械による下刈の実演には、agria9500および9600sが使用された。令和3年に植栽された4年生のカラマツ植栽箇所の列間をリモコンによる操作により刈り払う実演が行われた。機械は斜面に対して上下方向に登坂、下降し、苗が植えられた列間の草を刈り払った。その後、斜面に対して平行に草を刈る実演、参加者による操作体験が行われた。講習会に合わせ、国有林、道有林の機械下刈りについて説明が行われた。

 

サイプレス・スナダヤ 釧路進出で説明会

7月18日号

道木蓮主催、札幌で木材関係者60人

道木連は、サイプレス・スナダヤが釧路市に進出して行う製材・集成材事業の説明会を7月13日、札幌市内で開催した。来道したサイプレス・スナダヤが事業計画を説明した。全道各地から製材会社、造材会社、木材流通企業、山林経営会社など約60人が出席した。

 

北海道森林審議会で林政議論

7月18日号

釧路新工場 集荷販売先の分析進める

北海道森林審議会2024第1回

令和6年度第1回北海道森林審議会が7月9日、札幌市で開催された。林務政策の展開について、5年度の主な取り組み、森林づくり基本計画などの進捗などについて話し合われた。また、林地開発の許可等について報告を受けた。
 道から令和5年度の動向や令和6年度の林務政策の展開と主な取り組み、「北海道森林づくり基本計画」「道有林基本計画」の進捗について報告を受けた後、意見交換が行われた。

 

カラ製協 情報交換会 梱包パレット回復せず

7月18日号

製品の新たな展開探るべき

北海道カラマツ製材業協議会は第2回情報交換会を7月8日、札幌市の林業会館で開催した。会員企業と道森連、道林業木材課など26人が出席し、梱包・パレット材の需要動向、製材工場の現状など情報交換した。
 カラマツ製材の動向は、受注残はおおむね1〜2週間で、梱包材、パレット材の荷動きは回復していない。このまま需要が鈍る8月に入っていく。建築材市場は、プレカット工場が7〜8割の稼働と低調で、本州のスギ・ヒノキ集成材、欧州ラミナの集成材ともに販売は厳しい。

 

北の森づくり専門学院 札幌で出張オープンキャンパス

7月18日号

模擬授業、シミュレーター体験

北森出張オープンキャンパス2024札幌

北海道立北の森づくり専門学院は札幌市で出張オープンキャンパスを6月30日林業会館で行った。入学を希望者が参加し、学院での授業の様子、模擬授業および林業機械シミュレーター操作体験、個別相談を行った。
 学院の概要、カリキュラム、入試の説明、奨学金などの就学支援制度の説明が行われた後、模擬授業として森林・林業基礎講座が行われた。授業内では、世界の森林の現況などの基礎的な説明のほかに、伐倒の仕方や立木に見立てた木製の棒を使い、追い口や受け口などの役割を体感するための実験などが行われた。
 また、林業機械シミュレーター体験では、ハーベスタによる伐採体験を行い、参加者がシミュレーターを操作し、仮想空間上の立木の伐採を行った。
 そのほかにも、チェーンソーや、ヘルメット、防護服などが展示され、参加者が着用するなどの体験が行われた。
 参加者から、保護者から一人暮らしをしているの学生の生活の様子などの質問があった。
 北の森づくり専門学院や実習地で行われるオープンキャンパスは8月3日午前10時より開催される。

 

森林組合振興会が地域課題を審議

7月11日号

大規模工場が釧路進出
地元は不安/価値高めて供給を
低密度植栽は影響大きい


 森林組合振興会連絡協議会は全道14地区振興会が出席する連絡会議を6月27日、帯広市内のホテルで開催した。各地区が民有林振興に関する課題や要望事項を訴える中で、造林事業の低密度植栽の見直しを求める声、釧路市への大規模製材工場進出に関する意見が相次いだ。

 

道央地区未利用バイオマス供給協議会 今年度集荷3万t目指す

7月11日号

道央地区未利用バイオマス供給協議会2024

道央地区未利用バイオマス供給協議会は7月2日令和6年度通常総会を開催した。令和5年度の業務報告、6年度の事業計画など3件の議案が審議され、可決された。
 昨年8月から始まった原木の各発電所への斡旋販売量は今年3月までで原木約5800立方メートル、林地残材約5000tを販売した。
 令和6年度の事業計画として、原木販売1万2000立方メートル 、林地残材1万8000tの販売斡旋を計画している。

 

筑水キャニコム、小樽市で草刈り機実演会

7月11日号

林業事業体など90人参加

キャニコム草刈り機実演20240625

地拵え・下刈り用機械など開発するキャニコムは草刈機械実演会を6月25日、小樽市春香町のスキー場で開催し、乗用式・ラジコン式など数機種を実演した。林業事業体、森林組合、林業団体、道、森林管理局、試験研究機関など約90人が参加した。
 キャニコムは、乗用式で伐根も粉砕できる多目的造林機械や、ラジコン式の草刈り機械など販売している。今回は、来年の発売に向けテストを続けている傾斜地用に開発した草刈り機など次の5機種を実演した。

 

サイプレス・スナダヤ 道内最大級の製材工場 釧路へ進出

7月4日号

釧路に進出、原木消費36万立方メートル

株式会社サイプレス・スナダヤは、釧路市に国内最大級の製材・集成材工場を建設し、2027年から道産建築材の生産を開始すると7月1日発表した。今年10月に中部電力と合弁会社「株式会社釧路ウッドプロダクツ(仮称)」を設立し、来年5月に製造工場を着工する。
 釧路ウッドプロダクツ(仮称)は資本金12億5000万円の予定で、大林組の子会社であるサイプレス・スナダヤが80%、中部電力が20%出資する。代表者は砂田和之氏(現サイプレス・スナダヤ社長)が務める。
 日本製紙釧路工場の跡地19fに工場を建設。原木皮剥機、欧州製のチッパーキャンター付き自動製材機械、大型木材乾燥施設、集成材製造ライン、ペレット製造機械など導入する。工場機械設備の投資額は180億円規模になるとみられる。

 

苗木規格見直しアンケート調査

7月4日号

生産者 従来通り1号・2号相当を生産
需要者 価格がどうなるか心配

道林業用種苗需給連絡会議(事務局=道森林整備課)は、苗木生産の効率化に向け、裸苗の規格について1号、2号の区分を見直し新たな規格をつくる案を示している。この規格見直し案についてアンケート調査を3月から4月にかけて、森林組合、栄林会、種苗事業者、森林管理局、道有林(森林室)、森林整備センターなどを対象に実施した。得られた結果をまとめ、現在振興局ごとに開催されている意見交換会で示した。

≪詳細は民有林新聞7月4日号2面をご覧ください≫

 

トドマツ人工林材協議会 スギとの価格差に危機感

7月4日号

本州梱包材の需要減少
桟木比率が増加 新規参入も

トドマツ人工林材協議会が6月28日に札幌市の林業会館で行われ、道、製材企業など約10人が参加し、トドマツ羽柄材、建築材の動向について話し合った。

≪詳細は民有林新聞7月4日号3面をご覧ください≫

 

道議会一般質問 スナダヤの釧路進出に知事答弁

6月27日号

道産材の付加価値向上
地域の工場に影響与えないように

6月21日の第2回道議会一般質問で、道産建築材の供給力強化について取り上げられた。渡邊靖司議員(自民党・道民会議、札幌市東区選出)が大規模製材工場の進出計画への知事の受け止めと、今後の道産建築材の供給力強化について質問した。鈴木直道知事は、道産木材の供給力、付加価値向上につながる一方、地域の原木調達に影響を与えないように取り組む必要があると答弁した

 

森林山村多面的機能発揮対策交付金 62団体に交付

6月27日号

北海道森林・山村多面的機能発揮対策地域協議会は、6月17日、森林・山村多面的機能発揮対策交付金の採択団体を公表した。今年度は地域森林の笹刈り、作業道設置などを行う62団体が採択された。

 

林業・木材産業に関する連絡会議 国産材への転換、長期的に進む

6月27日号

本州スギ並の価格求められる

道林業木材課は北海道林業・木材産業に関する連絡会議を6月14日オンラインで行った。関係団体や企業など約30人が出席し、需給状況及び林業・木材産業を取り巻く情勢と課題について話し合った

≪詳細は民有林新聞6月27日号6面をご覧ください≫

 

苗木規格見直し 意見交換 空知管内

6月27日号

2号以上に統合、生産省力化

道林業用種苗需給連絡会議(事務局=道森林整備課)は、苗木規格の見直しに関する意見交換会を全道14振興局で開催している。苗畑の労働力不足に対応しつつ苗木を安定的に確保するため、1号、2号の苗木規格を統合する案について意見を交した。
 苗木生産の現場では、掘り取りや選苗に時間がかかっており、作業全体が遅れ、優良苗木の安定供給に支障が出ることが懸念されている。特に根元径を1o単位、苗長を1p単位で測定することに時間がかかっている。道は生産を効率化するため、裸苗の規格について1号、2号の区分をなくして2号以上に統合し、次の規格とする案を示している。

≪詳細は民有林新聞6月27日号7面をご覧ください≫

 

道補正予算 議会に提案

6月27日号

緊急治山2億6千万円

道は補正予算について6月11日道議会に提案した。林務関係では、羅臼町の雪崩災害のの再発防止のための予防柵を設置する緊急治山工事1カ所、事業費2億5774万円を計上した。

 

ウッドショック後の需給動向 森林管理局 吉村局長に聞く

6月20日号

リスク少ない国産材を供給

吉村局長

ウッドショックが過ぎ去り、木材需要の低迷が続いている。一方でトドマツ2×4部材の需要や釧路市への大規模集成材工場立地の動きなど変化も見られる。北海道森林管理局の??村洋局長に、道産材に大規模な需要は出てくるのか、また原木生産供給体制など林業の課題、国有林の取り組み方向など聞いた。

≪詳細は民有林新聞6月20日号1面、27日号2面をご覧ください≫

 

低密度植栽へ検討会議 空知管内

6月20日号

獣害で本数減、出材量不安

造林保育の労働力不足などに対応するため、道振興局は「低密度植栽の定着に向けた検討会議」を6月から各地で開いている。6月10日には、空知総合振興局が全道に先駆けて開催し、森林組合、栄林会、市町村、道森林整備課、振興局など約50人が出席した。
 ゼロカーボン北海道の実現や森林の若返りを図るため、道は植林を一層進める方針を示している。北海道森林づくり基本計画に掲げる目標値は、一般民有林の植栽面積を令和13年度までに1万fにする。しかし、令和4年度の実績は約7200fにとどまっている。
 こうした中、造林保育の従事者は10年間で2割減の約1500人と少なくなっており、新規就業者はなかなか入らない。また諸経費高騰で造林コストは上昇している。このため、省力化や低コスト化を進めることが必要となっており、道は「低密度モデル植栽」の実施を森林組合や栄林会に働きかけている。

≪詳細は民有林新聞6月20日号2面をご覧ください≫

 

原木消費最大36万立方メートル規模 サイプレス・スナダヤ 釧路業界に説明

6月20日号

釧路市に大規模製材・集成材工場の進出可能性を検討している株式会社サイプレス・スナダヤの砂田和之社長が釧路市を訪れ、6月12日、地域の林業・木材関係者に事業内容を説明した。
 同社の砂田社長が釧路市を訪れるのに合わせ、釧路地方林業会が主催して業界への説明会を開いた。地域の製材会社、造材会社、造林会社、森林組合、釧路市役所など約30人が出席した。
 

≪詳細は民有林新聞6月20日号3面をご覧ください≫

 

森林・技術支援センター 構造、内外装に道産材

6月20日号

森林・技術支援センター

北海道森林管理局森林技術・支援センターおよび上川北部森林管理署士別森林事務所合同新庁舎が令和6年2月に竣工した。木造平屋建て、延べ面積は357uで構造材に約93@の木材が使用されるなど、内装、外装材も含め建物には多くの木材が使用されている。
 旧庁舎は旧士別営林署として建てられ、築71年を経過していることから、建て替えが行われた。特徴としては、段差をなくすなどのバリアフリー化、景観に配慮した外壁、雪庇の外壁に与える影響を防ぐために屋根を張り出していること、外壁や建具に木材を使用していることがある。
 道道に面した側などの壁面の一部には、カラマツ、トドマツ、エゾマツが使用された板張の壁となっており、道路からも木材の利用が見ることができるようになっている
。  玄関から中に入ると、内装にはトドマツが使用されたホールがあり、暖房としてペレットストーブが設置されている。支援センターの執務室の引き戸はトドマツ製となっている。また、ホールの天井にはカラマツCLTのルーバーが使用されている。執務室に入ると、打ち合わせスペースのパーテーションにもカラマツCLTが使用されている。床のフローリングには道産ナラが使用されている。隣接する会議室も同様にトドマツの羽目板が内装に使用されている。

 

山地災害防止パネル展

6月20日号

復旧・治山事業の紹介も

山地災害防止パネル展

道治山課および石狩振興局林務課は「山地災害防止キャンペーン写真パネル展」を6月10日、11日に道庁の1階道政広報コーナーで行った。
 道内における大雨などによる山地災害や土砂崩れからの復旧や防風、防砂などのための植栽などの治山事業を紹介したパネル展示やパンフレットの配布、地滑り模型の展示、実演などが行われた。今年度は、治山工事におけるICT活用の紹介パネル、地山の崩壊を防ぐ役割を安定板とともに果たすアンカーの展示も行われた。

 

道森連 木材販売84万立方メートル

6月13日号

梱包材、合板原木の需要伸びず

道森連総会令和6年度

北海道森林組合連合会は通常総会を6月6日札幌市で開催し、令和5年度事業実績を報告した。総取扱高である事業総収益は約125億8600万円、経常利益約6700万円を計上した。このうち木材販売額は約105億8600万円、木材需要の低迷を受け、過去最高だった前年度を下回った。  道森連の主要事業は、指導、販売、森林整備などの部門からなる。このうち収益の根幹をなす販売部門の木材総取扱量は約84万5000立方メートル、取扱金額は約105億8600万円となった。梱包材・ラミナ・合板需要が低調だったことから、取扱量で8万5000立方メートルの減(9%減)、取扱金額で約15億6000万円の減(13%減)となったが、3年連続で100億円台の取扱金額を確保した。  令和5年度は、不安定な世界情勢に加え、諸資材やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇、住宅着工数の減少が続いた。輸出の伸び悩み、国内消費の低迷もあり、木材需要が伸びず苦しい1年だった。  こうした中、道森連の販売部門では、素材は製材原木を中心に針葉樹だけでなく広葉樹も供給した。また、梱包材は製造コストが上昇する中、価格を維持しながら製品供給に取り組んだ。新たな市場として高層建築物用の高強度ラミナの供給など進めた。 

 

ヒグマに襲われ重傷 道職員が雨竜町で

6月13日号

治山調査中

6月3日午後3時20分ごろ、空知総合振興局林務課職員が雨竜町の依頼により一般民有林の斜面崩壊の現場の治山工事の調査をしていた際に、熊に襲われた。職員はクマスプレー、熊鈴を携行していたが襲われ、左肩と背中を負傷した。
空知振興局林務課によると、現場は水田近くの山林で、下には川が流れている。職員は作業終了後、同行していた職員4人より先に斜面から出たところ、後方の笹から音がするため、同僚の職員かと確認すると、熊に出会った。職員が動揺して逃げたところ、熊に追いかけられ、もみ合いになり、しばらくすると熊が離れていった。
 同僚の職員は、1人が10m程度、そのほかの3人は50mほど離れた場所におり、職員が襲われた現場を見ていなかった。
 道では、山林内で業務を行う職員及び林業従事者に対して注意喚起文書とヒグマ注意報を発出し、雨竜町は防災無線等で注意喚起を実施している。

 

売り上げが林業に還元される仕組みを 道有林クレジット販売方法に関する有識者懇談会

6月13日号

道有林クレジット販売方法に関する有識者会議

道有林課は道有林クレジットの販売方法に関する有識者懇談会(を6月6日札幌市のプレスト1・7で開催した。自治体、森林所有者の代表として道森連、栄林会、その他に金融機関、J―クレジット販売仲介業者などが出席し、今後の販売方針について議論を行った。  当会議では、今年度から創出される道有林人工林の森林由来クレジット(上川北部、網走西部管理区、8年間で合計58万t)の販売手法の素案作成のための議論が行われた。販売手法として、相対取引や入札、市場取引などの販売方法、道内事業者向け販売枠の要否、大口所有者割引などの議論、市町村等への販売手法等の情報発信、購入者の社会評価向上等の認知の取り組みについて議論された。  販売者側である金融機関、仲介業者からは道内および全国のJ―クレジットの購入者の動向として、次のような情報提供および意見があった。

≪詳細は民有林新聞6月13日号3面をご覧ください≫

 

高性能林業機械シミュレーター大会 北の森づくり専門学院

6月13日号

北の森づくり専門学院生徒8人参加
リベリア林業専門学校(フィンランド)と対戦

道立北の森づくり専門学院とリベリア林業専門学校は、生徒、教員の交流を図るために高性能林業機械シミュレーター競技大会を5月30日に行い、ハーベスタ部門(8人)、フォワーダ部門(8人)、1校8人ずつの合計16人の2年生生徒がお互いの腕を競い合った。
 リベリア林業専門学校が作成した競技大会用の仮想上の現場で、生徒たちはキャビンからの視点で実際の現場と同様に、オンライン上で腕を競い合った。最初に現場を確認するための林分把握の時間が5分、伐採や集材を行う競技の時間が30分行われ、伐採したり、集荷したりする材を傷つけたりした場合は減点となるため、注視しながら多くの材を伐採したり、集材したりできるかの腕を競い合った。
 競技結果は、北の森づくり専門学院の生徒たちは、平均点は昨年より両部門とも上昇し、特にフォワーダ部門においては全員が過去最高点を更新したものの、リベリア林業専門学校の生徒が過去最高の全生徒90点台の成績となるなどレベルの高い結果となったことから、3位以内の入賞者はいなかった。
 今回参加した選手のうち5人は、6月9日から17日まで行われるフィンランド研修にも参加し、知識、交流を深める。

 

浜のかあさん植樹祭 湧別町で

6月13日号

6月7日湧別町計呂地円山で浜のかあさん植樹祭が行われ、103人がヤチダモ1000本を約0.5haの町有地に植樹した。
 この取り組みはサロマ湖やオホーツク海の豊かな水を守るために湧別町漁協の女性部が中心となり、漁協および青年部、漁業士会、関連団体の協力により昭和63年の開催から36年にわたり植樹活動が行われ、これまで、約18fの植樹が行われている。
 参加者は晴天の中、近隣の苗畑業者で生産されたヤチダモの苗木を植樹した。母親たちが育樹した苗の保育作業の下刈りは、今後息子たちの手で行われる。

 

緑化功労者表彰感謝状贈呈

6月13日号

深川市在住の山崎繁指導林家が令和5年度緑化功労者表彰において林野庁長官賞を受賞したことから、5月29日深川市役所で感謝状贈呈式が行われた。田中昌幸深川市長、竹林均北空知森林組合組合長臨席のもと、鈴木健一空知総合振興局長より感謝状と銀盃が贈呈された。

 

道木材産業協同組合連合会が総会

6月6日号

トドマツ建築材利用を拡大 
国有林材受託販売24万立方メートルに 

道木連総会令和6年度

北海道木材産業協同組合連合会は第74回通常総会を5月23日、札幌ガーデンパレスで開催し、令和6年度事業を決定した。
 道木連の5年度事業では、建築物への道産材利用を働きかけた。特に札幌市の小学校、日高町門別の競争馬の厩舎、千歳市のラピダスの建設などに積極活用を要請した。
 また、道の道産建築材活用促進事業を実施し、非住宅建築の木工事費用分を助成するとともに、国のJAS構造材実証支援事業により、品質の確かなJAS構造材の活用を助成した。
 ウッドショックから一転して不振となった製材販売対策では針葉樹対策委員会を開催。バイオマス需要と競合し原料材が高騰しているパルプ・チップ対策では木材チップ・山棒対策委員会を開催し対応した。
 供給が増加している国有林素材の受託販売事業では、札幌・旭川・道南地区の合計で約24万3000立方メートル(前年度比40%増)を扱った。
 引き続き令和6年度事業では、課題となっているトドマツの建築材利用拡大に向けて、林産試験場と連携して、トドマツ材の節・アテと製品の質の関係について調査し、原木の選木・木取り・乾燥に関する手引書を作成する。
 さらに、公共建築物等の木造化を進めるため、森林管理局・道庁と連携し、道産木材利用促進キャラバンとしてPR事業を行う。また、HOKKAIDO WOODマークを普及するとともに、道外、海外への道産木材製品の認知度を高める。
 国有林素材の受託販売事業では、地方木材協会と連携し円滑な実施に努める。

 

十勝広域森林組合総代会

6月6日号

事業総収入27億4千万、4%減 

十勝広域森林組合通常総会令和6年度

十勝広域森林組合(広瀬重雄組合長)は5月29日、通常総代会を中札内村で開催し、事業総収入約27億4000万円にのぼる事業実績を報告した。
 十勝広域森林組合の部門別の事業実績は、チップ・製材などの加工部門が約17億2000万円(前年度比約2億4000万円減)、販売部門が約4億2000万円(約250万円増)、森林整備が約6億円(約1億2000万円増)など。このうち、製材はカラマツ梱包材、パレット材、ラミナなど約2万3000立方メートルを生産、チップは約8万6000立方メートルを生産した。
 令和6年度事業では、最新鋭の池田第二工場をメーンに、芽室工場、池田第一工場ともに各工場の特性を活かした製材生産を行い、歩留まり向上と販路拡大をめざす。担い手不足の問題に対しては魅力とやりがいのある職場づくりに努める。  

 

クリーンラーチの森植樹祭 釧路総合振興局・釧路市

6月6日号

50ha造成を目指す

釧路総合振興局と釧路市は、5月21日標茶町の釧路市有林でクリーンラーチの森植樹祭を開催した。道議会議員、市議会議員、標茶町および森林組合、関係企業など約30人が出席し、植樹を行った。
 

 

ナラ枯れ対策 被害木の処理完了

6月6日号

道森林整備課

道森林整備課は、ナラ枯れ被害を受けた松前町、福島町の被害木の燻蒸処理について、5月20日にすべての被害木に対して処置が完了したことを明らかにした。
 伐倒され、薬剤を散布後シートで覆われた被害木の燻蒸処理は、今後2週間以上行われる。
 今年度も生息調査及び航空機等による上空からの調査が行われる。  

 

下川産トドマツのウクレレ 町に寄贈

6月6日号

小中学生が演奏体験

下川産トドマツでウクレレを製造・販売する株式会社クワイアン(札幌市南区澄川)は、下川町にウクレレ3本を寄贈した。5月16日、下川小学校で寄贈式が行われた。
 潟Nワイアンは、下川産トドマツなど道産木材を使ってウクレレを製作しており、売り上げの一部を町の森づくり基金に毎年寄付している。この日は、ボディーにトドマツを使ったウクレレ3本を寄贈した。寄贈後は、指導のもとウクレレの演奏を体験した。    

 

滝上産材で診療所建築

6月6日号

カラマツ集成材、トドマツ製材 340立方メートル
地元事業体が生産、森林認証材を使用

林業と農業の町、オホーツク管内滝上町は国民健康保険診療所を木造で建て替える。4月8日には地鎮祭を執り行い着工した。豊富な森林資源を地域で加工して、構造材・下地材に使用する。
 滝上町国民健康保険診療所は内科・外科・整形外科の診療科を持ち、一般病床19床。老朽化が進んだ建物を現在の駐車場がある場所に建て替える。木造2階建て、延べ床面積約2300平方メートル。建築工事費は約16億5000万円で、令和7年5月末に完成させ、6月の利用開始をめざす。
 町は、2050年ゼロカーボンシティを宣言しており、これにふさわしい環境にやさしい建物とする。このため、構造材と下地材に、地元産の木材を使用することにした。
 カラマツ小・中断面集成材、大断面集成材を240立方メートル、また、トドマツ製材を100立方メートル使う計画である。原木は滝上町有林材を中心に地元造材事業者が伐り出し、地元にある2製材工場が加工する。カラマツ集成材はオホーツク管内にある2つの集成材工場にラミナを送って製造する。
   

 

農林水産業の学生サークル

6月6日号

酪農、林業体験で地域盛り上げる

北海道大学や酪農学園大学にある農林水産業の活動を行う8サークル(会員400人)は、昨年12月に「一次産業学生連盟」を創った。活動の場を広げ、地方の一次産業を盛り上げたいとPRしている。
 一次産業先進地である北海道だからできる貴重な経験として、学生が地方を訪問し、夏休みの酪農体験、週末の農作業支援、漁への同行、商品販売など行うサークルが生まれている。
 このうち森林研究会の活動例では、胆振管内厚真町を訪問し、植林体験、馬搬作業の見学、製材工場の見学などを通じて、森林・林業の魅力を感じ、森林と社会のあり方を考えている。
 一次産業学生連盟は、道内市町村との連携を希望している。都市と地方の交流を通じた関係人口の創出、ブランド品の開発、地域活性化につながればとしている。活動の一端はインスタグラムでも紹介している。  

 

北海道植樹祭 苫小牧市で

5月23日号

540人参加し森づくり

北海道植樹祭

北海道植樹祭が苫小牧市苫東・和みの森で5月19日開催された。全道各地から約540人が参加し、アカエゾマツ、トドマツなどを合計1750本植樹が行われた。主催は道、道森林管理局、苫小牧市、北海道森と緑の会。
 開会式典の後、植樹会場で、市民や森林活動に取り組む企業の職員など参加者が、指導の下、スコップで植穴を掘り、アカエゾマツ、トドマツ、ナナカマド、ミズナラ、エゾヤマザクラ、ハルニレ、ヤチダモ合計1750本を植えた。
 このほか、式典会場では、木工体験、森の香り体験、林業大学校紹介などが行われた。  

 

製材工場動態 原木消費、製品生産が低調

5月16日号

原木消費量エゾ・トド70万立方メートル カラマツ58万立方メートル

道林業木材課の製材工場動態調査によると、令和5年度のカラマツ製材の原木消費量は、合計約58万4000立方メートルで前年度から約9万立方メートル減少した。エゾ・トド製材の原木消費量は、約70万立方メートルで前年度から約7万5000立方メートル減少した。特にカラマツは、ウッドショックで需要が高まった2年前に比べると18万立方メートルの大幅減となっている。
 令和5年度の製材需要は、住宅着工が不振で道産建築材の荷動きが落ち着いた。本州に移出される梱包材、パレット材も輸出関係が悪化、国内景気も低調で物流が停滞した。このため、建築材の価格は弱くなり、ラミナ価格も大幅値下げ、製材工場の受注残は1週間程度となり土曜の操業を休む工場もあった。   

 

木育フェスタ開会式 緑の少年団など250人参加

5月16日号

素晴らしい森と緑を未来へ

木育フェスタ開会式

北海道の森づくりイベントの開始を告げる「北海道・木育フェスタ2024開会式」が、北海道植樹の日の5月11日、道庁1階ロビーで開催された。道、道森林管理局、道森と緑の会が主催し、緑の募金活動協力者など約250人が参加した。
 開会式の後、緑の少年団、森林ボランティア団体などの協力者が出発し、札幌駅から札幌大通周辺で街頭募金活動を行った。土曜日の札幌市中心部を行き交う多くの人に募金を呼びかけた。
 今年の主な森づくりイベントは、5月19日に北海道植樹祭が苫小牧市で、10月上旬に道民森づくりの集いが札幌市で開かれる。    

 

市有林のカバ類、内装材に使用 深川市役所新庁舎

5月16日号

休憩スペースに道産材家具

深川市役所新庁舎

昨年10月から使用が開始されている深川市庁舎の内装には、市有林から産出された市の木であるシラカンバなどのカバ類などが使用され、議場の演壇に道産タモが使用されている。また、1階の多目的スペースやラウンジにも使用されており、地域材の活用が住民にわかりやすく示されている。
 1階の正面玄関から入った先にある多目的スペースには、深川市産のシラカンバが使用された特産品の展示スペースがあり、天井ルーパーにもシラカンバ集成材が使用されており、来訪者が市役所に入ったときに市産材が目に付くようになっている。また、多目的スペースで使用されている椅子には道産タモが使用されており、来訪者が待ち合わせなどを行う際に活用できるようになっている。
 その他、執務スペースにも、市産材が使用されている。
 3階の大会議室には市有林から産出されたカバ類の単板や、集成材が内装に使用されており、4階の市議会の議事堂にも同様に集成材や単板が使用されている。集成材は下川町(下川フォレストファミリー)で、単板は千歳市(北海道北三梶jの工場で加工され、内装材として使用されている。
 また、4階の市民ラウンジには、1階の多目的スペースと同様道産タモの椅子、机が置かれている。
 市有林から産出されたシラカンバなどを使用した内装が、市民が親しみやすい庁舎の演出に貢献している。  

 

道産材に新規需要 森林総研 嶋瀬拓也地域研究監に聞く

5月9日号

2×4材や集成材事業化
羽柄材も重要、利益を確保

 ウッドショックが過ぎ去り、需要が低調な道産材に新たな建築材需要の話が浮上している。課題とされていたトドマツ住宅部材の需要や大規模集成材工場立地の動きである。林業・木材産業の動向を研究している森林総合研究所北海道支所の嶋瀬拓也地域研究監に、道産材需要を巡る変化をどう見るべきなのか聞いた。嶋瀬氏は、国産材シフトの潮流、道産材利用拡大の展望について次のように語った。  

≪詳細は民有林新聞5月9日号1面・2面をご覧ください≫

 

造林機械の導入・レンタル 道が公開

5月9日号

利用可能な機種一覧

造林・保育作業の効率化を進めている道森林整備課は、造林・保育作業で利用可能な機械の情報を一覧表にまとめ、このほどホームページで公開した。
 日本建設機械レンタル協会の協力を得て、造林・保育作業で利用可能な機械のレンタル情報を表にまとめた。また、機械メーカーからの情報を元に、国内で入手可能な造林・保育機械の一覧表を作り公開した。機械の写真、サイズ、性能、販売価格、貸出用デモ機の有無、連絡先など記している。
 紹介している機械は、○苗木運搬用のクローラー型運搬車○自走式草刈り機(搭乗式・ラジコン式)○建機アタッチメント式草刈り機○ササや樹木を破砕するマルチャー○伐根を掘り起こすリッパーなど。このうち入手可能な自走式草刈り機としては、日本、ドイツ、チェコ、イタリア製など32台を紹介している。
 道森林整備課は、レンタルやデモ機の仕組みを活用し、地域に適した機械化を検討していただきたいとしている。一覧表は、道森林整備課〈造林作業の効率化の促進〉のページに掲載している。    

 

釧路森林資源活用会議 今年度 クリーンラーチ植栽など実施

5月9日号

4月26日総会実施

丸善木材鰍竍竃k都などが参加し、釧路市有林などの釧路市内の森林資源の活用を検討するために、素材生産者、製材業者、家具生産者などの関係者が参画する釧路森林資源活用円卓会議は4月26日総会を開催した。令和5年度の事業報告及び令和6年度の活動計画案が報告された。
 令和5年度の事業として、素材生産においては担い手対策として、森林資源蓄積量の把握や測量への活用に向けた無人航空機の利用研修会の実施や、一般向け、高校生向け就職説明会の参加を行った。また、木材利用の拡大に向けて、木造建築物構造設計セミナーや、公共施設の木質化、木工製品の商品企画の研究、木育活動、道外向けプロモーションなどを行った。
 令和6年度の事業としては、一般への木材利用への理解を深めるためのイベント実施や令和5年度植栽したコンテナ苗・クリーンラーチ植栽地の経過観察およびクリーンラーチの森造成のための植栽などを行う。  

 

カラ製協情報交換 製材受注1〜2週間

5月2日号

輸入材減少、道産建築材に注文

北海道カラマツ製材業協議会(松永秀司会長)は第1回情報交換会を4月25日、札幌市の林業会館で開催した。会員企業と道森連、道林業木材課など約30人が出席し、梱包材やラミナの需要動向を情報交換した。
 梱包材のオーダー、レンタルパレットの大型発注は少ない。製材工場の生産量は、2月統計までの令和5年度累計でカラマツ製材が前年度比84%、エゾ・トド製材が87%となっている。生産コストが上昇する中、物流2024年問題に対応し製材品の運賃値上げに取り組んでいる  

 

道森林整備課 ナラ枯れ駆除研修実施

5月2日号

薬剤メーカーを講師に松前、福島で燻蒸処理実演

ナラ枯れ駆除講習会

道森林整備課は4月23日松前町で、24日福島町でナラ枯れ被害木駆除研修を行った。
 23日に行われた講習会では、薬剤メーカーのサンケイ化学鰍講師に迎え、前半は松前町民総合センターでナラ枯れのメカニズム、燻蒸処理の方法、薬剤を使用した予防についての講義が行われた。燻蒸の際の注意点として、薬剤の被害木への浸透を高めるため、10度以下の低温下では行わないこと、カシノナガキクイムシが羽化し脱出する前の5月下旬までに作業を完了する必要があることなどが説明された。
 後半では、松前町有林内で、伐倒した被害木の燻蒸研修が行われた。
 事前に伐倒した被害木に薬剤が浸透するように切り込みを入れ、つなぎ目のない生分解性シートで被害木を覆い、薬剤を被害木にかけ、地面から薬剤の蒸気が漏れださないよう土をかぶせ、2週間以上の燻蒸を行う様子が実演された。また、伐根に関しても同様に燻蒸処理の実演が行われた。
 24日には福島町で立木状態での燻蒸の研修が行われた。立ち木での燻蒸では、薬剤注入用の穴を10〜20p間隔で千鳥格子状に開け、その穴に薬剤を注入する作業が実演された。
 昨年9月・10月に発見された枯損木15本に関して、被害木の燻蒸処理に関しては今後5月末までに完了予定としている。  

 

造林の労働力年々減少

4月25日号

高齢で退職 若者補充できず 
各地の森林組合に聞く

春を迎え民有林の造林事業が本格化している。森林の循環を支える造林・保育作業の労働力は確保できているのか。各地の森林組合に今年度の労務手配の状況、今後の展望を聞いた。
 オホーツク管内の森林組合に聞いたところ、事業者を何とか見つけて森林整備は計画どおり進められるとのことだった。しかし、組合製材工場の工員はこの2月に2人採用できたが数日〜10日で辞めてしまった。組合職員では、10年ぶりに地元の高校から1人採用できた。中学の時に木育で枝打ちを体験したことが林業への志望動機だったという。

≪詳細は民有林新聞4月25日号1面をご覧ください≫

 

森林管理局6年度事業 素材生産増96万立方メートル

4月18日号

国有林説明会

道森林管理局は、令和6年度の重点取り組み事項を4月10日記者発表した。生産性向上と軽労化を図る「新しい林業」、建築材拡大に向けた道産材の安定供給などに取り組む。国有林材の販売量は立木約99万立方メートルで前年並み、製品(素材)は8%増となる約96万立方メートルを計画している。
 記者発表では次の重点8項目を担当部長が説明した。

□重視すべき機能に応じた森林の整備と保全
 □安全・安心な暮らしの確保
 □「新しい林業」の推進
 □安定供給等による道産材の需要拡大
 □広葉樹資源の安定供給体制の構築
 □地域への貢献
 □森林病虫獣害への対策
 □アイヌ文化の振興


 

□主な事業量
 《木材供給量》
 立木販売99万2000立方メートル、前年度比101%
 製品販売(素材)96万3000立方メートル、同108%(約7万立方メートル増)
 

 

道苗組総会 山行苗木1750万本取り扱い 

4月18日号

道苗組総会

北海道山林種苗協同組合は、令和6年度通常総会を4月8日、札幌グランドホテルで開催した。令和5年度事業報告及び6年度事業計画など11議案を決定した。 
 令和6年度事業計画では、クリーンラーチの増産対策や、コンテナ苗生産体制の整備などの取り組み、担い手不足対策への支援、主要除草剤製造中止に伴う代替除草剤開発に関し農薬登録試験を実施する。
 造林用山行苗木取扱事業ではカラマツ、トドマツ、スギ25万本など合計で1750万本の取扱を予定している。うちコンテナ苗木は250万本取扱を予定している。このほか購買事業、種子取扱、組合員への施設整備支援などを行う。
 また、北海道で全苗連生産者の集いが9年ぶりに行われる。9月4日に札幌市で集いおよび情報交換会、9月5日に美瑛町で現地研修会を開催する予定。

 

能登半島地震復旧へ職員1人派遣 北海道森林管理局

4月18日号

能登半島地震によって発生した能登半島における山地災害の復旧に向け、近畿中国森林管理局は奥能登地区山地災害復旧対策室を設置した。北海道森林管理局根釧西部森林管理署より職員1人が派遣され、民有林における国の直轄による治山事業の実施に向けた現地調査などの支援を行う。期間は1年を予定しているが、復旧状況によって変更される。

 

道林業木材課 外国人実習生の状況調査

4月11日号

10製材工場が38人受け入れ

道水産林務部は、「道内製材工場における外国人技能実習生受け入れ状況調査」を令和6年2月に実施した。道内の製材工場が外国人技能実習生を受け入れ始めていることから、実態を把握するため実施した。製材工場動態調査の対象129工場に実施し、109工場から回答があった。令和5年度は10工場で計38人を受け入れていた。
 調査では、製材工場を稼働させる上で工員数に不足感があるか聞いた。不足しているが63工場、不足していないが46工場で、不足する工場が58%と多くを占めた。
 これまでに外国人技能実習生を受け入れたことがある工場は11工場だった。このうち、令和5年度は10工場が計38人の実習生を受け入れた。1工場当たりでは平均3・8人となる。実習生の出身国はインドネシアが最も多く28人、モンゴルが4人、カンボジアが4人、中国が2人だった。受け入れは平成28年から行った工場が多かった。最も古くは平成20年から、最近では令和5年から受け入れた企業もあった。

 

クリーンラーチの森80ha造成へ 釧路市と釧路総合振興局が協定

4月11日号

釧路総合振興局と釧路市は、クリーンラーチの森造成に関する10年間の協定を締結した。
 釧路市は、標茶町の釧路湿原近くにある市有林約50haが伐期を迎えていることから、10年以上かけて皆伐する計画を立てている。伐採跡地にはカラマツを植える予定だが、野ねずみやシカ被害が心配される。また、塘路湖、シラルトロ湖など素晴らしい自然があり、早期に成林させ環境を守る必要がある。
 こうした森林造成の課題を釧路総合振興局に相談したところ、振興局は野ねずみの食害を受けづらく、成長速度が速く、炭素固定能力に優れたクリーンラーチの植栽を提案した。道としても、環境に配慮した植栽計画を踏まえ、毎年1万本のクリーンラーチ苗木の配分を決定した。
 締結した「クリーンラーチの森造成事業に関する協定」に基づき、今後10年間、5fずつ植栽し、合計50fの森を造成する。

 

西紋地区木材産業懇談会 林業人口減少に危機感

4月11日号

今の傾向続くと2050年には紋別市の林業従事者35人に激減

西紋地区林業・木材産業に関する懇談会は、3月21日、情報交換と講話会をオホーツクパレス紋別で開催した。林業労働力の確保が課題となる中、造材会社、森林組合、製材工場、市町村、振興局など26人が出席して、将来の林業人口や産業構造について講話を聴いた。
 

 

私有林整備の要否判定 札幌市

4月11日号

針広混交林化に向け

札幌市は2月7日に行われた札幌市経営管理実施権の設定を受ける民間事業者の選定委員会の会議録を公開した。
 札幌市内には、間伐遅れなどの適切な森林整備がされていない推定6000筆の私有林の森林が存在する。それら森林の公益的機能を発揮するために、森林経営管理権制度を活用し、針広混交林化を進めている。その中で、森林整備を行わずに針広混交林化可能と考えられる森林を「経過観察林」として、森林経営管理権制度の対象外とする一方で、整備の必要性がある森林は、森林経営管理制度に基づく整備の対象とするとしている。
 針広混交林化のために森林整備が必要かの判定を管理署、道普及職員、森林組合、指導林家、市職員合計15人による目視により昨年10月に5カ所で行い、うち1カ所について森林整備が必要と判断された。その森林について所有者の合意が取れたことから、森林経営管理権集積計画が策定され、今年度間伐を計画している。
 令和6年度についても現地判定調査の実施を予定しており、今後データが蓄積された後は、疎密度や針葉樹と広葉樹の比率などの数値から回帰分析を行うことで、客観的な検討が可能かを検討するとしている。
 

 

北の森づくり学院 生徒の就職意識

4月11日号

勤務地、人間関係、給与で選ぶ 機械オペレーター希望

北海道立北の森づくり専門学院は3月12日に行われた定着率向上セミナーにおいて、「令和5年度の企業の求人および生徒の内定状況について」を公表した、
 これは、学院が行った職業紹介の結果および、生徒への調査により、就職先に対して求めるものを明らかにし、企業と生徒のマッチングの推進を進めるためにまとめられており、企業側の求人および生徒が求める給与、休日、就職先を選んだきっかけ等に関し、取りまとめを行った。  

 

北の森づくり学院 生徒の就職意識

4月11日号

勤務地、人間関係、給与で選ぶ 機械オペレーター希望

北海道立北の森づくり専門学院は3月12日に行われた定着率向上セミナーにおいて、「令和5年度の企業の求人および生徒の内定状況について」を公表した、
 これは、学院が行った職業紹介の結果および、生徒への調査により、就職先に対して求めるものを明らかにし、企業と生徒のマッチングの推進を進めるためにまとめられており、企業側の求人および生徒が求める給与、休日、就職先を選んだきっかけ等に関し、取りまとめを行った。  

 

釧路木づなプロジェクト カラマツ記載台、ベンチ市役所に

4月11日号

丸善木材や大澤木材などが参画する釧路森林資源活用円卓会議が地域材の利用拡大を進めるために行っているくしろ木づなプロジェクトは釧路市役所の1階および市政情報コーナーに釧路産カラマツを活用した製品を導入した。
 住民票などの発行申請用紙を記載する記載台や利用者が待つ際に使うためのベンチ、市政情報コーナー内のパンフレットなどを置く書類棚や机、椅子を森林環境譲与税を活用し木質化した。
 今回の木製品導入に関しては、地元の企業が、木材供給、デザイン、製作を行った。6年度も、本庁窓口のカウンター類や、昇雲台斎場における椅子、テーブルの地域材を活用した木質化を行う予定としている。
   

 

農中森力基金助成事業 全国7件選定 北海道から苫小牧広域森林組合

4月11日号

ICTを活用した被災森林復興モデル

農林中央金庫は3月18日「農中森力(もりぢから)基金」の第10回助成事業を決定した。7件の助成事業のうち、北海道からは苫小牧広域森林組合が申請した「ICTを活用した被災森林復興〜スマート林業Atsumaモデルの構築」を選定した。
 公益信託農林中金森林再生基金(通称、農中森力基金)では、荒廃した民有林の再生事業について、特に地域の模範となり、高い波及効果が見込まれる事業や先進性のある事業を支援する。今回、全国15件の応募の中から7件を選定し、合計1億6400万円の助成を決定した。
 選定した事業は、松くい虫被害地の森林機能の再生(岩手県)、山林火災からの速やかな森林再生(福島県)、クヌギ林・クリ林育成による広葉樹林のモデル構築(大阪府)など地域特有の課題を解決するもの。北海道からは、苫小牧広域森林組合(小坂利政組合長)が実施する地震被災森林の再生に向けた先進的な取り組みが選定された。ドローンレーザー測量などICTを活用した調査分析、効果的に復旧事業を進めるシステムなど検討する。

□事業の概要
 「ICTを活用した被災森林復興〜スマート林業Atsumaモデルの構築」苫小牧広域森林組合、事業実施面積17ha

 平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震により、厚真町では民有林3236haが被災したが、その森林の復旧再生は未だ5%以下に留まっており、被災森林の荒廃が進行している。震災復旧事業の実施可否を判断するには、境界測量等の現地調査により作業区域を明確化する必要があるものの、それには多くの時間と労力を要する。
 本事業では、ドローンレーザー等のICTを活用し、被災森林の早期再生に向けた効果的な施業計画を新たに作成し、森林再生事業のモデルを構築する。

 □申請の背景等  震災から5年が経過する中で、木材の腐朽が一層進行し、利用可能な被害木の減少と価値の低下により、森林所有者の負担や土砂災害の危険性が増加するなど、再生に至るハードルは高まりつつある。このため、ドローンレーザー計測等の調査分析により、傾斜や土壌条件に応じ、施業優先度と復旧手法についてゾーニングし、効率的な施業ができる路網を検討してハード事業を進める。
 併せて、関係機関が個別に実施している復旧事業を視覚的にも共有できるよう一元化し、合理的・効率的に復旧事業が行えるようなシステムを構築し、被災森林の早期再生に取り組む。  

 

北海道バイオマス下川、当別発電所 原料高騰で操業休止

4月4日号

原料高騰で操業休止

北海道バイオマスエネルギー株式会社(塚田聡社長)は、未利用間伐材を燃料とする「下川発電所」と「当別発電所」の操業を4月から休止させた。
 北海道バイオマスエネルギー鰍ヘ、三井物産が80%、北海道電力が20%出資して2017年に設立された。燃料用木材の価格高騰、機械設備メンテナンスなどのコスト高騰により事業継続が困難となり、両発電所の操業を休止した。

 

北の森づくり専門学院 若年層定着に向けたセミナー開催

4月4日号

悩み話しやすい環境を

北の森づくり専門学院 企業セミナー

北の森づくり専門学院は、3月12日旭川トーヨーホテルで定着率向上セミナーを行った。これは、生徒向けの合同企業説明会に参加する企業88社に対し、生徒の定着率向上のために行われる。
 まず、北の森づくり専門学院より、求人票提出の依頼および今後の就職活動のスケジュールの紹介があった。求人票に関してすでに70件以上提出を受けており、通年で求人票を受け取っているが、遅い時期に提出しても生徒の就職活動が終了しているため早めの提出をお願いするという説明と、求人状況及び生徒の内定状況について説明があった。また、生徒、卒業生が思う就労環境の疑問や、ハーベスタ、グラップル等の林業機械の標準操作方式(横旋回)の導入の依頼について話があった。
 次に、北海道アルバイト情報社より、「若手林業従事者の定着に向けて」と題して、若年層林業従事者が、安全や職場内の人間関係、希望する休日、給与体系、職場での評価手法などについて説明が行われた。
 最後に、若手林業従事者を採用している潟Cワクラ、千歳林業梶Aひだか南森林組合、葛g岡建設が登壇し、パネルディスカッションを行った。
 パネルディスカッションでは、若年層定着のための取り組みや、新規参入者受け入れのための取り組み、インターンシップ受け入れに向けた体制整備の取り組みをテーマに各事業者から話を聞いた。

 

道央地方優良原木市(北木市)

4月4日号

総売上額6820万円

北海道木材市場協同組合の第124回道央地方優良原木市が3月27日札幌市の北木市で開かれた。優良材1492立方メートルを販売し、総売上額6820万円、平均単価は1立方メートル当たり4万5700円となった。
 主な樹種の平均単価(1立方メートル当たり)は、ナラ5万8900円、メジロカバ2万9100円、シナ2万3800円、タモ3万7000円など。
 最高値物件はナラ2・4m×48p、1本あたり27万1900円

 

再造林できる立木価格を 中央林業団体が提案書

3月28日号

民有林材の新たな取引システム

日本林業協会など中央林業・木材団体は、伐採しても再造林が可能となる立木価格の形成をめざし、民有林の新たな立木取引システムの構築に取り組んでいる。ウェブサイト上に立木情報を開示し、購入申し込みを広く受け付けて販売先を決める制度を検討し、今年2月に報告書を公表した。
 報告書は「持続性が確保された木材流通のための立木取引(マッチング)の場の構築」として、国産材を活用し日本の森林を守る運動推進協議会(林業協会、全木連、全森連、全素協、林経協、全市連)と林業機械化協会が林野庁補助を受けて作成した。

 

道がクリーンラーチ増産対策

3月28日号

幼苗と成苗を分業化、 活着率検証

道は、二酸化炭素吸収能力や成長に優れた苗木供給の拡大に向け、「クリーンラーチ幼苗生産安定確保事業」を令和4年度より実施している。
 幼苗と成苗生産の分業化により増産を目指す。

 

道が提案、植栽や下刈り省力化を

3月28日号

機械化を前提とした植林方法

道は令和6年度森林整備事業の方針や改正点について市町村や森林組合、栄林会などに説明している。植栽や下刈りでは、機械走行路を確保した低密度植栽、苗木周辺の草を刈り残す列間刈りなど、次のように省力・低コスト施業を進める。
 令和6年度の人工造林については植栽本数を削減しつつ再造林面積を確保する。また、下刈りは事業箇所の厳選や、列間刈りの積極的な検討を行うよう呼びかけている。

 

緑化に協力 株式会社HARP 森と緑の会と連携協定

3月28日号

HARP 森と緑の会と協定

道内市町村の電子申請システムなど手掛ける株式会社HARP(札幌市)と、公益社団法人北海道森と緑の会は3月19日、森林や緑環境の保全に関する連携協定を締結した。
 鰍gARPは、道庁やNTT東日本などが株主となり2004年に設立された第三セクターで、地方自治体の電子申請、電子調達システム、学校の公務支援サービスなどを受注している。
 緑の募金運動に賛同する同社は、募金箱を設置するほか、インターネット上で緑の募金を行える仕組みの検討などデジタルサービスを通じて緑の保全に協力することにしている。

 

令和5年度胆振東部地震森林再生事業 植林160ha、緑化39ha実施

3月28日号

天然更新地での保育試験始まる

胆振東部地震復興連絡会議

道は胆振東部森林再生・林業復興連絡会議をオンラインで3月21日に開き、道、関係自治体、関係組合、管理局、森林総研、道総研など42人が参加し、胆振東部地震森林再生計画の進捗状況について協議した。路網の整備、森林再生に関して今年度完了面積および次年度以降実施予定や林道整備、自然再生に向けた取り組みなどについて話し合われた。
 会議事務局から令和5年度の森林造成の進捗状況について説明が行われた。被害木整理が計画115haに対し実績87ha、進捗率76%、植林計画125haに対し実績159ha進捗率128%、緑化等の計画が41haに対し実績38ha進捗率93%となり、おおむね計画通りに進捗しているとされた。また、令和6年の予定は、被害木整理が69ha、植林が119ha、緑化等が12ha。
 林道の整備の進捗状況については、林業専用道、森林作業道合わせた実績が30kmとなり、当初計画に対して進捗率106%、次年度は25kmの開設を目指している。うち、林業専用道は4年度9km整備が完了し、5年度は6kmの整備を計画している。
 治山復旧工事の次年度予定として、厚真町9カ所、安平町1カ所を予定していることが報告された。
 作業部会の取り組みとして、被災地内における森林作業道整備において、適した路盤、線形、排水などの検討状況や、天然更新地における保育について報告された。地震によって崩壊した後、カラマツが定着した場所が厚真町幌内で発生した。そこで、天然更新箇所の適切な保育について試験を行っている。現在1haあたり2万5千本となっているカラマツを1ha当たり3000本とする試験地、2m幅で伐採、4m残地とする試験地、無施業の試験地の3区分を設けて、今後の成長量、生存率を検証する試験の開始が報告された。
 そのほかに、一定規模の森林を保有する被災森林所有者346人に対する意向調査の結果や、復旧対応完了した被災森林所有者の人数が昨年は17人だったが、今年3月上旬時点で59人となったことが報告された。道総研からは植栽後のカラマツ、トドマツ、アカエゾマツの生育状況、山腹崩壊後、不安定な表土においてもカラマツやタニガワヤナギ、アキタブキなど風によって種子が供給され、根を水平方向に伸ばせる草木が植生回復に貢献していることが報告された。
 次年度以降の取り組みとして、自然回復状況について衛星写真によって確認し、実施計画の見直しを行い、開設や補修などの森林作業道整備の取扱の作成や、作業の効率化を図るため土壌条件による植栽適地判断から視覚的判断が可能なように基準を設けることを予定している。今後、令和7年度に箇所別の計画見直し、8年度に計画改定作業を行い、9年度から改定後計画を実施する。

 

旭川銘木市 3月 マカバ71万円

3月28日号

旭川林産協同組合は、第474回北海道銘木市を3月22日、旭川市永山の銘木会館で開催した。ピークを迎えた冬山造材の原木が第一展示場、第二展示場に満杯に並べられ、マカバ、タモ、ナラなどが高値で落札された。

 

土屋ホーム、道産材に転換

3月21日号

カラマツ集成材、トドマツ羽柄材 活用率72%

株式会社土屋ホーム(本社札幌市)は、戸建て住宅の構造材・羽柄材の道産材への転換を進めている。持続可能な社会、カーボンニュートラルへの貢献を住宅産業の優先課題と考え、国産材活用へと舵を切った。
 土屋ホームは、北海道と東北北部エリアの部材を加工する自社プレカット工場を持ち、本州も含めた販売物件の7割を生産している。加工する年間約400棟分の梁・柱・間柱には、これまでフィンランドの集成材を使っていたが、道産材に転換できないか木材流通商社と打ち合わせを重ねてきた

≪詳細は民有林新聞3月21日号1面をご覧ください≫

 

北の森づくり専門学院 合同企業説明会を開催

3月21日号

素材生産企業、組合など88社参加

合同企業説明会

北の森づくり専門学院は3月12日と13日に旭川トーヨーホテルで合同企業説明会を行った。森林整備、素材生産にかかわる企業、森林組合だけではなく、土木設計コンサルタント、重機レンタル業を行う企業など合計88社が参加し、1年生34人に説明を行った。
 このうち12日午前に行われた説明会には30社が参加し、生徒31人が参加した。生徒は3企業を訪問し、それぞれの企業で25分の説明を受けた。また50分間のフリータイムが設けられ、説明を受けた。
 参加した森林組合からは「森林作業員として就職してもらえるとありがたい」、「森林施業の現場監督業務や、製材工場での業務を行ってくれる人材を採用したい」等の感想があった。
 13日も生徒31人が参加し、午前30社、午後28社の説明を聞いた。

 

森林管理局 能登半島地震山地災害へ派遣した職員の報告会

3月21日号

復旧に向け現地調査、枝道通行できず、調査地域トイレ使用不可

能登地震派遣報告会

北海道森林管理局は3月14日道局大会議室で令和6年能登半島地震「山地災害緊急展開チーム」に派遣した職員の報告会を行った。派遣期間の3月4日から8日までの5日間の活動について報告した。

〇活動内容

・概要
 石川県輪島市の鳳至町および縄又町の現場を担当した。緊急展開チームは3週間におよび調査をしており、3週目の行程に参加した。
 近畿中国森林管理局治山課から1人、関東森林管理局東京事務所から1人が同時に派遣され、現地の石川森林管理署の総括治山専門官の4人のグループで現地調査を行った。
 現地は震度6強の地震被害を受けた。
 1日目は鳳至町の現地調査、2日目は縄又町の現地調査を行い、3日目以降は石川森林管理署で入札用図面作成および数量計算書の作成業務を行った。
 現地の状況は、金沢市からの移動時間が片道3時間かかり、主要道路は通行可能な状態にあったが、枝道に入ると地震によって割れた状態のままで通行不能となっている道も多くあった。また、がれき等の撤去も進んでいない状態だった。輪島市の朝市に関しても、手つかずの状態となっていた。また、トイレに関しても現地にないため、10q離れた能登空港で済ませた後は、調査時間の6時間はトイレに行くことができなかった。

・鳳至町
 調査個所の奥津比盗_社では、上部にある鳳来山公園からの土砂が崩れ神社が崩壊しており、3人で急傾斜地を上り、流木調査をしたり、土砂堆積量を調査した。崩れた場所は雨による浸食防止のため、近畿中国地区の土木協会のボランティアによりブルーシート養生がされていた。
 また民家裏の法枠が崩れ土砂が押し寄せた地域に関しては、流れ出た土砂の量、流木の量、既設の法枠が機能しているかを現地検討した。
 対策としては、倒木除去、土砂撤去、既存法枠撤去、仮設モルタル吹き付けなどを行うが、施工するにあたり、住宅の被害や道路交通に被害を与えないような方法を検討した。

・縄又町
 縄又地区の現場では、国道249号線を分断する大規模な地すべりが発生していた。今後、降雨等の影響を受けやすい地形のため、再移動する懸念があった。この地区について、無人航空機により距離、標高などを地理空間情報システム等により正しく表示できるオルソ画像化が可能となるような撮影を行った。事前の航空機の移動ルート設定ができず現地で航空機撮影を行いながら航行ルート設定を行わなければならなかったことや低温によるバッテリーの消費が速く、予備バッテリーの数も持参していなかったことから、ドローンの紛失や、画像のオルソ化に必要なデータが撮影されているかが不安だったと話した。

参加者からの質問として道内との災害の違いについて問われ、被災地域について崩壊などの被害は胆振東部地震と似ているが、今回は住宅の倒壊が多く発生していることが印象深かったと話した。また、吉村洋森林管理局長からは復旧工事のステージに入るにあたり、懸念についての質問があった。大井総括技術官は、家と近接している現場があるため、県や住民との作業に関する調整が必要であると回答した。
 また、通常業務でやっておいて派遣の際に役立ったことという質問については、無人航空機の操縦や、様々な工事現場を見ることで工法の知識を増やすことが重要だと話した。
 また残土、産廃処理についての質問については、産廃については遠方に持ち込み処分することになるだろうと話した。また工事に関して、能登半島に民有林しかなく、近畿中国管理局としての入札例がないこと及び工事件数が多く、宿泊場所も被災しているため、不落の懸念があると話した。
 今後、鳳至地区民有林に関して、国直轄で仮復旧工事および復旧に向けた測量、設計業務の入札が行われる。また、縄又地区に関しては、道路管理者との調整後の復旧作業となる。

 

道木連 針葉樹委員会 建築材低迷、原木在庫多い

3月14日号

桟木に動き 原料材は取り合い

北海道木材産業協同組合連合会は第2回針葉樹対策委員会(斉藤光久委員長)を2月29日、札幌市の林業会館会議室で開催した。製材企業と森林管理局、道庁など21人が出席し、製材と原木の動向を情報交換した。
 各地の意見を聞いた結果、人件費の上昇や2024年問題で輸送コストも上昇が懸念されることから、需要が低迷しているが、製材工場の実情を製材の購買者だけではなく造材現場にも通知することとなった。

 

森林管理局 造林・生産・販売6年度事業

3月14日号

伐根処理し下刈り機導入 素材生産、販売量は8%増

管理局事業説明会

道森林管理局は、造林・製品生産・立木販売事業に関する説明会を3月6日、道局大会議室で開催した。道内5地区から林業事業体、加工企業、木材商社など107人が参加し、令和6年度の事業方向を聞いた。

 

道機構改正案 森と海の未来づくり推進監 新設

3月14日号

温暖化対策 スマート林業に対応

森と海の未来づくり推進監所管業務

2024年4月からの道の機構改正案が道議会に提出された。水産林務部の機構改正では、森林環境局が「森林海洋環境局」に改組され、新たに部長級ポストとして「森と海の未来づくり推進監」が新設される。
 これは気候変動やデジタル技術の発展、労働力不足などの社会情勢の変化により、従来の水産林務分野にない新たな取り組みや、緊急対応が必要な事案が発生しているため、幅広い視野を持って一体的に対応する組織を新設し、所管する監を新設する。
 推進監の下に「森林海洋局長」および「成長産業担当局長」(水産成長産業化担当局長から変更)が配置される。各課として「森林海洋環境課」「道有林課」「成長産業課」が設けられる。
それぞれ森林海洋環境課は、現在の森林活用課が母体となり、現在活用調整係および木育係で行われている業務に加え、森林計画課計画調整係のJ-クレジット、森林吸収源対策関係業務、水産振興課のブルーカーボンおよび赤潮、海獣などにかかわる業務を所管する。
また、成長産業課は水産振興課を母体とし、林務関係の移管される業務は森林活用課の普及指導業務、林業木材課のスマート林業に関係する業務となる。
 今後、道議会での審議を経て、可決されれば4月から組織改正される。

 

講演 千歳林業の森林経営 素材生産

3月14日号

社有林 1万7千ha 機械12台

北海道カラマツ製材業協議会は2月20日の情報交換会に併せて、川上側の造材会社の実情を聴く講演会を行った。千歳林業株式会社(本社倶知安町)代表取締役の栃木幸広氏を招き、「我が社の取り組みとカラマツ製材業界に期待すること」と題した講演会を行った。栃木氏は、素材生産量の推移、社有林の強み、林業の機械化などについて次のように語った。

 

道路工業が緑の募金

3月14日号

創立100周年を記念し100万円

道路工業株式会社(札幌市中央区)は創業百周年を記念して2月21日、緑の募金に寄付を行った。道路工業の中田隆博代表取締役社長が道林業会館を訪れ、森と緑の会の山谷吉宏理事長に寄付金100万円の目録を手渡した。
 道路工業は、荒廃した山林に緑をよみがえらせようと、檜山管内今金町に山林を取得し、森林組合に委託して植林を行っている。3000haの森林造成を目標に1978年から始め、現在は約1100fに達している。
 今回、創業百周年記念として、森林づくりに貢献する緑の募金に寄付を行った。環境保全に貢献する多額の寄付に、森と緑の会の山谷理事長から感謝状が贈られた。

 

道産建築材供給セミナー 110人視聴

3月14日号

道産建築材供給セミナー

道木連は、「道産建築材供給力強化のためのセミナー」(道委託事業)を3月4日、ウェブ開催した。道産木材の利用を増やしているハウスメーカー、コンビニエンスストア、トドマツKD建築材を生産する製材工場などが事例や課題を報告した。これを各地の木材関係者など約110人が視聴した。

 

道森連と農林中央金庫 木のおもちゃ贈呈

3月14日号

幌延町、北斗市のこども園に

道森連と農林中央金庫札幌支店は、森林づくりの大切さを普及する活動の一環として、幌延町と北斗市の認定こども園に木のおもちゃを贈呈した。
 木のおもちゃの贈呈は、乳幼児期から木にふれあう機会を創出し、豊かな感性と心を養い、想像力を高める木育の取り組みとして、道森連と農林中央金庫が連携して実施しており9年目を迎える。環境保全に重要な役割を果たす森林の大切さについて、道民に理解を広げる。
 2月15日には、「幌延町認定こども園」に、2月19日には、北斗市の「七重浜こども園」に贈呈するために訪れた。贈呈式のあと、園児たちは早速、木のおもちゃで遊んでいた。
 おもちゃは、道産カラマツ、トドマツ、エゾマツ、ナラ、センなどで作られたクルミコロコロ、丸太トレーラー、ひも通し、木馬、積木のからっくなど。無垢の木の肌触りや柔らかさが感じられる遊具である。  

 

運賃高、製材価格に転換を カラマツ工場が取引先に要請

3月7日号

物流2024年問題

北海道カラマツ製材業協議会は第4回情報交換会を2月20日札幌市の林業会館で開催した。会員企業と道森連、道林業木材課など23人が出席し、梱包材やラミナの需要動向を情報交換した。
 製材の需要動向は中国向けの輸出不振などで、梱包材などの荷動きが鈍い。ラミナも住宅需要の落ち込みが価格の回復を妨げている。
 こうした中、トラックドライバーの長時間労働が制限される「物流の2024年問題」が迫り、運送会社から道内工場に製材運賃の値上げ要請が来た。カラマツ製材メーカーはあらゆるコストが上がっておrい、運賃上昇分は吸収しきれないとして、1月末から値上げ交渉を行っている。

 

北の森づくり学院生、就職内定

3月7日号

30人以上が林業・木材産業に

道立北の森づくり専門学院は、学院3期生の就職内定状況をこのほど公表した。2年間の教育課程を終え、道内林業・木材関係への就職が内定した。
 卒業予定者37人のうち、2月末現在の就職希望者は29人で、この全員の就職が内定した。素材生産会社、森林組合、木材加工会社、種苗会社、森林土木設計会社などに就職する。このほか、学院の職業紹介を通さず自ら就職を決めた者4人、大学進学1人、卒業後に就職先を決める者3人などとなっている。

 

道水産林務部 未来につなぐ森林づくり交流会開催

3月7日号

市町村職員の林務支援など報告

指導林家連絡協議会総会

道水産林務部は、普及指導事業の活動を報告する「令和5年度未来につなぐ森林づくり交流会」を2月16日、北海道大学学術交流会館と、全道各地の振興局森林室などをオンラインで結んで開催した。普及指導職員、指導林家・林業グループ、森林組合、市町村、森林管理局など約300人が参加した。
 市町村・指導林家など普及協力者が4題、林業普及指導員が4題の報告、また、衛星画像を用いた森林資源把握について林業試験場が特別講演を行った。
 このうち林業普及指導活動では、林務以外の分野を兼務し短期間で異動する市町村職員を支援する取り組みなどが報告された。

 

指導林家連絡協議会総会

3月7日号

設立10周年記念誌を発行

指導林家連絡協議会総会

北海道指導林家連絡協議会は第11回通常総会を2月15日、札幌市内で開催した。全道各地区連絡協議会の指導林家、林業普及指導職員など65人が出席して、令和6年度事業計画を決めた。
 令和6年度事業では、林業普及指導職員と連携して、森林づくり技術の普及、青年林業士など次代を担う林業後継者の育成活動に取り組む。また、全道研修会の開催、会報の発行に加え、北海道指導林家連絡協議会が令和5年に設立10周年を迎えたことから記念誌を発行する。
 その他意見交換では、山つくりへのスマート林業機器活用、バイオマス発電需要の影響などについて意見が出された。道庁からは、指導林家の認定者数が減る傾向にあり(現在322人)、地域林業に精通する候補者の推薦が呼びかけられた。

 

林業グループ協議会が総会

3月7日号

活動活性化、林業後継者の育成を

林業グループ協議会総会

北海道林業グループ協議会は第65回通常総会を2月15日、札幌市内で開催した。林業グループ員、林業普及指導職員など66人が出席して事業計画を決めた。
 令和6年度事業では、道の林業後継者育成事業を活用してグループ活動の活性化、次代を担う林業後継者の育成を図る。道内3農業高校森林科学科生徒のインターンシップ活動も支援する。
 また、北海道・東北ブロック林業グループコンクールに、北海道代表1グループを派遣する。組織の強化では、林業グループが減っている現状を踏まえ、新規林業グループ設立に向けた取り組みを強化することを決めた。

 

木造構造物の技術研修

3月7日号

設計会社、工務店、市町村が参加

道林業木材課は2月7日に「木造構造物の設計技術研修会および施工技術研修会」を旭川市の林産試験場とウェブで、14日に「CLT構造設計研修会」を札幌市のTKPガーデンシティ札幌駅前とウェブで開催した。設計会社や工務店、市町村の建設担当部局の職員など各回約40人が参加した。

 

十勝型機械化林業経営協議会 ICTで新しい造林・生産モデル

3月7日号

「北欧をモデルにした北海道・十勝型機械化林業経営」第3回協議会がホテルグランクラス帯広で開催され、ウェブ会議システムでも同時に配信された。
 この協議会は林野庁の<新しい林業>構築事業の採択を受け実施され、拒蜊笳ム業、泣Tンエイ緑化、潟tォテク、森林総研、道総研林業試験場、大澤木材梶A潟Tトウなどが参加した。無人航空機を使い、レーザー光による測定、地形測量を活用した森林資源の把握および路網開設の検討、素材生産時のハーベスタのICT活用による丸太情報把握および製材工場での受け入れ態勢の確立、地拵え時の伐根処理や苗木の位置情報付与による下刈りの機械化などの保育時の取り組みなどが報告された。
 今年度の成果として、採材支援ソフトの地図重ね合わせ機能などの性能向上、ICTハーベスタと自動選木機のデータ比較および、ハーベスタの検知結果が利用可能かの製材工場へのヒアリング調査を行った。

 

道林務予算案 公共事業169億円、前年並み 豊かな森づくり推進事業を増額

2月22日号

スマート林業機器導入補助など

道は、第1回定例道議会に提案する令和6年度当初予算案を2月15日発表した。林務関係では、造林・林道・治山の公共事業費に約169億円、前年度比99%を計上、一般事業費に約757億円、同89%を計上した。また植林負担を軽減する「豊かな森づくり推進事業」は予算額を7億9808万円に増額し、伐採後の造林を着実に進める。
 令和6年度は低コスト再造林、スマート林業導入促進、HOKKAIDO WOODブランドの活用拡大、若者の就業を促進する担い手対策など実施し、林業・木材産業の発展やゼロカーボン北海道に貢献する森林づくりを進める。

≪続きは民有林新聞2月22日号1面をご覧ください≫

 

北斗市と鰍ツうけんが協定

2月22日号

企業が森林づくりを推進

北斗市は、情報通信建設の株式会社つうけん(本社札幌市)と森林整備に関する「つうけんの森」協定を締結した。ほっかいどう企業の森林づくりとして道が仲介し、このほど実現した。
 1月31日、北斗市役所本庁舎で協定書に調印した。
 北斗市有林2・68haの森林で、つうけんが費用を負担して6年にわたり枝打ち等の森林整備を進める。

 

令和6需給年度からグイマツ雑種F1苗木の配分廃止

2月22日号

需要者と生産者が直接取引

第4回北海道林業用種苗需給連絡会議2

道森林整備課は、1月29日の第4回北海道林業用種苗需給連絡会議(札幌市)で令和6需給年度以降グイマツ雑種F1に関し、苗木配分を中止する。これは、需要計画策定時の重複による残苗発生を防ぐことや、9月下旬から10月上旬の得苗確認まで配分がされないことから植栽樹種および本数が決定できない箇所が増えるなどの課題の改善を図るため行う。

≪詳細は民有林新聞2月22日号2面をご覧ください≫

 

水源林整備コンテナ苗使用検討

2月22日号

森林整備センター北海道水源林整備事務所

第4回北海道林業用種苗需給連絡会議2

森林整備センター北海道水源林整備事務所は、1月29日の第4回北海道林業用種苗需給連絡会議(札幌市)でコンテナ苗の使用の方針および水源林造成事業の所有者への周知について述べた。

現在森林整備センターは裸苗を使用しており、補完的にコンテナ苗を使用しているが、秋に植栽し、雪解け後の春に根踏みが必要であるが、6月に実施するなど適切な時期に実施できないことがあったため、今後秋植えを行っている地域でも、春植えに転換することを検討している。春植えに転換する地域では労務不足もあり、施業期間を長期にすることができることから、コンテナ苗をメーンに使用していくことを検討している。

水源林造成事業の周知に関して、植栽面積が平成初期は約400haあったが、現在100haを切っている。造林のためには分収造林契約を締結しなければいけないが、締結できる適地が減っていることから、一般民有林の水源涵養保安林などの保安林を所有し植林が難しい所有者に対して制度の周知を図り、植林面積を増やしたいとしている。

 

北海道森林管理局 北の国・森林づくり技術交流発表会

2月22日号

口頭発表17題 特別発表4題

北の国森林づくり技術交流発表会 令和5年度

道森林管理局は「北の国・森林づくり技術交流発表会」を2月14日、15日に札幌市の北海道大学学術交流会館で実施し、あわせてインターネット配信を行った。森林管理署職員、農業高校生、大学、地方公共団体、民間事業者などが17題の口頭発表、4題の特別発表を行い、技術向上を図った。
 口頭発表では、森林整備協定を結び、トレーラーが乗り入れられるストックヤードを民有林国有林共用で設置して販売をしたことの成果や国有林の林業技術の共有、普及のために管内地方自治体を集めた勉強会の取り組みなどが発表された。また、試験研究機関による4題の特別発表が行われた。

 

第123回原木市 ナラ平均1立方メートル当たり6万1500円

2月22日号

北海道木材市場協同組合 総売り上げ3770万円 平均単価1立方メートル当たり5万1500円

北海道木材市場協同組合第123回道央地方優良原木市

北海道木材市場協同組合の第123回道央地方優良原木市が2月16日札幌市の北木市で開かれた。優良材732立方メートルを販売し、総売上額3770万円、平均単価は1立方メートル当たり5万1500円となった。
 主な樹種の平均単価(1立方メートルあたり)は、ナラ6万1500円、メジロカバ4万8900円、シナ2万5400円、タモ4万3300円など。
 最高値物件はナラ2・4m×44cm(0・465立方メートル)、1立方メートルあたり22万9900円(出品轄kエ木工場)

 

森林総研が研究成果発表会

2月22日号

生物多様性配慮の森林管理「保持林業」実験10年の成果

森林総研 研究成果発表会

国立研究開発法人森林研究・整備機構は、令和5年度北海道地域研究成果発表会を2月13日、札幌市の共済ホールでウェブ併用で開催した。「生物多様性に配慮した北方林の管理に向けて」のテーマで、森林総合研究所と林木育種センターの研究職員が、エゾマツの特性と集団内の多様性、主伐時に一部の樹木を残す「保持林業」実証実験の成果など6題を発表した。
 このうち保持林業の成果については、鳥類保全に果たす役割、下層植生への効果、甲虫類への効果、実験の概要と成果など5題を発表した。保持林業は、人工林の主伐の際に一部の樹木を残す保残伐を行い、複雑な森林構造を維持する森林管理である。生物多様性に配慮する手法であり、木材生産と公益的機能の両立をめざす。
 2013年から空知道有林内(芦別・深川・赤平市)のトドマツ人工林と広葉樹天然林に5f以上の実験区を数多く設けた。単木保持、群状保持、小面積皆伐、皆伐、また対照区として非伐採区を設けて、どのような効果があるか実証実験を行っている。このうち単木保持では、人工林内で生育した広葉樹を保残している。少量、中量、大量保持と保持率を変えて伐採を行い、効果を調べた。

 

森と緑の会、北海道信用保証協会が協定

2月22日号

脱炭素に取り組む企業を支援

信用保証協会と協定を締結

北海道森と緑の会は北海道信用保証協会と協定を締結し、2月14日に締結式を行った。
 この協定は、信用保証サービスを通じ地域社会に貢献している北海道信用保証協会が各支店に募金箱を設置するなどの緑の募金への協力により、道民へ募金の普及啓発を行うことや、ゼロカーボン北海道に取り組む企業に事業の資金を支援する「未来につなぐ地域社会応援保証」などの取り組みを通じて北海道の森林整備等に協力するために締結される。

 

森林管理局「新しい林業」説明会 下刈りの機械化、回数省略

2月15日号

72社参加 機械導入伐根処理費見込む

道森林管理局森林整備第一課は、令和6年度から開始する造林事業「新しい林業」事業体向け説明会を2月8日、ウェブで開催した。造林・保育に手が回らなくなっている国有林現場の実情に対して、下刈り作業の機械化、大型機械地拵えによる整地処理、機械走行に配慮した植栽仕様などを進める。説明会には道内各地の72社が参加した。
 林野庁が実現をめざす「新しい林業」は、新技術により伐採から造林、保育までの収支をプラスに転換する取り組み。道森林管理局では、列間を4m確保した低密度植栽、下刈りの機械化、下刈り回数の削減など、造林事業の抜本的見直しを実行する。また、伐採から植付けまでの一貫作業システムを拡大し、のちの下刈り省力化を見据えた大型機械地拵えを進める。適度な伐根処理も行う。

 

国有林野等所在市町村長有志連絡協議会 獣害対策、林道整備要望

2月15日号

道産材活用支援を

国有林野等所在市町村長有志連絡協議会

北海道森林管理局は国有林野等所在市町村長有志連絡協議会を2月2日モントレエーデルホフ札幌で開催した。道内各地区の有志協議会から7町村長出席し、管理局、森林管理署、林野庁の幹部と意見交換を行った。
 地区を代表して出席したのは赤井川村の馬場希村長、平取町の遠藤桂一町長、天塩町の吉田忠町長、浜頓別町の南尚敏町長、遠軽町の佐々木修一町長、弟子屈町のコ永哲雄町長、岩内町の木村清彦町長。
 林野庁からは令和6年度予算の概要、森林経営管理制度及び森林環境譲与税などが情報提供された。また道森林管理局からはエゾシカ被害対策、山地災害対策、国有林野の活用についてなどが情報提供された。
 市町村からの要望は、各地区で集約されたものが報告された。ヒグマ等対策や木材利用、発電施設の開発に対する配慮などの主なものは次の通り
 札幌地区からは、ヒグマ対策での連携、有害鳥獣対策、レクリエーションの森や日高襟裳国定公園の国立公園化後の整備の協力、濁水対策、治山事業における木材利用の拡大、門別競馬場の厩舎に対する道産材利用に関する道等からの協力依頼の有無などが挙げられた。
 旭川地区からは国有林でのヒグマ出没情報の共有、避難路としての林道路網整備の要望、診療所、旧道の駅施設改築において木材を使用したいので木材価格の圧縮の要望、木材移出の際の港湾活用の要望などが挙げられた。
 北見地区では、エゾシカ対策への連携の要望、森林認証による付加価値に対する情報提供依頼、ササ枯れなどの情報提供依頼などが挙げられた。
 帯広地区からは、新たな花粉症対策にシラカバ花粉症対策は含まれるのかという質問や、公共施設の木造化に対する補助の要望などが挙げられた。
 函館地区からは、国有林内での風力発電計画への反対、林道の補修に対する予算要望への協力、森林環境譲与税の配分見直しの要望や森林組合への加工技術の上昇への協力要請などが挙げられた。
 出席した町村長からは、ハーフライフル規制に伴うエゾシカ、ヒグマ駆除における懸念や、森林環境譲与税の配分基準に市町村有林面積も含んでほしいなどの意見が出た。  

 

道民ひとり1本植樹・育樹運動 キャッチフレーズ授賞式

2月15日号

道森林活用課は、道民ひとり1本植樹・育樹運動のキャッチフレーズを昨年公募し、応募総数944作品から最優秀賞、優秀賞の3点を選定した。このほど最優秀賞を受賞した長谷川千夏さん(札幌市)に賞状を贈呈した。
 最優秀作品は「さあ、北海道の未来を植えよう」。今植樹をすることで北海道の未来が豊かになるとの思いから、道民一人ひとりが行動を起こすよう呼びかけている。
 2月5日、道庁11階の水産林務部会議室で、受賞した長谷川千夏さんに寺田宏森林環境局長が賞状と副賞を手渡した。キャッチフレーズは、北海道植樹祭や地域木育イベントなどで使われ、全道で500万本の植樹・育樹をめざす。

 

道森林整備課 裸苗2号規格へ統合案

2月8日号

第4回北海道林業用種苗需給連絡会議 令和7年から

北海道林業用種苗需給連絡会議

道森林整備課は、1月29日の第4回北海道林業用種苗需給連絡会議(札幌市)で苗木生産者の減少、高齢化を理由とした苗木規格の見直しの方向性と今後のスケジュールについて公表した。種苗規格を2号規格に統合する案で令和7年1月から実施する計画としており、今後生産者と需要者の意見交換を経て新規格を決定する。
 苗木生産の現場では、労働者の減少や、高齢化が進む中で、従来の方法では対応できないという声が大きくなっている。今後、時間がかかる掘り取り、選苗等の工程を緩和し、種苗を生産するうえで重要な床替えなどの適切な作業に注力し、優良種苗の安定的な生産の維持を目指す。
 道の苗木規格見直しの方向案として、裸苗に関して1号、2号の選別を省くことで生産を効率化できることが見込まれること及び植栽後の成長に大きな影響がないという意見があることから下限である2号苗木に統合する。
 今後のスケジュールとしては、苗木生産実態調査を実施後、3月に苗木規格の見直しなどのアンケートを実施し、苗木生産者と需要者の意見交換会を14振興局で6月から7月にかけて行い、令和7年1月から裸苗については新規格の適用を行う予定。

 

カラマツ製材工場 本州送り製材運賃上昇

2月8日号

物流の2024年問題迫る

トラックドライバーの長時間労働が制限される「2024年問題」が4月に迫り、梱包材・パレット材を本州出荷する道内製材工場に、運送会社から製材運賃の値上げ要請がきている。製材工場は、電力料金など上昇に加え運賃の値上げが追い打ちをかけるとして、取引先に厳しい状況を説明している。

≪続きは民有林新聞2月8日号2面をご覧ください≫

 

1月銘木市 マカバ1立方メートル当たり123万円

2月8日号

令和6年

1月銘木市 マカバ

旭川林産協同組合は、第472回北海道銘木市を1月26日、旭川市永山の銘木会館で開催した。広葉樹原木が慢性的に不足する中、多くの買方が来場し、ナラやマカバなど高額での落札が相次いだ。
 冬の広葉樹伐採の適期を迎え、道内各地から約2450立方メートルの銘木が集まった。民材は木材流通会社、市町村有林などから出品され、官材は森林管理署、東大演習林、北大演習林などから優良材が出品された。
 出品されたのはナラが1059立方メートル、メジロカバが273立方メートル、タモが252立方メートル、センが184立方メートル、またマカバは55立方メートルが出品された。針葉樹のアカエゾマツ丸太も出品されていた。

 

北の森づくり専門学院と帯広農業高校が連携 高校生のスマート林業教育を支援

2月8日号

時代を担う人材育成 ドローンやシミュレーターで

北の森づくり専門学院と帯広農業高校の連携協定締結式

北海道立北の森づくり専門学院と北海道帯広農業高校は、次代の森林づくりを担う人材育成を進めるため、教育連携に関する協定を1月30日、札幌市で締結した。
 少子高齢化が進み、林業の担い手不足が深刻化する中、両校は、それぞれの特性を最大限活かして優秀な人材を育成しようと協定を締結した。両校教員の共同研修、生徒同士の交流、スマート林業の出張講義など行う。北の森づくり専門学院が道内の高校と連携協定を締結したのは初めて。
 今後、ドローンを活用した授業、専門学院の高性能林業機械シミュレーターを帯広農業高校に持ち込んでの授業実施などを想定している。

 

林業用種苗需給会議 幼苗床替1966万9千本

2月8日号

令和6年春

林業用種苗需給会議

道森林整備課は1月29日、令和5年度第4回北海道林業用種苗需給連絡会議を開催した。道森林管理局、道、道苗組、栄林会、道森連、水源林整備事務所など約20人が参加し、春のカラマツ類の幼苗床替計画などが話し合われた。
 令和6年度春カラマツ類の幼苗床替計画はカラマツ、グイマツ雑種F1、クリーンラーチ合計で幼苗床替計画は1966万9千本となる。
そのほか種子生産、令和5需給年度の12月時点の需要量、そのほか、種子売り払い価格について、苗木規格の見直し、グイマツ雑種F1の令和6年度以降の配分方法などが話し合われた。

 

森林環境譲与税、道内市町村分合計11億6千万増額見込み

2月1日号

45億円に、分配基準見直しに伴い

道森林計画課は森林環境譲与税の今までの動向と今後について、1月19日に札幌市で行われた北海道内森林組合幹部職員会の情報交換会議で説明した。令和6年度の譲与見込み額に関して、譲与額が増えることと、分配基準が見直されることにより、令和5年度に比べ道内各市町村合計で11億6千万円増額になる見込みであると報告した。

 

紙・板紙の内需は減少 新聞用紙、印刷用紙9%減

2月1日号

日本製紙連合会2024年見通し

日本製紙連合会は、2024年の紙・板紙内需見通しを1月22日に発表した。紙・板紙の内需は前年比3%減を予測している。2020年に新型コロナウイルスの影響で大幅に落ち込んでから、その後も低調に推移している。
 紙・板紙の内需は、デジタル化の加速などで長期にわたり減少傾向が続いている。2024年は内需合計2097万t、3・1%の減少となり、ピーク時の2000年に比べると66%の水準になると予想している。

 

植生の早期回復必要 山腹崩壊後40年荒廃した例も

2月1日号

国土防災技術北海道 胆振東部署

国土防災技術北海道鰍ヘ胆振東部森林管理署と共同で10月4日に東京で行われた治山研究発表会で、豪雨により山腹崩壊後約40年経過しても植生が回復せず、森林の有する水土保全機能が低下した状態が継続し、再崩壊が懸念される状態となるケースがあったと報告した。近年の豪雨の頻発化を踏まえ、植生の早期回復、および回復の時間帯効果が必要とした。
 発表では白老町の倶多楽湖東部のカルデラの外輪山の山腹斜面の事例が紹介された。ここでは、昭和19年11月時点で低木や裸地となっていたが、昭和58年9月24日から25日に近隣の登別のアメダスで1日に417o、1時間に126oの大雨が降り、カルデラ内壁と外側の七一二点沢で崩壊が起きた。崩壊後、カルデラ内壁では昭和59年から平成6年にかけて航空実播工と1〜2回の追肥工が行われ、七一二点沢では沢沿いに床固工、谷止工が施工され、崩壊面には平成2年から5年まで、覆式落石保護網工が施工された。
 災害後、カルデラ内壁は平成21年に植生回復したが、七一二点沢の左岸は植生の回復傾向がみられるものの、右岸では裸地が残っている。右岸、左岸で勾配、地質は同じであるが、右岸側は北東向き斜面のため、日照条件により、雪のグライドや凍結融解により表層崩壊が発生していると推測されている。

 

ふるさと森林相談会 札幌で

2月1日号

不在村森林所有者109人

ふるさと森林相談会 札幌会場

不在村森林所有者と面談し山つくりや森林管理を話し合う「北海道内ふるさと森林相談会」が1月20日札幌市で開催された。道内各地の15森林組合がブースを設けて森林所有者と森林整備について話し合った。 
 ふるさと森林相談会の札幌会場はホテルポールスター札幌で、午前10時から午後3時まで開かれた。 
 道央圏に住む森林所有者が約束の時刻に合わせて次々と来場し、合計109人が相談に訪れた。受付では道森連職員が応対し、森林所在地の森林組合のブースに案内した。森林の成長を楽しみに相談会に来る人、親子で相談に来る人などで賑わった。 
 森林組合は組合長や職員が応対し、地元の役場林業担当職員や振興局森林室も同席して、成長した森林や植栽を完了した山林を現地写真で示し、また林班図を見ながらどこを伐採するかなど必要な事業をテーブルを囲んで話し合った。 
 残してきた森林の記憶をたどり、懐かしい地元の話に花を咲かせる中で、各組合は施業受託に結び付けていた。また、齢級が上がっていることから主伐〜再造林の相談が増える一方、森林を手放したいとの相談も一定程度寄せられた。 
 ふるさと森林相談会は、札幌会場のほか、大阪1月24日、東京1月26日の日程で開催される。
 〈札幌会場に参加した森林組合〉
 はこだて広域・山越郡・北部桧山・南しりべし・なかそらち・北空知・士別地区・下川町・遠別初山別・留萌北部・中頓別浜頓別町・豊富猿払・北見広域・滝上町・雄武町の15森林組合
 〈参加した森林室・市町村〉
 空知総合振興局森林室・オホーツク総合振興局東部森林室・長万部町・八雲町・初山別村・遠別町・天塩町・幌延町・北見市  

 

令和5年度木材需給見通し 道産材420万立方メートル 25万立方メートル減

1月25日号

道水産林務部は令和5年度の北海道木材需給見通しを12月下旬に公表した。道の工場動態調査など5年度前半の実績に加え、後半については製材業界・製紙関連・流通商社などに聞き取り調査し、今年度の実績見通しとしてまとめた。 
 令和5年度の木材供給量は合計で約583万立方メートル。ウッドショックで需要が高まった令和3年度からは2年連続の縮小となる。前年度(見込み)からは約54万立方メートル減を予測している。梱包材受注の鈍化、住宅着工の低迷、合板原木の受入制限があり厳しい1年だった。一方でバイオマス燃料材の引き合いは旺盛で原料材の競合が起きた。 
 木材供給量のうち道産木材は約420万立方メートルとなり、前年度比94%を見通している。道産材だけで約25万立方メートルの減少である。一方、輸入木材の供給量は約164万立方メートル、同85%を見通しており、約29万立方メートルの落ち込みとなる。内訳では、製材品、構造用集成材の供給が大幅減少、チップは前年並みとなる。 
 道産木材も減るが輸入木材の減少が大きいことから、道産木材自給率は上昇し72%と7割超えを予想している。 

 

北大森林科学科パネル展 北海道森林管理局で

1月25日号

北大森林科学科パネル展

北海道森林管理局は1月9日から26日までウッディホールで、北海道大学連携協定パネル展を行った。これは、北大農学部森林科学科の8つの研究室の研究内容についてポスターを使用し紹介している。 
 造林学研究室の台風からの森林の回復過程の研究や、森林政策学研究室の山村移住による地域社会への影響、木材工学研究室のCLT製造時に油圧ではなく真空プレスを行った際の製造可能性の研究などが紹介された。

 

エア・ドゥがクレジット購入 道有林と石狩市有林の110トン

1月25日号

道有林と石狩市有林の110トン

AIRDOクレジット購入

 株式会社AIRDO(本社札幌市、鈴木貴博社長)は、道有林と石狩市有林の森林吸収クレジットを12月20日に購入した。道有林55t・石狩市55tの合計110t分を購入した。
 就航25周年を迎えたことから、25年前の就航日の新千歳―羽田間3往復の運航分に相当する二酸化炭素排出量110tを購入した。

 

道森林整備課 低密度植栽の実施、重点に

1月25日号

造林作業の省力化、機械化 豊かな森予算の2割を低密度植栽推進枠に

 道森林整備課は造林の省力化・低コスト化の推進の取り組みについて、1月19日に札幌市で行われた北海道内森林組合連合幹部職員会の情報交換会議で説明した。令和6年度から「植栽本数の削減」を重点取り組みとして位置づけモデル的な低密度植栽の実施、定着を図る。
 今後、作業員の確保が困難となることから、人力に頼ることの多い造林作業の省力化、低コスト化に取り組むことで、植栽面積を確保し、ゼロカーボン北海道の実現に貢献する。

 

木育ひろばに2700人

1月25日号

札幌駅前通地下歩行空間で木工体験

木育ひろば

  道・森林管理局・森と緑の会は、「木育ひろばinチカホ」を1月20日と21日、札幌駅前通地下歩行空間で開催した。
 北海道・木育フェスタ2023の一環として開催し、森林・林業団体、木育マイスターなどが18のブースを出展し、木工体験やパネル展示を行った。
 出展団体のうち、オホーツクおとの森協定の構成団体(北見木材・遠軽町・オホーツク総合振興局)は、ピアノの響板の原料をめざしてアカエゾマツ人工林を育成する取り組みを紹介した。来場者に木製楽器であるカスタネット作り体験も行った。
 また、道内各地の木育マイスターが講師を務めたワークショップでは、木の板の端材・松ぼっくりなどを使った楽しい顔作り、落ち葉を利用した団扇作りなどの体験を行い、子どもが木を感じながら楽しんだ。
 北の森づくり専門学院の紹介ブースでは、VRゴーグルを装着したチェーンソー伐木体験も行われ、林業の仕事をPRしていた。
 2日間で参加者は延べ2700人にのぼった。

 

北木市新春初市 成約率82% 成約量1071立方メートル

1月25日号

KD材174立方メートル販売

北木市新春初市

 北海道木材市場協同組合は1月12日、新春初市を開催した。当日は晴れ間が見られたが強風の中107人が参加した。出品量は昨年以上の1310立方メートル、成約量は1071立方メートル、成約率は82%となった。
 毎年恒例の初市は、まず車上売り(25台・753立方メートル)が完売、続いて建場造作材(10立方メートル)は競り合いも見られ完売した。
 一方、土場一般材については、547立方メートルが出品され、成約率56%(308立方メートル)となった。
 このうちKD材は233立方メートル出品された。12尺の角類や割物、6・9尺の割物の成約率が7割を超えるなど旺盛に販売された。
 また、グリーン材は、エゾ・トドマツ105角のほか、垂木、胴縁といった割物、桟木などが出品され、成約率40%であった。市売り全体では成約率は82%、金額は前年比106%の5980万円となった。

 

森林環境譲与税で木製品を導入 北斗市が小学・中学2校に

1月25日号

はこだて広域森林組合が受注 道南スギの下駄箱7台

道南スギの下駄箱

 北斗市教育委員会は、市内の小中学校用に木育推進の観点から木製の下足箱を発注し、12月末、2校に導入した。北斗市の森林環境譲与税を活用して実施し、地元の道南スギを使った製品を設置した。
 北斗市立市渡小学校と大野中学校に、老朽化した下足箱の更新のため設置した。この事業を地元はこだて広域森林組合が受注して、北斗市有林のスギ原木を調達し、森町の株式会社ハルキが集成材、製材に加工して下足箱を製作した。
 市渡小学校には児童40人用3台、児童24人用1台、職員15人用1台を設置。大野中学校には職員20人用2台を設置した。高さ1680o、幅3020o、奥行き350oなど。職員用には扉が付いたタイプを用いている。製作・設置価格は小学校400万円、中学校150万円となっている。
 スギ製材、また小幅板をフィンガージョイントで繋ぎ合わせたスギ集成材を使用して木の質感を活かした仕上げとなっている。北斗市では森林環境譲与税を活用して、私有林整備事業への補助(68%)などのほか、木製玩具の贈呈など木育推進に取り組んでおり、この一環として実施した。

 

森林吸収クレジット購入 アースグローイングが20トン

1月25日号

証明書贈呈式

協同組合アースグローイング(玉田尚久代表理事、岩見沢市)が、道有林と浦河町有林の二酸化炭素吸収クレジットを計20t購入したことから、このオフセット・クレジット証明書の贈呈式が1月15日、空知総合振興局の局長室で行われた。

空知・石狩地域の森林整備を進める協同組合アースグローイングは、構成員の林業事業体が使うグラップルやハーベスタの二酸化炭素排出量、また通勤車から出る排出量の一部を埋め合わせるため、オフセット・クレジットを購入した。購入は今年で5回目となる。

道有林分10t、浦河町有林分10tの合計20tを22万円で購入した。1t当たりでは1万1000円となる。

同協同組合の構成員は、玉田産業(岩見沢市)、日本緑化中村(沼田町)、堀川林業(三笠市)、宮永建設(当別町)、小室産業(芦別市)、関口緑化(奈井江町)、笹木緑産(奈井江町)、三北建設(滝川市)、黒田重機(栗山町)の9社で造林・造材事業を実施している。

 

令和4年港湾統計 原木輸出44万トン

1月18日号

ロシア単板の代替で取り扱い拡大

国土交通省は港湾統計年報を12月27日公表した。これによると令和4年に北海道の港から移出・輸出された原木は合計約44万tとなった。輸出は減少したが、移出は大きく伸びた。
 このうち移出された原木は約39万9千tにのぼった。令和4年はロシアによるウクライナ侵攻の影響で、合板用ロシア単板の日本への供給がストップした。このため、代替材として道産カラマツの集荷意欲が高まり、原木移出は約4万3千tの伸びを見せた。
 また、輸出された原木は約4万t、主に函館港からスギなどが輸出されている。出荷先の中国の景気低迷などにより、令和4年は約1万5千t減少した。
 移出と輸出の合計では約44万t、前年に比べ約2万8千t増加し、近年では最高の出荷量となった。苫小牧港からが最も多く約12万1千t、次いで函館港からは約10万9千t、十勝港からが約8万2千t、留萌港からが約6万tなどとなっている。

 

林業人新年交礼会に250人

1月18日号

輸入材不透明、国産材が重要に 森林の二酸化炭素吸収 北海道への期待高い

新年交礼会

北海道林業人新年交礼会が1月10日、ホテルポールスター札幌で開催された。林業・木材産業関係者、国会議員、道議会議員、知事など約250人が出席して北海道林業の発展を願った。

 

優良材320立方メートル売り上げる 第122回優良原木市

1月18日号

北海道木材市場協同組合

最高額タモ

北海道木材市場協同組合の第122回道央地方優良原木市が12月22日札幌市の北木市で開かれた。優良材320立方メートルを販売し、総売上額1352万円、平均単価は立方メートル4万2300円となった。

主な樹種の平均単価(立方メートルあたり)は、ナラ5万9700円、メジロカバ4万3600円、シナ1万9000円、タモ3万8200円など。

最高値物件はタモ3・0m×48cm(0・691立方メートル)、1本あたり14万円(松原産業株モ「上げ、出品轄kエ木工場)

主な落札者は鞄マ林85立方メートル・平均単価4万8400円、物林鰍U3立方メートル・平均単価4万9800円、轄kエ木工場48立方メートル・平均単価3万1200円など。

当日は岩見沢地区の大雪の影響により、来場できなかった買方もいた。

 

森と人とを育てるコンクール

1月18日号

優良林分育成16人・1団体 木育5団体

令和5年度「森と人を育てるコンクール」受賞者が決まった。適切な森林整備を実践し模範となる優良林分を育てている森林所有者、長期にわたり木育に取り組む団体等の表彰を行うもので、主催は北海道森と緑の会、道造林協会、道森連、道で構成する実行委員会。

今年は優良林分を育成する16人、1団体、木育活動の5団体が受賞した(敬称略)。

■森林所有者部門

[最優秀賞]
(トドマツ・アカエゾマツの部)

◇伊藤組山林管理育成梶i参加林分の所在地=千歳市)アカエゾマツ41年生、0・6ha
(カラマツの部
◇松嶋弘(参加林分の所在地=豊頃町)カラマツ33年生、0・55ha
(スギの部)
◇玉井勲(参加林分の所在地=奥尻町)スギ46年生、0・32ha

[優秀賞]
◇冨田重義(黒松内町)トドマツ43年生◇中谷幸雄(新ひだか町)トドマツ42年生◇佐藤正男(和寒町)トドマツ35年生◇櫻井貞男(枝幸町)アカエゾマツ44年生◇大槻薫(紋別市)トドマツ35年生◇上田正一(むかわ町)カラマツ39年生◇山谷朋之(美幌町)カラマツ34年生◇国立慶治(北斗市)スギ41年生

[優良賞]
◇山下稔(岩見沢市)トドマツ44年生◇水野美智子(上川町)トドマツ36年生◇国見稔(小平町)トドマツ44年生◇石澤元勝(厚岸町)グイマツ雑種F138年生◇吉原重樹(中標津町)カラマツ40年生◇熊谷典子(知内町)スギ50年生

■木育活動を行う団体部門
[最優秀賞]◇一般社団法人オホーツク森林産業振興協会(活動所在地=北見市)
[優秀賞]◇NPO法人大雪山自然学校(東川町)
◇木育マイスター道東支部(浜中町)
[優良賞]◇浜益魚つきの森推進協議会(石狩市)
◇函館サンモリッツくらぶ(北斗市)

受賞者には、各振興局の森林室長などから賞状が伝達される。

 

トドマツの門松 道森連が贈呈

1月11日号

上川振興局に

門松

新年を迎える門松を、北海道森林組合連合会が上川総合振興局に贈った。

トドマツの門松として、下川町森林組合がトドマツ間伐材を芯抜き加工機でくり抜いて制作した。説明板をつけてトドマツなど上川の森林資源の活用を呼びかけている。

 

北海道森林審議会 上川南部、網走西部、十勝3地区の森林計画諮問

1月11日号

主伐量・造林面積大幅増加

道は12月18日に令和5年度第2回北海道森林審議会(会長=北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 吉田俊也教授)を札幌市の第二水産ビルで開催した。3森林計画区の森林計画の樹立およびその他10区の森林計画の変更について諮問された。あわせて、道民ひとり1本植樹・育樹運動の展開、道南におけるナラ枯れ被害についても報告された。

今回樹立する地域森林計画は令和6年度から16年度までの10年間。事前に道が今回森林計画を樹立する3地区で事前に意見募集などを行い、課題を踏まえ、森林整備を実施する計画としている。

【上川南部地域森林計画区】

課題としては、新規就労者の定着、所在不明の森林所有者の存在、主伐の増加に伴う造林面積の増加がある。問題に対応するため、労働環境の改善、機械化、ICT導入による生産性向上、届出の推進、所有者不明森林に対する森林管理権集積計画の特例の活用などに取り組む。

伐採計画は利用期に移行する人工林が多いことから主伐が前計画比144%の358万5000立方メートル、間伐が前計画比68%の84万2000立方メートルを予定している。また、人工造林は前計画比133%の1万1381ha、天然更新は前計画比188%の2777haを計画している。

【網走西部地域森林計画区】

当地域は林業の担い手育成及び確保、作業効率化の必要性という課題がある。対処として、北の森づくり専門学院の実習生受け入れ、林業の魅力の発信などに取り組む。

伐採計画は主伐が前計画比166%の365万9000立方メートル、間伐が前計画比58%の91万1000立方メートル。造林計画は、人工造林が前計画比129%の1万1177ha、天然更新が前計画比182%の6803haを計画している。保安林指定面積として3981ha指定を予定している。

【十勝地域森林計画区】

課題として、造林未済地が発生していること、担い手の高齢化、新規就労者の早期退職、作業効率化の必要性が挙げられる。解消のための取り組みとして、特に効率的に施業が可能な地区の区域設定、SNSの活用などに取り組む。

伐採計画は主伐前計画比126%の661万4000立方メートル、間伐前計画比75%の191万2000立方メートル。造林計画は、人工造林が前計画比120%の2万5131ha、天然更新が前計画比111%の9005haを計画している。保安林指定面積として870ha指定を予定している。

計画変更は、渡島檜山地域森林計画区の主伐計画を130%増の249万2000立方メートルとすること及び森林区域の変更、要整備森林の5カ所解除、林道の13路線開設、7カ所拡張を計画している。

これの計画案を踏まえて委員からは、十勝地区に関して、造林面積に関して過去5年の実績造林面積に比べ計画が172%となることの根拠などの質問があった。

諮問された地域森林計画の策定及び変更は、妥当であると答申され、4月より実施される。

 

第471回北海道銘木市

1月11日号

北木市 風景

旭川林産協同組合の第471回北海道銘木市が12月15日、旭川市永山の銘木会館で開催された。展示出品量は約1400立方メートル、少雪や暖冬の影響で出材遅れもあり、数量は前年12月よりやや少なかったが、約1億200万円を売り上げた。

冬山造材の新鮮材が豊富に出品され、中でも当麻地区道有林のミズナラの良材が高値で落札された。本州方面から多くの買方が参加して盛り上がりを見せた。

 

木材工場の労災発生に警鐘

1月11日号

コンベヤーに巻き込まれ メンテナンス・清掃中が大半

林材業の労働災害防止に向けた取り組みが呼びかけられている。昨年10月下旬に開かれた北海道ブロック林材業安全管理推進会議(道と林災防主催)では、林業の災害に加え、木材産業の災害発生にも警鐘が鳴らされた。林野庁木材産業課が次の分析内容をオンラインで報告した(概要)。

令和5年の木材・木製品製造業の死亡災害は非常に多く発生しており、9月まで全国で7人の方が亡くなっている。

1月には高知県で、4面加工機の下方に入って動作確認をしていたところ、テーブルを駆動するアームと支柱の間に胸部を挟まれ死亡した。2月には福井県で、パーティクルボード工場の原料の木材チップ貯蔵庫内に被災者が入り、サイロのスクリューコンベヤーに巻き込まれる死亡事故が発生している。

また、3月には兵庫県で、工場内の棚からラワン合板を取り出す作業中に、他の作業員がエンジンを止めて停車していたフォークリフトのエンジンを始動させたところ、突然前進して被災者の背後に激突した事故が発生した。

死亡災害と休業4日以上を加えた死傷者数は、令和4年は1110人にのぼった。長期的には減少しているが近年は微減にとどまっている。死傷千人率は12・3人となり、林業の23・5人よりは低いが、全産業に比べると約5・3倍とかなり高くなっている。他産業に比べ重大な災害が多く発生しており、また、小規模な事業場ほど労働災害が多く発生する傾向がある。

年齢別の特徴は、若年層では年齢が上がるにつれて死亡や重篤事故の発生率は低下するが、高齢になるにつれて死亡や重篤事故の発生率は増加する。

死亡災害の型は「挟まれ・巻き込まれ」「転落・墜落」が多い。これらをさらに分析すると、機械のメンテナンス中や清掃中に被災しているケースが過半を占めている。このため、メンテナンス中などでの重点的な対策が必要である。

また、全国では木材加工施設の火災が毎年100件前後と非常に多く発生している。

 

道南スギでバックボード

1月11日号

渡島振興局のお供え餅の背景に

バックボード

12月26日渡島総合振興局に新年の豊作を祈念するお供え餅が、新函館農協(八雲町もち米生産部会)から贈呈され、振興局合同庁舎の正面玄関前に飾られた。

贈呈されたお供え餅は直径35cmで、道南スギの台に乗せ、南かやべ漁協の真昆布で飾り付けし、道南スギ製のバックボードを背に飾られ、道南の素材を組み合わせた飾りとなった。

このうちバックボードはイベントやインタビュー時の背景として使われるもの。令和5年に道南地方木材協会から渡島総合振興局に贈られた道南スギ製品で、森林認証取得、HOKKAIDO WOODブランドなど地域材の良さをPRしている。

 

安平町早来学園 HOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録

1月11日号

屋根支える構造に町産カラマツ

早来学園

今年4月に開校した胆振管内の安平町立早来学園がHOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録されたことから12月12日、道から登録証が交付された。

早来学園は、早来中学校、早来小学校などの4校が統合された小中一貫の義務教育学校である。早来小学校の敷地に延べ面積7092平方メートル、鉄筋コンクリート造一部木造・鉄骨造の2階建校舎を新築した。

子どもたちが交流しやすく、創造力を高める教育環境をめざして建設した。また、校舎内の図書室を開放エリアとして地域住民にも使ってもらう。会議室、アリーナ、音楽スタジオを共用エリアとして予約して使ってもらうなど、地域とつながる施設としている。

鉄筋コンクリート造と、屋根部分を木造としたハイブリッド構造。屋根を支える構造材に安平町産のカラマツ材を積極的に活用した。原木を地場工場でラミナに加工してから町外で集成加工して使用した。また、道内産の一般製材も活用している。道産構造材は合計で約226立方メートル使用した。

12月12日にHOKKAIDO WOOD BUILDING登録証の交付が行われた。

 

北海道産業貢献賞表彰

1月4日号

森林づくり功労者10人

授賞式

北海道産業貢献賞森づくり功労者の表彰式が12月19日札幌市で行われた。林業・木材産業の振興に多大な貢献のあった10人に土屋俊亮副知事から表彰状が贈呈された。以下は受賞の方々。

 ◇藤田靖則(石狩市)
 ◇小野哲弘(様似町)
 ◇長岡輝仁(森町)
 ◇水戸部正博(豊富町)
 ◇山田龍(北見市)
 ◇江本博幸(滝上町)
 ◇永野仁(音更町)
 ◇中田博文(上士幌町)
 ◇峯田悟(白糠町)
 ◇古瀬斡士(標津町)


2023

 

丸太生産情報を転送 ハーベスタから製材工場へ

12月21日号

スマート林業EZOモデル協議会 デジタル林業へ転換

林野庁補助を受けデジタル林業実践に取り組むスマート林業EZOモデル構築協議会は、令和5年度の取り組み状況を報告する会合を12月14、15日に開いた。このうち、原木取引情報のデジタル化については14日、新宮商行林業機械部(小樽市銭函)に集まって実演と意見交換を行った。

道、市町村、研究機関、機械メーカー、林野庁(オンライン)など26人が出席した。

報告された取り組みは、ICTハーベスタの生産情報を使った原木流通システムである。この日の実演は、新宮商行が所有するポンセのハーベスタシミュレータを使って行った。

ハーベスタで造材する際に生成される木材データを、通信機能を使ってクラウドシステムに転送する。この情報を、生産を委託した森林組合事務所で見て進捗状況を確認したり、発送伝票を作ったり、原木を買い受ける製材会社が原木管理に活用したりできるものである。現場で人力検知をしない取引をめざす。

 

税制改正大綱 森林環境税の譲与基準見直し

12月21日号

私有林の多い市町村に手厚く

自由民主党と公明党は「平成6年度税制改正大綱」を12月14日まとめ公表した。地方活性化等に関する税制では、森林整備の財源として活用されている森林環境譲与税の譲与基準の見直しを盛り込んだ。

森林環境譲与税は令和元年度から開始され、令和5年度は全国に500億円が譲与され、私有林の整備、木材利用促進、担い手の育成支援などに活用されている。

しかし、地球温暖化防止や災害防止機能の増進、森林所有者の高齢化など森林環境を取り巻く課題は多くなっており、森林を多く有する地域でより整備が進むよう、山村地域の地方公共団体や林業団体などかは譲与基準の見直しを求めていた。

令和6年度税制改正大綱では、森林環境税の課税徴収が始まる令和6年度から、「森林整備を始めとする必要な施策の推進につながる方策として、これまでの譲与税の活用実績等を踏まえ、譲与税の譲与基準について、私有林人工林面積及び人口の譲与割合の見直しを行う」と明記した。その上で、地方公共団体に一層の活用を促し、国民理解を深めていく。

具体的な譲与割合は、現行の「私有林人工林面積50%・林業就業者数20%・人口30%」から、『私有林人工林面積55%・林業就業者数20%・人口25%』へと変更する。私有林人工林面積割合が若干高まり、人口割合が若干低くなった。

令和6年度からは、全国への譲与額は100億円増額され600億円となる。

 

発電燃料にヤナギ栽培 石狩市で実証実験

12月21日号

奥村組ほか

実験地、石狩新港バイオマス発電所

株式会社奥村組、神鋼商事株式会社、丸紅クリーンパワー株式会社、大成建設株式会社は12月13日に森林総研の協力のもと、石狩市の石狩湾新港地域の市有地及び厚田地区でヤナギ等の早生樹種を植樹しバイオマス燃料として利用可能か検証する事業を開始したことを公表した。

植樹した早生樹種が生育したのち、現在稼働している石狩新港バイオマス発電所および石狩地域バイオマス発電所で利用可能か検討を行うとしている。

実証実験は11月にヤナギやハンノキを石狩湾新港地域、厚田の2カ所で0.2ha、合計0.4haを植樹した。現在稼働している石狩新港バイオマス発電所を運営している渇恆コ組によると現在使用している燃料は、海外から輸入した木質ペレットおよびPKSを使用しており、今後、実証実験で栽培したヤナギやハンノキが発電に活用できるかを検証するとしている。

 

道有林 GPSマニュアル 若手職員が作成

12月21日号

全道の森林室に配布

道有林整備に携わる若手職員が「道有林GPSマニュアル」を作成した。森林室職員の測量・データ整理などに役立ててもらおうと完成させたもので、道庁道有林課はこのほど全道の森林室に配布した。

作成したのは「空知・上南森林室が考える道有林GPSマニュアル」。GPS機器の新しいモデル(GPSMAP66i)が導入されたことを契機に、空知森林室と上川南部森林室の若手職員が中心となって数年かけて作成した。

 

森林環境譲与税 活用年々増加 道議会で報告

12月14日号

道内市町村に4年で97億円配分

道議会12月7日予算特別委員会

森林環境譲与税の道内への譲与額と活用促進について、道議会第4回定例会で取り上げられた。12月7日の予算特別委員会で田中勝一議員(民主・道民連合、札幌市中央区)が、道内市町村への譲与額の総額など質問。これに道水産林務部は、市町村には4年間で総額約97億円が譲与されており、今年度は約33億円、来年度は約41億円の見込みであるなど説明した。

譲与額の総額と活用額の質問に対して道は、北海道庁分では、令和元年度から令和4年度までの4年間で合計16億7千万円。このうち15億3千万円を活用したと報告した。

道内市町村分については、令和元年度は12億3千万円、2年度は26億1千万円、3年度は25億7千万円、4年度は33億3千万円と増加しており、4年間で97億4千万円になっていると報告した。

このうち活用額については、年を追うごとに増加しており、4年間で55億7千万円が活用された。さらに令和5年度の状況では、譲与見込額の33億3千万円を上回る全道合計で36億円の予算が計上されている。

使途は、私有林の植林や間伐など森林整備への支援に加え、公共施設の木質化や木製遊具の整備、木質ペレットストーブの導入など木材利用促進への支援。さらには、安全装備品の購入支援など人材の育成・確保に向けた取り組み、木育イベントなどに活用していると説明した。

 

ナラ枯れ5カ所15本発見 道、カシナガ駆除へ防除マニュアル提供

12月14日号

予算特別委員会 被害木の情報提供呼びかけ

道議会12月7日予算特別委員会

12月7日の道議会予算特別委員会において、カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害について取り上げられた。檜垣尚子議員(自民党・道民会議、札幌市中央区選出)がナラ枯れ被害拡大防止に向けた取り組みについて質問。森林計画担当局長は今後の対応について被害木の早期発見、駆除マニュアルの作成、関係機関との連携を行い、広葉樹資源の保全ができるよう取り組むと答弁した。

檜垣議員は、道内で初めてカシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害が発生したことから、被害の状況と対応について質問。森林整備課長は「今年8月の調査で3年ぶりにカシノナガキクイムシ17個体を確認した。このため、9月に松前町と福島町を対象にドローン調査を行い、ナラ枯れの可能性がある箇所については10月および11月に現地で確認調査を行い、松前町および福島町の民有林で5カ所15本の被害木を確認した。このため、10月に森林総研、道総研、道森林管理局などで構成される対策会議を開催し、11月には松前町で、市町村、森林組合を含めた対策会議を実施し、カシノナガキクイムシの卵が孵化し移動を開始する6月までに被害木の伐採、薬剤注入などの駆除、被害木の調査方法の検討、地域住民に被害情報を呼びかけるといった対策を行う」と答弁した。

 

谷口淳一氏に天皇杯授与

12月14日号

令和5年度農林水産祭式典

 令和5年度(第63回)農林水産祭式典が11月23日東京都の明治神宮会館で行われ、林産部門で天皇賞を受賞した北斗市で苗木生産を行う谷口淳一氏に宮下一郎農林水産大臣から表彰状が贈られた。

 

森林管理局が「新しい林業」 潔癖な下刈り見直し

12月14日号

令和6年度、機械刈り導入、列間走行、伐採造林一貫作業システム拡大

下刈りの取り組みは意見交換会で公表された

道森林管理局が道内5地区で開催した森林・林業関係事業体との意見交換会(10月〜11月)では、「新しい林業」の展開として、造林事業の効率化・省力化の方針を事業体に示した。令和6年度から〈下刈り手法の抜本的見直し〉と〈一貫作業システムの拡大〉を予定している。

北海道国有林では、造林事業の労働力不足が深刻化している現状を踏まえ、下刈り手法の抜本的見直しを図る。

過去の実証から、下刈り回数の省略(年間2回刈りを適期1回刈りに)、下草の高足刈り(地際ではなく高さ30〜50pで刈る)でも、苗木の生長に支障がないことが分かってきた。さらに、草刈り機械を使い苗木の列間のみ刈った場合でも、苗木は枯れず、蒸れによる被害も発生していなかった。

このため、令和6年度からは、潔癖な下刈りの見直し、機械下刈り箇所の拡大を予定している。植え方は、重機タイプの機械でも走行できるよう列間4m、苗間1・67mの1条植え、f1500本の低密度植栽を進める。

また、令和6年度は一貫作業システムの拡大を進める。

主伐期を迎え伐採量が増える一方で、伐採後の造林事業の入札では不調・不落が見られ、再造林につながらないケースが出てきている。このため、更新を伴う伐採事業では、「伐ったら植える」を1契約で完結させる伐採〜地拵え〜植え付けの一貫作業システム発注を拡大する。

これらの手法について、令和6年度は過渡期となることから、新たな手法と従来の手法が混在する年度となる。従来の人力下刈りにおいても、刈り払い不用幅(トドマツで片側50p、カラマツで片側30p)を設けるなど、潔癖な下刈り手法を見直す。機械下刈りは、令和5年度から機械下刈りを継続している機械走行が可能な植栽地を対象に行う。

 

道有林クレジット 航空レーザー計測で 樹高データを効率的に取得

12月14日号

CO2吸収量算出 来年から販売へ 道7割、三井物産3割分配

道有林2万6000haのCO2吸収量のクレジット販売をめざす道と三井物産株式会社は、クレジット創出に向けた第1段階の重要な手続きとなる「プロジェクト計画書」をJ−クレジット制度認証委員会に提出し、11月16日、要件に適合していると認められ登録された。

道と三井物産は、道有林の上川北部管理区約1万5000ha(音威子府村・美深町・名寄市・士別市)、また網走西部管理区約1万1000ha(雄武町・興部町・西興部村)の合計約2万6000haで吸収量を算定し、クレジット化と販売をめざしている。

 

コタンコカムイの森づくりパネル展 道森林管理局で 

12月14日号

国有林材を活用したアイヌ文化伝承へ

パネル展の様子

平取町および兜ス取町アイヌ文化振興公社は12月4日から14日まで21世紀・アイヌ文化伝承の森プロジェクト〜コタンコカムイの森づくり〜取り組み紹介パネル展を道森林管理局ウッディホールで行った。8日には、オヒョウニレの樹皮を使ったブレスレットづくり体験や、スタッフによる解説が行われ、地域の住民19人が参加した。

この取り組みは、北海道森林管理局と平取町、平取アイヌ協会の間で平成25年に結ばれた「21世紀・アイヌ文化伝承の森再生計画〜コタンコカムイの森づくり推進のための協定書〜」を結び、平取町内の国有林で狩猟、採集の場や草木を活用するなどアイヌ文化を育んできた森林の保全、再生、活用に取り組んでいる。

そのため、平取町と兜ス取町アイヌ文化振興公社が森づくり、アイヌ文化伝承について紹介するパネル展を行い、8日には公社のスタッフが民具などの説明を来場者に行ったり、衣服や縄として活用されてきたオヒョウニレの樹皮を使用したブレスレット製作体験を実施した。

パネル展では、協定に関する説明、森林の草木や河川、海がアイヌ文化に必要なものを供給してきたこと及び明治以後の政策により原生林が伐採され針葉樹が植林されたことによりアイヌの人々が衣類や縄として利用してきたオヒョウニレなどの広葉樹が手に入れられなくなってきているため、多様な森林を回復させる取り組みなどが紹介された。

またアイヌ文化民具として、国有林から出材したトドマツで作られたトンコリやイヌエンジュで作られたイクパスイ(捧酒箸)の展示が行われた。その他、アットゥ(オヒョウニレで作られた反物)やイタ(クルミやカツラで作られた木の盆)の展示が行われた。

オヒョウニレの樹皮を使ったブレスレット製作体験では、層状になっているオヒョウニレの内皮を1枚まで薄くし糸状にしたものを、腕につけられる長さまで編む体験が行われた。使用されたオヒョウニレの糸には草木染めによる色付けがされているものもあり、参加者は様々な色のオヒョウニレの糸を組み合わせながらブレスレット製作を行っていた。

今後もアイヌ文化振興の取り組みは継続して行われる。

 

森林管理局 樹木採取権の需要調査 結果

12月7日号

日高、渡島檜山に3件の事業構想

樹木採取権制度に取り組む道森林管理局は、樹木採取区指定検討のための需要動向調査(マーケットサウンディング)を4月末〜7月末に実施した。国有林の日高森林計画区と渡島檜山森林計画区について事業構想を募集したところ、木材加工企業や木材流通商社から計3件の提案があり、11月22日主な内容を公表した。

○日高森林計画区

<木材商社と製材業者〉

○渡島檜山森林計画区

〈製材業者〉

〈木材商社〉

 

国有林の造林・販売事業 道内5地区で意見交換会

12月7日号

木材供給増やす目標、新しい下刈り手法、機械化

意見交換会

道森林管理局は、森林・林業関係事業体との意見交換会を10月から11月にかけて道内5地区で開催し、令和6年度の造林・販売事業の検討概要、公正な入札と契約、事業の労働安全確保について説明し、意見交換を行った。

11月28日には道森林管理局会議室で札幌地区の意見交換会を開催し、事業体や団体など約30人が出席した。

令和6年度事業の検討方向ついて次のように説明した。

□造林事業

令和6年度の事業量は、下刈り事業を除き令和5年度並みを確保する予定であるが調整中である。作業手法では、一貫作業システムを進めることとし、主伐箇所において素材生産と造林事業の一括発注を原則とする。

下刈り作業では、「新しい林業」の取り組みとして、下刈り手法の抜本的見直しや、機械下刈りの導入を事業ベースで実施する予定である。機械による下刈りを拡大していくため、機械のレンタルなども活用していく。また、植生高の低いミヤコザサ地帯では無下刈りを検討する。

植え付け作業では、コンテナ苗の安定需給協定で苗木の確保を図る。クリーンラーチを含むカラマツ類は、木材需要もあり育林コストも低いことから、適地において積極的に使用を検討する。

□立木販売事業

令和6年度の販売量は、現時点では増量となる見通しである。

□製品生産事業

「新しい林業」の実践に向け、伐採・造林の一貫作業をさらに推進する(原則一括発注)。

生産性向上に向けて、各署では請負事業者の工程把握に努めている。令和5年度から運用が開始された生産日報アプリの活用をお願いする。

説明後の意見交換では、出席した事業体・団体から「生産事業量がここ5年間で33%増えており、事業体はいっぱいいっぱいになっている。今後については、中長期的な見通しを示していただくと、対応・準備が違ってくる」「機械下刈りについても、今後の見通しが立たないと事業体は下刈り機械のレンタルか導入か踏み切れない」「入札の単価について、人件費・機械価格・燃料が上昇しており各企業は厳しいので見直しをお願いしたい」などの意見が出ていた。

 

道森林計画課 森林由来クレジットセミナー開催

12月7日号

活用・販売・算出方法学ぶ

セミナーの様子

道森林計画課は、令和5年度森林由来クレジット創出支援無料セミナーを9月25日帯広、10月11日旭川、11月14日札幌およびオンラインで開催した。帯広会場35人、旭川会場32人、札幌会場では会場参加者25人およびオンライン参加73人、合計98人が参加し、J―クレジットについての概要、活用、販売方法、算出の計画および手続方法について受講した。

11月14日に札幌およびオンラインで行われたセミナーでは、支援事業を受託した日本データーサービス鰍ノよる説明が行われた。まずJ―クレジット制度の概要及び取り組み手順が説明された。登録のための書類作成、事前調査などの準備、クレジット認証の妥当性確認、登録、登録後のクレジット発行のためのモニタリング調査及び発行審査が必要であることなどが説明された。また、活用事例については商品にカーボンオフセットをすることによる環境に配慮した商品であることをPRした取り組みや、企業による購入事例、金融機関による販売あっせんの取り組みなどが紹介された。

次にクレジット認証・発行のために必要なモニタリング調査の調査地選定や、二酸化炭素吸収量の算定方法についての説明が行われた。

 

むかわ町とコシイプレザービング 地域づくり、脱炭素で連携協定

12月7日号

胆振管内むかわ町と株式会社コシイプレザービング(本社大阪市)は、災害に強い地域づくりなどを進める包括連携協定を11月24日に締結した。

むかわ町産業会館で協定締結式が行われ、竹中喜之町長とコシイプレザービングの神谷直秀社長が協定書に調印した。「災害に強いまちづくり」「地域の脱炭素化」「北海道胆振東部地震からの復興」などで協力を進め、関係人口の拡大や持続可能な地域づくりをめざす。

 

「セーザイゲーム」体験会 函館市で

12月7日号

製材の仕事を楽しみながら学ぶ 多彩な年齢層の15人参加 檜山森林管理署

セーザイゲームの様子

道森林管理局檜山森林管理署・渡島森林管理署は11月14日、「セーザイゲーム」体験会を函館市の函館アリーナで行った。20代から60代以上までの多彩な年齢層の一般参加者15人が参加し、製材の仕事に関する説明や製材がどのように販売されるのかを体験するボードゲーム「セーザイゲーム」をプレーした。

セーザイゲームは三重県熊野市の「熊野林星会」と三重大学が共同開発したプレイヤーが製材会社の経営者となり、質のいい丸太を落札し、より効率よく材木を作り出して一番多く稼ぐかを競うボードゲーム。

参加者は、ゲームをプレーする前に、製材の仕事について説明を受け、丸太がどのように加工され材木となるのかをイメージを深めていった。

その後、節・元玉等の丸太の見分け方等の目利きの方法、歩留まりについて説明を受け、実際にゲームを行った。

参加者は、4人から6人の6グループに分かれ、セリに参加したり、落札した丸太を模したパネルを切り分けたり、切り分けた材木を模したブロックを販売したりし、製材流通を体験した。

体験後、丸太の径によって作る材に制限があること、今回は、三重県の熊野林星会の協力により体験会を行っているため、三重県と北海道・東北・九州といった地域ごとの製材所の形態の違いなどの説明を受けた。

主催した檜山森林管理署は、「ゲーム参加中の参加者に笑顔が見られ、アンケートにもまたやってほしいという意見が多いなど、参加者に製材について楽しく学んでもらうことができたと感じている。今後第2回の開催を検討する。今回は本州の製材に関する内容で行ったが、許可が出れば、北海道の製材生産の内容に合わせたゲームにし、多くの道民に、製材業について知ってもらえるきっかけとなれればと思っている」と話した。

 

道有林クレジット創出へ申請 道と三井物産

11月23日号

2万6千ha、森林管理プロジェクト登録

道有林2万6000haのCO2吸収量のクレジット販売をめざす道と三井物産株式会社は、クレジット創出に向けた第1段階の重要な手続きとなる「プロジェクト計画書」をJ−クレジット制度認証委員会に提出し、11月16日、要件に適合していると認められ登録された。

道と三井物産は、道有林の上川北部管理区約1万5000ha(音威子府村・美深町・名寄市・士別市)、また網走西部管理区約1万1000ha(雄武町・興部町・西興部村)の合計約2万6000haで吸収量を算定し、クレジット化と販売をめざしている。

吸収量算定には、航空レーザ測量を用いて広大な森林を効率的に測量し、ノウハウを道内市町村などに普及する。ゼロカーボン北海道に貢献する先導的な取り組みと位置付けている。

今回申請したプロジェクト計画書は、森林調査簿のデータなどをもとに、対象森林の現況、植栽・保育・間伐・主伐など森林施業の実施予定、吸収量の計画値などを盛り込み、第三者機関の審査を経て、11月16日付のJ−クレジット制度認証委員会で認められた。計画書上のCO2吸収量は、8年間の対象期間合計で約78万6000トンとしている。

 

ナラ枯れ被害防止対策会議 松前町で

11月23日号

市町村、森林組合、関係機関35人

カシノナガキクイムシの被害を受けた木

カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害が道内で初めて松前町と福島町で確認されたことから、道水産林務部は11月13日、「カシノナガキクイムシ被害拡大防止対策会議」を松前町町民総合センターで開催した。

被害拡大防止対策会議には、松前町、福島町役場のほか、渡島・檜山管内から近隣市町村、森林組合、林業事業体、林業試験場、森林管理署、道など35人が出席。調査で確認された被害木の状況などが説明された。

ナラ枯れ被害が青森県北部まで急速に広がったことから、令和2年度に道南地域でトラップを設置し生息調査を開始した。初年度は5個体が捕獲されたが、令和3年度と4年度は捕獲がなかった。しかし今年度は17個体に捕獲数が増えた。このためドローンによる上空調査と地上での現地調査を行ったところ、松前町と福島町の民有林で計9本のナラ枯れ被害木が初めて確認された。

被害拡大を防ぐ当面の処置では、被害木を伐倒して、くん蒸処理する方法が示された。伐倒、玉切りしたあと幹に薬剤が浸透するよう溝を刻む。これをシートで被覆して、くん蒸剤で殺虫駆除する。気温が低い道内の冬季間は、くん蒸剤が蒸発しないので、処理作業は来年春先に行う必要があると説明された。

また、新たに被害が出ないか、来年度もトラップ設置によるモニタリング調査を行い、生息密度を予測する。ドローン等による被害木調査も行う。

さらに、市町村や森林組合、森林所有者などが山で被害を見つけたら、道振興局に知らせるよう情報提供が呼びかけられた。

 

土屋ホールディングス 市営住宅建替で道産材使用

11月23日号

恵庭市 恵央団地で

鞄y屋ホールディングスは11月16日、11月13日に行われた恵庭市営住宅恵央団地PFI建替事業のプロポーザルにおいて、恵庭市から優先交渉権者に選定されたことを公表した。土屋ホールディングスが恵庭市に提出した提案書には、道産木材を使用した木造中層、低層住宅を建設するとしており、道産材の新たな利用が見込まれる。

今回行われる市営住宅建て替え事業は、別の地区にある築年数が経過している市営住宅(柏陽団地)の住民の移転先となる市営住宅の整備や、付帯事業として分譲地の販売をPFI事業によって行う。

事業規模としては、中層棟約60戸(うち単身40戸)、低層棟約20戸(うち単身10戸)、合計80戸の建設を予定しており、竣工期限は令和7年12月31日、住民の移転は令和8年3月31日完了を計画している。

土屋ホールディングスが恵庭市に提案した内容は、中層棟1棟、低層棟5棟を道産木材で建築する。そのほか、高断熱・高気密性のZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の住宅とする点、地元業者活用、運営、管理ノウハウなどの提案が評価され、土屋ホールディングスが建て替え事業者に選定された。

木造4階建てマンションを建築したノウハウなどを活用し、土屋ホールディングスとして初めての公営住宅建設を行う。

今後、平屋だけではなく中高層住宅も含めた公営住宅への道産材活用が期待される。

 

第10回きのこフェスティバル

11月23日号

札幌駅前通地下歩行空間で展示、直売会

きのこフェスティバル

11月8日、札幌駅前通地下歩行空間で、第10回きのこフェスティバルが行われた。7日に行われた第18回きのこ品評会に出展されたきのこの展示や、きのこの直売会、セミナーが行われ、参加者が多数来場した。

北海道きのこ品評会に出展された、原木生しいたけ9点、菌床生しいたけ48点、および様々なきのこを出展する参考出展16点が展示され、来場者が興味を示していた。

最優秀賞には原木生しいたけ、菌床生しいたけ各3点ずつ計6点が選出された。

きのこの直売会では、ホクト梶A川島造園(清水町)、ふれあいきのこ村(石狩市厚田)、JA上川中央(愛別町)が出展し、販売を行った。

セミナーでは「北海道のきのこを食べよう」というテーマで、北海道におけるきのこの生産概要や、選び方、保存法、栄養など、一般来場者向けにきのこが果たす役割についての説明が行われた。

 

札幌市動物愛護センター あいまる・さっぽろ 道産トドマツ・カラマツ使用

11月23日号

ぬくもりを感じられる空間演出

あいまる・さっぽろ

11月13日に札幌市動物愛護管理センター(愛称:あいまる さっぽろ)(中央区)がオープンした。当施設には、道産カラマツが外装、構造材、床に使用され、道産トドマツが内装材に使用されており、当施設のぬくもりを感じられる、親しみやすい空間の形成に道産材が貢献している。

平成28年に「動物愛護センター設置を求める陳情」が採択されるなど、動物愛護や福祉への関心が高まっている社会情勢を踏まえ、札幌市は動物愛護センターの整備を行った。敷地面積約2000平方メートル、木造2階建てで、延床面積は約1000平方メートル。総事業費は約8億5千万円。センターには犬猫の収容施設だけではなく、動物の飼い方など、動物愛護のための普及啓発の市民セミナーなどを行うための多目的ホールや、収容した犬猫のための健康管理のための屋内外の運動場、猫プレイルーム、トリミングルーム、負傷、病気の犬猫のための処置室が設けられている。

また、消費エネルギーを従来から50%削減するZEB ready認証を札幌市有施設で初めて取得しており、外壁、窓の断熱性能の向上や、再生可能エネルギーの活用などを行い消費エネルギーの削減に取り組むなど、環境に配慮した建物となっている。

道産木材を構造材、内装材、外装材に使用することで、利用者にぬくもりや親しみやすさを与える空間を演出している。

構造材に関しては、土台に下川フォレストファミリー鰍ナ加工されたカラマツ、軸に厚浜木材加工協同組合や丸善木材で加工されたカラマツ集成材が151・2立方メートル、丸善木材鰍ナ加工されたトドマツ集成材が67・9立方メートル使用されている。また、床や屋根にも丸玉木材鰍ナ加工されたカラマツが使用されている。

内装材に下川フォレストファミリー鰍ナ作られたトドマツ羽目板や、壁の構造用合板には丸玉木材鰍フカラマツ、下地材には三津橋産業鰍フトドマツが使用されている。

外装材には潟Tトウで製材され、越井木材工業鰍ナ熱処理後、鰍iMLで加工されたカラマツが23・5立方メートル使用されており、外装下地には谷口木材鰍ナ加工されたトドマツが使用されている。

外装に使用されたカラマツにより周囲との環境の調和に配慮しているだけではなく、屋内では道産トドマツがふんだんに使用され、明るさや親しみやすさを利用者に感じてもらえるような施設となっている。

 

カラ製材情報交換 需要低調、回復に期待

11月16日号

自動車梱包材、桟木に荷動き、製材受注1〜2週間、原木在庫は過剰傾向

北海道カラマツ製材業協議会は第3回情報交換会を11月10日、札幌市の林業会館で開催した。会員企業と道森連、道林業木材課など24人が出席し、木材流通の動向を情報交換した。

カラマツ製材工場の受注残は平均すると1〜2週間。原木在庫は過剰気味で、受け入れ制限を行っている工場もある。

会議では、電気料金の上昇、人員体制の不足など厳しさが訴えられたが、「世界の経済は悪いが、この中で日本経済の回復は遅れると思われる。円安でもあり、ウクライナ、イスラエル紛争が収束し復興のタイミングが来ると、外材が入手できず国産材に需要が来るのは間違いない」として、需要回復に備えることとした。

また会員企業から、外国人技能実習制度の改正で3年の実習が可能となったことから、現在きている実習生が試験の準備に入ることなど報告された。

 

道央地区未利用バイオマス供給協議会 原料材、端材、伐根を集荷

11月16日号

稼働中の発電所ほかに供給

発電所が建設される新港中央2丁目

石狩湾新港に令和8年に国産木質チップを燃料とする出力9950KWの石狩地域バイオマス発電所が建設されるなど、江別、苫小牧、石狩にかけての道央地域においては木質バイオマス原料を燃焼させて発電するFIT認定発電所が建設されるなど、木質バイオマスエネルギーの利用が進んでいる。一方で、利用の拡大に伴う原料材の高騰が発生していることから、今まで使用されてこなかった枝条やタンコロ、伐根などの林地未利用材の活用についても注目されている。

今回は、道央地区における未利用材集荷の取り組みについて道央地区未利用バイオマス供給協議会の事務局を務める石狩市森林組合の菅原道夫組合長と藤田宏司事務局長に話を聞いた。

(詳細は民有林新聞11月16日号にて。)

 

ナラ枯れ被害、初確認 松前町、福島町で9本

11月16日号

カシノナガキクイムシが媒介

カシノナガキクイムシの被害を受けた木

道水産林務部は、ミズナラなどが枯死する「ナラ枯れ」被害を道内で初めて確認したと、このほど発表した。松前町と福島町の民有林で計9本のミズナラ等が枯死していた。カシノナガキクイムシが媒介する病原菌「ナラ菌」が原因となる。

カシノナガキクイムシは、ナラやシイ、カシに感染するナラ菌を運ぶ甲虫で、木に多数侵入すると枯死を引き起こす。林野庁によると、近年ミズナラなどが集団的に枯損する被害が発生し、令和4年度のナラ枯れ被害材積は、全国41都府県で約15万立方メートルにのぼった。

気温上昇とともに被害地域は北上し、令和2年度には青森県の津軽半島北部まで急拡大した。北海道への上陸が危惧されることから、道や道森林管理局、試験研究機関は、渡島管内でトラップ設置によるカシノナガキクイムシの生息調査を行った。

令和2年度に松前・福島・知内町で調査したところ5個体が捕獲されたが、ナラ枯れは確認されなかった。令和3年度と4年度は渡島半島全域を調査し捕獲されなかった。

しかし、令和5年度は17個体が捕獲された。このため9月と10月にドローン調査と現地調査を実施したところ、枯死したナラ枯れ被害木を松前町と福島町で9本確認した。道内で初めての被害確認となった。

被害拡大防止のため11月中旬に地元関係者も含めた対策会議を開催する。

 

遠軽おとの森 アカエゾマツ植樹

11月16日号

北見木材梶Aオホーツク総合振興局、遠軽町は、楽器の原料となる森林資源保続をめざし協定を締結し、遠軽町有林に「オホーツクおとの森」を設定している。10月28日、関係者と一般参加者が参加して、この森で植樹祭を開催した。

協定では、ピアノを始め様々な楽器の原料となるアカエゾマツ資源の保続をめざしている。この日の植樹祭には、部材を製造する北見木材、楽器製造のヤマハ、町、振興局、森林組合、一般参加者など合計79人が参加し、遠軽町丸瀬布地区の町有林0・28haにアカエゾマツ苗560本を植栽した。

植樹後は、丸瀬布中央公民館で木工作体験を行った。木の材質の違いなど学習しながらピアノの響板を模したオルゴールづくりを体験した。

植栽したアカエゾマツをピアノの響板として活用するには100年近い年月が必要となることから、関係者は今後も森林の維持管理、木の文化継承を図っていく。

 

ウッドショック後の流通 三津橋産業梶@三津橋央社長に聞く

11月9日号

道産2×4材 首都圏に

増産を目指すトドマツ2×4材

ウッドショックでは輸入材が急騰し、道産材でできないか問い合わせが殺到した。代替需要が出た製品は現在どうなっているのか。トドマツ建築材、プレカット加工など展開する三津橋産業株式会社(士別市)の三津橋央代表取締役社長に、生産の現状を語ってもらった。

(詳細は民有林新聞11月9日号にて。)

 

道森林審議会林地保全部会 開発行為2件許可

11月9日号

道治山課は10月4日に行われた令和5年度第1回北海道森林審議会林地保全部会の議事概要を公開した。

2件が諮問され、どちらも開発行為が許可された。

許可された開発行為は次の通り。

▽門別競馬場厩舎新築(日高町門別)申請者(一社)北海道軽種馬振興公社、申請面積13・55ha▽別荘地の造成(留寿都村)申請者SILVER DYNASTY LIMITED(香港)、申請面積2・23ha

 

国有林地域別森林計画案意見募集

11月9日号

低密度植栽、下刈削減 計画案に盛り込む

北海道森林管理局は10月31日、国有林の地域別の森林計画(案)を縦覧し、意見募集を行うことを公表した。期間は11月27日までで、ホームページ上でも縦覧できる。次年度からの10年間の計画を制定する計画区は、上川南部、網走西部、十勝の各森林管理区、その他の森林管理区で変更が行われる。変更内容として、造林に関する事項に関して、低密度植栽を推進するため、海岸林のクロマツを除くすべての樹種で1haあたりの基準植栽本数について現状より少ない本数も可能となるなど、低密度植栽が認められる計画案となっている。

また、間伐、保育に関して、下刈り回数について可能な限り削減をすると明記され、終了時期の目安に関して、大部分の植栽木が植生高を脱し、または同程度になり生育に支障がなくなった時期とされていたものが、成林に支障がないと判断された時期とするように造林負荷が軽減される計画案が作成された。

その他林道の解放の増加、保安林指定面積の変更、治山工事個所の追加などが行われる。

国有林の地域別の森林計画(案)に意見がある場合は意見書を郵送、電子メール、持参にて27日午後5時必着で受け付ける。

詳細は道森林管理局ホームページへ。

 

道木連針葉樹委員会 建築材需要 低調続く

11月2日号

一方で桟木に動き、生産増加

北海道木材産業協同組合連合会は第1回針葉樹対策委員会を10月27日、札幌市の林業会館会議室で開催した。製材企業と森林管理局、道庁など21人が出席し、製材と原木の動向を情報交換した。

製材の動きは低調ではあるが、工場の火災の影響により桟木に動きがみられること、酷暑を原因とした原木の品傷み、木質バイオマス発電所による原料材の積極的な購入の動きがあることなどが報告された。

 

森林環境譲与税 市町村の取り組み事例

11月2日号

私有林整備に補助

道水産林務部は「令和4年度森林環境譲与税・森林経営管理制度市町村取組事例集」をこのほどまとめ公開した。市町村による森林整備推進事業、労働環境改善対策、公共施設の木質化など34事例を掲載した。このうち森林整備では次の取り組みを紹介している。

□札幌市

私有林整備を進めようと「札幌市森づくり基本方針」の検討事業を行った。事業費は約51万円。策定は令和5年度の予定である。

また、「札幌市森林整備事業補助」を創設し、令和4年度は3事業者を対象に、森林作業道整備3367m、間伐約8ha、林業機械レンタル(フォワーダ)について補助を行った。事業費は合計約894万円。

私有林整備を優先させつつも、本格的に進捗するまでは、間伐遅れの市有林の整備を進める。白旗山都市環境林で主伐2haを実施。このほか市有林で間伐約35fなど実施した。事業費は合計約5782万円。

□紋別市

事業収入がなく森林所有者の負担を伴う保育間伐や路網整備に補助を行うとともに、森林認証の取得林には補助率を80%に上げて森林所有者の負担を軽減している。

令和4年度の事業費は約904万円。保育間伐約43ha、森林作業道約1791m。

□上ノ国町

森林所有者の世代交代により森林づくりに対する意欲が低下しており、森林荒廃が進む恐れがある。このため、森林経営計画を策定しており国・道の造林助成制度に基づき実施する人工造林、下刈り、除伐、間伐、枝打ち、作業道開設等に補助し、森林所有者の自己負担額の軽減を図る。補助率は次のとおり。

《人工造林》公共造林事業の補助に加え、豊かな森づくり推進事業による上乗せ補助があるため、所有者負担は6%となるが、この負担額の95%以内を補助する(実行経費に対し)。

《下刈り、間伐、作業路など》公共造林事業の68%補助があるため、所有者負担は残り32%となるが、この負担額の95%以内を補助する(実行経費に対し)。

令和4年度の事業費は約396万円。実績は人工造林、下刈り、間伐など合計約65haとなっている。

 

震災復興記念植樹会

11月2日号

厚真町吉野地区にサクラ

胆振総合振興局は、北海道胆振東部地震で大規模に崩壊した森林の再生に向け、震災の記憶を風化させないよう、「震災復興祈念さくら植樹会」を10月24日、厚真町の吉野地区で開催した。

胆振総合振興局の関俊一局長、宮坂尚市朗厚真町長、地域住民、厚真町こども園の園児、協力企業など42人が参加して、吉野地区の道道近くにエゾヤマザクラ30本を植樹した。

さくら植樹会は今年で2回目。アサヒビール株式会社からの復興に関する寄付金を活用して開催した。あの日を忘れず、未来に復興の希望を託しながら植樹した。

 

遠軽で「割箸の森」植樹祭

11月2日号

原料となるカラマツを植樹

遠軽町は地元に割箸工場を構えている溝端紙工印刷株式会社(本社和歌山県)と令和元年に森林整備協定を締結し、企業の森「北海道割箸の森」植樹事業を実施している。この3回目となる植樹祭を10月14日、遠軽町生田原の町有林で開催した。

溝端紙工印刷の溝端繁樹社長をはじめ和歌山県、福島県、埼玉県から社員が来町し、遠軽割箸工場のOBも参加した。地元の小学校、中学校にも案内を出し、植樹祭参加者は合計48人となった。

現場は山奥のため傾斜があり、場所によっては水でぬかるんでいるところもあるなど植栽しづらい場所だったが、子どもも大人も不慣れながら一生懸命に植樹し楽しんでいた。

5年間の協定により5haの伐採跡地に年1haずつ植樹を行っている。このうち0・5haを溝端紙工印刷で植樹し、残りの0・5haは地元の事業体で植栽を行う。溝端紙工印刷の意向で割箸の原料となるトドマツの植栽を行った。  

 

2023道民森づくりの集い

11月2日号

500人が木に触れ、親しむ

道民森づくりの集い さとらんど交流館会場

道、道森林管理局、札幌市、北海道森と緑の会は10月22日2023道民森づくりの集いを札幌市のサッポロさとらんどで開催した。道内における木材利用月間の取り組みの一つとして、森林に関する団体が出展し、木育や森の楽しさを伝える展示や体験プログラムが行われ、一般参加者約500人が参加し、森林との触れ合いについて理解を深めた。

会場の一つであるさとらんど交流館では、木製玩具体験ゾーンが設けられ、多くの家族連れ、子供たちが木のおもちゃに触れ合っていた。会場には、道森連、道木連、北の森づくり専門学院、道総研林業試験場、林産試験場など19の事業者がそれぞれ木育に関することや、各団体の事業の紹介、特用林産物の紹介などを行っていた。

多くの来場者が、木工工作体験や、木育ワークショップに参加し、制作活動を楽しんでいた。また、木育玩具の展示スペースでは、積み木を積み上げるなど、子供たちや家族連れが木を使った遊びを楽しんでいた。

また、さとらんどセンター会場では道央圏域木育フェスタが開催され、木育マイスターによるワークショップなどが行われた。

 

ヒグマ人身事故を防止 生態と対策学ぶ研修会

11月2日号

浦幌町で林業従事者75人

道林業木材課は、森林作業従事者のヒグマによる人身事故を防止するため「ヒグマの生態や被害防止対策に関する研修会」を10月17日、十勝管内浦幌町で開催した。

道では、ヒグマ対策の周知やヒグマ撃退スプレーの導入支援を行ってきたが、近年、道内でヒグマの個体数が増加傾向にあると推定されることから新たに研修会を実施した。

浦幌林産協同組合が主催する労働安全大会(浦幌町コスミックホール)に講師を派遣し、出席した林業事業体5社の経営者や従事者等75人を対象に実施した。

 

北海道森林土木建設業協会後志支部、倶知安支部、倶知安町で森林を守る活動

11月2日号

北海道森林土木建設業協会の後志支部(大和田稔支部長)と倶知安支部(柏谷匡胤支部長)は、「第12回地域の森林を守る活動」を10月24日、倶知安町の百年の森公園で行った。

倶知安の市街地から東へ国道を進むと、百年の森公園がある。昭和20年代に国有林苗畑の払い下げにより倶知安町に編入され、現在はトドマツ、カラマツ、シラカンバ、ハルニレなど北海道の代表的な樹木が成林する森林となっている。

北森建の後志支部と倶知安支部は、森林を守るボランティア活動として、公園内の管理道の周辺や林縁にエゾヤマザクラ15本を植樹し、管理道通行の支障となる樹木の枝落とし作業を行った。

両支部から森林土木事業に携わる16社、また後志総合振興局の産業振興部長、林務課、森林室も参加して、合計約35人が森林の手入れを行った。スコップ、高枝鋸を手に、チェーンソー、高所作業車1台も使用して約1時間汗を流した。

 

道産材シフト本物に 株式会社ヨシダ 吉田良弘社長に聞く

10月26日号

ウッドショック後の流通 住宅大手国産材に切り替え 業界と連携し乾燥加工体制

株式会社ヨシダ 工場

輸入材急騰で道産材製品に問い合わせが殺到したウッドショックが過ぎ去った。需要は再び輸入材に戻ってしまったのか。トドマツ桟木、建築羽柄材、2×4材など生産する株式会社ヨシダ(苫小牧市)の吉田良弘代表取締役に、現在の需要と生産の方向を語ってもらった。

(詳細は民有林新聞10月26日号にて。)

 

道民ひとり1本植樹・育樹運動 取り組み開始 500万本目標

10月26日号

鈴木知事が宣言

道民ひとり1本植樹・育樹運動 キックオフイベント

道は10月2日札幌市のサッポロさとらんどの交流館前で「道民ひとり1本植樹・育樹運動」キックオフイベントを行った。鈴木直道知事の記念運動の宣言の後、知事、道議会議員、森林管理局長らが植樹会および苗木づくりを行い、取り組みをスタートした。

当日は、時折降雨があったが、キックオフイベントの際は雨に濡れることなく実施された。

その後、記念植樹および今後植樹の際に活用する苗木づくりのための種をポットに植える作業を行った。

同会場では道民森づくりの集い2023も行われていたこともあり、一般の人々が多数キックオフイベントを観覧していた。

 

若手従事者モチベーション向上セミナー初開催 道林業木材課

10月26日号

林業の先輩らと悩み話し合う

道は、若手林業従事者のモチベーション向上を図るために、就業2年目の林業作業士研修受講者を対象とした「若手林業従事者モチベーション向上セミナー」を9月30日芽室町、10月13日美唄市で開催した。芽室会場では8人、美唄会場では17人の参加者が、造材会社職員や森林組合職員といった先輩林業従事者、社会保険労務士、人材紹介会社社員と一緒に、就業にあたっての悩みを話し合った。

同時期に入社した仲間が少ない若手林業従事者が会社の枠を超えて集まり、就業してからの悩み、課題を話し合うという試みで、今回初めて実施された。

参加者は10代から50代までと幅広い年代の就業2年目の林業従事者が集まった。それぞれ2〜5人のグループを作り、「休日について」や「仕事の評価について」などのテーマで参加者がそれぞれ意見を出し合った。出し合った意見に対して先輩従事者や人材・労働関係の専門家がアドバイスを行った。

道林業木材課は今後も林業に従事して間もない林業従事者に対するフォローを実施し、継続して就業を行う環境整備のため、来年度以降も継続してこのセミナーを実施するとしている。

 

森林クレジット取得 販売を支援 全森連と農林中央金庫

10月26日号

森林組合のプロジェクト計画 モニタリング報告実務をサポート

道森連は全道森林組合幹部級職員研修会を10月11日、札幌市で開催し(オンライン併用)、この中でJ−クレジット制度について情報提供を行った。全国森林組合連合会・組織部担当部長が、森林組合による森林クレジット登録のプロセスと、創出から販売までをサポートする新たな仕組みを次のように説明した。

(詳細は民有林新聞10月26日号にて。)

 

森の仕事ガイダンス 22社出展 担い手確保へ

10月26日号

北海道森林整備担い手支援センターと全森連が主催する「森林の仕事ガイダンス2023」が10月14日、札幌市の北海道自治労会館で開催された。林業会社や森林組合などがブースを出展し、森林にかかわる仕事に関心を寄せる求職者、将来林業に従事したいと考える参加者50人が来場し、個別相談を行った。

林業の仕事を紹介し、就業相談を行うこのイベントでは、全道から造林・造材会社、森林組合など22の事業体が出展。就業条件や具体的な仕事内容などを紹介した。

 

遠軽信金 コンテナ苗植樹

10月26日号

1880本 森林組合などの協力で

遠軽信用金庫は、10月9日遠軽町生田原の町有林でクリーンラーチ1880本の植樹を行った。遠軽町内だけではなく、支店のある札幌、北見など町内外から集まった職員及びその家族約60人が町、遠軽地区森林組合、巨ホ川組、道森連の準備、協力を得て植樹した。

これは、令和4年に遠軽町と締結した町有林約4haにおいて植林などの森林整備をする協定に基づき実施された。

 

道産材シフトは本物か 潟nルキ 春木真一社長に聞く

10月19日号

2×4ビルダーは国産材に強い関心 高速モルダー導入の新工場で増産

工場の様子

輸入材不足で道産建築材に注文が殺到したウッドショックが過ぎ去った。道産材シフトはその後定着したのか。渡島管内で製材、集成材、プレカット事業を展開する株式会社ハルキ(本社森町)の春木真一代表取締役に建築材需要と生産の現状を語ってもらった。

(詳細は民有林新聞10月19日号にて。)

 

栗山町 企業の森林づくり

10月19日号

4企業と合同協定締結

調印式・植林の様子

道が進める「ほっかいどう企業の森林づくり」により、栗山町と4企業合同協定の調印式が9月21日、栗山駅南交流拠点施設で開かれた。

協定を締結した企業は、道産木材を扱う住友林業木材建材事業本部北海道支店(札幌市)と、同社の紹介による山地ユナイテッド(同)、北海広葉木材(同)、吉条木材商会(東京都江東区新木場)の計4社。4社合同による協定締結は道内では初となる。

栗山町有林で各社1f、合計4fの整備を進める。今年から令和10年までの5年間、植樹や下草刈り、木育活動など実施する。

調印式では、道の空知総合振興局長の立ち会いの下、栗山町長と4社の代表者が協定書に署名した。

この協定に基づき10月1日には、4社と栗山町が町有林で植樹体験会を実施した。南空知森林組合の植樹説明があり、4社の代表者、社員、家族などがトドマツの植樹を行った。

 

オホーツク東部森林室 UAVを活用した実測研修

10月19日号

置戸町 68人参加

オホーツク東部森林室は10月6日置戸町で「UAVを活用した林業や森林資源等の効率化に向けた研修会」を行った。道、森林管理署、市町村、森林組合、指導林家、林業グループなど68人が参加し、無人航空機(UAV)を活用した実測および実測図の作成方法、活用事例の講習及び北海道スマート林業機器導入促進事業によって導入されたドローンの紹介およびリモコン式草刈り機、原木研修システムの実演などが行われた。

午前にUAVを活用した実測方法や、活用事例について講義が行われた。

造林地の実測および実測方法について、遠軽地区森林組合の高橋康漠係長を講師に講義が行われた。メリット・デメリット、撮影の際の注意点、撮影後、地理空間情報システム(GIS)ソフトを活用し、地図に重ね合わせた際に、画像にゆがみが発生してしまうため、それを修正するための方法(オルソ画像化)およびGISソフトを活用した面積の計測などの説明が行われた。

また、網走中部森林管理署から活用事例として、風倒被害地におけるUAVによるオルソ画像作成の紹介があった。風で木が倒れてしまった際に、倒木により調査が難しいことからUAVにより空中写真を撮影し、オルソ画像化を行いGISソフトで被害を受けた面積の測定を行った事例が紹介された。

午後から巨」口農産が導入した潟hローンワークシステム社製ドローンAGR16B、イタリアのMDB社製リモコン式草刈り機の実演、原木検収システム「きこり君」の紹介が行われた。雨のため、屋内や学校グラウンドでの実演となったが、出席者は熱心に導入された機器の実演を見学していた。

 

農林水産祭天皇杯に谷口淳一氏

10月19日号

北斗市の有限会社谷口精光園

農林水産省と日本農林漁業振興会は10月11日、優れた技術で業績をあげた農林水産経営者を表彰する第62回農林水産祭の天皇杯受賞者を発表した。林産部門では、北海道北斗市で苗木生産を行う谷口淳一氏が最高賞の天皇杯を受賞した。

谷口淳一氏は拠J口精光園の代表取締役に平成25年に就任すると、平成26年度から気象害を受けにくく育苗作業を通年化できるコンテナ苗の生産に着手した。毎年生産規模を拡大し、令和4年度ではトドマツコンテナ苗30万本、カラマツやクリーンラーチのコンテナ苗を合わせると合計約52万本を作付けて、コンテナ苗生産量では道内3位、トドマツコンテナ苗生産では全道の約4割を占めている。

特にトドマツコンテナ苗は、おおむね4年の長い育苗期間を要し苗長に差が生じやすいが、下刈り作業の軽減が期待できる大きな規格の苗として苗長を揃えた出荷を可能とした。また、根鉢が崩れないよう生分解性不織布で包むなど技術改良を重ね、植栽する事業体から高い評価を受けている。

施設内の舗装化、移動式レール台車の導入など積極的な設備投資を行っている。ハウスにおいてはスマートフォンやパソコンで温湿度の情報を取得し、遠隔操作による潅水、液肥、殺虫殺菌を可能とする設備を導入するなど創意工夫に徹底して取り組んでいる。

さらに労働環境面では、冬季の作業を可能として18人を通年雇用している。雇用者44人のうち38人が女性であり、女性が働きやすい職場づくりに取り組んでいる。こうした創意工夫による優良なトドマツコンテナ苗生産と労働環境整備などの取り組みが高く評価された。

受賞者は11月23日、東京都で開催される農林水産祭式典で表彰が行われる。

 

カラマツ・トドマツ・スギでサウナ

10月19日号

展示されたサウナ

北海道森林管理局で10月31日まで行われている木材利用推進月間展で道産木材を使用し作られたサウナが展示された。

宮崎県の鰍kibertyship社製。ドアにカラマツ、円柱部にトドマツ、土台はスギを使用している。

 

道森連と振興協議会 道水産林務部に要望

10月12日号

需要低調 木材の循環停滞 再造林に影響、木材流通対策を

要望の様子

道森連と道森林組合振興協議会は、「森林・林業施策に関する要望」を10月5日、道議会と道に対して行った。道内民有林の循環型林業を確立する各種施策を求めたが、夏以降、木材需要が落ちてきており、主伐への影響、さらに来春の植栽への影響が懸念されるなど現状を説明した。

道議会では、議長、水産林務委員長、林活議連会長を始め各会派議員を回り、要望書を手渡した。また道庁では、水産林務部長、林務局長、森林環境局長、森林計画担当局長に要望内容を説明し意見交換を行った。

道水産林務部への要望の中で、道森連の有末道弘会長は、道単独の豊かな森づくり推進事業の予算拡充に感謝したあと、世界情勢の悪化で原油価格や林業資材など諸経費が高騰しており、森林整備の安定的な予算確保が重要になっていると説明した。この中では造林作業の省力化・低コスト化に取り組む必要があるとした。

北海道胆振東部地震の被災森林の復旧・復興についても、山の中に入ると森林再生はまだ手付かずの状況であり、国土を守る観点から継続的な予算確保をお願いするとした。

一方、木造建築物の着工減など木材需要が落ち込んでおり、原木の受け入れが制限されるなど深刻な影響が出ている。このままでは「木を伐り出してきて、また木を植える森林循環が進まない」として、木材流通支援や需要拡大の早急な対策を求めた。

道森林組合振興協議会の会長は、現場技能者を通年雇用するためにも、森林整備予算の安定確保が必要だとした。造林事業の機械化・軽労化が始まっているが、コンテナ苗が普及する中で、植え付けや小運搬が今の標準単価では賄いきれない。単価上乗せを検討していただきたいとした。

道産材利用拡大のための乾燥施設等の整備、物流2024年問題への対応を求めたほか、「今年は夏場から梱包材、建築材、合板材にも急ブレーキがかかったようになり大変厳しい。冬の伐採が減るとなると春の造林も難しくなる」として道産材の荷動き悪化に懸念を示した。

森林組合振興協議会の小林満副会長は、「オホーツク管内では製材工場に外国人技能実習生が入っているが、1年と短い期間となっている。2〜3年にならないのか。山の造林・保育についても仕事はあるが人手がなくて進まない。植付けだけでもできる方法はないか」など労働力不足の実情を述べた。

 

指導林家協議会が相続研修 自筆遺言書、法務局で保管可能

10月12日号

紛失せず手軽で通知制度も

北海道指導林家連絡協議会の全道研修会が9月28日、札幌市のかでる2・7で開催され、私有林の相続に関する講演が行われた。この中で、札幌法務局民事行政部供託課長は、遺言書を法務局に保管してもらえる新制度について次のように説明した(要旨)。

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が制定され、令和2年7月10日から自筆証書の遺言書を法務局で保管してもらうことが可能となった。これにより、遺言をのこしたい場合の選択肢が増えた。これまでの@仏壇などに保管されている自筆証書の遺言書A公証人が関与する公正証書の遺言書に加え、B法務局に保管する自筆証書の遺言書という選択肢ができた。

このうち公正証書遺言については、2人以上の立ち会いのもと、遺言の趣旨を公証人に伝え、公証人が筆記することにより作成する。遺言書の原本は公証役場に保管され、検索システムもある。手数料が必要で一般的には3〜10万円ほどと思われ、財産の内容によっては高額になる。

また、自筆証書の遺言は無料で簡単に作れるが、紛失する、相続人に発見されない、書き換えられる可能性などのデメリットがある。

これらに対し、法務局に保管する自筆証書の遺言書は、作成が手軽にできる、自筆証書保管手数料が1件3900円、法務局が大切に保管し隠匿や改ざんができない、死亡後の通知制度があるなどメリットがある。

通知制度は、遺言者が遺言書を法務局に預けていることを誰にも言えないまま死亡し、遺産分割協議が行われてしまう事態を防ぐため、2つの制度を設けている。1つ目は「指定者通知」で、遺言者の指定した人に対し、遺言者が死んだ場合に法務局に遺言書があることを通知する制度である。

2つ目は「関係遺言書保管通知」で、遺言者の死後、相続人のうちの1人が遺言書の内容を記載した証明書を最初に取得した時は、関係相続人等の全員に法務局に遺言書があることを通知する制度である。これら通知制度により、相続人が知らないまま遺産分割協議が行われることを防ぐ。

終活という言葉を聞くようになったが、後のトラブルを回避するためにも、遺言について一考していただきたい。

 

HOKKAIDO WOOD CHANGE 2023 木工製品販売・パネル展示道庁で

10月12日号

Hokkaido wood  CHANGE 2023

道林業木材課は道庁1階ロビーで木材利用推進月間の取り組みの一つとして「HOKKAIDO WOOD CHANGE 2023」を行った。このイベントは、HOKKAIDO WOODブランド参加者による木製品展示および販売、森林認証のパネル展、木育に関する展示、特用林産物であるきのこ菌床の展示などが行われた。

来場者は、展示物を熱心に見るなど、道産材の利用の取り組みに関心を深めていた。

 

土地の相続登記が義務に 指導林家全道研修会で講演

10月5日号

高齢化進む、所有者不明地が増加

令和5年度指導林家全道研修会

北海道指導林家連絡協議会の全道研修会が9月28日、札幌市で指導林家など約40人が出席し開催された。私有林の相続に関する講演が行われ、このうち札幌法務局民事行政部不動産登記部門事務官は、所有者不明土地の解消に向けた法制度見直しや相続登記の流れについて次のように説明した(要旨)。

所有者が判明しない、所有者と連絡がつかないなど「所有者不明土地」が増えている。登記されない所有者不明土地は、全国で約410万fにのぼる。九州全体の土地より広い面積である。

これら所有者の探索は多大な時間と費用がかかり困難である。このままでは公共工事や復旧事業、民間取引など土地の利活用が阻害される。高齢化が進展し亡くなる方が増加していることから、所有者不明の問題は今後ますます深刻化する恐れがある。

このため、民法等の一部改正、また相続土地国庫帰属法の制定が令和3年に行われ、「相続登記の申請義務化」が、令和6年4月1日から施行されることとなった。相続により不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務づけられた。

また、相続人中において遺産分割が成立した時は、分割の結果を登記に反映させるため、分割の内容を踏まえた登記申請をすることも義務づけられた。

これら義務に罰則規定が設けられた。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料に処せられる。

一方、他の相続人が不明、争いがあるなどで登記できない事情がある場合には、負担軽減措置がある。他の相続人の協力がなくとも自らが相続人であることを申告する。3年以内に登記官に申し出ることで申請義務を履行したものとみなす。

令和6年4月1日の施行日より前に相続が発生したケースについても、登記の義務化が課される。ただ、申請義務の履行期間は、施行日から3年間となっている。

皆さんが行う相続登記の申請の流れは、▽本籍のある市区町村に戸籍関係書類(戸籍謄抄本、除籍謄本)を請求する▽遺産分割協議を行い協議書を作成する▽登記申請書を作成し法務局に提出する(戸籍関係書類、遺産分割協議書、住所証明情報を添付)などである。

 

南十勝森林組合スタート

10月5日号

大樹と更別 10月1日合併

大樹町森林組合と更別森林組合は10月1日に合併し、「南十勝森林組合」として新たなスタートを切った。

両組合は経営基盤の強化に向けて、令和3年に合併協議会を設置し協議を進め、今年3月に合併契約の調印に至った。組合加入森林面積は約8000f、組合員数は約400人、事業総収益約4億3900万円規模の組合となる。

大樹町に本所、更別村に事業所を置く。森林整備、林産販売、チップ加工事業など進め、地域の森林づくりと産業振興に貢献する。

役員体制は、代表理事組合長に西川重穂氏、代表理事副組合長に建木雄一氏、同じく代表理事副組合長に本多芳宏氏、代表監事には西田輝樹氏が就任した。また参事には齋藤勝弘氏が就任した。

 

苗木規格の在り方検討 種苗需給連絡会議で道が提案

10月5日号

生産現場人手不足、高齢化

道森林整備課は、安定的な苗木確保のための苗木規格の在り方検討について提案した。これは9月26日に開催された北海道林業種苗需給連絡会議の中で報告された。

近年、苗木生産現場においては、人手不足、従業員の高齢化が起きている。このことにより、春季に作業が集中し、選苗、出荷工程に関して従来より時間がかかっており、育苗作業全体の遅れ、適切な作業ができなくなってきている。特に、選苗作業については、令和4年10月に行われた道のアンケート調査によれば、61%の事業者が人手不足と回答し、苗木生産者の負担となっている。

反面、今後伐採、造林の増加に伴う苗木需要の旺盛化が見込まれる。また、労務費、資材価格の上昇による苗木価格の上昇に対して、工程の把握を踏まえた効率化による低コスト化に向けた取り組みが必要となっている。このことから、苗木の安定生産のために、省力化、現在1号・2号などと大きさ等で区分されている苗木規格についてあり方を検討する。

今後、道森連・栄林会と道苗組と意見をすり合わせながら、安定的な優良苗木を確保するためあり方を検討するとしている。

 

トヨタ自動車北海道の森 むかわ町と森林整備協定締結

10月5日号

道が進める「ほっかいどう企業の森林づくり」により、胆振管内むかわ町と、トヨタ自動車北海道株式会社が森林整備の協定を締結した。

9月27日、むかわ町産業会館で竹中喜之町長と、トヨタ自動車北海道の北條康夫取締役社長が「トヨタ自動車北海道の森」づくり協定書に調印した。調印式には、道胆振総合振興局の関俊一局長、苫小牧広域森林組合の山ア常彰専務も来賓出席した。

協定期間は今年度から6年間。むかわ町豊城地区の町有林1fをトヨタ自動車北海道の森として設定して地拵え、植樹会など進める。ゼロカーボン北海道や木材生産など森林の多面的機能発揮に貢献する。

 

林地価格横ばい 令和5年度地価調査

10月5日号

倶知安26%上昇

道総合政策部は9月20日「令和5年度北海道地価調査書」を公表した。林地価格については長引く林業低迷で下落が続いていたが、前回調査ではこれに歯止めがかかった。今回も調査した18地点のうち17地点で横ばいとなった。

調査は、道が国土利用計画法施行令に基づき、7月1日時点の標準価格を判定したもの。

林地価格は、リゾート開発が進む後志管内の倶知安町の1地点を除くと、道内各地の林業本場林地、農村林地など17地点で横ばいとなった。上昇した倶知安町字旭については26%の大幅な変動率となっている。

 

令和4年度製材構造調査 原木消費157万立方メートル、5%減

9月28日号

需要好調も住宅着工減で失速

道水産林務部がまとめた木材需給情報の令和4年度集計によると、道内製材工場の原木消費量は約157万立方メートルとなり、前年度比5%減にとどまった。また、合単板工場の原木消費量は約33万立方メートル、やはり8%減となった。令和4年度の当初は木材不足や高騰が続いていたが、後半は住宅着工減などが影響し需要は失速した。

道の木材需給情報は、製材工場動態、木材チップ工場動態、合単板工場動態、新設住宅着工戸数などの統計調査からなる。このうち、道内製材工場の原木消費量は、合計で約157万1500立方メートルとなった。前年度はウッドショックで道産材に過剰な引き合いがきていたため、これに比べると5%減(約8万7000立方メートル減)となった。

製材品の出荷量は約70万8000立方メートル、9%の落ち込みとなった。内訳では、建築材が約20万2000立方メートルで13%減(約3万1000立方メートル減)、また、梱包・仕組板が約25万7000立方メートルで11%減(約3万3000立方メートル減)、パレット材が約11万1000立方メートルで13%減(約1万6000立方メートル減)などと低調だった。

 

王子木材緑化、ヨシダに出資

9月28日号

原木供給、トドマツ建築材流通を強化

王子木材緑化株式会社(小貫裕司代表取締役社長、東京都中央区)は、トドマツ製材事業を行う株式会社ヨシダ(吉田良弘代表取締役、苫小牧市あけぼの町)に出資したと9月25日発表した。

出資は8月31日付で実行した。出資比率は34・1%。王子木材緑化は社有林からの原木供給、加工された製材品の販売などを通じて木材流通事業を強化する。

王子木材緑化によると、トドマツ原木の調達面で強みを発揮するほか、製品についてはトドマツ建築材の流通に力を入れる。特に枠組壁工法構造用の2×4材などの事業展開を図りたいとしている。

王子木材緑化は2年前に、双日与志本林業株式会社の全株式を取得し、王子与志本林業株式会社として国産材生産を進めている。今回の出資により木材流通ネットワークの基盤強化を図る。

 

札幌市緑の審議会 私有林支援の拡充検討

9月28日号

森づくり基本方針
白旗山で森林経営推進
道産材利用、普及啓発も

2023第94回札幌市緑の審議会

札幌市は9月19日、ホテルモントレエーデルホフ札幌で第94回札幌市緑の審議会を開催した。「札幌市森づくり基本方針」の策定にかかる今後の森林整備の方針についてなどが話し合われた。

札幌市森づくり基本方針は、第4次札幌市みどりの基本計画に基づき、民有林における森林整備、木材の利用促進などについて定めるとしている。

札幌市の私有林・市有林(人工林)約3900haのうち約86%の間伐が遅れており、森林整備が必要な状態となっている。そのため、今後5年間の市有林、私有林合わせた森林整備を309ha行うこととしている。

私有林に対する支援として、現在、間伐、作業道敷設、機械レンタル、森林調査を対象に補助を行っているが、今後、植栽やエゾシカ等の食害対策にも補助を行うことを検討している。

また、市有林については、木材搬出が効率的に行える白旗山都市環境林などについては木材生産などの森林経営を進めるとともに、人工林経営を行わない森林については天然更新を行い、原則人の手を加えず保全を行い、森林の持つ公益的機能が発揮できるような森林を維持するとしている。

また、1061haと市有林の5割を占める白旗山都市環境林においては、森林づくりに関して研究機関、森林管理局、森林組合との連携を図ったり、産材の学校教育への活用、林業担い手育成の場として研修等での活用などを行うとしている。

そのほか、生物多様性対策として、捕獲、侵入防止ネット設置などのエゾシカ食害対策、ヒグマ対策に応じた森林整備などを行うとしている。

担い手対策として、機械化支援などのスマート林業への取り組みや、担い手の通年雇用の取り組みなどを行う。

道産木材の利用啓発については、公共建築物への積極的な利用に限らず、民間建築物への利用促進、木育、HOKKAIDO WOODブランドを活用した市民への普及啓発などを行う。

森林活用譲与税の利用については、森林整備への充当を最優先し、木材利用に関するものも一定額確保する。

今後札幌市森づくり基本方針は庁内調整、議会報告の後、パブリックコメントを募集し、決定する予定。

 

北海道銘木市 ナラ 1立方メートル当たり14万5000円など

9月28日号

旭川林産協同組合は、第468回北海道銘木市を9月19日、旭川市永山の銘木会館で開催した。夏場の出材が少ない中、出品量は約439立方メートル、総売上は約1275万円となった。

7月末頃から伐採された原木は酷暑により変色などが見られ、買い方もこれを踏まえた単価での応札となっていた。ただ、この時期としては、元落率が1%台と低くほぼ完売となった。

最高落札単価はマカバで1立方メートル当たり18万5000円(1本13万3570円)巨Xウッド買い上げ、またナラの最高は1立方メートル当たり14万5000円(1本8万6855円)春名木材買い上げ、クルミの最高は1立方メートル当たり13万5000円(1本4万6845円)上坂木材株モ「上げなどとなった。

 

クマイザサ一斉開花 野ネズミ大発生するか不明確

9月28日号

林業試験場報告

クマイザサ

今年度道内の広い範囲でクマイザサの一斉開花が見られたことから、エゾヤチネズミが増加するのではないかと懸念されている。9月5日に開催された北海道民有林保護事業推進対策協議会において、林業試験場の南野一博主査よりササの開花、結実と野ネズミ被害の関係について次のように報告が行われた。

(詳細は民有林新聞9月28日号にて。)

 

占冠村の林業PR展 森林管理局ウッディホールで

9月28日号

占冠村林業PR展

道森林管理局技術普及課は市町村が取り組む森林・林業PR企画展(占冠村)を管理局ウッディホールで9月5日から28日まで開催した。これは、各森林管理署より、全道各市町村の林業PRをウッディホールでできることを伝えたところ、今回初めて占冠村が出展した。

占冠村における素材生産や、村内で生産された素材を使用した木工、薪生産、山菜生産に関する紹介パネルおよび占冠産木材で生産された薪、家具などの製品が展示された。

 

木質バイオエネルギー協会が実態調査 燃料材の調達難続く

9月21日号

価格引き上げ、集荷地域広げる

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会(酒井秀夫会長、東京都台東区)は、ウッドショック、ウクライナ情勢などの影響で、木質バイオマス発電所の燃料不足や安定稼働が懸念されることから「燃料の調達状況に関する臨時アンケート」を実施し、発電事業者と燃料材供給者に状況を聞いた。

調査は今年の1月中旬〜下旬に実施した。結果を協会ホームページで公開している。全国の事業者にアンケートを送り、バイオマス発電事業者47、燃料供給事業者12から回答が得られた。

バイオマス発電事業者について、稼働状況を聞いたところ、62%がおおむね計画どおり稼働していたが、38%は計画どおり稼働できていなかった。このうち、燃料材の確保難や価格高騰で計画どおり稼働できていないとする事業者は17%となった。また設備トラブル13%、その他(人員不足等)6%などの回答もあった。

 

北海道・東北治山林道研究発表会

9月21日号

森林土木技術10題・動画を活用し林道管理

治山林道研究発表会の様子

東北・北海道地区森林土木研究会は北海道・東北地区第58回治山林道研究発表会を9月6日に札幌市のかでる2・7で開催した。道および東北各県、東北森林管理局の治山および林道関係職員が10題の研究発表を行い、技術向上を図った。

発表では、衛星測量を活用した災害時の測量、動画から三次元モデルを形成して林道事業に活用する取組などが発表された。

来年度は青森県で開催される。

 

富良野地区森林組合創立50周年式典

9月21日号

富良野、上富良野、中富良野、占冠から130人
半世紀の森づくり、次世代に継承

富良野地区森林組合創立50周年記念式典 富良野文化会館 サンエーホールで

富良野地区森林組合(藤野和紀代表理事組合長)は創立50周年記念式典を9月8日、富良野文化会館サンエーホールで開催した。事業区域の富良野市、上富良野町、中富良野町、占冠村から組合員と行政機関、関係事業体、また上川管内の森林組合長など約130人が列席し、感謝状贈呈、記念講演など行った。

藤野和紀代表理事組合長は式辞で、「昭和48年の合併から現在まで多くの先人のご苦労に感謝するとともに、幾多の苦難を乗り越え存続していることに対し、組合員と関係機関に感謝します。組合には、林業・木材産業の発展、地域に開かれた国民の森林づくり、豊かな生態系を育む森を守り、育て、次の世代に引き継ぐ責務が課されていることを痛感します。組合員と手を携え、二酸化炭素の抑制、森林の整備・保全、木材販路の拡大に邁進してまいります」など感謝と決意の言葉を述べた。

50周年記念講演が行われ、北海道立北の森づくり専門学院・学院長の土屋禎治氏が「北森カレッジにおける人材育成と北海道林業の可能性」と題して、専門性を高める学院のカリキュラム、北海道林業がめざす姿など講演した。

 

今後の復興と「被災木」活用 胆振東部地震から5年

9月21日号

苫小牧広域森林組合 小坂利政組合長に聞く

博物館再整備など、むかわ町は穂別地区復興拠点整備を計画している。

平成30年9月6日に発生し、4300haの森林が被害を受けた北海道胆振東部地震から5年が経過した。復興が行われる中で博物館再整備など地震によって中断した計画が再開され、その中で木材の利用が検討されている。今後の木材利用を提言している苫小牧広域森林組合の小坂利政組合長にこれまでの取り組みと民有林の再生について話を聞いた。

写真:むかわ町立穂別博物館、地球体験館

(詳細は民有林新聞9月21日号にて。)

 

デジタルアメダス 地域産業に活用を

9月21日号

実証説明会に500人

デジタルアメダス講習会

道、道市長会、道町村会は8月24日、札幌市で「DX社会におけるデジタルアメダスを用いた産業振興に向けた説明会」を開催した。道、179市町村、1次産業関係者など会場、オンラインあわせて500人が参加した。

説明会では、気象庁から、気温などの気象データの値を1km四方の格子状のメッシュで表示する「デジタルアメダス」のアプリおよび実証実験の説明が行われた。

当アプリは、従来、ホームページ上で公開されていた気温などの推計気象分布などのメッシュデータをスマートフォンで見やすくし、気温の値や気象予想、種苗生産で活用できるような気温、降水量、日照時間の一定期間における合計値などを表示できるようにしたもの。利用は、現時点ではインターネット環境が必要となる。

会議内で報告を行った道苗組の理事長は「同じ町内の複数地域の苗畑ごとに気象情報を把握できるので、降雨が予想できる地域の作業を避けるなど効率的な作業ローテーションが組めるため、作業の効率化、省力化につながる」などと話した。

 

物林会 北海道に200人

9月14日号

原木から建設まで北海道には可能性

物林会

第19回物林会・北海道が9月4日、札幌グランドホテルで開かれた。全道から製材・合板工場、造材会社、森林組合、建設関係など約200人が出席して講演会、懇親会など行われた。

講演会では、鞄y屋ホームスキー部選手兼監督の葛西紀明氏による「夢は、努力でかなえる」が行われた。葛西氏は、下川町生まれの51歳。数々の冬季オリンピックに出場し、銀メダル2個、銅メダル1個を獲得するなど、スキージャンプ競技の国際舞台で活躍している。しかし、長野オリンピックで金メダルが獲れなかった悔しさなど経験し、逆境こそが自分に与えられた最大のチャンスと捉えている。「まだまだ引退したくない、頑張りたい」と挑戦を続ける考えを示した。

講演会のあとには懇親会が開かれ、物林鰍フ淡中克己社長、持株会社のJKホールディングス鰍フ青木慶一郎社長が挨拶した。淡中社長は、「当社の力の入れどころとして、国産材、特に素材関係への社員の配属が多くなっている。ここ北海道は当社の実力を発揮している地域であり、木材産業、山から建設まで一気通貫の仕事が広がる可能性がある」と述べ、協力を呼びかけた。

中田木材工業鰍フ中田博文社長の音頭で乾杯し、賑やかに懇談し、締めは潟シダの吉田良弘社長の言葉で閉会した。

 

道央地区未利用バイオマス供給協議会 残材、伐根供給開始

9月14日号

石狩バイオマス発電所令和8年稼働
来年以降3万t供給計画

道央地区未利用バイオマス供給協議会

道央地区未利用バイオマス供給協議会は9月8日令和5年度通常総会を石狩市厚田区で開催した。道森林管理局、道、石狩市、芦別市、森林組合、林業事業体、発電関係企業など約60人が参加し、令和4年度の業務報告、5年度の事業計画などが話し合われた。

石狩湾新港地域に国産木質チップを使用した出力9950kWの石狩地域バイオマス発電所が建設される。令和8年に稼働を予定しており、木質バイオマス原料の需要がさらに旺盛になることから、積極的な協議が行われた。

令和5年度の事業として、林地残材などの木質燃料の発電事業者等への供給斡旋が始まる。また、伐根材の集荷をニセコなどの遠方でも行うことや、業務量が増加すると想定し、担当者を10月に2人から3人に増員するなどとしている。

道央地区未利用バイオマス供給協議会は「8月末から丸紅クリーンパワー鰍始め、協議会員の事業者にも供給を行っている。目標は今年いっぱいで丸紅クリーンパワー鰍セけで1万tの供給を目標としている。これからは道央地区の森林組合中心に集めていく。従来の業者は枝条までしか使用してもらえなかったが、丸紅クリーンパワー鰍ヘタンコロ、伐根まで受け入れてくれるため、林地から集まるすべての残材を集めてくれ、山がきれいになるという我々の理想にかなっている」と話した。

 

森町でリモコン式草刈り機、低コスト造林実演会

9月14日号

渡島森林管理署と渡島東部森林室

渡島森林管理署 低コスト造林実演会 リモコン式草刈り機

渡島森林管理署と渡島東部森林室は「低コスト造林に向けたリモコン草刈機実演会」を9月6日、森町国有林で開催した。道南の事業体、森林組合、市町村、道、森林管理署など約90人が参加した。

林野庁は「新しい林業」の実現に向け、労働負担の重い下刈作業の省力化をめざしている。渡島、檜山地域でも林業労働者が高齢化しており、若年労働者も少なく、下刈作業の軽労化が課題となっていることから、国有林と民有林が連携してリモコン式草刈機実演会を開催した。

現地では、草刈機アグリア9500と9600Sの実演・操作体験、また、マキタの電動オーガ・手押し運搬車が紹介された。

 

林野庁概算要求 花粉対策・林業成長222億円

9月7日号

植替え、高性能機械、工場整備

林野庁は令和6年度予算概算要求の重点事項で、新たな花粉症対策の展開と森林・林業・木材産業によるグリーン成長をテーマに掲げ、森林整備に1500億円、治山に746億円、川上から川下までの総合対策「花粉削減・グリーン成長総合対策」に222億円を要求した。

□森林整備事業(公共)1500億円

スギ人工林の植え替え、森林吸収機能の強化のため、間伐、主伐後の再造林、林道の開設・改良を推進する。拡充事項では、「スギ植替重点促進区域」における伐採〜造林の一貫作業について、査定係数200を適用し、スギ植え替えを促進する。

□治山事業(公共)746億円

豪雨や地震等による山地災害対策として、流木対策、治山施設の機能強化など、国土強靭化に向けた取り組みを推進する。

□花粉削減・グリーン成長総合対策222億円

今年5月に政府は、花粉症に関する関係閣僚会議を開き、10年後までに花粉発生源のスギ人工林を約2割減少させ、30年後には花粉発生量を半減させる方針を決定した。このため、スギ人工林の伐採・植え替え等の対策を進めるとともに、カーボンニュートラルの実現に貢献するため川上から川下までの森林・林業・木材産業政策を総合的に支援する。

【新たな花粉症対策】

植え替えを実施する森林所有者への「協力金」を創設する。

また、スギ材の需要拡大(横架材を作る集成材工場の整備等)、花粉の少ない苗木の生産拡大、高性能林業機械導入、伐採や造林への新規参入など進める。

【国産材の安定供給に向けた生産基盤強化等】

搬出間伐、路網整備、高性能林業機械の導入(補助・リース支援)、製材・合板工場、木造公共建築物の整備を支援する。低密度植栽等の低コスト造林、エリートツリーのコンテナ苗増産も促進する。

このうち、高性能林業機械では、再造林の促進に寄与する造林機械の導入について、補助率のかさ上げを検討している。従来の3分の1から、10分4にすることをめざしている。

また、この総合対策では、林業のデジタル化・イノベーションの推進、建築用木材供給・利用の強化、製材やCLTを用いた建築物の技術開発を進める。労働力確保に向けては「緑の雇用」担い手確保支援事業、就業前の青年への給付金支給、林業労働安全対策などを要求している。

 

森林吸収量331t購入 きたみらい農協に道が証明書

9月7日号

きたみらい農協への証明書贈呈の様子

きたみらい農業協同組合(本所北見市、大坪広則組合長)が今年度、道有林と北見市有林の森林吸収量合計331二酸化炭素トンを購入したことから、北海道庁は8月30日、カーボン・オフセット・クレジット証明書を同組合に贈呈した。

札幌市かでる2・7で開かれた北海道カーボンファーミング推進フォーラムの席上で、きたみらい農業協同組合・販売企画部の児玉隆志マネージャーに、道水産林務部の寺田宏森林環境局長が、木製の証明書を手渡した。

 

スマート林業EZOモデル協議会 厚真町で実演会

9月7日号

ICTハーベスタなど実演

ICTハーベスタ実演

令和5年度スマート林業EZOモデル構築協議会の第3回打ち合わせ会議が8月29日、厚真町で行われ、林野庁、道森林管理局、道、関係市町、森林組合、協力オブザーバーなどが参加した。現地で、ICTハーベスタ、衛星通信環境、位置誘導装置を付けたラジコン式草刈り機、電動オーガによる実演が行われた後、意見交換が行われ、今後の取り組みについて報告された。

午前中に行われた現場視察ではまずICTハーベスタの実演が行われた。

ICTハーベスタの紹介では、機能紹介などが行われた。機能紹介では、市場価格によって一番高額に丸太を切ることができるバリューパッキング機能などの実演が行われた。

あわせて、ICTハーベスタのデータをリアルタイムでインターネット通信を行うため、低軌道衛星通信を活用し、WIFI環境を整備するシステムの実演も行われた。

下草刈り機械の実証では、新宮商行の販売するTIMAN RC―1000の実演が行われた。苗木の位置と機械位置を把握することで、効率的な草刈りを行う実演が行われた。

位置誘導装置を付けた電動オーガでの植林では、胆振東部地震の被災地において、植栽位置を記録しながら植林する実証を見学した。

午後からの会議においては、今年度の本格的な実証の計画および午前中の見学会を見た意見などが話し合われた。

 

胆振東部地震被災林の再生 胆振東部森林再生・林業復興連絡会議

9月7日号

崩壊斜面に植樹 土壌固くコスト増高
コンテナ苗活用 浸食防ぐ筋工を

8月24日開催胆振東部森林再生林業復興連絡会議

道は胆振東部森林再生・林業復興連絡会議を8月24日に開いた。厚真町東和地区の被災箇所を訪れ、森林造成に向けた植栽の状況、課題など現地検討した。被災3町、森林組合、森づくり協同組合、林野庁、道、試験研究機関など53人が出席した。

平成30年9月6日発生の北海道胆振東部地震により厚真、安平、むかわ町で森林が崩落した。3町の崩落林地と土砂・樹木の堆積地は合計約4900haにのぼる。森林再生・林業復興連絡会議は、令和4年に「胆振東部地震森林再生実施計画」を策定し、土砂堆積地の被害木整理、植林を実施。崩壊斜面についても植林、緑化などに取り組んでいる。

森林造成の全体計画は、被害木整理593ha、植林1116ha、緑化等103ha、自然回復3548haとしており、令和4年度は被害木整理約103ha、植林136haなど実施した。

厚真町東和の現地検討では、苫小牧広域森林組合が本格化する植栽事業を説明した。これまで崩落土砂堆積地への植栽を中心に進めてきたが、今年度から隣接の崩壊斜面の植栽に着手した。しかし土壌は硬く、急斜面の作業は作業員の負担が大きくなっている。

また、土壌調査を行い植栽不適地を避けているが、この結果、植栽区画は飛び地が多くなり、コストが掛かり増しとなっている。凍上倒伏が発生しやすい秋植えを避けており、春期に作業が集中する問題もある。

今後は、植栽適期が長いコンテナ苗の活用、植栽器具の模索、苗木運搬に電動一輪車の活用、ドローン測量などに取り組む考えを示した。

胆振森林室は道有林植栽地の状況を説明した。傾斜角度9度の植栽地では、カラマツ植栽後2年が経過し、活着率はおおむね9割だが、上方向への成長がなく盆栽状になっている。要因はエゾシカの食害と思われる。別の傾斜角度30度の植栽地では、盆栽状となっているほか、降雨・融雪時の流水により表層の浸食が発生し、部分的に植栽木の流出が見られた。

今後は、浸食が発生し生育不良が見られる傾斜地には、丸太等を配置する筋工なども検討する。

また、森林作業道の状況については、大雨や融雪水が崩落土砂堆積地に集中することから、土砂とともに埋まっていた枝条等が流出し、暗渠排水管が詰まり作業道の破損が発生する。洗越工の施工などが検討された。

 

道内FIT認定 バイオマス発電15施設に 

9月7日号

今後4施設が稼働

道林業木材課のまとめによると、令和5年度、道産木材を活用して稼働するFIT認定バイオマス発電所は、道内で15施設となった。このほかに4施設が認定済みとなっており、今後稼働を予定している。

道産木材を活用するFIT発電所は次の15施設である(石炭・PKSなどとの混焼を含む)。

・王子グリーンエナジー江別(王子グリーンエナジー江別梶j江別市、発電出力2万5400kW

・紋別バイオマス発電所(紋別バイオマス発電梶j紋別市、5万kW

・苫小牧バイオマス発電所(苫小牧バイオマス発電梶j苫小牧市、6194kW

・白糠バイオマス発電所(叶_戸物産)白糠町、6250kW

・石狩バイオマス発電所(エネサイクル梶j石狩市、1200kWチップガス化

・合同会社WS網走バイオマス発電所1号(鰍vIND−SMILE)網走市、1995kW

・下川森林バイオマス熱電併給施設(北海道バイオマスエネルギー梶j下川町、1997kWペレットガス化

・北斗バイオマス発電所(北斗バイオマス発電合同会社)北斗市、1990kW

・日本製紙釧路工場(日本製紙梶j釧路市、8万8000kW

・バイオマスエネルギーセンター(津別単板協同組合)津別町、4700kW

・勇払バイオマス発電所1号発電設備(勇払エネルギーセンター合同会社)苫小牧市、7万4950kW

・当別森林バイオマス熱電併給施設(北海道バイオマスエネルギー梶j当別町、1089kWペレットガス化

・網走バイオマス第2発電所(合同会社網走バイオマス第2発電所)網走市、9900kW

・網走バイオマス第3発電所(合同会社網走バイオマス第3発電所)網走市、9900kW

・Sonraku厚真バイオマス発電所(鰍唐盾獅窒≠汲普j厚真町、40kWチップガス化

このほかに、固定価格買取制度の認定済み発電所は4施設あり、今後稼働を予定している。

○安平バイオマス発電所(合同会社安平バイオマスエナジー)安平町、1990kW、令和6年3月予定

○石狩地域バイオマス発電所(石狩地域バイオマス発電梶j石狩市、9950kW、令和8年1月

○名寄バイオマス発電所(王子マテリア梶j名寄市、9990kW、令和7年4月

○北見バイオマス発電所(鰍vIND−SMILE)北見市、9900kW、令和8年10月

これらのほか輸入ペレット、PKSなど使った稼働済み・稼働予定の発電所が合わせて8施設ある。

 

和弓に道産広葉樹 札幌市の大洋弓具製作所

9月7日号

輸入原料の入荷ストップ 森林組合、加工工場から調達

和弓

弓道に使う和弓を道産材で製作したい。札幌にある弓具製作会社椛蝸m弓具製作所は、原料を北米材などの輸入材から、道産材に替えた和弓の製作に取り組み始めた。

大洋弓具製作所は、入門用から高級品まで、北米材のハードメープル・スプルース・特殊カーボンなどを使って弓を製作する国内第2位の製作会社である。2020年前後から道産材を普及する道木連、ひだか南森林組合と知り合い、道産材で作ってみたいと伝えていた。

こうした中、2021年にウッドショックが起こり、原料としていた輸入材がストップしてしまった。在庫を多く確保していたため何とか対応していたが、コロナ禍の収束が見え始めてから通常の3倍もの弓の注文が入るようになり、原料不足が現実味を帯びてきた。さらに、業界第1位のメーカーが入門用の弓の製造をやめてしまった。

同社では、弓の両端の部材(関板材)には、すでに道産材を使用していたが、主要部分を占める中芯材にも、道産原料の調達を急ぐことにした。

現在は、ひだか南森林組合の土場に集積される日高産広葉樹原木(シナやカツラ)を製材加工してもらい、空知単板工業で乾燥・フィンガージョイント加工した原板で本格生産を始めている。

大洋弓具製作所の石坂全社長は、「輸入材に頼ってきたが、国内調達に舵を切ろうとしていたところだった。弓道連盟の会員は約13万人、一般の愛好家を含めると50万人いるが、道具の供給者がいなくなると弓道自体が先細りになってしまう」として、道産広葉樹材を使用し伝統文化を継承したい考えを示した。

 

森林整備の発注予定情報を公表 札幌市有林

9月7日号

札幌市建設局みどりの管理課は8月25日、今年度の札幌市有林の森林整備に関する年度内の発注予定をホームページ上に公開した。今後の発注予定は、針葉樹等立木売払(皆伐)等の施行が予定されている。

これは、3月から4月にかけて行われた「森林整備等に関する意見交換会」で発注予定の早い段階での公表を望む事業者からの意見に対応するため公開された。

執行する際の入札情報の公告は、ホームページ上で行われる。

 

チップ山棒対策委員会 原料材不足 価格高騰

8月24日号

発電向けに集荷、チップ工場に影響を

チップ山棒対策委員会

ウッドショックが終わり製材・合板原木の需要は落ち着きを見せているが、原料材価格は公売で高騰を見せている。道木連は今年度第1回の木材チップ・山棒対策委員会を開催し、チップ工場や原木の状況を意見交換した。

出席したチップ専門工場は「月1000トン生産したいが、400〜500トンに抑え、従業員に造材の現場に行ってもらい生産調整している。原木は敷料用との競争も激しい」

また、製材工場は背板チップについて、製材需要が不振で工場稼働は3割減になるなどと報告した。これに伴い「1000トン強だったチップ生産は600トン、500トンと減っている。小径木を使うが、原料材とぶつかっており価格が下がらない」。広葉樹製材工場も、ナラ優良材が1・8倍に高騰しており、広葉樹背板チップは高いものとなっている。

森林組合系統も、地区により差はあるが原料在庫は7割強と厳しく、原料単価を上げたり、係数を変更したりして集荷している。ただ、今年は合板需要減により製材原木が潤沢なので、パルプ材を製材用に向けることはない。

なぜ原料材が高くなったのか。1つには、輸入チップが高く国産チップの使用を増やす中で、バイオマス発電所に振り向ける分が減り、これにより発電所サイドが集荷姿勢を強めていることがある。こうした連鎖は当面続くのではないかと指摘された。

出席者からは、「地域では原木が中国に輸出されており、さらにバイオ発電が稼働して、既存のチップ工場への影響が大である。公売では、原料材は高い価格で札が入る一方、一般材は安く買われ、価格の逆転が起きている」との意見が出た。

 

物流2024年問題に対応 

8月24日号

林野庁が木材団体に呼びかけ 荷役負担の削減 物流負荷の軽減

トラックドライバーの長時間労働が制限される「物流の2024年問題」が来年に迫り、木材産業への影響が懸念されている。このため林野庁は、政府が進めようとしている対応策、規制的措置などを木材産業団体などに周知している。

2024年の4月以降トラックドライバーの長時間労働が制限されることから、国内物流の効率化が喫緊の課題となっている。

このため政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」を6月2日に関係閣僚会議で決定した。物流負荷の軽減に向けて荷主企業と物流事業者の行動変容を促す。このほど林野庁は、全木連や日本合板商業組合など木材団体に、物流革新に向けた政策パッケージに沿って、運送の改善に取り組むよう要請した。

 

国有林原料材25万立方メートル予定

8月24日号

公売では高値1万円強も

8月8日、札幌市で開かれた道木連の会議(木材チップ・山棒対策委員会)で国有林材、道有林材販売の進捗状況が次のように報告された。

 

【道森林管理局】

国有林の立木販売は昨年度と同じ98万5000立方メートルを計画し、4月以降販売を行っているが、素材の生産販売に比べると売り上げは伸びず、7月末で約6万8000立方メートルの進捗状況である。一方、数年前から始めた林地残材の販売は約1万8000立方メートルとなり昨年度より売れている。

また、素材の生産販売量は年間89万2000立方メートル予定している。このうち3割程度の25万〜26万立方メートルは原料材を提供できるのではないか。委託販売結果を見ても、原料材の価格が高騰しており、今は一時期よりは若干下がっているが、高値で1立方メートル当たり1万円を超えている。8月期は原料材N、カラマツ原料材、原料材Lを合わせて1万立方メートル強の入札を行う予定である。

【道水産林務部】

道有林の立木販売は昨年とほぼ同じ56万7000立方メートルを予定している。現在は20数万立方メートルの販売を終え、落札単価は、物件内容は違うが、去年の全体の落札単価より約300円落ちている。落札率も去年は98%だったが、現時点では87%と少し不落件数が増えている。

 

枝幸木材 新製材工場 移転し建築材、おが粉効率生産

8月24日号

林構補助と北海道と日本政策金融公庫融資で 
従業員新規雇用も

枝幸木材 新工場

且}幸木材の工場が中頓別町から枝幸町へと移転し、建築材などの生産を行っている。新たにトリプルソーなどの機械を導入することにより、作業の効率化を図ったり、従来遠方まで運搬を行っていたチップをおが粉として地元農協に販売するなどの取り組みを始めている。

且}幸木材の新工場は、枝幸町市街の南側にあり、国道238号線から少し山側に入った場所に建設された。

総事業費は約4億円、新設した機械の費用の半額は林業木材産業構造改革事業などの補助を受けており、そのほか、建物、外構工事は日本政策金融公庫、稚内信用金庫、ふるさと財団の融資を受け建設した。導入した機械は、送材車、本機、テーブル、トリプルリッパープレーナー付、チッパー機およびチップを粉砕し、おが粉にするための粉砕機、皮むき機。挽くことのできる丸太は大径材にも対応している。生産量は年間約4800立方メートル程度を予定している。羽柄材などの建築材を主に生産し、そのほか、前工場時代から製造を行っていた魚箱の生産も行う。原木供給は、王子木材緑化鰍ゥら現在供給を受けている。今後南宗谷森林組合からも供給を受けるとしている。また、粉砕機を導入したことで、移転前は苫小牧まで運搬していたチップをおが粉にして南宗谷農協に飼料として全量供給し、地産地消に貢献する。供給量は年間約5000立方メートルを予定している。

枝幸木材の鈴木正樹社長は、「トリプルソーとプレーナーが一体になった機械を導入したことで作業にかかわる人数を減らすなど効率化をすることができた。従来工場があった中頓別町小頓別は、中頓別町の中心市街地から離れているため、従業員の採用に苦戦していたが、枝幸町市街から近い場所に移転したこともあり、従業員の採用も行いたい」と話した。

 

北海道国有林 下刈り来年度から抜本見直し 列間のみ、苗木の際刈らない

8月17日号

草刈り機械導入可能、回数も削減

上川町で行われた下草刈りの現地検討会の様子1

北海道森林管理局は、造林事業の省力化に向け、下刈り手法の抜本的見直しに踏み出す。令和6年度から、下刈りは列間刈りのみを行う。苗間や苗木の際は刈らない。回数も見直す。道局森林整備第一課は、8月8日上川町国有林で開催した下刈り現地検討会で、新たな方針を事業体に説明した。

 

森林管理局は、下刈り回数の省略(年間2回刈りを適期1回刈りに)、下草の高足刈り(地際刈りではなく高さ30〜50pで刈る)などの実証試験を行っている。この結果、苗木の生長に支障がないことが分かってきた。

 

このため、省力化を実現する新しい林業として、北海道国有林の下刈り手法を抜本的に見直すことにした。令和6年度から、下刈りは苗木の列間刈りのみ行う。刈り高も地際にこだわらない。さらに苗間や苗木の際は刈らない。

 

これに伴い植え付けの仕様も変える。列間は機械が走行できるよう幅4mと広く確保する。苗間は1・67mとし、1条植え、f当たり1500本の低密度植栽とする。また、事前の地拵えについても、のちの保育作業を見据えて機械による全刈り地拵えを推進する。

 

8月8日に上川町国有林で行われた下刈り現地検討会には、事業体、森林組合、道、市町村、森林管理署など約90人が参加。道局から新たな方針が説明された。質疑応答のあと、列間のみ下刈りする事業地を見た。

 

道局森林整備第一課長は、「潔癖な下刈りでなくとも枯れることはなかった。アカエゾマツ、カラマツも含め、基本的にこうした手法で下刈りを進め、省力化したい。事業体のキャパはもうギリギリである」と話している。

 

第1回森林審議会 林務政策の展開議論

8月17日号

森林クレジット活用 道産材で北方型住宅を 苗木生産の人手不足

令和5年度第1回北海道森林審議会(会長・小泉章夫北海道大学大学院農学研究院元教授)が8月8日、札幌市で開催された。林務政策の展開について、5年度の主な取り組み、森林づくり基本計画などの進捗などについて話し合われた。また、林地開発の許可等について報告を受けた。

道から令和4年度の森林づくりの動向に関する年次報告の概要の説明を受けた後、令和5年度の林務政策の展開と主な取り組み、「北海道森林づくり基本計画」「道有林基本計画」の推進について報告、意見交換が行われた。

今後の重点取り組みとして、再造林の実施や森林整備の実施によるゼロカーボン北海道に向けた活力ある森林づくりや、広葉樹資源の育成と有効活用、人材確保、スマート林業の推進、道産木材の需要拡大の取り組みなどが紹介された。

 

木材需要の減少懸念 住宅工事厳しく製品値下がり

8月17日号

札幌林材協会 市況委員会

札幌林材協会は札樽圏の建築材需要、市況の先行き動向などを情報交換する市況委員会を7月28日、書面開催した。

札幌市内の木材販売店からは、木材需要減が懸念されている。また、需要減に伴う輸入数量減も指摘されている。

 

国有林7月立木入札

8月17日号

国有林立木入札の7月実施分の各地の結果は以下の通り。

〈札幌地区〉

20件中7件落札(応札なし9件、不落4件)

〈旭川地区〉

36件中3件落札(応札なし30件、不落3件)

〈北見地区〉

41件中12件落札(応札なし23件不落6件)

〈帯広地区〉

19件中5件落札(応札なし10件不落4件)

〈函館地区〉

 9件中5件落札(応札なし3件、不落1件)

 

林業木材産業連絡会議 住宅低調 プレカット2割

8月10日号

輸入材、集成材ラミナ価格下がる

道産材需要が低調となり原木流通が心配されている。道水産林務部は「北海道林業・木材産業に関する連絡会議」を札幌市の会場(かでる2・7)とオンラインの併用で開催し、木材商社、製材工場、林業団体、森林管理局などが需要動向や今後の対応を協議した。

 

会議では、野村博明林務局長の挨拶のあと、原木需要や建築材需要、輸入材の動向について報告された。主な発言は次のとおり。

 

■物林札幌支店
 合板原木は北海道でも受け入れ制限が行われている。また、本州の合板メーカーは早い段階で原木、製品ともに在庫調整がほぼ終わった。こうした中、北海道からの移出合板材は、4〜6月については前年同月比4割になっている。前年は年間で33万〜35万@が移出されたので、この状態が続くと約20万立方メートルの移出丸太が減少することになる。特にトドマツの落ち込みが大きい。
 プレカットの仕事は6月まではかなり悪く、平均すると前年比約6割ではないか。7月、8月は需要期なので、8割前後は受注していると思われる。分譲住宅は価格が高くなりすぎ、30坪を切る27〜28坪の少し小さな住宅を建てて3000万円台で販売することで、少し持ち直している。
 輸入材は7〜9月積みの価格が、もう一段下がってしまった。秋から冬場に入荷するが、今より3000〜5000円は下がると思う。構造用集成材も、カラマツラミナがまた下がる局面にある。国産材に転換している需要者も増えているが、まだまだ足りない。

 

■住友林業フォレストサービス北海道営業所
 道内の合板工場、製材工場向けの原木は制限されている。しかし、当社の直営班の数量は落とすわけにはいかないので苦労している。需要回復は年末くらいからではないかと考えている。期待を込めて、公有林材関係はとりあえず確保している。燃料材、バイオマス発電所は原料不足でどこも困っている。これは合板、製材需要が悪いので伐採量が減って燃料材もなかなか集まらないからである。秋田の豪雨の関係で、周辺の合板工場がスギ原木不足になると懸念されており、今後動きが出てくると想定している。

 

■トドマツ人工林材協議会
 原木消費量を約7割とかなり落とした中で工場生産をつないでいる。国産建築材に切り替えようという動きもあるが、乾燥設備、加工能力の問題で限界がある。歩留まり、乾燥コスト、燃料代、電気代の上昇で、需要があるところに向けたくても伸ばしていけない。

 

■道森林管理局
 素材の7月期販売は非常に厳しい。7割程度しか売れていない。そうではあるが木材を安定供給するという意味も合わせて、今後とも計画どおりに供給していく。

 

また、連絡会議では、「原料材が足りなくなっており一般材より高い価格で買われ混乱している」「人手不足がネックとなり、急に山を伐ってほしいと言われても難しく、現状の体制に合わせて造材を進めている」。2024年問題で運材の問題が切実になる、また中間土場は必要なところに作るべきで、最初に土場ありきでは作っても使えないなどの意見が出された。

 

道木造住宅着工14%減少 今年上半期

8月10日号

建築木材の需要低調 住宅販売価格が高騰

 

国土交通省がこのほど発表した建築着工統計によると、北海道内6月の住宅着工戸数は3567戸で前年同月比11%増加となったが、このうち木造住宅は1569戸で同8%の減少となった。

 

6月の3567戸の内訳では、持家が881戸で15%減の大幅減少となった。一方、貸家は1923戸で21%増加、分譲住宅は630戸で16%増加した。分譲のうちマンションは70%増と大幅に増加したが、一戸建ては28%減少した。

 

これらのうち、木造住宅は1569戸で8%減少、一方、非木造住宅は1198戸で32%増加した。

 

また、1月から6月まで上半期の住宅着工戸数は約1万3800戸、前年に比べ微減となっている。しかし、持家は10%減少とやはり減少幅が大きくなっている。貸家は12%増加、分譲住宅は24%減少となった。これらのうち木造住宅は、上半期約6300戸、前年同月に比べ14%減少している。

 

製材低調 受注約1週間 住宅建築、物流、輸出が不振

8月3日号

北海道カラマツ製材業協議会

 

北海道カラマツ製材業協議会は今年度第2回の情報交換会を7月25日、帯広市とかちプラザで開催した。会員企業と道森連、道林業木材課、振興局など32人が出席し、木材需要の動向を情報交換した。

 

カラマツ製材の受注残は業界工場が1〜2週間、森林組合工場も5〜10日。3〜4日しかない工場もある。月を追うごとに受注が鈍くなっており、土曜だけでなく金曜も休んで生産調整をしている工場もある。梱包材・パレットが使われる国内物流は低調、中国の機械設備投資も減っている。しかし製材価格は大きく崩れていない。「価格を下げても仕事は増えない」との声が聞かれた。

 

一方で原木は、3カ月分以上、多い工場は6カ月分以上の在庫を抱えている。価格は変えていないが、合板用に対抗して高く買っていた一部サイズは6月から500円下げた。原木在庫が増えており、7月から入荷制限する工場もある。

 

民有林の原木流通について道森連は、「道内合板工場向けの原木、港出し原木も低調。しかし、先々の原料集荷の不安もあり、可能なものは工場に入れている」とした。森林組合は用材需要が悪いことから伐採するにしてもパルプ率の高い山を選んで事業を進めている。

 

また、建築材需要の厳しさを受けて、ラミナ価格が大きく下落している。東北向けラミナは「8月から3000円下げてもらいたいときている。どう対応すべきか」。ただし、地域材を使った道内公共建築物、道外の木造高層ビルの集成材の仕事がきていると報告された。

 

電気代高騰については、「新電力会社に乗り換えた」など発言があった。

 

期待していた夏以降の需要は見えてこないが、今は耐える時期だとの意見が出された。

 

サトウが再割工場新設 大径材40p受け入れ可能に

8月3日号

梱包材、ラミナ省力生産

サトウ新工場  

株式会社サトウ(松永秀司代表取締役社長)は、帯広市の本社工場敷地内に、新たな製材ラインを導入した。大径丸太から挽いた角材の原盤(フリッチ)を再割して、梱包材、ラミナなど効率良く生産する。40cmまでの大径木を受け入れ、原木消費と生産を増やせるよう新体制を整えた。

 

同社工場では、これまで34cmまでの丸太を使用していたが、合板との競合で原木不足が続く中、34cmまでしか受け入れないのでは入荷総量は限られてしまう。より太い丸太も使えるよう加工体制を整備し、梱包材、パレット材、ラミナ、間柱など増産していく。

 

新工場は7月下旬に機械設備取り付けを終え完成した。ツインオートテーブル、ギャングリッパー、トリマー(4軸)、自動積込機、工場建屋など整備。このほか、足寄町の協同組合フォレスト十勝にも、大径木の根張りを削る珍しい機械を導入した。

 

当麻町産材活用促進住宅 プロジェクト認証書授与式

8月3日号

20棟一括認証 認証材合計約400立方メートル使用

当麻町産材活用促進住宅  

SGEC認証を受けた当麻町産材を活用した住宅建築プロジェクトについて、20棟に特定プロジェクト認証取得が完了した。これに伴う認証書授与式が7月26日当麻町役場で行われ、道、町、道森連、製材工場および工務店出席のもと、当麻町森林組合に認証書が、施主に認証材使用住宅証明書が授与された。

 

今回は、住宅用構造材、構造用集成材に焦点を当てたプロジェクト認証を取得している。構造材に関してすべて認証材を使用した住宅15棟、特定された部分の構造材に認証材を使用し、認証住宅として認められた住宅5棟、合計20棟を一括取得した。使用された樹種については土台部分にカラマツ、それ以外にはトドマツを使用した。使用された木材の総使用材積は構造材及び構造用集成材で403立方メートル、そのうち町産材かつ認証材を利用した材積が394立方メートル、使用率97・7%となっている。

 

認証材授与式で認証材使用住宅証明書を受け取った施主代表は「住宅を建てるにあたり、地域産材を活用することで地域に貢献したかった。当麻町の林業や木材について知りたくなった」と語った。

 

授与式終了後、ハートフルタウンとうま内にある認証材使用住宅の見学会を行い、当麻町産材活用促進事業の概要などの説明を受けた。

 

道産材建築見学ツアー

8月3日号

住宅関係者23人が空知で

 

住宅建設会社などで構成する北海道住宅都市開発協会は、道産木材の利用に理解を深める見学会を7月18日、空知管内で開催した。岩見沢市にある古材を使ったワイナリー、教会などの建築物を視察した。

道住宅都市開発協会に設けられた道産木材利用研究会と道木連が主催し、建設会社などから23人が参加した。道木連のコーディネートで、伝統的木造建築の再生などに取り組む武部建設の建築物を見学した。

まず、岩見沢市の同社事務所に併設するショールーム「結ホール」を見学した。倉庫だった建物を道産間伐材や古材を利用して木の温もりある空間に改築した。次に三笠市に移動して同社の古材ストックヤードを訪れた。各地の古民家を解体して得られたカツラ、タモ、ミズナラなど、乾燥が進み独特の風合いを持つ良材が保存されていた。

また、岩見沢市宝水町の「宝水ワイナリー」を訪れた。地元ぶどうを使いワインを製造している空知地方の先駆的なワイナリーである。武部建設が小樽市にあった木造倉庫を解体・移築した。基本構造材はエゾマツと思われ、外壁などはカラマツが使われていた。

岩見沢市栗沢町にある「栗沢キリスト教会」では、構造柱に伐採したカラマツ丸太、壁にはカラマツ羽目板とポプラ製材などが使用されていた。荘厳な空間の中に温もりが感じられる木の教会である。

これら建築物の再生・解体には手刻みで仕口や継手をつくるなどの伝統的な技が必要であり、武部建設は技を継承する大工職人の育成に力を入れている。こうした取り組みに参加者は高い関心を示していた。

 

木造ムービングハウス 組合新事務所に導入

8月3日号

日高東部森林組合

日高東部森林組合コンテナハウス  

日高東部森林組合は今年3月に、浦河町堺町にある事務所を新築した。建物には森林組合事務所としては珍しい木造ムービングハウスを導入した。

これまでの事務所が古くなったことから、隣に新事務所を作った。建物には、お客さんが来たくなり、働く人も誇らしくなる事務所をめざして、木造ムービングハウスを導入した。構造、外装、内部も木材でできている箱形ユニットをいくつも連結させて造る建物である。店舗、宿泊施設、災害時の仮設住宅などに使われている。

平屋建てでも、将来必要なときには2階建てなどに増築できる。 

森林組合によると、冷房も効いて居心地が良いのでお客さんからも評判が良い、打合せもじっくりと深い内容で話し合いができるという。

 

木造建築推進へ官民協議会

7月27日号

国産高層ビル、大きな効果 山側に利益届く仕組みを

林野庁は、民間建築物等における木材利用に向け官民一体で検討する「ウッド・チェンジ協議会」を6月5日に農林水産省で開催し、このほど議事内容を公表した。民間建築物、特に大型建築物での利用を推進する方策について意見交換した。

協議会は令和3年に設置され、木材利用の課題検討や情報共有を行うもの。経済同友会や経団連、町村会などの団体、大企業、森林総研、総務省・経産省・国交省など51団体が参加する。会長は、東京海上日動火災保険株式会社相談役の隅修三氏が務めている。

6月に開かれた第4回の会合では、野中厚農林水産副大臣が挨拶し、持続可能な森林経営と木材利用の促進は国際的にも重要になっていると強調した。

また、協議会の隅修三会長は挨拶で、次のように述べた。「木材利用の促進は、森林の循環、林業の活性化や地方創生、さらにはCO2の吸収量に貢献していくものである。最近では花粉症対策が加わった。これらは外国材では実現できず、国産材の大きな需要を作り出すことが不可欠である。現在、当社本店ビル(東京海上日動ビル)について、ほぼ国産材のみの木造ハイブリット構造で高さ100mの高層ビルを建てようとしている。東京の中心、丸の内に巨大な木造ビルを建てることで、多くの方々にとって木造化を選ぶ起爆剤になることを期待している」。

協議会では、木造建築普及に向けた検討事項が報告された。2階建ての小規模な事務所のモデル、3階建て準耐火構造で建築できる事務所の木造化標準モデル、中規模のホテルのモデルなど報告された。  

 

道水産林務部 スマート林業機器に補助

7月27日号

ドローン、下刈り機 上限250万円

道水産林務部は、新規事業「スマート林業実装推進事業」(7月補正予算)の中でスマート林業機器の導入への補助を実施する。実施要件を固め、林業事業者の要望調査を開始した。

スマート林業機器の導入補助は予算額約5700万円。事業内容は、500万円以内のスマート林業機器を初回導入する際に(過去3年以内に導入実績がないもの)、2分の1以内で支援する。補助上限額は250万円である。

道内の森林組合、登録林業事業体を対象に支援する。

事業体による要望の締め切りは、振興局によるが8月中旬頃が見込まれる。問い合わせは各振興局林務課へ。

 

令和5年度道有林の重点取り組み

7月27日号

広葉樹資源量の把握、造林作業の省力化検証、森林吸収クレジット創出

道水産林務部道有林課は、「令和5年度道有林の主な取組」を7月19日まとめ公表した。広葉樹資源の把握と活用、造林作業の省力化、森林が吸収するCO2の大規模クレジット化など今年度の重点事項を掲げた。

道有林の令和5年度の主な事業量は、伐採立木材積が人工林55万2000立方メートル、天然林1万5000立方メートル。また、造林事業が人工造林810ヘクタール、天然更新10ヘクタール。林道・林業専用道開設は16kmとしている。これら森林整備・管理を進めつつ、資源や技術力を活用した先導的な取り組み、地域貢献など重点的に進める事項は次のとおり。

〇[ICTによる広葉樹資源の把握・利用]
 〇[森林施業の省力化・低コスト化の推進]
 〇[共同施業・共同出荷の推進]
 〇[森林由来クレジットの創出・販売]

このほか、令和5年度の重点事項では、[道有林材の戦略的な供給][森林認証による地域づくり][保持林業の実証試験][北海道胆振東部地震による被災森林の復旧]などに取り組む。

 

国有林システム販売35万立方メートル

7月27日号

商社、製材合板工場、発電所が申請

道森林管理局は、令和5年度第1回の国有林材の安定供給システム販売(製品販売)の協定締結結果を7月5日公表した。事業者から申請があった企画提案を審査した結果、計91物件、34万9100立方メートルの素材販売協定を締結した。

第1回システム販売では、今年3月にトドマツ、カラマツ、アカエゾマツ一般材、針葉樹原料材、広葉樹原料材など計103物件、40万8400立方メートルの公募を行った。申請があった企画提案を審査し、このほど約35万立方メートルの販売協定を締結した。

企画提案では、木材流通商社、製材工場、集成材工場、合板工場、チップ工場、バイオマス発電所などが連携して申請した。主な用途は、建築材、梱包材、ラミナ、合板(道内・道外)、製紙原料、発電用チップ、オガ粉などとなっている。  

 

高校生採用 求人票早期提出を

7月27日号

空知地域林業担い手確保推進協議会

空知地域林業担い手確保推進協議会

空知振興局林務課は7月21日「令和5年度空知地域林業担い手確保推進協議会」を開催した。道、管内市町、森林組合、林業事業体、高校、求人関連企業など約30人が参加し、担い手確保推進協議会の取り組みの令和4年度報告、5年度の取り組み案、情報提供および意見交換が行われた。

令和4年度の取り組みとして、岩見沢農業高校を対象とした参入促進の取り組みとして、林業就職説明会、現場体験実習を行った。また、普通科高校生のインターンシップ受け入れや、移住者への就業体験を行った。

またSNSでの情報発信、就労環境改善のためのアシストスーツモニターの実施、北の森づくり専門学院の生徒の研修受け入れ、企業説明会の参加を行った。

令和5年度はインターンシップの受け入れ、林業就業セミナーなどの就職説明会などが行われることに加え、企業の採用力強化セミナーの実施を予定している。

担い手確保推進のための情報収集や意見交換会では以下のような意見が出された。

〇岩見沢農業高校からの情報提供
・過去3年の傾向としておおよそ林業系の公務員志望者が25%前後、林業系の職種を志望する生徒が20〜25%程度。
・2年次の6月にインターンシップを行い、それの印象により、林業を選択するかどうかも決まる。公務員を志望していた生徒が林業現場作業に志望変更する事例もある。
 また、担い手セミナーの担当者の話や、先輩の働いている様子を見聞きしたうえで企業選択をしている。
・3年次の7月1日に公募求人が公開されるので、生徒はどこの企業を志望するか検討することとなる。企業の選択については生徒だけではなく保護者も気にする。会社名を聞いただけでは判断できないので、求人票で待遇、年齢構成を確認しているので、求人が出てこないと受験する結論に至らないので求人票は6月中にハローワークに提出して、公開と同時に生徒が求人票を確認できるようにしてほしい。
・近年の傾向として、休日が取れること、入社後の不安や心配をサポートする体制を気にする傾向がある。

〇意見交換会
 ▽林業の新規採用について

・誰でもいいから来てほしいという求人票では、若い世代は自分でなくてもいいと感じてしまう。採用ターゲットが採用に応募してもらえるような求人票を考えてほしい。また、求人票だけでは求職者へ情報提供が不足しているので、ホームページ、SNS、動画共有サイトなどの活用も検討してほしい。
 ▽若手職員の定着について
・全体の業種に言えることだが、毎日上司が部下に声をかけることで離職率が下がる傾向がみられる。若い職員にとって気にかけてもらっているということが就業をする上での安心につながる。

 

林業・木材構造改革4億5千万円

7月20日号

林業機械リース補助10台、バイオマス利用機械導入3台

令和5年度に道内で実施される「林業・木材産業構造改革事業」の実施内容が決まった。事業費合計は約4億4600万円、補助額は約1億4500万円で、林業機械リース支援、木質バイオマス利用推進施設の導入支援が進められる。

7月5日付で林野庁が交付決定、道が振興局に通知した。リース支援事業は10台、バイオマス利用推進事業では3台の機械導入を補助率3分の1、2分の1以内などで支援する。

【林業機械リース支援】
計9事業体による10台の林業機械リース導入を支援する。事業費は約2億3000万円、補助額は約5400万円となる。

【木質バイオマス利用推進施設の整備】
計3事業体による3台の木質バイオマス利用関連機械の導入を支援する。事業費は約2億1600万円、補助額は9100万円となる。

 

道水産林務部 重機導入補助の緊急対策

7月20日号

ベースマシン、ログローダ45台採択

道水産林務部は、原油高騰に対応し、省エネ型の林業機械入れ替えなどを補助する「林業・木材産業物価高騰緊急対策」の実施事業を決定した。ベースマシン、トラクタ、ログローダなど合計45台の機械導入を支援する。

林業・木材産業物価高騰緊急対策事業は、予算額約3億800万円で、5月の臨時道議会で可決した。苗畑で使うトラクタ、造材現場で使う林業機械、製材工場のフォークリフトなどを対象に、すでに所有する機械より燃料消費量が低減される機種を導入する場合に、補助上限額250万〜1000万円などで支援する。

 

住友林業が森林ファンド設立

7月20日号

日本企業10社が600億円

住友林業(株)(光吉敏郎社長、東京都)は、大規模な森林ファンドを設立し、森林経営に投資する事業を始める。日本企業10社が総額600億円を共同出資し、北米の森林管理とCO2吸収量のクレジット化に乗り出す。

住友林業の光吉敏郎社長が7月10日、記者会見で発表した。同社は、社有林の管理、木材建材事業、住宅販売、海外の木造オフィスビル建設など、森と木に関する様々な事業を行っている。新たに「脱炭素に向けた大規模な森林ファンド」を設立し、CO2吸収拡大とクレジット化事業を開始する。

第1号として約600億円の基金を設けた。米国のグループ会社を通じて、取得・管理する森林を検討している。面積は約13万ヘクタール。米国北東部の広葉樹林・一部針葉樹林を想定している。メープル、ウォルナットなど木材生産を行うとともに適切に管理し、年間100万トンのクレジット化をめざす。基金の運用期間は15年間。

 

北斗バイオマス発電所へ燃料 道南木材産業株式会社を設立

7月20日号

林地残材の調達体制を整備

北斗バイオマス発電所へ燃料 道南木材産業株式会社を設立

道南の北斗市当別地区で「北海道北斗バイオマス発電所」を稼働させている京葉ガスエナジーソリューション株式会社(本社千葉県)は、林地残材を調達する体制として、子会社「道南木材産業株式会社」を6月16日に設立した。

未利用間伐材などを使用する北海道北斗バイオマス発電所は、令和2年12月に運転を開始した。発電出力1990kW、燃料投入量は木質チップ年間約2万6500トンである。

今後は林地残材の活用を進めようと、新たに道南木材産業株式会社を設立し(北斗市当別)、調達体制を整備する。人員は1班3人体制で、グラップル、フォワーダ、ダンプカーを整備する予定。将来的には2班体制にするなど徐々に拡大していく。

まずは近隣の森林組合の協力を得ながら伐採後の木の枝や幹を集荷し、一定期間乾燥させたあと、発電所敷地内で燃料チップに加工する。発電燃料だけでなく、新たな活用方法の開発にも取り組む。

 

空知森林室 J−VER証明書贈呈式

7月20日号

株式会社悠愛・有限会社ウリ薬局・株式会社サンコーへ

空知総合振興局森林室は、7月11日、「オフセット・クレジット(J―VER)証明書」の贈呈式を行った。(株)悠愛(岩見沢市)、(有)ウリ薬局(砂川市)、(株)サンコー(砂川市)に証明書を贈呈した。

各社の購入量及び活用方法は次の通り。

◇(株)悠愛
 購入量3t(内訳道有林2t・石狩市有林1t)
 介護タクシーの車両仕様で排出する二酸化炭素のうち、業務上削減が不可能な部分の一部を、道有林と石狩市有林のオフセット・クレジットを活用し、「ゼロカーボン北海道」および「ゼロカーボンシティ岩見沢」という二酸化炭素排出量実質ゼロの取り組みに貢献するため行った。
 今回で3回目の購入となり、通算8t購入した。

◇(有)ウリ薬局
 購入量2t(道有林1t・石狩市有林1t)
 店内の電気使用において、削減できない二酸化炭素の一部を、道有林と石狩市有林のオフセット・クレジットを活用して相殺することで、二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボン北海道」および「砂川市ゼロカーボンシティ」の取り組みに貢献するため購入した。
 今回で2回目の購入となり、通算購入量は4t。

◇株式会社サンコー(本社・砂川営業所・上砂川営業所・芦別営業所)
 購入量各1t(すべて道有林)
 砂川、上砂川、芦別の3営業所で、LPガス、灯油配達の際にタンクローリー車から排出する二酸化炭素や、本社社屋内で暖房として使用する灯油や電気使用時に排出される二酸化炭素の一部を道有林のオフセット・クレジットによって埋め合わせを行うことで、「ゼロカーボン北海道」の取り組みに貢献するため購入を行った。
 今回、初めての購入となる。

 

道産材供給協議会 住宅不振、国産材シフト進まず

7月13日号

店舗、コテージは道産材活用 チップ原木の価格上昇

林野庁事業による「国産材の安定供給体制の構築に向けた北海道地区需給情報連絡協議会」が6月1日、ウェブ方式で開催された。林野庁、道、林業団体、事業者など36人が参加、森林総合研究所北海道支所の嶋瀬拓也地域研究監が座長となり、道産材の需給動向を協議した。

 

北の森づくり学院がフィンランド研修

7月13日号

2年生生徒10名、教職員4名参加

北の森づくり学院がフィンランド研修

北の森づくり学院は、6月12日から16日まで、フィンランドでの研修を行い、2年生生徒10人、教職員4人が参加した。研修ではリベリア専門学校内で研修、現地製材工場、林業機械製造メーカーの見学などを行った。

今回の研修は、2年生の選択授業の一環として今回開校以来初めて行われた。一行は6月11日に旭川空港を出発し、約1日かけてリベリア林業専門学校に到着した。

6月12日から15日に行われたリベリア林業専門学校での研修ではシミュレーターでのトレーニング、伐採現場での研修を行った。

また15日にはクフモ市で製材工場(クフモ製材所)などを見学した。

16日には、林業機械を製造するポンセ社の製造工場を見学した。

研修終了後の17日・18日には自由行動とし、ヘルシンキ市内の木造建築物を見学した。18日の夜にヘルシンキを出発し、19日に旭川に帰着した。

来年度以降も選択授業としてフィンランド研修を行うとしている。

 

道建設部 脱炭素化住宅 南幌町で

7月13日号

道産材、薪ストーブ活用

道建設部住宅建設局は南幌町で「ゼロカーボン北海道」の実現に向け住宅の省エネ化、道産木材の活用を進める「みどり野ゼロカーボヴィレッジ」の事業を始めている。

南幌町という地域特性に合わせた「北方型住宅ZERO」8棟程度を令和7年度までに建設することで、道民の脱炭素化への理解、北方型住宅への普及啓発、南幌町への定住促進を図る取り組みとして行う。

これは、住宅建設事業者と設計事業者がグループを作り、基本設計を行った後、オーナーを募集し、施主の意見も交えた実施設計、住宅建設を行う。

「北方型住宅ZERO」は、高い省エネ性能を持つ北方型住宅を発展させ、北海道の特性を考慮した脱炭素化対策を採用することで、二酸化炭素排出量を削減した住宅である。断熱性能が高いことや、主な構造材に道産木材を使用したり、補助暖房として薪・木質ペレットストーブを採用したりすることでポイントが加点され、ポイントの合計が10以上になると北方型住宅ZEROに認められる。

みどりのゼロカーボンヴィレッジでは、太陽光パネルの設置や、物置などの屋外付帯施設の木質化が義務付けられており、外壁仕上げの50%以上を板張りとすることや、薪置き場やテラス、デッキの設置が推奨されている。

今後基本設計の提出期限を9月1日としており、施主が決定後、建設が行われ、完成後にオープンハウスが行われる。

 

枝幸町認定こども園 HOKKAIDO WOOD BUILDING登録証交付式

7月13日号

宗谷管内初認定 町産トドマツ291立方メートル

枝幸町認定こども園 HOKKAIDO WOOD BUILDING登録証交付式

枝幸町認定こども園が6月1日HOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録され、29日に登録証交付式が行われた。宗谷総合振興局の清水目剛局長から村上守継枝幸町長に登録証が手渡された。

枝幸町認定こども園は4月に竣工、開園した。木造平屋建の建築面積は1433平方メートル、木材使用量は477立方メートルでうち枝幸町産材が291立方メートル、町外の道産材が165立方メートル使用されている。
総整備費は園庭工事費を除き約10億円。

内外装に町産トドマツや道産材をふんだんに使用している。町産のトドマツ構造用集成材や、134立方メートルの町産材がCLT加工され使用された。

HOKKAIDO WOOD BUILDINGの登録施設は6月1日付で41施設となり、宗谷管内では、当施設がHOKKAIDO WOOD BUILDINGに指定された初めての施設となった。

 

林業経営推奨行事 農林水産大臣賞に鹿遠農場

7月13日号

道内から2法人、3個人

令和5年度「全国林業経営推奨行事」の受賞者が決まり、道内から模範となる林業経営を行う2団体と3個人が、農林水産大臣賞、林野庁長官賞を受賞した。農林水産大臣賞は有限会社鹿遠農場(遠別町)が受賞した。農作物生産に加え森林経営への関心が高く、森林資源の有効活用も実践している。

■農林水産大臣賞
 ◇有限会社鹿遠農場(遠別町)

■林野庁長官賞
 ◇一般財団法人北海道札幌南高等学校林(札幌市)
 ◇野表忍氏(新ひだか町)
 ◇松枝敏氏(広尾町)
 ◇伊藤順一氏(鶴居村)

 

自走式草刈機械に注目

7月6日号

担い手不足深刻、事業者が購入

自走式草刈機械に注目

暑さと湿気が高まり草刈りの時期がきている。林業事業者にとって過酷な仕事である上に、近年は造林作業の担い手が減少している。このため、自走式草刈り機械が導入できないか注目が集まっており、機械導入の補助制度もできつつある。

6月下旬に札幌市手稲区のスキー場で草刈り機械の実演会が行われた。キャニコム(本社福岡県)が林業関係者、建設土木関係者など招いて開催したもので、約80人が参加し熱い視線を注いだ。実演されたのは「山もっとモット」を始め大小様々な機種。このうち林業関係者は主にラジコン式草刈り機の実演に集まっていた。

刈り幅は1m10cm、40度前後までの傾斜地でも、作業員は安全な場所にいながら作業できる。機種名は「アラフォー傾子」。登坂性能は縦方向には最大25度。等高線方向には最大45度の傾斜地でも走行できる。左側のクローラがスライドして横幅が広がるなど特殊機構により、車体の安定を確保している。

現在は河川敷法面の刈り払いなどに使われている。キャニコムでは、林業分野の造林地用に、最低地上高を上げるなどした改良機種を開発中で、来年度発売を予定している。

◇   ◇

個人で買った森林所有者もいる。苗木を植えてから2年間は、刈り払い機で自ら下刈りを続けたが、3年目の今年、草刈り機の実物と動きを見て、和同産業(株)の「BM21F」をすぐに購入した。乗用型で刈り幅は1m20cm、草に混じった灌木も粉砕する。

傾斜がある林地での走行は難しいが、原田さんは、農業委員会に申請し自分の遊休農地を活用して植林を始めている。「刈り払い機での人力作業はゆるくない(きつい)仕事だ。この機械ならヘクタール2000本植え程度なら、列間をどんどん入っていける。農業でも機械に合わせた植え方をしており、林業でも考えるべきだ」と話している。暑い中でも、あっという間に列間を走行し終え、成長したミズナラが顔を出した。苗間はあとで人力で行うとのことだった。

◇   ◇

道有林の森林整備事業を担っている蘭越町の羊蹄林産協同組合は、5月にキャニコムの乗用草刈り機「家族(うち)のまさお」を購入した。傾斜や切り株などがある林地での走行は難しいが、林道の草刈りで活躍する。刈り幅は97.5cm。

羊蹄林産の山口和久専務は、「造林地の下刈り時期には、林道などの草刈りの仕事も集中し忙しい。刈れる現場だけでも機械でできると非常に効率が上がる。また、苗木運搬にも使えないかと、後ろに付ける小型トレーラーも一緒に購入した」としている。

◇   ◇

近年は、伐採〜植林の増加により、下刈りの仕事が増える地域が見られる。特にトドマツは7年間下刈りが必要で、担い手が減少する中、事業を着実にこなせるか課題になっている。

 

高性能機械シミュレーター大会

7月6日号

北の森づくり専門学院・リベリア林業専門学校と

高性能機械シミュレーター大会

北の森づくり専門学院とフィンランドのリベリア林業専門学校は6月7日、オンライン上で、高性能機械シミュレーター競技大会を行った。これは、令和2年1月に「職業教育プログラム開発の連携に関する覚書」を締結したことによる相互交流の一環として実施された。

北の森づくり専門学院、リベリア専門学校から各8人合計16人の生徒がハーベスタ部門とフォワーダ部門に分かれ技術をオンライン上で競い合った。リベリア林業専門学校が指定した同一条件の仮想上の現場の中でお互いの技術を披露した。実際の現場同様、キャビン内の視点で競技を行った。

ハーベスタ競技では、最初の5分間でシミュレーター内の現場を確認し、エンジンをかけてから30分間で伐った木の体積で得点を競った。実際の現場と同様、林業現場を想定した立木伐採をシミュレーター上で行った。伐った木材を損傷させたり、指定されていない木を伐採するなど現場作業で行ってはいけない作業を行った場合は減点となる。

フォワーダ部門は、最初の5分で現場確認を行った後、30分間で伐採後の材がフィールド上に置かれているので集積し、指定した場所に置いた材の材積で得点を競った。フォワーダ移動中に立木等にぶつけて機械を破損させたり、伐採後の木材を踏んだりした場合は減点となる。

 

道補正予算案 新規事業でスマート林業推進

6月22日号

ドローン、下草刈り機の導入支援 道産建築材促進4500万円

道水産林務部は、第2回定例道議会提出の補正予算案をまとめ、6月16日業界団体に説明した。林務関係では、ICT機械や下草刈り機械等導入に2分の1を補助するスマート林業実装推進事業、木造民間施設への上限300万円を補助する道産建築材活用促進事業など新規事業を盛り込んだ。

補正予算の主なものは次のとおり。

「スマート林業実装推進事業」新規約7100万円
スマート林業EZOモデル構築協議会による川上から川下までの先進技術の実証を支援する=200万円。
先進技術を活用できる林業事業体の職員などを育成するため現地研修を5カ所で実施する=約400万円。
ICT機器等の導入を支援=約5700万円、林業事業体による下草刈り機械、森林調査用ドローンなどの導入に2分1以内で補助する(上限250万円)。

「道産建築材活用促進事業」新規約4500万円
道産木材を活用したモデル的な木造民間施設の整備を支援する。道産建築材を活用した建築工事を請け負った事業者に対し、木工事費用を対象に2分の1以内を補助する(上限300万円)。各振興局1カ所程度、地域への波及効果が高い建物を優先採択する。

「森林由来クレジット創出促進事業」新規約2100万円
ゼロカーボン北海道の実現に貢献するため、森林由来クレジットの創出に取り組む市町村などを説明会開催や相談窓口設置などで支援する。また、道有林において天然林のクレジット創出に向けた実証事業を行う。

「クリーンラーチ苗木早期増産対策事業」新規1000万円
クリーンラーチ採種園を造成してきたが、種子の供給には十数年かかるため、種子生産を早めるための施肥と雑草除去に対して支援する。民間の認定増殖事業者に2分の1以内で補助を行う。

 

網走バイオマス発電所 道産チップ燃料に2、3号機

6月22日号

竣工式 6月12日に行われる。

網走バイオマス発電所 道産チップ燃料に2、3号機

網走市で道産材チップを燃料に発電事業を行う網走バイオマス発電所2号機と3号機の竣工式が、6月12日に行われた。

式典には、網走市の水谷洋一市長を始め行政関係者、工事関係者、木質燃料の供給関係者、出資企業など約50人が出席した。

能取工業団地(網走市能取港町4丁目)の敷地にそれぞれ発電出力9900kW、2つ合計では1万9800kW規模となる発電所が誕生した。2号機は昨年10月に発電開始。続いて3号機は今年3月から発電を開始している。電力は固定価格買取制度で北海道電力ネットワークに売電している。

燃料には100%道産木材を使用し、バイオマスの区分では、未利用材を約75%、一般材を約25%使用する。木質燃料の調達は、日本製紙木材(株)と(株)WIND−SMILE(ウインドスマイル)が担い、既存の加工工場で生産されたチップを調達するほか、丸太端材・末木など林地残材を集荷して、敷地内で破砕している。

出資企業は、石油資源開発、三菱ガス化学、SMFLみらいパートナーズ、東京エネシス、WIND−SMILE、日本製紙木材の6社。

3施設合計では2万1795kWとなり、道央圏の木質バイオマス発電所・王子グリーンエナジー江別の約2万5000kWに迫る規模となる。

 

十勝広域森林組合 池田第二製材工場竣工

6月22日号

原木消費量2万7500立方メートル

十勝広域森林組合 池田第二製材工場竣工

十勝広域森林組合池田第二製材工場の竣工式が6月14日池田町で行われた。道、町、管内の森林組合、取引企業など約130人が列席し、製材工場の完成を祝った。

新工場は池田町利別南町の国道242号線沿いにある池田製材工場の南側に建設された。総事業費は約14億円、原木消費量は年間2万7500立方メートルを目指す。既存の池田工場、芽室工場と合わせると年間原木消費量は7万3000立方メートルを見込む。製造する製品は、ラミナ、梱包材、パレットなどを生産する。今後の需要に応じて、無垢材やCLT向けの製材に関して対応を検討している。

主な機械設備はロボットツイン本機、1200ツインオートテーブル、ツインオートリッパー、ドラムチッパー機などが導入された。これらの機械を導入することにより、作業員負荷の軽減、労働環境の改善、生産性の向上を図る。

広瀬組合長は第二工場について「道内だけではなく道外にもカラマツの特性を生かし、建築材として使用してもらえるような原料の供給をしたい。そのための工場であり、これからも取り組んでいきたい」と述べた。

 

山地災害防止キャンペーン

6月22日号

道庁1階でパネル展示、模型実演

森林林業振興会 立木調査にICT技術

「山地災害防止キャンペーン写真パネル展」が6月5日、6日道庁の1階道政広報コーナーで行われた。道内における山地災害や治山事業の施工事例を紹介したパネル展示やパンフレットの配布、地滑り模型の展示、実演などが行われた。

国では、6月30日まで、山地災害防止に対する国民の理解と関心を深め、山地災害に対する危機管理体制を強化するため、「令和5年度山地災害防止キャンペーン」を実施していることからそれに合わせて、道民に山地災害に対する危機管理の重要性や治山事業について広報するために行われた。

 

道森連総会 木材販売121億円 過去最高

6月15日号

梱包材、ラミナ、原木の価格上昇

北海道森林組合連合会は通常総会を6月8日札幌市で開催した。令和4年度決算では、総取扱高である事業総収益は約139億1900万円とし、経常利益約9500万円を計上した。道産材価格が上昇する中、前年度を大幅に上回る実績を上げた。

道森連の主要事業は、指導、販売、森林整備などの事業部門からなる。このうち連合会収益の基幹をなす販売部門の木材総取扱量は約93万立方メートル(前年度実績比5%減)、取扱金額は約121億4600万円(同13%増)を達成し、100億円を大幅に超える過去最高の実績となった。

令和4年度は、ロシアのウクライナ侵攻により資材価格が高騰する中、年度前半は道産材製品、原木の引き合いが強まった。後半は輸入材の在庫過剰、住宅着工減少が見られ需要が鈍化した。

令和5年度もウクライナ侵攻や世界経済の停滞による影響が懸念され、依然として予断を許さない。梱包材・パレット材は需要回復が遅れており、ラミナについても住宅着工が低調なことから、欧州材在庫などの動向を見据えながら対応する。

道森連の販売事業では、市場動向を的確に捉え、森林組合工場、既存取引先工場への原料の安定供給、製材品の安定供給、高強度ラミナの供給、O&Dウッドの拡大など計画している。

 

森林林業振興会 立木調査にICT技術

6月15日号

知内町で研修会、70人が参加

森林林業振興会 立木調査にICT技術

日本森林林業振興会は「森林管理におけるICT技術の活用研修会」を6月1日、渡島管内知内町で開催した。近隣の市町村、森林組合、林業関係事業体、森林管理局、森林調査機関など約70人が参加して、ドローン森林調査、地上レーザ立木計測など研修した。

研修会は知内町と道南スギ産地形成推進協議会の後援で開催された。

現地研修の前に、室内研修が知内町中央公民館で行われた。

研修では、ドローンによる調査について、空撮方法、オルソ画像化、樹頂点のカウント、上空からの林分疎密度の把握などの手順が説明された。

また、地上レーザによる収穫調査では、林内をレーザスキャナ「OWL」で計測する方法が紹介された。計測装置(約3.5kg)を持ち、林内を移動しながら10m間隔で計測を繰り返す。立木1本1本の位置情報、胸高直径、樹高など把握できる。計測者の技量の影響もなく安定的に計測が可能な手法となっている。

高精度GNSS受信機を使った測量については、衛星測位システムにより1人でも林地の測量ができ、精度が高い手法となっていることが紹介された。

このあと参加者は、知内町字上雷の民有林に移動し、ドローン空撮デモンストレーションを視察した。地上レーザスキャナOWLの実演では、3グループに分かれて、森林計測を体験した。装置を組んでボタンを押すと、センサーが回転し、1カ所45秒ほどで立木を計測していった。

 

ハーベスタ検知の丸太 製材工場は受け入れるか

6月8日号

森づくり研究発表会

道総研と道は、北海道森づくり研究成果発表会を動画配信方式で6月1日から30日まで開催している。クリーンラーチ苗の増産技術、建築用材の道産材自給率の推計など、林業や木材利用に関する30題の成果が公開された。このうち、林産試験場利用部の酒井明香研究主幹は、「ICTハーベスタで造材した丸太が流通するには〜製材工場の意向と実態」と題して、丸太検知の効率化について次のように発表した(概要)。

全国各地でスマート林業の検証が進む中、北海道でもICTハーベスタの検証が行われている。このハーベスタは、径級・長さ・材積などを瞬時に買い手に送信できるデジタルデータ管理機能、径級幅ごとに色分けができるカラーマーキング機能を持つ。また、1本1本伐倒木の細りを見ながら最適な採材をしてくれる機能、受注に合わせて生産制限してくれる機能などもある。令和2年度の道内の実証では、山側への収益性の向上効果が1立方メートル当たり約500円になるという成果も出ている。

山側を中心に実証が進んでいるが、この機械で生産される丸太はカラーリングはしてあるが、木口に径級の数字が書いていない。こうした丸太を製材工場は受け入れるのか。また、製材工場土場の現行の検知とICTハーベスタ検知の計測差はどうかなど疑問が残る。この2点について調査を行った。

 

津別町が町産材で木を感じる庁舎建設

6月8日号

伐採から製材、合板、家具まで

津別町が町産材で木を感じる庁舎建設

愛林のまちを掲げる津別町役場の新庁舎は、町産木材を最大限取り入れて令和3年に完成した。町有林立木の伐採から、製材・合板加工、家具づくりまで、建築事業は町の資源と技術を使った一大プロジェクトとなった。

津別町には多くの造材会社や製材工場、また合板工場があり、林業・木材産業が盛んな町である。新庁舎は、外周部分を鉄筋コンクリート造としながらも、メーンの建物中央部を木造とし、道産材合計282立方メートルを使用した。このうち町産材は88%を占めた。

地上2階建て、延べ面積約3260平方メートル、総工費は17億280万円である。外観は、壁にカラマツ、トドマツ材を張っている。これは小角の製材を縦に張り、連続した木の壁としたものである。

建物内部に入ると、カラマツ構造用集成材の柱1本から四方に支柱が伸びて天井を支えている姿が目に飛び込んでくる。これらが複数並ぶ場所は、並木道を思わせる空間となっていることから「なみきロビー」と名付けている。また、町民窓口のカウンター、職員デスク、パーテーション、収納棚、ベンチなどは、丸玉木材の合板を材料に、町内の家具製造会社の山上木工が制作したものを採用した。

 

道林業木材課が調査 原木輸送2024年問題

6月1日号

運転手不足、受注制限心配

トラックドライバーの長時間労働が制限される「2024年問題」により、原木輸送への影響が懸念されることから、道林業木材課は道総研林産試験場と連携して、造材事業体と原木の運送会社にアンケート調査を行った。事業者が抱える課題や今後の対応など聞いた。

素材を生産する造材会社や森林組合については、道の登録林業事業体を対象に調査票を送り回答が寄せられた。調査対象は203事業体となった。

203事業体の運材形態を聞いたところ、127事業体(62%)が運材業者に委託。また38事業体(19%)が委託とともに自社で運材トラックを所有し運材していた。このほか38事業体(19%)は自社運材のみで事業を行っていた。

運材の現状を聞いたところ、運材業者への委託のみの事業体は、計画的に運材できていないなどの回答が21%にのぼった。今後も受注制限、運材業者撤退など懸念している事業体が多かった。

 

北海道植樹祭 厚真町で

6月1日号

全道から550人が参加

北海道植樹祭 厚真町で

北海道植樹祭が厚真町幌内で5月28日開催された。全道各地から約550人が参加し、コンテナ苗カラマツなどを合計1200本、0・5ヘクタールにわたり植樹が行われた。主催は道、道森林管理局、厚真町、北海道森と緑の会。

豊かな森を育てて、守っていく大切さを知ってもらおうと道内各地で行っている植樹祭今回で73回を迎えた。

植樹会場では、親子連れの市民や森林活動に取り組む企業など参加者が、指導のもと、スコップで植穴を掘り、アカエゾマツ300本、カラマツコンテナ苗300本などを植えた。

このほか、式典会場では、木のスプーンづくりなど木工体験、胆振東部地震の被災からの復興を説明するパネル展などが行われた。

 

道水産林務部 機構改正

6月1日号

スマート林業担当を新設

道は6月1日付で機構改正を行った。水産林務部林務関係では、本庁の林業木材課の中にスマート林業担当を置いた。主幹(スマート林業)1人を新設したほか、森林計画課、森林整備課、森林活用課、道有林課所属の4人の職員も、林業木材課のスマート林業担当主幹として兼務する。また、担当する主査1人と一般職1人も配置し、本格的に推進する。

 

えりも岬緑化事業70周年

6月1日号

植樹祭600人が参加 百人浜国有林

えりも岬緑化事業70周年を記念して5月17日、植樹祭「2023リン子とルンルン海の森づくり」が、えりも町百人浜国有林で開催された。森林管理局や道、えりも町、様似町、浦河町、広尾町などから約600人が参加して、えりも岬の海岸地区に植樹した。

昭和20年代後半、荒廃したえりも岬の海岸で、治山事業による緑化の取り組みが始まった。強風を受け試行錯誤の連続だったが、関係者の地道な努力で今は緑豊かな森林がよみがえりつつある。緑化事業70周年を迎え、えりも町、森林管理局、ひだか南森林組合などで構成する実行委員会が主催し植樹祭を開催した。

関係者、近隣の小学校9校の児童、一般参加者が百人浜で防風垣で囲われた区画に、クロマツの苗木1200本を植えた。潮風が強い中、隣の区画には10年前に60周年記念で植えられたクロマツが人の背丈ほどに育っていた。

えりも岬国有林では、令和3年度末までに約117万本の植栽を行ってきており、現在は、強風に耐えるため高密度に植栽したクロマツの枝打ちや本数調整伐を行っている。また、クロマツ一斉林の中に広葉樹の侵入を促すなど、砂漠化する前のえりもの森林の姿をめざし施業を進めている。

 

丸玉木材大越社長に聞く

5月25日号

白樺合板、生産拡大 最新鋭ロータリーレース8月導入

丸玉木材大越社長に聞く

丸玉木材株式会社(大越敏弘社長)は、北海道の広葉樹資源を活用したシラカバ合板の生産体制を拡大する。8月頃に、小径短尺の原木を剥くことができる4尺ロータリーレースを約3億5000万円で導入する。これに合わせて原木は14cm上のシラカバ小径木の集荷を始める。

丸玉木材津別工場には、カラマツ合板の第1工場、トドマツ合板の第2工場がある。針葉樹合板を製造する中で、令和元年からはシラカバ・ハンノキなど広葉樹の活用を検討し、原木集荷体制や曲がり材への対応など実証試験を行ってきた。シラカバ合板事業の現状と今後の展開方向について同社に聞いた。
(詳細は民有林新聞5月25日号にて。)

 

道5月補正予算 林業物価対策3億円

5月25日号

道は道議会第1回臨時会に緊急経済対策に関する補正予算案を提出、5月17日に可決された。林業木材関係では、種苗生産や原木生産などの資材高騰・燃料高騰対策として「林業・木材物価高騰緊急対策事業」として3億818万円を計上した。

この事業は、物価や、燃料高騰の影響を受けている事業者へ資材の購入や、燃油の削減に資する施設の導入等を支援するために行われる。

 

デジタル林業拠点に採択

5月18日号

北海道からEZOモデル構築委員会

国の公募事業である令和5年度「デジタル林業戦略拠点推進事業」に北海道からスマート林業EZOモデル構築協議会が採択された。他に採択された団体は、静岡県東部地域デジタル林業推進コンソーシアム、鳥取県デジタル林業コンソーシアムの2団体、合計3団体が指定された。予算については3団体合計し1億2000万円を令和5年度に配分する。

スマート林業EZOモデル構築協議会は令和2年度から4年度に国の補助事業であるスマート林業実践対策を行ってきた。これを発展させ、森林資源情報のレーザー測量等を活用した把握、素材生産・木材流通のデジタルデータ活用といった事業を今後行う予定としている。

また体制については、従来の協議会メンバーである大学、自治体、森林組合に加え、金融機関の協力を受けるために農林中金や新たに道森連、道木連などの団体も参加する。また、協力機関には、ICT関係の協力企業が増加するなどより林業デジタル化に向けた体制が強化される。

今年度の事業からは、生産効率化の取り組みとして素材生産、木材流通加工の実取引においてデジタルデータを完全活用することを目標としている。素材生産の際に、ICTハーベスタの機能活用や運搬の効率化を行うことや、木材流通・加工の場では生産管理のデジタル化、生産・加工・流通データ共有による円滑な生産管理システムの実証なども行うことを全道各地の工場で実施する。

令和5年度の具体的な取り組みに関しては、5月の第1回協議会で内容を検討するとしている。

 

木育フェスタ2023開会式

5月18日号

札幌で緑の募金街頭活動

木育フェスタ開会式

北海道の森づくりイベントの開始を告げる「北海道・木育フェスタ2023開会式」が、北海道植樹の日の5月13日、道庁1階ロビーで開催された。道、道森林管理局、道森と緑の会が主催し、緑の募金活動協力者など約230人が参加した。

緑の募金活動の出発式として、協力するボーイスカウト、ガールスカウトの代表に募金箱が伝達された。決意表明では、豊かな森を未来に残していくことを誓った。

このあと、緑の少年団、森林ボランティア団体なども含めた協力者が18班に分かれて、札幌駅から札幌三越前周辺に移動し街頭募金活動を行った。

今年度の主な森づくりイベントは、5月28日に胆振管内厚真町で北海道植樹祭、10月に札幌市で道民森づくりの集いなど計画している。

 

自走機械、補正刈り必要か

5月11日号

林業試験場に聞く

労働力不足の下刈り作業に小型自走式機械が登場し、林業事業体や森林組合から注目が集まっている。自走式機械で列間を刈り払ったあとは、苗木の際を人手で補正刈りしなければならないのか。刈り残した場合どうなるのか。林業試験場の森林経営部経営グループに現在わかっている知見を聞いた。

―下刈り作業に機械を導入する場合、苗木の際についてはどう対応すればよいのでしょうか。

キャニコムの山もっとモットが開発されるとともに、こうした下刈り機械の現地検討会が道内で開催されています。列間だけ直線的に刈るなら、従来の4〜6倍のスピードで作業ができ効率が良いものです。しかし、刈り残した苗木の周囲を作業員が刈り払い機を肩にかけ補正刈りをすると効率が落ちます。実演を見た参加者からは、列間を刈って横の空間が空いたので、苗木の周りを刈らなくてもよいのではないかとの話が出ています。本当に大丈夫なのか、検証したデータを持っていなかったので検証しました。

試験は、耐陰性が高いトドマツの造林地で実施しました。後志管内京極町の民有林で2017年6月に機械地拵え、同年10月に植栽した場所です。2018年7月に通常の全刈りを行い、その翌年から3年間について列間刈りだけを行いました。列間を自走式機械で刈り、植栽列には幅1mの刈り残しができました。ここで、雑草木であるメマツヨイグサ、オオイタドリ、また萌芽更新してきたヤナギやカンバなどとの競合状態、トドマツ苗木の生残本数など調査しました。

垂直方向には激しい競合が見られましたが、水平方向は列間刈りによりほとんどのトドマツ苗木の側面を開放することができていました。試験結果として、苗木の生残については、調査期間中に1本も枯死木はでませんでした。苗木の成長についても、全刈りしているところと比べ、意外と成長に差がなかったので、トドマツはいけるのではないかと思っています。

 

札幌市が森林整備で意見聴取 道内11・道外1業者が参加

5月11日号

「市有林整備や素材販売への参加意向がある」と答えた事業者 8社

札幌市が森林整備で意見聴取

札幌市は3月27日から4月28日にかけて、「森林整備等に関する意見交換会」を実施した。これは、今後白旗山都市環境林を中心とした市有林内で森林環境譲与税を活用した森林整備を実施するために、森林に関係のある事業者に対し市場性の有無や実現性の高い事業などについて公募し、事業者ごとに市と一対一で対話し意見を聴取した。その結果について次のようになった。

意見交換会に応募した業者は12事業者、うち市内に本店または支店、営業所がある事業者が9社、石狩振興局内にある事業者が2社、関東から1社の応募があった。

業種内訳は森林整備関係6社、木材加工販売業2社、建築業1社、造園業1社、その他事業者が2社参加し、事業者の規模は社員数100人以上の大規模事業者が4社、10人〜100人程度の事業者が5社、10人以下の小規模事業者が3社参加した。

意見として、「市有林整備や素材販売への参加意向がある」と答えた事業者が8社、「発注の仕様についての要望」を答えた事業者が5社、「市産材の利活用方法」について意見を述べたのが3社、加工のために札幌圏外への運搬が必要となるといった「札幌圏内の製材工場の不足」について意見提起したのが3社あり、その他の意見として、皆伐面積は最低5f、間伐は最低15f以上まとめて発注してほしいという意見や、他の業務との関係上冬季に施業したいという意見、環境にやさしい施業を求める意見、皆伐、間伐で発生する広葉樹材の有効活用を求める意見、市産材の価値を高める取り組みを行ってほしいという意見が事業者から市に伝えられた。

これを踏まえて、交換会を担当した森林計画担当係長は、「例年森林整備の発注事業量が少ないことから、札幌圏に事業所を持つ11社が参加するなど、全体で12社という多くの事業者からの意見を聴取できて感謝している。今後どのように反映されるかは未定であるが、各業者からもらった意見を札幌市森づくり基本方針に反映させていきたい」と述べた。また、みどりの活用担当課長は、「これらの情報を踏まえ、今後、森林整備の発注時期の検討、規模について反映させていきたい。札幌市産材の活用に関して、通常の売り払いだけではなく、地域材の普及啓発ができるような売り方をしていきたい」と述べた。

意見交換会の結果の概要は今後ホームページ上で公表される。

 

北海道カラマツ製材業協議会情報交換会 製材受注鈍く

4月27日号

電気料、トラック運賃、人件費上昇

北海道カラマツ製材業協議会は今年度第1回の情報交換会を4月17日、札幌市の道林業会館で開催した。製材企業と道森連、道林業木材課など24人が出席し、製材と原木の動向を情報交換した。

松永秀司会長が挨拶し、「状況は一段悪くなっている。日本も世界もインフレに見舞われる中、荷動きに強い停滞感がある。いずれ回復に向かうが、もうすこし時間がかかり、お盆明け以降になるのではないか。原料価格の居所も高く、諸資材の値上げもある。情報をしっかりとりながらベストな動きをする必要がある」などと述べた。

カラマツ製材工場の動向では、3月、4月と受注が弱くなっている。この先入っている仕事もあるという報告があった。

一方、東北向けラミナは、価格が毎月のように下がっているという報告があった。

こうした中、製材工場の動力源である電気料金の値上げが重くのしかかる。年間3000万円ほど経費が上がる工場もある。さらに、トラック運賃の値上げ、製材工場の人件費アップなど生産コストは上昇している。

原木流通は、合板向けが停滞しており、その分製材工場に4m材が多く入荷した。ただトドマツは確保できているが、カラマツは必要な量を確保できていない。原木価格は変わらず。

また、国産建築材やラミナ需要に影響を与える欧州材の輸入では、4〜6月契約量が昨年に比べ約半減の見込みで、8月までは低調な入荷ペースが続く。チリ製材の動向も他国は買いに転じており、日本向け入荷量が減っている。今後、チリ製材やNZ丸太の入荷減が続くと、7月以降には梱包材にタイト感が出るかも知れないと報告された。

 

5月完成予定の新庁舎内装に深川市産シラカンバ他使用

4月27日号

深川市森林環境譲与税の取り組み

新庁舎内装に深川市産シラカンバ他使用

深川市では、森林環境譲与税を活用し、従来の森林整備にとどまらず、令和5年度から森林に対する市民の理解を深めるため、木材利用・普及啓発にも森林環境譲与税を活用することとしている。

令和4年度に行われた森林環境譲与税を活用した森林整備事業も含め、概要を紹介する。

令和5年度の取り組み
 〇市庁舎内装の木質化
 5月完成予定の新市庁舎の内装に道産材を使用することとしている。
 深川市有林のシラカンバや、道産ヤチダモを使用し、エントランス、市長室、議場等の内装の木質化を図っている。合計使用された数量はシラカバ約5.2立方メートル、ヤチダモ約1.3立方メートル。
 これにより、地元の森林の特徴を市民に伝えることに加え、内装にあたたかみを演出することで、「市民に親しまれ、利用しやすい庁舎」となるための一つの要素となっている。

 〇深川市ウッドデビュー推進事業
 北海道産のカラマツ・トドマツを使用し、深川市内で加工した積み木を深川市に住民登録されている0歳児に贈呈する。出生数、転入等によって変動はあるが、令和5年度は100組程度の制作を予定している。
 乳児に木に触れ親しむ機会を創出することで、乳児と子育て世代が木の良さや木材利用の意義など、森林づくりに対する理解を深めてもらうことや豊かなこころと成長を願うことを目的としている。

 〇その他の取り組み
 ・市内の小中学校や市有施設の敷地内の樹木等の環境保全整備を行う。
 ・林業センターに木質ペレットストーブを設置する。

令和4年度に行われた森林整備の取り組み
 〇森林整備に対する意向調査
 27人の森林所有者を対象に意向調査を実施し、そのうち、回答のあった8人に対し、市と北空知森林組合の現地調査をもとに林分診断書を作成し、伐採、植栽、間伐、作業道等の森林整備を提案した。また、5年度以降も意向調査を行うため、現地確認を実施した。

 〇私有林整備支援
 保育間伐35ヘクタール、森林作業道の開設1010m、改良9265mに対して公共造林事業と同様に68%の補助を実施した。

 〇「深川市森と木を身近に感じる推進事業」
 空知地区指導林家連絡協議会を含む2団体の森林づくり活動や、木工制作等を通じて木と触れ合う活動に対して補助を行った。

写真@:工事中の新市役所。内装にヤチダモや市有林から産出されたシラカンバが使用されている。
 写真A:「深川市ウッドデビュー推進事業」で深川市に住民票がある0歳児に配布される積み木

 

素材販売89万立方メートル・前年度比8万立方メートル増 

4月20日号

北海道森林管理局 令和5年度重点事項発表

北海道森林管理局重点事項発表

道森林管理局は4月12日、北海道国有林が取り組む令和5年度重点事項を記者発表した。成長した人工林資源の更新、多様な森林への誘導、造林保育等を効率化する「新しい林業」などに取り組む。国有林材の販売量は立木98万5000立方メートル、製品(素材)は1割増の89万2000立方メートルを計画している。

記者発表では上練三局長が挨拶(下記)。重点的な取り組みが各担当部長から説明された。
□「新しい林業」の推進
□安定供給による道産材の活用推進
□広葉樹資源の安定供給体制の構築
□安全・安心なくらしの確保
 激甚化する気象災害に対応し、山地災害危険地区など緊要度の高いエリアで治山施設を整備するとともに災害地の復旧を進める。
□エゾシカによる被害の低減
 市町村の要望に応じ、国が林道を除雪し市町村が駆除を行う連携捕獲、ワナの貸し出しなど行う。
□アイヌ文化の振興
 地元市町村などとアイヌ文化伝承の森の協定、アイヌ共用林野の契約を締結し、伝承に必要な自然素材・林産物を供給するなど文化振興に貢献する。
□主な事業量
 《木材供給量》
 立木販売98万5000立方メートル、前年度比100%
 製品販売(素材)89万2000立方メートル、同110%
 《造林》
 更新(植え付け、地拵えなど)1493ha、同95%
 保育(下刈り、つる伐りなど)5964ha、同71%
 《林道》
 新設32q、同71%
 《治山事業》
 事業費58億9700万円、同100%

□上練三局長挨拶□
 森林をしっかり管理、保全、保護しながら資源を循環利用して林業・木材産業を持続的に発展させる「グリーン成長」が目下の大きな課題である。これを進めることが森林吸収源対策にもなる。
 この中で、木質バイオマス利用は化石燃料を代替する。さらには、建築分野に道産材を中心に木材を使ってもらい、都市に第2の森林をつくる取り組みも重要である。建築物には相当潜在需要があると考えており、これらを通じてゼロカーボン北海道に貢献していきたい。
 森林資源を使ったあとには、当然次の世代の森を造成するが、この際の課題は造林初期の低コスト化、担い手不足である。次の世代につなげるため軽労化、低コスト化に取り組んでいきたい。
 道産材への期待は非常に高まっている。安定供給に向けては、民有林と連携し協調して供給することも模索したい。また、広葉樹の有効活用も重点に据えて取り組みたい。

 

北海道ボールパークFビレッジ 道産材を活用した商業施設

4月20日号

設計・施工を手掛けた株式会社三五工務店 田中 裕基代表取締役インタビュー

株式会社三五工務店 田中 裕基代表取締役インタビュー

北海道ボールパークFビレッジの新球場外の商業施設、宿泊施設エリアには、木造の建築物が多数ある。その中の商業施設とグランピング施設には、構造材には十勝産のカラマツ、外装材には道南スギが使用されており、HOKKAIDO WOOD BUILDINGに3月30日指定された。当施設について、設計、施工を手掛けた株式会社三五工務店の田中裕基代表取締役にインタビューを行った。

施設概要
・商業施設「THE LODGE」:地域の特産品を販売するアンテナショップや、アウトドア専門店が入居する商業施設。
・グランピング施設「BALLPARK TAKIBI TERRACE ALLPAR」:テント等を持参せずキャンプ体験ができ、たき火やバーベキューも可能なグランピング施設。

―参入経緯は。
木造商業建築の実績と道産材を積極的に使用する考え方に共感いただき、Fビレッジに参入予定であったデベロッパーから声がかかり、 株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメントとの直接取引となった。

―道産材を使用した理由は。
私たちは、道産材を使用し、手仕事を残したものづくりにこだわっている。地元の素材を活用することで北海道を豊かにしたいという当社の想いや、フリーペーパー35MAGAZINEに込めた”北海道愛”が、地元ファンに寄り添い、地域に根差したいという球団の想いと合致し、その土地、場所に適した素材を使用し建築するという提案が採用された。

―採用された要因は。
施主の経営陣が、当社のプレゼンで北海道の素材を使うことに興味を持ち、建築しようと思ってくれた懐の深さだと思う。コストアップになっても道産材で建築するということは、北海道のことを考えているからこそできることであり、短期的な利益ではなく長期的な利益を考えてくれたというのが大きい。

―今後の商業施設への木造建築の活用について。
今後、宿泊事業を始めとする商業施設での利用が増えると思う。木造での大規模建築は難しいが、100坪から300坪程度の建物は建てられる。木材の良さを活かし、格好よく建築できることも多い。ゼネコンで中〜大規模建築を行い、私たち工務店は、小規模から中規模の建築物を施工することができ、木造は鉄骨やRC造よりコストメリットがあるので勝機だと思っている。その点を含め、道産材の価値を伝えていきたいと思う。

(写真:@.株式会社 三五工務店  田中裕基代表取締役 A・B.三五工務店が設計、施工を手掛けた商業施設「THE LODGE」 C・D:三五工務店が施工した道南スギ製の看板 E:同様に新球場横の喫煙室にも道産木材が使用されている)

 

北の森づくり専門学院入学式

4月20日号

4月10日 入学生34人始動

北の森づくり専門学院入学式

道立北の森づくり専門学院は4月10日旭川市の学院内で入学式を行った。第4期生34人が林業のスペシャリストを目指し、スタートラインに立った。

晴れて入学するこの日、土屋禎治学院長は式辞で、「学院では、産学官が一体となったオール北海道の運営体制のもと、教員、専門家、企業の指導者から最新の知見、生きた技術を習得できるように努めている。安全を重視した質の高いプログラムにより実践力を養ってほしい」と述べた。

来賓の上川中部森林管理署・中村昌有吉署長、旭川林産協同組合・橋秀樹理事長から祝辞、北海道森林・林業活性化推進議員連盟・冨原亮会長からの祝電、第4期生を代表して堀稜輔さんより入学生代表挨拶が行われた。

入学生は今後、林業現場での即戦力を目指し、チェーンソー伐木造材、車両系資格取得、就業体験など2年間の学習に臨む。

 

大樹町森林組合、更別森林組合が合併調印式

4月13日号

10月1日合併予定 合併後の名称は「南十勝森林組合」へ

大樹町森林組合更別森林組合合併

大樹町森林組合と更別森林組合は、合併契約調印式を3月20日大樹町福祉センターで執り行った。令和5年10月1日を合併期日とし、合併後の名称を「南十勝森林組合」とする合併契約書に調印した。

大樹町森林組合と更別森林組合は、従前より業務提携関係にあったが、令和元年に合併に向けて基本契約を結び、令和3年に合併協議会を設立し、協議を進め合併契約の調印に至った。

両組合の合併により、組合加入森林面積は約8000ha、組合員数約400人、事業総収益約4億4000万円規模の組合が誕生する。

 

森林環境譲与税 道内市町村に33億円

4月13日号

森林整備事業に活用進む

総務省は、令和4年度3月期分の森林環境譲与税を3月31日に譲与した。9月期分も含めた全国の令和4年度譲与額は100億円増え500億円となっている。北海道への譲与額は合計約37億8500万円、約7億5600万円増えた。

9月期と3月期を合わせた北海道への譲与額は、市町村に約33億3100万円、道庁に約4億5400万円が配分された。市町村分では、人口が多い札幌市が約2億6900万円となった。次いで北見市が約8700万円、旭川市が約8200万円、紋別市が約8100万円など。

5番目は釧路市で約7900万円、次いで浦幌町約7000万円、枝幸町約6400万円、遠軽町約6400万円、函館市約6300万円、10番目は足寄町で約5700万円となっており、人口が多い地域だけではなく林業地域への配分額も多くなっている。

 

令和4年度胆振東部地震再生会議

4月13日号

被害木整理 103ha 植林136ha

森林組合工場情報交換会議

道は胆振東部森林再生・林業復興連絡会議を厚真町総合福祉センターで3月16日に開き、胆振東部地震森林再生計画の進捗状況について協議した。路網の整備、森林復旧に関して今年度完了箇所および次年度以降実施予定について話し合われた。

平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震で崩壊した厚真、安平、むかわ町の森林約4300ヘクタールの復旧計画が令和4年3月に策定され、それに基づき令和4年度から復旧作業が行われている。

会議事務局から令和4年度の森林造成の進捗状況について説明が行われた。被害木整理が計画115ヘクタールに対し実績103ヘクタール、進捗率89%、植林計画142ヘクタールに対し実績136ヘクタール進捗率96%、緑化等の計画が8ヘクタールに対し実績12ヘクタール進捗率148%となり、おおむね計画通りに進捗していると発表された。

 

道産材活用住宅に補助

4月13日号

旭川市 最大で70万円

旭川市は、令和5年度旭川市地域材活用住宅建設補助金を発表した。

対象は、旭川市に新築する戸建住宅で、ZEH住宅などの高性能住宅であり、北海道内の森林から算出された地域材を15立方メートル使用し、旭川市に本店を置く事業者が施工する住宅としている。

補助金額は、道産材を道内で加工し使用した場合50万円、上川管内で伐採された木材を上川管内の工場で加工した場合60万円、旭川市内で産出し旭川市内で加工した木材を使用した場合70万円となる。

この交付金は住宅支援機構のフラット35地域連携型と併用でき、併用した場合当初5年間の金利が年0・25%引き下げられる。

 

森林組合が情報交換 電気料値上げ、製材厳しく

4月6日号

カラマツ原木高止まり、原料材不足

森林組合工場情報交換会議

道産材加工を取り巻く市況動向が大きく変化していることから、道森連は「森林組合製材工場・チップ工場との情報交換会議」を3月22日、札幌市内で開催した。製材工場やチップ工場を持つ14組合の組合長や職員が出席し、今後の製材の動向について協議した。

ウッドショックが収まりカラマツ梱包材・パレット材の受注は落ち着いている。製材価格は変わらず。輸出関連の梱包材需要に期待はあるが、チリ製品やスギ製材の安値玉が流通している。

また、東北向けカラマツラミナは、欧州産建築材の過剰在庫、住宅着工減少の影響で、昨年から大幅下落が続いている。

原木流通は、合板用の受け入れ調整があり、製材用に振り向けているが、春以降の積み増し分としては足りず、積極集荷が続いている。

こうした中、4月から電気料金の値上げ、製材運賃の一部値上げが実施された。大幅なコストアップとなる。

またチップ原料材の高騰も指摘された。

 

北海道銘木市 旭川で3月24日開催

4月6日号
士別市朝日支所から出品されたナラ

旭川林産協同組合は、第464回北海道銘木市を3月24日、旭川市永山の銘木会館で開催した。冬山造材が終盤を迎える中、多くの広葉樹原木の出品があり、ナラ、タモなどが高値で落札された。

雪解けが進み林道の搬出条件が悪くなる中、約2670立方メートルの銘木が集まった。広葉樹原木の不足が続いており、参加した買方各社が、原料確保のため高値で落としていった。道外からは大阪・名古屋方面の突板業者などが多く参加した。

(写真:士別市朝日支所から出品されたナラ)

 

道総研 林産技術セミナー

4月6日号

道産木材・CLT利用促進

道総研は3月10日、道産木材および道産CLTの利用を促進するためのセミナーを旭川市の道総研林産試験場およびオンラインで開催し、会場とオンライン視聴者合わせて71人が出席した。

講演では、銘建工業(株)本社事務所(岡山県真庭市)の構造設計に携わった(有)桃李舎(本社大阪府)代表取締役桝田洋子代表取締役の特別講演「木を建築に活かす様々な取り組み」や道林業木材課高橋輝係長による道の木材利用拡大の取り組み、林産試験場研究員によるCLT性能実験棟で得られた研究成果などが発表された。

設計事務所や工務店などの建築関係者や建築、林業・林産業を担当する国・道・市町村職員など、様々な業種が参加し、実験結果や取り組みに関する質問などが出された。

 

札幌市が森林整備事業拡大へ

3月23日号

事業者と意見交換会3月27日から

札幌市は森林整備等に関する意見交換会を実施する。森林環境譲与税を活用し、各種森林事業の拡大に取組み、今後、白旗山都市環境林を中心とした市有林整備業務の発注を増やし、木材利用促進の施策等を進める予定のため、市有林整備への要望や森林政策への提言、アイディアを募り、市の森林整備業務の発注内容や森づくり基本方針(案)などに反映させるために行う。

対象は、森林整備事業者、木材加工業者、建設会社、家具製造者、森林の普及啓発などの森林・林業に関わる事業者全般で、事業者単位での参加となる。

方法は、札幌市みどりの推進部での対面形式またはオンラインで15〜30分程度の対話形式とし、ノウハウ保護のため個別に実施する。

受付期間は3月17日から4月18日、意見交換会は3月27日から4月28日に行う。

申し込みは、札幌市建設局みどりの推進部みどりの管理課自然緑地係へ。

 

当麻町に20棟のプロジェクト認証住宅

3月23日号

SGEC森林認証材の活用 全国初、住宅の一括認証へ

当麻町に20棟のプロジェクト認証住宅

上川管内当麻町で、SGECのプロジェクト認証の取得をめざす住宅が今年度20棟建築された。20棟のプロジェクト認証一括取得に向けて、3月7日には審査機関による現地審査を受けて「適合」と評価された。今後SGEC本部で認証取得が決定される。

当麻町役場、当麻町森林組合、地域の製材工場などが連携し「当麻町産材活用促進住宅等新改築プロジェクト」として、新築住宅の一括認証取得をめざしている。

プロジェクトの代表は、当麻町森林組合が務め、森林認証を取得している製材業者、道森連などが原木や製材品の供給に協力する。構造用集成材の場合、当麻町森林組合が組合員の森林や町有林から伐り出したカラマツ、トドマツ原木を、同組合製材工場でラミナ加工し、下川町で集成材に加工したものを使用する。

 

物流の現状と課題 輸送力低下、荷主選ぶ時代に

3月16日号

トラック運転手不足、労働時間制限

相浦宣徳氏

道森連が3月8日開催した全道森林組合長研修会(札幌市かでる2・7)では、北海商科大学教授の相浦宣徳氏が「北海道物流の現状と課題〜林業・木材製造業への影響」と題して講演した。北海道の輸送力の変化と木材輸送への影響について次のように語った。

「トラック輸送」については、北海道の大型免許ドライバーのうち、若い世代は年々減少している。今の高齢ドライバーに代わり輸送を支える人がもうすぐいなくなる状況にある。また、働き方改革に関連して労働時間が制約される2024年問題が迫っている。

労働時間の制限については、長距離運転だけでなく、近距離を運行する輸送も影響を受ける。山から製材所への原木輸送もこれにあたるのではないか。今まで10回転できた輸送が、ドライバーの拘束時間が制約されるので、8回転しかできなくなってしまう。

次に「フェリー輸送」の課題については、船員の高年齢化、港湾労働者の不足・高年齢化が進んでいる。老朽化した船舶の切り替え時期にもきている。船の燃料の高騰、環境配慮型燃料への対応もある。船に関しても、輸送力の低下、運賃の上昇が起こりうる。

また「貨物鉄道輸送」では、北海道新幹線の札幌延伸により、並行在来線における貨物鉄道輸送のあり方が問題になっている。これらは農産物や生産品を運び出す重要な輸送ルートである。また、青函トンネルの共用走行問題もあり、新幹線がトンネル内を高速走行するには、貨物列車の運行減少やダイヤの大幅改正が余儀なくされ、鉄道貨物の利用者離れが起きる可能性がある。このように鉄道輸送に関しても、鉄道網の寸断、運賃の上昇、運行ダイヤの改正が起きる可能性がある。

以上のように、2024年問題を皮切りにその後5年くらいで、北海道内の輸送力は大幅に弱ってくると見られる。怖いのは、今まで貨物列車で運んでいたものが、トラックや船に移行したりする。するとトラックや船で運んでいた荷物はどうなるのか。林業の皆さんが出している荷物に影響しなければ良いと思っている。

 

コンテナ苗利用500万本へ

3月16日号

道が利用拡大方針の改定案

道水産林務部は、「北海道コンテナ苗利用拡大推進方針」を近く改定し、利用目標を大幅に引き上げる。民有林でのコンテナ苗の利用促進、育苗期間の短縮などを進め、令和10年度に500万本利用する体制をめざす。

コンテナ苗の利用が拡大したこと、道森林づくり基本計画等の改定を踏まえ、令和2年3月策定の現行の推進方針を改定する。

改定案の主なポイントは目標値の改定である。現行の方針は令和10年度までに必要な対策をまとめ、最終年度のコンテナ苗利用300万本をめざしてきた。しかし、令和3年度の利用本数の実績は約170万本(うち国有林99万本、道有林7万本)、令和6年度には早くも300万本を超える見込みとなるなど、利用は急速に拡大している。

さらに、輸入材から道産材に転換する動きが出て伐採量の増加が見込まれ、苗木を安定的に確保する必要があること、コンテナ苗の生産施設の整備が進んでいることなど踏まえ、目標値を300万本から500万本へと大幅に上方修正する。

 

十勝型新しい林業 造林作業、原木流通を効率化

3月9日号

ハーベスタ生産情報を活用

林野庁の〈新しい林業〉構築事業の採択を受け実施している「北欧をモデルにした北海道・十勝型機械化林業経営」の第3回協議会が2月17日、ホテルグランテラス帯広の会場とウェブ併用で開催された。

協議会には大坂林業(幕別町忠類)、渡邊組(陸別町)、サンエイ緑化(幕別町忠類)を中心に、支援機関の森林総合研究所、道総研林業試験場、フォテク(札幌市)、また協力事業体の大澤木材、製材工場のサトウ、陸別町森林組合など45人が参加した。ドローンによる森林地形の把握、ハーベスタ造材情報の原木流通への活用など次の実証内容を報告し意見交換した。

 

電子輪尺で立木調査効率化

3月2日号

森林整備公社が研修会

北海道森林整備公社(佐藤卓也理事長)は、スマート林業による業務効率化の取り組みとして、電子輪尺とタブレット端末を組み合わせた森林調査システムを導入している。2月20、21日に同システムに関する社内研修会が開催され、公社職員など21人が参加した。

森林整備公社は、道有林の委託を受けて伐採木調査(年間約50万立方メートル)を実施している。従来の調査では、胸高直径の測定に輪尺を用いるが、データの野帳への記入やパソコンへの転記でミスが起こりやすい。また、計測員の人手不足も課題となっている。

そこで、同公社は、電子輪尺で胸高直径を測り、計測データをタブレット端末に転送するシステムを、令和3年度から伐採木調査業務に導入した。現在、電子輪尺(スウェーデンのハグロフ社製MDU)を45台導入している。このうち30台は国のスマート林業導入支援事業補助金を活用して購入したものである。今後、さらに7台導入し、計52台を道内6事業所に配備する予定である。

 

下川町森林組合 町産材で新事務所

3月2日号

2月27日から業務開始

下川町森林組合 町産材で新事務所

下川町森林組合(阿部勇夫組合長)が同町南町に建設していた新事務所が2月24日完成した。使用木材にすべて町産材を使った林業の町にふさわしい事務所となっている。

これまで入居していた町施設が老朽化のため取り壊しとなったことから、同じ場所に森林組合が新築した。木造平屋建て、建築面積約370平方メートル、延床面積約269平方メートルで、建築費は総額9200万円。町の補助を受け昨年6月に着工した。

木材はすべて町産材で合計約48立方メートル使用した。カラマツ25立方メートル、エゾトド23立方メートルである。原木は下川町森林組合がスムーズに供給した。

構造材に使ったのは主にカラマツ集成材で、町内の集成材工場で製造した製品である。

 

山火事注意ポスター制作

3月2日号
山火事注意ポスター制作

道水産林務部は、令和5年の林野火災予防活動に使用する山火事注意ポスターをこのほど制作した。

道内の小学生から標語、ポスター原画を募集した。このうち最優秀賞を受賞した標語と原画を採用してポスターを制作した。気温が上昇し空気が乾燥する3月〜6月の危険期間に各所に掲示するなど予防活動に使用する。

 

道予算案 豊かな森づくり7億8千万円

2月16日号

事業面積5800ヘクタールへ拡大

道水産林務部は令和5年度林務関係予算案を2月10日、発表した。造林・林道・治山の公共事業は当初予算で約169億7979万円を計上し、また、植林負担を軽減する「豊かな森づくり推進事業」は予算額を7億7952万円に増額し、事業量を300ヘクタール拡大する。

春の知事選を控え、道議会に提案されるのは、当面必要な事業経費を計上した骨格予算となる。こうした中でも森林整備、治山の公共事業、道単独の「豊かな森づくり推進事業」は、年間を通して必要となる全額を計上した。第1回道議会定例会に提案する。

 

道林業木材課 原木輸送2024年問題の影響

2月16日号

アンケート調査開始 造材業500社、運送業者60社に

トラックドライバーの長時間労働が制限される「2024年問題」が来年に迫っている。道内の原木輸送にどのような影響が出るのか心配されることから、道林業木材課は、造材事業体と運送会社が直面する状況を把握しようとアンケート調査を開始した。

物流業界はすでにドライバー不足と高齢化、燃料高騰などに見舞われている。これに加え、労働時間の上限制限の適用が2024年4月から始まる。道内の林業分野では、年間400万立方メートルを超える膨大な量の原木が、工場・港に輸送されている。限られた運材車が山と需要先を往復してこなしており、労働時間制限が始まると、原木の流通に影響がでる可能性がある。

こうした課題に対応するため、道林業木材課は道総研林産試験場と連携して、運材の現状や今後懸念される問題について、1月下旬からアンケート調査を開始した。

原木輸送を委託する側の造材事業者や森林組合については、約500事業体に調査票を送った。運材の現状について、運送業者に委託しているのか、自社が所有する車両で運んでいるのか、運材車の手配がつかず運搬が遅れていないかなど質問した。

 

勇払バイオマス発電所が営業運転

2月9日号

日本製紙 苫小牧に建設

勇払バイオマス発電所が営業運転

日本製紙株式会社は2月2日、苫小牧市の勇払バイオマス発電所の建設及び試運転が完了し、営業運転を開始したことを発表した。

発電出力は7万4950キロワットで、バイオマス専焼する発電設備としては国内最大級となる。燃料は主に海外から調達する木質チップとPKS(パームヤシ殻)及び北海道内で発生する未利用木材を使用するとしている。

 

レバンガ北海道と森と緑の会が協定

2月9日号

ザンギ販売し緑の募金に協力

レバンガ北海道と森と緑の会が協定

北海道森と緑の会は、プロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」と、ゼロカーボン北海道に寄与するための協定を結んだ。

1月26日、札幌市内のホテルで、レバンガ北海道の折茂武彦社長、森と緑の会の山谷吉宏理事長らが出席して協定書に署名した。森林整備や緑化推進に協力して取り組む

協定による主な取り組みは、○ホームゲームで新たに販売する仮称・緑ざんぎ(緑のソースをかけた鳥のから揚げ)の売り上げの一部を緑の募金に寄付する○ホームゲーム開催時に行う緑の募金活動に協力するなど。

 

優良広葉樹、高値で落札

2月9日号

旭川1月銘木市

優良広葉樹、高値で落札

旭川林産協同組合は、第462回北海道銘木市を1月27日、旭川市永山の銘木会館で開催した。広葉樹材の需給がタイトになる中、多くの買方が来場し、ナラやマカバなど高額での落札が相次いだ。

冬山造材の最盛期を迎え、道内各地から約2400立方メートルの銘木が集まった。民材は木材流通会社、市町村有林などから出品され、官材は森林管理署、東大演習林、北大演習林などから優良材が出品された。

 

スマート林業EZOモデル

2月2日号

収益向上目指す成果報告

産学官連携したスマート林業EZOモデル構築協議会が3年間の成果を報告する「北海道スマート林業EXPO2023」が1月26日、札幌市の北海道大学学術交流会館でオンライン(Zoom)併用により開催された。

開会にあたり同協議会の渋谷正人会長(北海道大学農学研究院造林学研究室教授)が挨拶し、「日本は人口減少により労働力不足が顕著になり、生産性を向上させながら少ない人数で生産量を確保しなくてはいけない。そのためには改革が必要になっている。本日のこのイベントが北海道林業の将来に寄与できることを期待している」と述べた。

 

低コスト再造林を支援、林野庁

1月26日号

低密度植栽、ドローン、下刈機導入

林野庁は令和5年度事業で「低コスト再造林対策」として、機械やドローンの活用などによる再造林の低コスト化の取り組みを支援し、現場への定着を進める。5年度予算案に計上した非公共事業、林業・木材産業循環成長対策の中で実施する(予算額は約72億円の内数)。

全国的には主伐が増える一方で、造林面積が低位にとどまっている。林業・木材産業によるグリーン成長実現に向け、資源保続に不可欠な低コスト再造林の取り組みを現場に着実に定着させるための支援を強化する。

 

ふるさと森林相談会、札幌で

1月26日号

不在村森林所有者123人、17森林組合が対応

不在村森林所有者を対象に森林整備や木材売買など話し合う「北海道内ふるさと森林相談会」が1月21日札幌市で開催された。道内各地の17森林組合がブースを設けて森林所有者と施業について話し合った。

ふるさと森林相談会の札幌会場はホテルポールスター札幌で、午前10時から午後3時まで開かれた。

開会時刻に合わせて道央圏に住む森林所有者、社有林を管理する担当者が次々と来場し、合計123人の組合員が相談を行った。受付では道森連職員が応対し、森林所在地の森林組合のブースに案内した。

ふるさと森林相談会は3年ぶりの開催で、森林の成長を楽しみに来る人、家族3世代で相談会に来る人などで賑わった。

 

道産木材436万立方メートル、5%減

1月19日号

令和4年度需給見通し

道水産林務部は令和4年度北海道木材需給見通しを12月下旬に公表した。工場動態調査など今年度前半の実績数値に加え、後半については製材業界・製紙関連・流通商社などに動向を聞き取り調査し、木材需給見通しとしてまとめた。

令和4年度の木材供給量は約616万立方メートル。ウッドショックで需要の高まりが見られた令和3年度実績からは一転して約59万立方メートルの減少を予測している。需要は好調に推移していたが、年度後半から一服感が見られている。道内製紙工場の停止でチップ消費量の減少も影響している。また、原木不足や人手不足の影響も見られる。

このため、コロナ禍の令和2年度(約644万立方メートル)より少ない水準になる見通しで、輸入木材を中心に需給は縮小している。

このうち道産木材の供給量は約436万立方メートル、前年度比95%を見通している。

 

北木市が新春初市

1月19日号

1199立方メートル出品、成約率74%

北木市が新春初市

北海道木材市場協同組合は1月13日、新春初市を開催した。当日は天候に恵まれ105人が参加した。

出品量は平年並みの1199立方メートル、成約量は883立方メートルで成約率74%となった。

 

トドマツ建築材、新供給モデル

1月12日号

歩留まり向上へ原木選別が鍵

品質の確かな道産建築材の供給を増やしていこうと、道は「第2回道産建築材供給検討会議」を12月22日オンラインで開催した。トドマツ建築材の新たな供給の取り組みが報告され、今後の課題解決に向けて意見を交わした。

会議では、道林業木材課の常本誠三木材産業担当課長が挨拶。森林総合研究所の嶋瀬拓也地域研究監が座長となり、製材工場とプレカット工場が協定を結んで進めている安定供給モデルの現状が報告された。

 

道有林クレジット創出事業に三井物産

1月12日号

8年間58万トン

道は「上川北部・網走西部管理区域道有林J−クレジット創出事業」に企画提案した民間企業の審査を終え、最良の提案者として三井物産株式会社を選定した。

3企業が参加資格審査を申請し、うち2企業が12月中旬までに企画提案書を提出した。航空レーザによる森林解析の実績、J−クレジット創出の実績、創出経費の見込み額、クレジット販売促進の方法など提案し、審査の結果、三井物産株式会社が選定された。

同社は、道と連携し上川北部・網走西部管理区域道有林J−クレジット(キキタ・グリーンクレジット)創出事業として、上川北部管理区1万4926ヘクタール(士別市、名寄市、美深町、音威子府村、中川町)、網走西部管理区1万1137ヘクタール(雄武町、興部町、西興部村)の合計2万6063ヘクタールの森林吸収クレジット取得をめざす。

 

下川町、低質広葉樹丸太せり売り

1月12日号

採材工夫し一般材や木工用に

下川町、低質広葉樹丸太せり売り

上川管内下川町は、町有林から出材する低質広葉樹を有効活用してもらおうと、12月9日に広葉樹原木の「せり売り」を町有ストックヤード(下川町緑町)で開催した。町内の製材会社や木工作家、町民など12人が参加した。

出品された広葉樹は、町有林の伐採現場から出材される品質が悪い材で、通常はパルプ材として販売されている。

しかし、下川町は、パルプ材の中でも採材して腐れを除去すれば一般材や木工用として利用できるものも多くあると考え、同町も構成員として参加している下川町山村活性化支援協議会(会長・阿部勇夫下川町森林組合長)が主体となり、伐採現場から出材した低質広葉樹を原木ストックヤードに運搬し、腐れを取り除いた上で消費者ニーズに合うように採材を行った。

せり売りでは、採材した広葉樹材を樹種や長さごとに分けて計16物件、約45立方メートルを販売。いずれの物件も競り上がって完売するほどの盛り上がりを見せ、合計約91万円を売り上げた。

 

北海道産業貢献賞表彰

1月5日号

森林づくり功労者10人

北海道産業貢献賞森林づくり功労者の表彰式が12月20日札幌市で行われた。

林業・木材産業の振興に多大な貢献のあった10人に、土屋俊亮道副知事から表彰状が贈呈された。下記は受賞の方々(敬称略)。

◇松尾和俊(赤平市66歳)◇菅原道夫(石狩市78歳)◇八幡克(むかわ町85歳)◇藤本誠二(日高町82歳)◇春木芳則(森町72歳)◇八巻吉明(北見市67歳)◇眞貝眞佐喜(滝上町67歳)◇加藤勝典(足寄町80歳)◇井原久(帯広市68歳)◇松井廣道(鶴居村72歳)


2022年

 

新しい林業、国有林が先導

12月15日号

道森林管理局、伐採・植付増加へ作業省力化

道森林管理局は、林業関係事業体との意見交換会を、11月下旬から12月上旬にかけて道内5地区を対象に開催した。造林・造材事業体、苗木生産者など出席する中、伐採から造林、保育までの収支を黒字化する「新しい林業」の北海道国有林での実践に向けた令和5年度事業の検討方向が説明された。

森林管理局は、「新しい林業の実現に向けた実行プラン」を作成し、その方向性を林業事業体に説明した。

森林整備の中でも、特に下刈りについては人力による労働負荷が大きく、造林・保育事業費の多くを占めることから、下刈り回数の削減・省略を重視している。その実現に向けて、ササの植生回復を遅らせる大型機械地拵の実施、機械下刈りを可能とする低密度植栽(ヘクタール当たり2000本以下)、サイズアップしたコンテナ苗の導入、初期成長が良好なクリーンラーチの植栽など進める。

 

育苗短縮苗の生育状況

12月15日号

コンテナ苗協議会で林業試験場報告

令和4年度の第3回北海道型コンテナ苗協議会が11月25日、道庁で開かれた。トドマツ、カラマツコンテナ苗の育苗期間短縮に向けて、国有林、民有林の造林地に試験植栽した苗木の生育状況など報告された。

育苗期間を短縮したトドマツ、カラマツコンテナ苗については生産技術が確立されつつあり、生産コスト低減や育苗中の気象害リスク低減が期待される。一方で植栽後の活着、成長については調べる必要があり、今回は、道総研林業試験場から造林地での試験植栽について報告された。

 

森林鉄道、林業の記憶伝える

12月8日号

遠軽町丸瀬布 雨宮21号

遠軽町丸瀬布 雨宮21号

遠軽町丸瀬布に森林鉄道に使われた蒸気機関車が保存されている。森林鉄道として国内で唯一動く状態で保存されている蒸気機関車「雨宮21号」である。旧北見営林局丸瀬布営林署管内で活躍し、林業の発展と山の生活を支えてきた。

今から94年も前に製造された機関車が、遠軽町役場によって整備され運行されている。場所は、丸瀬布市街から南に約9キロメートル山あいを入った丸瀬布森林公園いこいの森である。1周約2キロメートルの軌道があり、4月末から10月中旬まで観光客を楽しませている。

 

北森カレッジ2期生、続々内定

12月1日号

林業会社や種苗、製材に29人

道立北の森づくり専門学院では、第2期生である2年生の就職活動が佳境を迎え、内定が続々と決まっている。土屋禎治学院長に、生徒の就職動向、今後の教育の方向性についてインタビューした。

 

えりも岬緑化事業70周年

12月1日号

森林管理局が記念行事

森林管理局が記念行事

国有林のえりも岬緑化事業が来年度で70周年を迎える。道森林管理局は、記念行事として令和5年5月17日にえりも町で植樹祭を企画しているほか、今年12月25日まで札幌市のセンチュリーロイヤルホテルと共同で緑化事業や森づくりの情報発信をホテルロビーで行う。

 

道有林が大規模森林吸収クレジット

11月24日号

取得、販売する企業を公募

道は、道有林の二酸化炭素吸収量を大規模にクレジット化し、活用する試みを始める。「上川北部・網走西部管理区域道有林J−クレジット創出事業」を実施する民間企業の公募を11月15日に開始した。

この「上川北部・網走西部管理区域道有林J−クレジット(キキタ・グリーンクレジット)創出事業」は、脱炭素の取り組みや投資に関心が高まる中、企業と連携して、道有林の二酸化炭素吸収量をクレジット化する事業。

労力がかかる人力による森林踏査ではなく、航空レーザを使った森林計測と解析を行い、クレジットを大規模に取得する。

今回の試行的事業の対象区は、上川北部管理区1万4926ヘクタール(士別市、名寄市、美深町、音威子府村、中川町)、網走西部管理区1万1137ヘクタール(雄武町、興部町、西興部村)の合計2万6063ヘクタール。人の手が入った人工林、一部植え込みを行った広葉樹林などを対象としている。

取得をめざす森林吸収クレジットは8年の対象期間合計で約57万9000トンを見込んでいる。

 

十勝型機械化林業を検討

11月24日号

ハーベスタ原木情報を活用、人力検知省略

林野庁の〈新しい林業〉構築事業に採択された「北欧をモデルにした北海道・十勝型機械化林業経営」の協議会が11月4日、陸別町公民館で開かれた。構成員の事業体、アドバイザー、林野庁、道庁など約35人が参加し、十勝型の新しい作業技術を検討した。

大坂林業(幕別町忠類)、渡邊組(陸別町)、サンエイ緑化(幕別町忠類)を中心に、支援機関の森林総合研究所、道総研林業試験場、フォテク(札幌市)、また地元林業事業体や製材工場も協力して、生産計画、素材生産・流通、再造林の実証を行っている。

 

植付機械を国内初導入

11月17日号

北欧製、陸別町の渡邊組

植付機械を国内初導入

造林の労働力が限られる中、人力に頼っている植え付け工程を機械化する取り組みが道内で始まった。十勝管内陸別町の株式会社渡邊組は、北欧製の植栽機アタッチメントを国内で初めて導入した。自社有林などの森林整備に活用していく。

11月4日、林野庁の採択を受けた実証事業の一環として陸別町の民有林で実演会が行われた(北欧をモデルとした北海道十勝型機械化林業経営)。植え付けの効率化と安全作業のため渡邊組が導入したもので、日本製ベースマシンにスウェーデンのブラッケ社製の植栽アタッチメントが付いている。

実演会では、スプレーでマーキングした植え付け箇所に、機械のオペレーターが目視で操作して次々とカラマツコンテナ苗を植え付けていた。

 

スマート林業実演会

11月17日号

陸別町民有林に75人

スマート林業実演会

道水産林務部は「ICTでスマート化する北の林業現地実演会」を陸別町の民有林で開催した。ICT機能搭載ハーベスタ、殺鼠剤散布ドローン、ラジコン式下刈り機械を実演し、これに事業体、行政機関、研究機関、林野庁など約75人が参加した。

先進的なスマート林業を普及し北海道ならではの効率化・省力化をめざす道事業で、道林業機械化協会が受託して実施した。

 

三井不動産が木材利用促進協定

11月10日号

道庁、道森連、道木連と

三井不動産株式会社(本社東京都中央区)グループは、10月31日、北海道、北海道森林組合連合会、北海道木材産業協同組合連合会と国の協定制度である「建築物木材利用促進協定」を締結した。

同社グループは北海道に約5000ヘクタールの森林を保有し、毎年約1万7000トンのCO2を吸収、生物多様性の保全に貢献するとともに、持続可能な森づくりを推進している。また、不動産事業では木材の利用を積極的に進めており、東京日本橋の17階建て木造ビル、東京稲城市の5階建て木造マンションなどの開発に取り組んでいる。

こうした中、北海道産木材の利用促進について、北海道、北海道森林組合連合会、北海道木材産業協同組合連合会と合意し、国の制度である建築物木材利用促進協定を締結した。北海道庁による企業等との同協定締結は初の事例となる。

 

御下賜金で記念植樹

11月10日号

東北・北海道緑化推進協が

御下賜金で記念植樹

天皇陛下から優良な民間社会福祉団体に贈られる御下賜金(ごかしきん)を活用し、東北・北海道地区緑化推進協議会(会長・山谷吉宏北海道森と緑の会理事長)は10月20日、道庁赤れんが前庭で記念植樹を行った。

毎年、天皇陛下から贈られる御下賜金を、国土緑化推進機構は全国各地区の緑化推進協議会に配分し、この資金を活用した記念植樹が行われている。東北・北海道地区緑化推進協議会は、記念植樹場所として、昨年開催した第44回全国育樹祭の式典会場となった札幌市内から、道庁赤れんが前庭を選定した。

記念植樹当日は、東北・北海道地区緑化推進協議会の山谷吉宏会長、土屋俊亮副知事、国土緑化推進機構の瀬戸宜久常務がクリーンラーチを植樹した。

 

道有林、吸収量認証を拡大

11月3日号

航空レーザ活用、企業からの提案方式で

道は、道有林の二酸化炭素吸収量を平成24年にクレジット化し、販売する活動を続けている。この活動に加え今年度は、企業と連携して、道有林の吸収量を大規模にクレジット化する新たな事業に乗り出す。

11月1日の道議会水産林務委員会で、新たな道有林クレジットの創出事業が道水産林務部の寺田宏森林環境局長から報告された。

人力による森林踏査など多大な労力を要していたクレジット認証の制度が昨年見直され、航空レーザ測量を活用した調査が可能となった。これにより、クレジットが大規模に低コストで創出できるようになった。

このため、道は、測量やデータ解析、クレジットの認証や販売などを行う企業を公募し、協定を締結して新たな取り組みを進める。

道有林61万ヘクタールのうち、現在クレジット販売しているのは約245ヘクタール(羊蹄山と旭岳周辺)。新たな取り組みでは、上川北部管理区、網走西部管理区の人工林のうち、森林整備を行っている林分約2万6000ヘクタールを対象に認証する。

森林吸収クレジットは、8年にわたり毎年発行され、道と企業で分配する。8年間のクレジットは合計約60万トン規模を見込んでいる。企業が負担するレーザ測量などの経費は、クレジットの販売収入で回収する仕組みである。

 

認証材、もっと建築利用を

11月3日号

はこだて森林認証協議会がフォーラム

はこだて森林認証推進協議会(月館久治会長)は「森林認証フォーラムinはこだて」を10月30日、ベルクラシック函館で開催した。

森林認証協議会員の市町村、造林造材事業体、製材事業者をはじめ、森林所有者や振興局、森林管理署など関係者、一般住民ら135人が参加した。

同協議会は、渡島・檜山地域の2市11町、8森林組合、25の林業・林産業事業体が一体となって、地域材のブランド化を目指して設立し、緑の循環認証会議(SGEC)の森林認証を2018年に取得した。認証森林面積は民有林約8万ヘクタール、認証材としてトドマツ、スギなど年間約15万立方メートルの供給能力がある。

開会にあたり月館会長が挨拶。道南地域の持続的な森林経営、地域材利用の拡大に期待を寄せた。

続いて、森林認証審査業務を担うSGSジャパン株式会社(横浜市)の一蝶茂人氏が、森林認証制度の概要を説明した。

基調講演では、奈良県在住の森林ジャーナリスト・田中淳夫氏が「森林認証制度は、激変する林業に応えられるか」と題して講演した。

 

林内情報通信システム、道森林管理局が実演会

10月27日号

位置情報共有し作業効率アップ

位置情報共有し作業効率アップ

北海道森林管理局は10月19日、林内情報通信システム機器の操作実演会を苫小牧市で開催した。当日は林業事業体16社から32人、林野庁・森林管理局・森林管理署から69人のほか、道有林など関係者、計120人が参加した。

実演は、株式会社小玉(小玉一博社長、苫小牧市)が実施している国有林の素材生産現場で行われた。

使用した機器は、株式会社ブレイクスルー(北原健太郎社長、札幌市)が開発した林業専用情報通信システムのアプリ「ソココ・フォレスト」。スマホ、タブレット端末をトランシーバー(株式会社JVCケンウッド製)と一緒に持ち歩くことで、携帯電話が通じない森林内でも、位置情報の共有やメッセージの送受信が行える。

 

林業労働力確保へ市町村が支援

10月27日号

住宅費、安全装備購入に補助

林業労働力の確保が重要な課題となる中、林業労働環境を守るため独自の支援事業を行っている市町村がある。支援を実施している数市町村に、どのような事業を行っているか支援内容を聞いた。

 

鶴居村産カラマツで総合体育館

10月27日号

大断面集成材・製材351立方メートル

大断面集成材・製材351立方メートル

釧路管内鶴居村は、村民スポーツ・健康増進施設を村内産カラマツ材を使って建設した。鶴居村中心部にある総合体育館で10月10日スポーツの日に開館した。

スポーツセンターの建て替えにより、延床面積2722平方メートルの新たな健康増進施設が完成した。愛称は「ファミスポ・アップ」で、バレーボール、バドミントンなどができ、ランニングマシンなど備えたトレーニングルームもある。

建物は鉄筋コンクリート構造の上に、カラマツ大断面集成材の登り梁を組み上げ、巨大な三角屋根を形成している。片側約30mの登り梁は、10mの集成材を繋ぎ合わせて製作した。

村内産カラマツ原木は鶴居村森林組合を通じて供給され、厚浜木材加工協同組合(浜中町)、厚岸木材工業協同組合(厚岸町)などで製材・集成材加工されてから建設現場に納入された。原木使用量は750立方メートル、集成材・無垢材使用量は351立方メートルにのぼる。

 

林業従事者4208人

10月20日号

道内の労働力不足は続く見通し

道水産林務部は、令和3年度林業労働実態調査の結果をこのほど公表した。道内の林業従事者は前回調査からおおむね横ばいの4208人となった。

10年間の推移では、素材生産の労働者は増加傾向にあるが、造林の労働者は減少傾向にある。

 

林業の国家資格制度構築へ

10月20日号

技能検定の業界内試験、旭川で

技能検定の業界内試験、旭川で

林業の国家資格となる技能検定制度の創設をめざす林業技能向上センター(事務局・全森連)は、林業技能評価試験の業界内試験を試行的に6道県で順次開催している。

10月9日には、旭川市の道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)で開催した。道内の開催は今回が初めて。

 

スマート林業実演会、倶知安で

10月13日号

殺鼠剤散布や測量ドローン、下刈り機械

殺鼠剤散布や測量ドローン、下刈り機械

道主催、ICTでスマート化する北の林業現地実演会が9月22日、倶知安町で開催された。

ドローンやレーザ計測機器、下刈り機械の実演が行われ、林業会社、森林組合、市町村など約40人が参加した。

 

道民森づくりの集い札幌で

10月13日号

2千人来場、木に触れ遊ぶ

2千人来場、木に触れ遊ぶ

森林づくりや木育活動への理解を広げる「道民森づくりの集い2022」が10月2日、サッポロさとらんど(東区丘珠町)で開催された。森林に関係する団体が出展し、森の楽しみを伝える展示や体験プログラムが行われた。

会場のさとらんど交流館では、中央に木の玉プールや積み木などの玩具体験ゾーンがあり、これを取り囲んで13団体がブースを設けた。木育ファミリー、林産試験場、森林管理局、道森連と農林中金、きのこ観察会、北の森づくり専門学院などが出展した。

木製の卵、ブンブンゴマ、森の生き物の書籍(イモムシハンドブック)などが販売され、体験プログラムでは、キーホルダー、バードコール、木のおもちゃ作りが行われた。

もう1つの会場さとらんどセンターでは、4人の木育マイスターによる木工体験が行われた。寄せ木のコースター作り、小枝のスプーン・フォーク作りなど指導を受けながら合計200人以上が体験した。

 

千歳林業が造林効率化へ

10月6日号

自走下刈機2台導入

全道各地の社有林約1万7000ヘクタールの森林経営を行っている千歳林業株式会社(本社倶知安町)は、素材生産と木材供給を進めるとともに、取得した山林の造林保育など森林整備にも力を注いでいる。造林事業の効率化についてどう考え、どう取り組もうとしているか聞いた。

 

大澤木材に樹木採取権を設定

10月6日号

根釧西部827ヘクタール

道森林管理局は、国有林材を安定的に伐採できる「樹木採取権」設定を希望する事業者の再公募を経て、10月3日に選定結果を公表した。

根釧西部樹木採取区約827ヘクタールの採取権者に、大澤木材株式会社(釧路市阿寒町、成田勝仁代表取締役)を選定し、同日樹木採取権を設定した。

 

林業求人が高水準

9月22日号

造林保育の作業員不足

林業事業体が出す求人数は今年も多くなっている。9月5日まとめのハローワーク求人情報によると、道内の林業の求人は63人となっており高水準が続いている。特に造林の労働力が不足しており、新規就業者を求める声が多い。

ハローワークの林業求人数は、事業体の人手不足を反映して、ここ数年、高い水準で推移している。今年は4月に大幅に増加し、4月5日まとめでは246人に達した。5月以降は100人弱となり落ち着いてきたが、依然として労働力不足が改善されず厳しい状況が続いている。

 

栄林会青年部、十勝で現地研修会

9月22日号

全道から54人参加

HOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録

栄林会青年部は現地研修会を9月8日、9日の2日間、十勝管内で開催した。

全道各地から栄林会青年部を中心に54人が参加して、幕別町の会員所有山林、コンテナ苗生産施設、足寄町の国有林択伐試験林など4カ所を視察した。

 

浦河町の木造こども園、主要構造に日高産カラマツ

9月15日号

HOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録

HOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録

HOKKAIDO WOOD BUILDING登録制度に、日高管内浦河町の「浦河フレンド森のようちえん」の園舎が登録され、9月5日に登録証が交付された。

日高振興局の生田泰局長がようちえんを訪れ、井原鎮園長、建築に携わった照井康穂設計事務所の照井康穂代表取締役、岩田地崎建設の久新信一郎営業部長に、木製の登録証を渡した。

新しい園舎は、学校法人フレンド恵学園が建築した建築した建築面積約1331平方メートル、延床面積約998平方メートルの木造立体トラス構造の1階建。建物の壁が斜めに立ち上がり、内部は立体トラスを使い、大きな空間を作り出している。

この立体トラスは、日高産カラマツを原料に製造した構造用集成材で構成した。内装は、床に道産ナラ・カバ・クルミのフローリング、壁はホタテ漆喰吹付を使っている。

 

デジタル林業へ戦略拠点

9月8日号

森林調査、再造林、原木流通に新技術

林野庁は令和5年度予算概算要求の目玉事業に、新規「デジタル林業戦略拠点構築推進事業」(要求額10億円)を掲げた。戦略拠点として地域全体でデジタル技術をフル活用する取り組みを支援する。

来年度予算編成の骨格となる政府の「骨太の方針」では、脱炭素社会への転換を図る「グリーン」や先進技術の「デジタル」を重点投資分野に掲げ、経済成長を実現するとしている。これに対応して林野庁予算概算要求では、デジタル林業戦略拠点を作り、森林調査から伐採・再造林まで「デジタル林業」の実践・定着をめざす。

 

木質バイオマス燃料利用148万立方メートル

9月8日号

令和3年度、オホーツク53万、道央52万立方メートル

道林業木材課は木質バイオマスエネルギーの利用状況をまとめた。令和3年度の木質バイオマス利用量は、FIT発電、熱利用など合わせて道内全体で約148万立方メートルにのぼった。

木質バイオマスの利用量は、平成28年以降、FIT認定発電施設の稼働が増えるにつれ、平成28年度の約89万立方メートルから、5年後の令和3年度には約148万立方メートルへと大幅に拡大している。

令和3年度の利用量は148万3000立方メートル、前年比約2%増と、ほぼ前年度並みだった。利用形態別では、FIT発電利用が約98万立方メートル、熱電併用施設(製紙工場などで稼働している施設)の利用が約28万立方メートル、熱利用(地域チップボイラーなど)が約22万立方メートルとなっている。

木材の由来別では、未利用材(主伐材・間伐材・林地残材など)が約103万立方メートルと最も多くなっている。

 

木質バイオ発電、道内8施設計画

9月1日号

FIT認定、現在は11施設稼働

道林業木材課によると、再生可能エネルギー固定価格買取制度FITの認定を受けた道内の木質バイオマス発電所は、輸入材のみ使用する発電所を除き、11施設が稼働している。このほかに8施設が認定を受けており、道産材を使って発電事業を予定している。

令和3年度の木質バイオマス利用量は、FIT発電、熱利用など合わせて道内全体で約148万立方メートルにのぼる。前年比では約2%の増となっている。内訳では、FIT発電利用が約98万立方メートル、熱電併用施設(製紙工場などで稼働している施設)の利用が約28万立方メートル、熱利用(地域チップボイラーなど)が約22万立方メートルとそれぞれ微増した。

 

胆振東部地震被災森林の再生へ現地検討

9月1日号

泥濘化する作業道、植栽地が点在

泥濘化する作業道、植栽地が点在

胆振東部森林再生・林業復興連絡会議(座長・渡邉訓男道森林整備課長)は現地検討会を7月27日、厚真町で開催した。

被災して斜面崩壊が起こり、今年度から植栽による復旧が本格的に始動した一般民有林を視察。軟弱で泥濘化しやすい地盤での作業道作設、植栽適地が点在する崩壊斜面での植栽など、森林を早期に取り戻すため検討を行った。

 

新しい林業モデル、北海道から1事業採択

8月25日号

大坂林業、渡邊組、サンエイ緑化、森林総研ら

林野庁の新規重点施策「新しい林業」経営モデル実証事業に全国10事業が選定された。北海道からは、十勝管内3事業者と支援機関のグループによる「北欧をモデルにした北海道・十勝型機械化林業経営」が選定され、ICT導入による森林資源把握、素材検知の効率化、造林作業の省力化などが検証される。

「新しい林業」経営モデル実証事業は、新技術で伐採から造林保育まで効率化し、林業収支のプラス転換をめざす事業である。林野庁は2億9900万円の予算を計上し、主伐、造林の経費、労務費、機械レンタル経費、委託費などを助成する。

北海道から採択されたのは大坂林業(幕別町忠類)、渡邊組(陸別町)、サンエイ緑化(幕別町忠類)と支援機関として森林総合研究所(茨城県つくば市)、フォテク(札幌市)で構成するグループである。事業体の代表は大坂林業、また支援機関の代表は森林総研が務め、提案した実証計画が7月26日に選定された。

 

森林環境譲与税活用へ使途例示

8月25日号

林野庁と総務省

林野庁と総務省は、森林環境譲与税を活用して市町村が実施可能な取組例のリストを作成し、ホームページで公表している。間伐、造林など森林整備に関する取り組みを中心に例示して、地域に応じた活用を進めるよう呼び掛けている。

 

製材工場とプレカット工場が協定

8月18日号

トド建築材の供給体制3つ誕生

道産建築材の長期安定利用につなげようと、製材事業者とプレカット事業者が協定を締結し、トドマツの羽柄材を供給する新たな取り組みを始めた。

カラマツ梱包材工場が製材した原板を、乾燥・表面仕上げが可能な製材工場に納品して人工乾燥(KD)材を生産、これをプレカット工場に供給するなど、新たな供給体制のモデルが道内で3つ誕生した。

昨年の輸入材高騰といったウッドショックにより、国産材需要が活性化し、道産材も建築材の引き合いが増したが、乾燥施設の不足などで増産対応には限界があった。

こうした中、道木連が中心となり、製材工場と、輸入材から道産材への転換を図るプレカット工場とのマッチングを支援。今年4月には道産建築材の安定供給協定が締結され、トドマツ建築材の長期安定利用を図る次の3つのモデル的取り組みがスタートした。

◇道森連(札幌市)、株式会社サトウ(帯広市)、マルジュウランバー株式会社(帯広市)の3者協定
道森連は、森林組合製材工場で生産した羽柄材原板(グリーン材)をサトウに供給し、サトウが人工乾燥・表面仕上げを実施。これをマルジュウランバーが買い上げてプレカット利用する。

◇熊谷林産株式会社(津別町)、株式会社ヨシダ(苫小牧市)、北海道プレカットセンター株式会社(苫小牧市)の3者協定
熊谷林産は、協定に基づき、トドマツの貫、間柱の原板(グリーン材)をヨシダに出荷し、ヨシダが人工乾燥とプレーナー仕上げを実施する。これを北海道プレカットセンターが購入しプレカット利用する。

◇ひだか南森林組合(様似町)、株式会社ニッショウ(赤平市)の2者協定
ひだか南森林組合が、様似町の製材施設でトドマツ角や根太、垂木原板を生産し、ニッショウに納品する。これら原板をニッショウが買い上げて、人工乾燥と表面仕上げを行いプレカット利用する。

 

道産材利用量540万立方メートルへ

8月18日号

伐採後の造林・苗木対策を

今年度第1回の北海道森林審議会(会長・小泉章夫北海道大学大学院元教授)が8月9日、札幌市で開催され、今年3月末に改定した新たな「北海道森林づくり基本計画」に基づく施策の展開方向が審議された。

北海道森林づくり基本計画では、森林蓄積の増加や人工林資源の高齢級への偏りが進む中、ゼロカーボン北海道に貢献する森林づくり、広葉樹資源の活用、トドマツ建築材の供給、担い手確保などを重点的に進める。長期的な数値目標では、森林から産出し利用される道産木材の量(令和元年度446万立方メートル)を20年後には540万立方メートルへ、94万立方メートルの拡大をめざす。

今回の森林審議会では、目標数値540万立方メートルに向けどのように出材量が拡大するか、道が試算値を示した。カラマツとトドマツ資源について、齢級構成が変化していく状況、出材量が変化する状況を推定した。

 

崕山で発見の新品種、キリギシナニワズと命名

8月18日号

林業試験場ら研究グループ

芦別市の崕山(きりぎしやま)で見つかった樹木について、このほど道総研林業試験場の研究者らのグループが、カムチャッカナニワズの変種と位置づけ、「キリギシナニワズ」と命名して学術誌で発表した。

発表したのは、林業試験場の新田紀敏専門研究員と佐藤謙北海学園大学名誉教授。植物研究が進んだ日本で新しい樹木が見つかることは大変まれである。

「キリギシナニワズ」は、白い花を咲かせることなどがカムチャッカナニワズと共通で、葉の枚数、根の形態などは異なっている。崕山だけに分布するジンチョウゲ科の低木である。

また、カムチャッカナニワズは林業試験場が斜里町で発見し、2020年に発表した樹木で、今回はその変種が200キロメートル以上離れた内陸にあることがわかった。

崕山は夕張山地の芦別岳から北西方向にある、石灰岩の急峻な露頭が連なる山である。貴重な植物が多く、植物保護のため入山規制されている。これまでキリギシアズマギク、キリギシソウが発見されており、キリギシの名がつく植物は3種類目となる。

 

下刈軽労化へ現地検討

8月11日号

本別町の国有林で機械下刈り

本別町の国有林で機械下刈り

人工林資源が成熟し伐採量が増える一方、造林の担い手不足が深刻で、人力に頼る下刈り作業は、機械化による軽労化が待ったなしの課題となっている。道森林管理局は下刈り作業機械化の手法確立に向けた検証に取り組んでおり、8月2日十勝管内本別町で、民有林関係者を集めて現地検討会(十勝東部森林管理署主催)を開いた。

下刈り作業は、夏期の炎天下の人力作業であり、造林作業員に若手が定着せず高齢化も進み、人材確保が難しいという課題がある。こうした課題の早期解決に向け、十勝東部森林管理署は、機械走行可能な列間・苗間といった植付仕様、下刈りに使用する機械や作業方法を検討している。

現地検討会は、本別町仙美里国有林(231林班そ小班)で行われ、林業会社、森林組合、振興局など民有林関係者を中心に約40人が参加。自走下刈機械とリモコン草刈機による下刈り作業の実演・操作体験を通じて、軽労化につながるか検討した。

 

カラマツ認証材で道の駅おとふけ建築

8月11日号

構造用集成材、無垢材106立方メートル

構造用集成材、無垢材106立方メートル

十勝管内音更町の「道の駅おとふけ」が高速道路の音更帯広インターチェンジ近くに移転・新築され賑わいを見せている。新たな道の駅には、森林認証を取得した町産カラマツ材が使われており、建屋構造材部分はSGECプロジェクト認証を取得した。

町の魅力を発信する拠点施設として、音更・帯広などの玄関口となる場所に道の駅が建てられた。広大な風景の中に、木造一部鉄骨造の平屋建て約1960平方メートルの建物本体、駐車場、芝生広場などが造られ、今年4月15日にオープンした。

十勝の食のPR、イベント開催、交流施設などの役割を担うとともに、カラマツ認証材で施設を建築し、十勝の木材の魅力、適切な森林管理などを来場者に発信している。

施設本体の総工事費は11億3900万円。構造材に使った森林認証材の管理については、音更町役場、建設工事の共同企業体がプロジェクトを作り適正な流通に努めた。

認証材のカラマツ原木は、私有林、町有林から出材するものを使用した。

建物に使用した木材は約106立方メートル。SGEC認証カラマツ集成材は梁、柱、管柱、母屋などに約81立方メートル。その他カラマツKD材を土台などに約25立方メートル使用した。

 

留萌の民有林、森林認証取得

8月4日号

9市町村の4万4千ヘクタール

留萌管内の4森林組合、8市町村と宗谷管内幌延町の計9市町村と1事業体で構成する「るもい森林認証協議会」(志子田一郎会長・遠別初山別森林組合長)が、持続可能な森林管理を証明し、地域材のブランド力を向上させようと、6月27日付で民有林約4万4000ヘクタールの森林認証を取得した。

同協議会は、管内4森林組合が中心となり、令和3年7月に設立され、地域が一体となって認証取得に向け取り組んできた。構成員は後記。

留萌地域で取得したのは、緑の循環認証会議(SGEC)の森林管理認証(FM)が約4万4300ヘクタール。内訳は、森林所有者1366人が森林組合に委託した森林約3万900ヘクタール、市町村有林約1万1700ヘクタール、社有林約1700ヘクタールである。また、認証森林からの林産物の加工・流通認証(CoC)を4森林組合が取得している。

これを記念し、7月22日に認証取得記念式典が留萌振興局で開催され、関係者ら71人が出席した。

※森林認証協議会の構成員=留萌南部森林組合、留萌中部森林組合、遠別初山別森林組合、留萌北部森林組合、留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、遠別町、天塩町、幌延町、新宮商行

 

十勝広域森林組合が新製材工場

8月4日号

池田第2工場の地鎮祭

池田第2工場の地鎮祭

十勝広域森林組合(広瀬重雄組合長)は、池田製材工場の隣に第2工場を建設する。7月28日、建設地で地鎮祭を執り行い、関係者約40人が列席した。

地域の成熟した木材を有効に利用し、森林資源を更新していくため、梱包材・パレット材だけでなく建築材の生産拡大が課題となっている。十勝広域森林組合は新たに加工施設を整備し、ラミナを始めとした建築材の生産拡大に取り組む。

池田町利別南町の建設地で、工事の安全と無事完成を願う神事が行われた。

新工場は、国道242号線沿いにある池田製材工場の南側に建設する。新たに土地を購入しており、ここに現工場と同規模の建屋を建設し、効率的な製材設備を導入する。総事業費は約14億円、原木消費量は年間約2万7500立方メートルをめざす。

8月に着工し、2月末の完成を予定している。

 

瀬棚港に集材センター

7月28日号

北部桧山森林組合が開設

瀬棚港に集材センター

地域材を消費する製材工場がない檜山管内せたな町で、港湾を活用した新たな原木供給ルートが生まれた。北部桧山森林組合(近藤茂樹組合長)は、以前はトドマツ原木を100キロメートル以上離れた遠くの函館港に運んでいたが、地元の瀬棚港を使って集出荷する体制を作りだした。

北部桧山森林組合は、トドマツやスギなど伐期を迎えた民有林の主伐を、毎年30〜40ヘクタール進めている。生産される用材については函館港の埠頭に出荷していたが、距離があり運搬コストが嵩み、材価の面で不利になっていた。

その一方で町には瀬棚港があり、建設用砂などの積み出し港、奥尻島へのフェリー乗り場などに活用されていた。輸送減からフェリーが3年前に休止となる中、令和2年には木材流通商社が瀬棚港にトドマツ原木を集積して、船で移出する取り組みを始めた。令和3年からは木材流通商社がもう1社加わり、計2社がトドマツ、スギなどの買い入れ・移出を行っている。

森林組合は、系統を通じてこれらに地域材を販売するとともに、原木の集積機能が十分整っていなかったことから、港での原木受け入れ業務を組合事業として行うことにした。

港湾管理者のせたな町から港の土地を借り、原木の預かり料を徴収し管理業務を行う。強い風にさらされる集荷場所に塀を設置し、荷下ろし用のグラップルを新規購入するなど設備投資し、「北部桧山森林組合集材センター」として開設した。

 

道有林、立木販売と造林の複合事業

7月28日号

5年の長期協定、植栽・保育もセットで

道有林は、利用期を迎え大径化が進むトドマツ人工林材の価値向上と着実な再造林に向け、長期的な立木販売と造林請負事業を複合させた新たな事業を開始する。

需要に応じた素材生産と造林の軽労化・効率化、雇用確保などを促進するため、協定に基づいて長期にわたり立木販売、地拵え・植え付け・下刈りといった造林請負事業をセットで行う新たな事業「道有林野伐採・造林複合協定型森林整備事業」を実施する。

今年度は空知、後志、上川北部、オホーツク西部の4森林室で行われる。管内に事業所を有する林業事業体から企画提案を募集し、審査を経て「森林整備協定」を締結する。協定期間5年、年間5000〜1万立方メートル程度の立木販売と再造林を実施する。

 

林業・木材産業構造改革4億8千万円

7月21日号

高性能機械リース、製材工場整備も

令和4年度に道内で実施される「林業・木材産業構造改革事業」は、総事業費約16億8900万円、補助金額合計約4億8200万円で、林業機械リース支援、木材加工流通施設の整備、木造公共建築物等の整備が支援される。林野庁の交付決定を受け、このほど道は実施主体に通知した。

【持続的林業確立対策】
意欲と能力のある林業経営者を育成し、持続的な林業経営を確立するため、高性能林業機械等のリース導入を行う7事業体に合わせて約4100万円を支援する。  導入される機械は、グラップル2台、グラップルソー2台、ハーベスタ3台。

【木材産業等競争力強化対策】
意欲と能力のある林業経営者との連携を前提に行う、輸入木材不足に対応した国産材の供給力強化に資する木材加工流通施設、木質バイオマス利用促進施設、木造公共建築物等の整備に向け、7事業体に対し合計約4億4000万円を支援する。

木材加工流通施設の整備は、構造材・羽柄材等を生産するための丸鋸盤・帯鋸盤・チッパーなど木材製材施設一式、グラップルの導入を支援する。実施主体は2者。

木質バイオマス利用促進施設の整備は、移動式チッパー3台、グラップル、木質資源利用ボイラー一式を支援する。実施主体は4者。

木造公共建築物等の整備では、認定こども園一式の整備を支援する。

 

需要に一服感、カラマツは不足

7月14日号

道が林業・木材産業連絡会議

道水産林務部は、北海道林業・木材産業に関する連絡会議を7月11日、オンライン併用で開催し、道産材を巡る情勢変化について意見交換を行った。全国各地の合板工場の原木在庫が増え、輸入製材の入荷も増加している中、道産カラマツ、トドマツの需要はどうなるか注目が集まった。

道の野村博明林務局長が挨拶。林業木材課が製材工場の原木在荷量はトドマツが例年並み、カラマツは低水準となっているなど統計調査を報告し、出席者が意見を交換した。

 

森林整備予算確保へ要請強化、森林組合振興会

7月14日号

皆伐進み伐採跡地増加を懸念

6月30日に全道14地区の森林組合振興会長らが一堂に会して開かれた森林組合振興会連絡協議会(紋別市)では、主伐が増加する一方で、跡地造林など適切な森林整備の実施を懸念する意見が出された。

造林未済地の増加を防ぐため、特に公共森林整備予算の安定確保、豊かな森づくり推進事業費の増額を強く要望していくこととした。

 

労働力不足、どう確保−イエツネ林業に聞く

7月14日号

有給・社宅・環境整え6人雇用

労働力不足、どう確保−イエツネ林業に聞く

国産材需要が急増し、伐採と再造林の重要性が高まる一方で、林業労働力の確保が課題となっている。従業員の若返りと労働環境の整備について、足寄町で素材生産請負・造林事業を行っている株式会社イエツネ林業の家常尚詞代表取締役に、現状と取り組み状況を聞いた。

 

中頓別町、協同組織で働き手確保

7月7日号

薪製造、森林組合、カフェに派遣

中頓別町、協同組織で働き手確保

宗谷地方南部、深い森と清流に囲まれた中頓別町で、地域産業の働き手を確保しようと、印刷業・建設業・森林組合・飲食業・福祉業などの町内事業者が人材活用の協同組織を設立した。令和4年4月から2人を新規雇用し、働き手を必要とする事業場に派遣する新たな就業制度に取り組んでいる。

過疎に悩む中頓別町は、戦後約7500人だった人口が令和3年には約1700人と減少した。この先の令和22年には約800人になると予測されている。

酪農や林業など主要産業の持続には、人手の確保が最重要である。町内の事業者は広く求人を出して募集するが、町内は人口減少のため、また町外は移住を伴う就業が敬遠されて応募が極端に少なく、その結果、採用にはなかなか至らない。

そこで、印刷業、建設業、森林組合、薪製造業、飲食業、福祉施設、酪農業など13事業者で「中頓別町特定地域づくり事業協同組合」を令和3年11月に設立した。

特定地域づくり事業の制度は、地域の仕事を組み合わせて年間を通じた仕事とし、協同組合が正規雇用した職員を、事業者のニーズ(主に繁忙期)に応じて派遣するものである。中頓別町の場合は、一定水準の給与や資格取得補助などの福利厚生を備えることで組合職員の雇用環境を整備した。

2〜3人の職員採用を目指し募集したところ、約20人の応募があり、選考の結果2人を採用した。30代〜50代の男性で、道内および本州から移住を伴う就業である。

令和4年度は7事業者から派遣依頼があり、これまでに建設業の施工管理補助、カフェの接客、薪製造、牛乳製造や福祉施設などの派遣先で働いている。今後は、林業関係の中頓別・浜頓別町森林組合、印刷会社への派遣が予定されている。

 

サトウが大径材再割工場

7月7日号

受入れ径級広げ原木不足に対応

株式会社サトウ(松永秀司代表取締役社長)は、帯広市の本社工場に、新たな生産施設を整備する。国産材需要が高まる一方で、原木不足に対応するため、大径材再割工場を建設し、受け入れる原料の幅を拡大する。

カラマツ製材業界は、ここ数年原木不足に悩まされている。今回のウッドショックで道産材への期待が高まったが、合板向け需要も増えるなど競合はさらに激しくなった。このためサトウは、径級の大きな原木も加工できるよう生産体制を整える。

松永秀司社長は「原料不足が慢性的になる中、大径化が進む森林の状況を見通し、より太い原木を挽けるようにすることで原料の入荷総量を増やしたい。現在は径級34センチメートルまで使用しているが、40センチメートルまで使えるよう新設備を導入する」と話している。

新たに整備するのは、大径材再割工場(建物含む)・乾燥機・モルダーなど。建設場所は、本社敷地内の中央部分、既存工場の向かい側に新設する。既存工場の本機(クォードバンドソー)で、大径の原木から再割用の角材を採る。これを新設する工場に投入して、各種製品に加工する。

生産品目は、梱包材、パレット材を増やすほか、ラミナ、根太、間柱など建築材も増やしていく。このうちラミナは、非住宅建築のカラマツ集成材向け、また、トドマツCLT向けなど生産する予定である。

これにより帯広市の本社工場(足寄町の小径木工場は除く)の原木消費量は、現状の約8万4000立方メートルから将来は約10万8000立方メートルへと増加をめざす。

 

足寄町有林のカラマツ立木1万3千円

7月7日号

ウッドショックで立木高騰

約9000ヘクタールの広大な町有林を持つ十勝管内足寄町は、町有林カラマツ立木の入札を今年度2回実施した。ウッドショック、ロシア・ウクライナ情勢の影響で木材が逼迫する中、かなりの高値で落札された。

足寄町有林のうち、人工林の主要樹種カラマツは60年生を超える林分も出てくるなど、次々と主伐期に達している。これらの立木処分は指名競争入札で実施している。

販売量も多く、令和2年度は20〜30ヘクタールを販売。さらに令和3年度は約60ヘクタールを実施し、この年は約1億円の販売実績をあげた。

令和4年度も前年並みの販売量をめざしているが、毎木調査が膨大となり追い付いていかない。この春からカラマツ原木の不足感が特に強いことを踏まえ、調査が終わった2物件を先行して販売した。

[1号] 5月18日入札。足寄町里見が丘、カラマツ8.45ヘクタール(59年生、67年生)1581本、約1174立方メートル。搬出期限は令和6年3月末。立方メートル当たり単価約1万3100円(税抜き)で落札。
 [2号] 6月23日入札。足寄町愛冠、カラマツ8.22ヘクタール(52〜74年生)1394本、約1473立方メートル。搬出期限は令和7年3月末。立方メートル当たり単価約1万3500円(税抜き)で落札。

2物件ともSGEC森林認証林である。

足寄町経済課林業振興室は、「木材不足の状況になっており、供給するのは川上の使命だと考えている。入札の結果、落札単価は過去にないほど高いものとなった。令和2年度は6000円程度で落札、令和3年は7500〜1万円程度だったので、今年は別格となっている」と話している。

 

道産材供給増へ2億5千万円、道補正予算

6月23日号

原木生産の燃油高騰分を補助

道は道議会第2回定例会に緊急経済対策に関する補正予算案を提出、6月14日に可決された。

林業・木材関係では、原木生産や種苗生産の燃料・資材高騰対策として、「道産木材供給拡大緊急対策」約2億5372万円を計上した。

道産木材供給拡大緊急対策では、原木生産事業者の掛かり増し経費、種苗生産事業者の掛かり増し経費を補助する。

さらに建築材が不足している現状を踏まえ、製材事業者を対象に、建築材を増産した場合の掛かり増し経費を支援する。

 

通信性能大幅に向上、ブレイクスルーの林内情報システム

6月23日号

トランシーバーで送信、端末に表示

通信性能大幅に向上、ブレイクスルーの林内情報システム

札幌市の(株)BREAKTHROUGH(ブレイクスルー)は、林業作業員が携帯できる現場情報システム製品の改良に取り組み、森林の中での通信性能を大幅に向上させた。音響・無線機器メーカーのJVCケンウッドと協業して開発を進めている。

(株)ブレイクスルーは、森林で行われる伐倒・集材・巻立てなどの安全管理と効率化に貢献する情報システムを、商品名Soko−co Forest(ソココ・フォレスト)として販売している。森林の中で作業員が互いに位置情報を把握し、意思疎通もでき、接近した場合には警告表示が出る機器である。

これまで使用していた省電力通信機、中継機などの替わりに、小型トランシーバー(JVCケンウッド製)を導入して無線データ通信を行う方式を開発した。送信電力が5Wの大きい機器であることから、実証試験では鬱閉した森林の中でも、最低約3キロメートルの距離で通信ができた。林道上ではさらに通信距離が伸び5キロメートル近くの通信が可能だった。

これにより、新たなシステムでは▽スマートフォン▽小型トランシーバーを携帯するだけで情報通信ができるようになる予定。チェーンソーマンの位置把握、重機に積んでフォワーダの走行位置把握、グラップルと作業員の近接作業防止、かかり木発生・スズメバチの巣など危険個所の情報共有など作業管理に使用できる。トランシーバーを用いているので音声の通信もできる。

ブレイクスルーの北原健太郎代表取締役は、「トランシーバー型通信機の電波はビルの壁も通すほどで、通信の信頼性は抜群に向上した。実際に森林内での通信試験を重ねており、発売は秋頃を予定している」と話している。

 

道森連、木材販売107億円 過去最高

6月16日号

梱包材・ラミナ好調、原木不足続く

北海道森林組合連合会は通常総会を6月9日札幌市で開催した。令和3年度決算では、総取扱高である事業総収益は123億2600万円を達成し、経常利益約6000万円を計上した。道産材需要の高まりを反映して前年度を大幅に上回る実績を上げた。

道森連の主要事業は、指導、販売、森林整備などの事業部門からなる。このうち連合会収益の基幹をなす販売部門の総取扱量は約97万4000立方メートル(前年比11%増)、取扱金額は約107億4000万円(同22%増)と過去最高の実績となった。

道森連の品目別取扱量では、〈パルプ材〉が約19万3000立方メートル、前年度実績と比べて5%減少した。用材需要が旺盛で、皆伐事業による一般材の確保が優先された結果、パルプ材の出材は前年を下回った。

また、〈チップ〉は約33万1000立方メートル、前年度に比べ9%増加した。必要に応じて製紙用チップとバイオマス用チップの振り替えが行われるなど、安定的に販売できた。

パルプ材、チップの取扱量のうち、木質バイオマス燃料向けは合計約18万3000立方メートルに達し、大幅に増加した前年をさらに23%上回った。

また、〈素材〉の取扱量は約38万5000立方メートルで19%増となった。道内外で原木需要が旺盛となる中、前年実績は大きく上回ったが、流通材は少なく、例年以上に増量するのは難しい。原木価格は上昇している。

〈製材品〉は約6万5000立方メートルで36%の大幅増となった。年間を通じて旺盛な需要があったが、原木不足が続いたことから、製材品の値上げ要請に取り組みつつ、原木確保を進め製品の安定供給に努めた。

この結果、取扱量は合計97万立方メートル台となり、コロナ前の水準に戻った。取扱金額は107億円台に大幅に伸びた。

 

スマート林業導入支援

6月16日号

自走式下刈機、ドローンなど24台

ICT等の導入を道が支援する「スマート林業導入支援事業」の第1弾支援事業が決まった。自走式下刈り機械、森林調査ドローンなど24台が道内の事業体に導入される。

林業の生産性や安全性の向上を図るため、ICTを活用したスマート林業技術の導入、そのオペレーター育成を支援する。国の令和3年度補正予算を活用した事業。機器導入の補助率は2分の1、補助上限は1000万円で、うち森林経営計画を策定している事業体や木材安定供給協定を締結しているなどの事業体については、補助率3分の2、補助上限1500万円となる。

道が第1弾の要望事業を林野庁に申請し、道内18事業体が行う24件の導入事業の採択が決まった。事業費は合計1億5180万円、補助額は合計8120万円となっている。

支援される導入事業の概要は次のとおり。
 自走式下刈り機械 7件
 ドローン 5件
 丸太検収ソフト 3件
 林内測量GPS 3件
 重機アタッチメント(クラッシャー等) 2件
 地上レーザー測量 1件
 種苗生産ハウス温度管理システム 1件
 種苗生産散水システム(ミスト) 1件
 その他(電子輪尺) 1件

また、技術導入に際してオペレーター育成が4件支援される。

 

原木需要旺盛、森林組合の役割は

6月9日号

遠軽地区森林組合の平井勝美組合長に聞く

ウッドショックで木材需給が激変し道産材に熱い視線が注がれる一方、森林吸収源対策としても、北海道の森林の価値は高まっている。オホーツク管内大雪山寄りの林業地帯で森林を守り育て、全道森林組合有数の森林整備事業量を持つ遠軽地区森林組合(組合員約1100人、加入面積約2万9000ヘクタール)を訪れ、平井勝美組合長に現状を聞いた。

 

苫小牧広域森林組合が新製材工場建設

6月9日号

大径材に対応、省力効率化ライン

苫小牧広域森林組合が新製材工場建設

苫小牧広域森林組合の新製材工場が完成し、竣工式が5月30日、むかわ町穂別の森林組合加工センターで執り行われた。森林管理局、道、町など約40人が列席し、地域森林資源の価値を高める製材工場の完成を祝った。

竣工を祝う神事のあと、小坂利政組合長が挨拶し、関係者の協力に感謝した。

稼働を続けてきた製材工場は30年以上が経過し修理費が嵩んでいることから、この隣に省力・効率化型の最新工場を建設した。地域の森林資源が成長しており、大径材も受け入れられる設備とした。これまでのカラマツ原木に加えトドマツ原木も有効活用する。

事業費は約11億2600万円で、林野庁補助に加え、むかわ町、厚真町、安平町の補助を受けた。建物の延べ面積は約1763平方メートル。原木消費量は年間3万立方メートル以上と旧工場より拡大する。製品は、梱包材、パレット材、集成材ラミナ原板、建築材などを計画している。

 

木材危機、道産材の需要増

6月2日号

道木連が総会

北海道木材産業協同組合連合会は第72回通常総会を5月26日、札幌ガーデンパレスで開催し、令和4年度事業を決定した。

挨拶した松原正和会長は、木材需給バランスが崩れ道産材需要が高まって状況に触れ、付加価値の高い製品の供給に取り組み、木材の循環利用サイクルを守るべきだとした。

道木連の令和4年度の主な事業では、新型コロナウイルス・ウッドショックへの対応として、林野庁・道主催の連絡会議への参画に加え、非住宅建築への道産木材利用への助成事業を行う(道助成事業)。さらに、プレカット工場と製材工場のマッチングによる建築材供給体制を整える。昨年度は、3組の供給体制の協定締結にこぎつけた。今年度は、これら事業者の選木・木取り・乾燥技術の向上を図る。

原木の確保や製品の流通、木質バイオマス燃料の影響等について「エゾマツ・トドマツ対策委員会」「木材チップ・山棒対策委員会」を開催する。

また、国有林材の受託販売事業を地方木協等(札幌、旭川、道南)と連携の下、引き続き円滑に実施する。昨年度は合計で約21万7000立方メートルの素材を販売した。

木材利用の拡大に向けては、高層建築物、公共施設、新幹線駅舎等の大型建築物の木造木質化、道外・海外への「HOKKAIDO WOOD」普及活動、JAS構造材利用拡大事業などに取り組む。

 

北海道植樹祭

6月2日号

苫小牧市で500人参加

北海道植樹祭

北海道植樹祭が苫東・和みの森(苫小牧市静川)で5月28日開催された。

地元の苫小牧市民を始め全道各地から約500人が参加し、アカエゾマツなど苗木380本を植えた。主催は道、道森林管理局、苫小牧市、北海道森と緑の会。

 

森林整備の低コスト、省力化が必要

5月26日号

道森林整備課の渡邉訓男課長に聞く

伐採後の着実な再造林、二酸化炭素吸収量の確保など森林整備の果たす役割は重要になっている。森林面積が大きい北海道の民有林で、どのような方針で森林整備を進めていくのか。道森林整備課の渡邉訓男課長にインタビューした。

 

造林事業標準単価、普通苗植付やや下がる

5月26日号

ほとんどの作業は5%上昇

道森林整備課は、令和4年度造林事業標準単価を5月13日に改定し公表した。

標準単価の改定要因のうち、労務費については国の公共工事労務単価が普通作業員、特殊作業員、運転手(特殊)で約4〜7%上がった。また、経費として算入される共通仮設費が見直されあがった。

令和4年度の標準単価は、これらを反映して、ほとんどの作業種で5%前後の上昇となっている。

一方、工程調査の結果を踏まえ、植え付け、苗木運搬ではやや変動があった。「普通(裸)苗植え付け」で約2〜21%下がった。「コンテナ苗植え付け」では約42%上がった。「苗木運搬」(苗木荷卸地または仮植地から造林地までの運搬)では約21〜28%下がる結果となった。

 

カラマツ製材再値上げへ、梱包材メーカー

5月19日号

国産材需要高まり原木急騰

北海道のカラマツ製材工場は、原木を確保し製品供給を継続するため、梱包材・パレット材の値上げに動いている。

昨年からウッドショックの影響が道内に及び、カラマツやトドマツ原木の集荷に競合が起きていた。原木在庫は増えず価格は上昇し、製材工場は土場にある原木を見ながらの生産が続いていた。

このため、昨年末から立方メートルあたり4000円前後の値上げを要請し、春までに実現できたが、そこに、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた。ロシア単板の輸入が停止したことで、代替材料として北海道産カラマツが注目され価格は急騰。また、輸入ラミナの不足感から東北向けカラマツラミナの価格も高騰している。

相場が上昇する原木を買い進めるため、カラマツ製材工場は製品の再値上げに迫られており、関東などのユーザーに状況を説明している。

必要な上げ幅はメーカーによって差はあるが、この値上げにより、ある製材工場は関東着の梱包材が立方メートルあたり5万2000〜5万3000円になるとしている。

 

原木の道外移出助長を懸念、道木連

5月19日号

国産材転換支援の運賃助成

ロシアからの木材輸入禁止の影響が北海道にも及んでいる。製材用、合板用原木の価格が上昇し、特に合板用の移出原木の集荷意欲が急速に高まっている。こうした中、国の緊急対策「国産材転換支援緊急対策事業」が閣議決定された。

国産材転換支援緊急対策事業は、遠方から輸送された国産原木の運搬経費や一時保管経費が助成される。おおむね100km以上からトラック輸送・船輸送された原木が助成対象となると見られるが、これについて、道内の製材業界からは原木の道外移出が一層加速するのではないかと心配の声が聞かれる。

道木連の内田敏博副会長は、「原木は今でもかなり本州に移出されている。今後、国産材転換支援緊急対策により、これがさらに助長されることを懸念している。支援事業の制度設計にあたっては、ぜひ北海道の木材産業にもメリットがある形をお願いしたい。要請する機会があれば林野庁にも話していきたい」としている。

 

池田町が林野庁長官賞

5月19日号

住民参加の森林整備で脱炭素社会

池田町が林野庁長官賞

林野庁は、今年新たに創設した「森林×脱炭素チャレンジ2022」の受賞者をこのほど決めた。北海道からは十勝管内池田町が、優秀賞の林野庁長官賞を受賞した。

森林×脱炭素チャレンジは、民間企業・団体等が支援をして行った森林整備について募集し、CO2吸収量と取組内容を総合的に判断して優れた取り組みを表彰するもの。全国から応募のあった55件から、最高賞の農林水産大臣賞に1件、優秀賞の林野庁長官賞には9件選ばれている。

池田町は、町有林での地域住民による小規模林業が山村地域の振興に貢献するものとして評価され、林野庁長官賞を受賞した。

 

クリーンラーチ、大幅増産へ

5月12日号

道、団体、企業が協議会

道は、「クリーンラーチ増産対策協議会」を4月18日設立した。林業関係団体や苗木生産に取り組む大企業などが連携し、幼苗生産と山行苗生産の分業によるクリーンラーチ苗木の安定供給体制の構築をめざす。

クリーンラーチは、二酸化炭素吸収能力や成長に優れた樹種であり、ゼロカーボンの実現に向けて期待が高まっている。しかし、種子が不足し、現在は挿し木により苗木が生産されているが、年間の生産量は需要に満たない。大幅な増産体制の構築に向けて、クリーンラーチ増産対策協議会を設立した。

協議会の構成員は、道森林整備課、道苗組、道森連、道総研林業試験場、日本製紙木材北海道支店旭川営業所、住友林業紋別山林事業所。林業関係者や試験研究機関に加え、挿し木による苗木生産に取り組む民間企業の技術・知見も取り入れて増産をめざす。

 

国産材急騰、原木確保を

5月12日号

カラマツ製材業協議会が総会

北海道カラマツ製材業協議会(松永秀司会長)は、第23回通常総会を4月22日、北海道林業会館で開催した。会員企業など24人が出席し、カラマツ製剤の安定供給と原木確保に努める事業計画を決定した。

開会にあたり松永会長は、「ウッドショックで木材は足りないと言われ、価格も上がった。梱包材、パレット材を扱うカラマツ業界は非常に忙しい思いをしていたが、他の樹種、建築材を扱う業界と比較すると価格の上昇は緩やかだった。しかし、ロシアがウクライナに侵攻したことにより、一段ステージが変わってしまった。過去を遡るとオイルショック時に一時的に記録した木材の価格になってしまった」と述べ、国産材が急騰している状況が指摘した。

 

カラマツ価格、未知の領域

4月28日号

梱包材の原木確保、合板と競合

カラマツ価格、未知の領域

北海道カラマツ製材業協議会は4月22日、情報交換会を札幌市の林業会館会議室で開いた。

世界的な木材需給変動の影響を受け、カラマツ原木集荷の競合が予想以上に進みつつあり、原料コストが大幅に上昇する見込みである。梱包材・パレット材の供給対応について意見を交わした。

松永秀司会長は、木材不足の状況に触れ「ウッドショックが緩やかに収束に向かうと考えられたが、ロシアのウクライナ侵攻により状況が変わってしまった。木材価格は下がらず、先々の木材の入荷も従来のようにいかないだろう。国産材については、合板原木のさらなる値上げ、集成材工場のラミナ買い入れ価格の値上げが起きており、過去のオイルショック時に記録した木材の価格になってしまった。我々にとって未体験ゾーンに突入した」と述べた。

 

十勝広域森林組合、池田に新製材工場

4月28日号

十勝広域森林組合(本所芽室町、広瀬重雄組合長)は、池田町利別南町に新たな製材工場を建設する。

池田町に所在する製材工場の隣接地にカラマツ、トドマツを大径材を含め年間2万7500立方メートル消費する工場を整備し、ラミナの生産を拡大する。8月着工、来年2月完成を予定している。

 

素材販売81万立方メートル、立木98万立方メートル

4月21日号

道森林管理局の4年度事業

北海道森林管理局(猪島康浩局長)は4月11日、北海道国有林の令和4年度重点取組事項を記者発表した。

天然力を生かした多様な森林づくり、「新しい林業」の展開、木材の安定供給などに取り組む。令和4年度事業では、素材販売81万立方メートル、立木販売98万立方メートルを計画している。

 

林業経営、コロナとの闘い

4月14日号

千歳林業・栃木幸弘氏講演

北海道造林協会は3月18日、講演会をホテルポールスター札幌で開催した。特別講演では、道内に大規模に社有林を有し、年間9万立方メートルの素材生産を行う千歳林業株式会社(後志管内倶知安町)代表取締役の栃木幸弘氏が「千歳林業の林業経営・新型コロナウイルスとの闘い」と題して講演した。

 

胆振東部森林再生へ実施計画

4月14日号

被害復旧、5年で集中実施

道は胆振東部森林再生・林業復興連絡会議を3月29日に開き、森林再生を着実に推進するため「胆振東部地震森林再生実施計画」を協議した。具体的な森林復旧の手法や路網整備の箇所などを明らかにし、森林造成事業を本格化させる。

北海道胆振東部地震が平成30年9月に発生し、厚真、安平、むかわ町などの森林が広範囲にわたり大規模に崩落した。3町で崩壊地は約4300haにのぼり、さらに落ちた土砂・樹木の堆積地が約600haある。また現地では、航空写真等から判読できなかった崩壊地も確認されている。

土壌や傾斜に応じた森林の復旧手法については、道と道総研林業試験場が実証試験を行っており、これを踏まえ令和3年3月に道は被災森林復旧指針を策定した。今回は、この指針に基づき、被害木整理、植林、緑化、自然回復などの具体的な実施計画を策定した。

復旧の優先順位は、手前の崩壊地から順次、堆積地の被害木整理・整地など進め、被害木は有効活用する。整理が終わった堆積地は、土壌条件が良いことから速やかに植林を行う。隣接する崩壊斜面についても、傾斜が25度以下の斜面は植林による復旧を基本として進めていく。

一方、急斜面については自然回復を基本とし、種子供給源となる周辺の母樹の保残に努める。また土砂流出のおそれが高い箇所は、治山事業による緑化など実施する。

 

道産カラマツ積極集荷

4月7日号

道森林管理局は第4回国有林材供給調整検討委員会を3月14日にウェブ開催した。

委員からは、カラマツラミナ価格の大幅上昇、ロシア産単板の調達難に伴う道産カラマツ原木の積極集荷、道内製材工場の原木在庫不足など報告された。

 

ロシア単板供給停止

4月7日号

宮城県の合板原料に影響

ロシアが「非友好国」に対し一部林産物の輸出禁止を発表したことから、ロシア産カラマツ単板の輸入が停止する。宮城県石巻市の合板メーカーは、このカラマツ単板を原料に針葉樹型枠合板を製造しているため、代替となる針葉樹原料を探している。

双日株式会社と西北プライウッド株式会社が共同出資して、針葉樹型枠合板を石巻市で製造している。表面を塗装加工し平滑性を持たせた型枠用製品で、原料にはロシア産カラマツ単板と国産カラマツ単板を使用し、商品名ドルフィンコートとして販売している。

双日建材合板事業室は、この製品の原料や供給に懸念が出ていることから、3月29日に顧客に向けて製品の状況を説明した。

 

木のぬくもりで包む空間

4月7日号

道庁ロビー木質化

木のぬくもりで包む空間

道は、木質改装が完了した道庁舎1階ロビーを3月25日報道公開した。

道産木材を活用した都市部の木質化に道が率先して取り組み、市町村や民間施設への波及を図るもの。

ロビーには、北海道の豊富な森林資源を広く道民に知ってもらおうと、トドマツ、カラマツ、スギ、ヤチダモ、ミズナラ、シナなど11樹種の道産材を多彩に使用して、木漏れ日をモチーフにしたカウンター、樹木をかたどったベンチなど設置した。

 

森づくり学院、初の卒業式

3月24日号

林業の技能磨き31人巣立つ

森づくり学院、初の卒業式

道立北の森づくり専門学院の初となる卒業式が3月14日、旭川市の学院内で行われた。森林で働く夢を抱き林業学校で学んだ1期生31人がすべての教育課程を終え、道内各地の林業現場へと巣立った。

北の森づくり専門学院が令和2年4月に開校した。道内外から高校卒業生、社会人など様々な経歴の人が入学し、1年目は車両系建設機械など各種資格取得、チェーンソー伐木造材、森林調査、造林保育など幅広く学んだ。

2年目は森林経営計画の作成、高性能林業機械の実習、作業道作設などのほか、地域事業体と雇用契約を結んで2回の長期就業実践研修を行った。林業先進国フィンランドの林業教育の手法も取り入れながら実践を重ねた。

晴れて卒業を迎えたこの日、道内林業を担う31人が登校し、式に臨んだ。感染症対策により卒業生の青砥愉高さんが代表して、寺田宏学院長から卒業証書を受け取った。

 

国有林材システム販売35万立方メートル

3月24日号

原木安定供給へ大ロット物件

道森林管理局は、令和4年度国有林材の安定供給システム販売(製品販売)の第1回公募を開始した。107物件35万700立方メートル販売する。

ウッドショックの波が押し寄せる中、製材工場への原木の安定供給に向けて地区をまたいだ大ロット物件を新設し、加工・流通の合理化に貢献する。

 

素材生産80万立方メートル、10%増見通し

3月17日号

4年度国有林事業説明会

北海道森林管理局は、令和4年度造林・製品生産・立木販売事業の説明会を3月9日、オンライン開催し、国有林事業を請け負う造林・造材会社など出席者に説明した。

原木不足が続く中、素材生産事業は10%増の約80万立方メートルを計画し、素材のシステム販売では、新たに1万立方メートル以上の大ロット物件を設定して安定供給を図る。

 

カラマツに値上げ提示

3月17日号

ラミナや合板の原料確保

ウッドショックに加えロシアショックが木材需給に逼迫感を与えている。北海道では、不足感が強いカラマツ原木にさらに高い値段が提示されている。

輸入材が高騰し国産材に期待が集まる中、道内では特にカラマツ梱包材、カラマツラミナ、カラマツ合板材に競合が起きており、原木や製品確保に向けて、値上げがそれぞれ進行している。

 

道有林伐採56万7千立方メートル

3月17日号

原木を安定供給、侵入広葉樹も育成

道水産林務部は、令和4年度道有林野事業費に約29億円を計上した。人工林での主伐・再造林を積極的に進めるなど「多様で先導的な森林づくり」に取り組み、立木伐採量56万7000立方メートルを計画している。

道有林では、これまで伐採の主体となってきた30〜60年生の資源の減少が見込まれることから、人工林の積極的な主伐・再造林を進めるほか、侵入した広葉樹も育成し、有効利用につなげる。

令和4年度の立木伐採は56万7000立方メートルを計画し、コロナ禍前の元年度(56万3000立方メートル)より4000立方メートル増加する。

 

盛土地拵で造林コスト縮減

3月10日号

無下刈りでも良好な成長

道森林管理局主催の「北の国・森林づくり技術交流発表会」(2月16日)では、檜山森林管理署が「盛土地拵えによる造林コスト縮減に向けた取組(第2報)」と題して、造林の低コスト化、下刈りゼロをめざした取り組みを報告した。

 

秋田県に原木9万トン

3月10日号

鳥取、宮城、福井県、京都府にも移出

このほど公表された「北海道港湾統計年報」によると、令和2年に道内9港から移出・輸出された原木の量は、合計約36万7000トンとなった。移出先の県別内訳(多い順)は次のとおり。

▼秋田県に約9万2000トン(秋田港、船川港)

▼鳥取県に約7万6000トン(境港、鳥取港)

▼宮城県に約5万1000トン(石巻港含む仙台塩釜港、諸港)

▼福井県に約3万1000トン(内浦港、敦賀港)

▼京都府に約2万9000トン(舞鶴港)

▼徳島県に約9000トン(徳島小松島港)

▼福岡県に約7000トン(三池港)

▼石川県に約5000トン(七尾港)

▼熊本県に約3000トン(八代港、熊本港)

▼愛知県に約2000トン(名古屋港)

このほか岩手県、山口県、宮崎県、山形県などに移出されている。

 

道内港から原木36万7千トン

3月3日号

令和2年は移出減少、輸出はやや増加

道総合政策部は、道内各港での貨物取扱を集計した「北海道港湾統計年報」の令和2年版を公表した。木材の取扱量では、原木の移出と輸出の合計は約36万7000トンとなり、前年を約3万6000トン下回ったが高水準が続いている。

令和2年の調査では、北海道からの原木の移出・輸出量は、新型コロナウイルス拡大による木材の国内需要停滞で3万6000トン減少し、36万7000トンとなった。

このうち、移出は減って31万3000トン(4万3000トン減少)。海外輸出は増えて5万5000トン(7000トン増加)となった。

港別の取扱量では、苫小牧港が最も多く約11万1000トンとなった。次いで函館港、十勝港、留萌港などから瀬棚港まで積出港は合計9港となっている。

 

スマート林業導入に補助

3月3日号

ドローン、下刈機、枝打機

道水産林務部は、令和4年度の新規事業「スマート林業導入支援事業」を創設した。予算額は8900万円。林業事業体等によるドローンなどICT機器、自走下刈り機械の導入を支援する。

労働力減少や木材供給の増量への対応を見据え、生産性や安全性の向上を図るため、スマート林業機器の導入、オペレーターの育成に支援する。森林組合、造林・造材会社、森林所有者などに広く機器の普及を図る。

 

公共造林136億円101%、道予算案

2月24日号

道は令和4年度道予算案を2月18日発表した。林務関係では、当初予算と2年度補正予算を合わせた15カ月予算で、公共の森林整備(造林・林道)事業は約164億円、治山事業は約123億円を計上し、ともに前年をやや上回る規模となっている。

非公共事業では、高性能機械、木材加工施設整備など支援する合板・製材・集成材生産性向上等対策に20億円を計上した。

 

北の国・森林づくり技術交流会

2月24日号

口頭発表19、特別発表4題

北の国・森林づくり技術交流会

道森林管理局は、「北の国・森林づくり技術交流発表会」を2月15日、16日にYouTube配信で開催した。森林管理署職員、農業高校生、大学、道、民間事業者などが19題の口頭発表、4題の特別発表を行い、技術向上を図った。

口頭発表では、下刈省略に向け造林地に「盛土地拵」を実施した事例、ドローン写真から求めた樹冠面積を用いて森林蓄積を推定した取り組み、トドマツコンテナ苗の育苗期間の大幅な短縮、くくりわなによるエゾシカ捕獲などの事例が発表された。試験研究機関による4題の特別発表も行われた。

また特別講演では「木造建築における構造デザインの可能性」と題し、当麻町役場新庁舎や北海道医学部百年記念館を設計した山脇克彦建築構造設計代表取締役の山脇克彦氏が、道産木材を活用した地域に愛される建築の可能性を示した。

 

コンテナ苗、育苗期間短縮へ植栽試験

2月17日号

カラマツ1年、トドマツ3年で得苗

育苗期間を短縮したコンテナ苗木の植栽試験が令和4年度に本格スタートする。カラマツ、トドマツコンテナ苗の供給力強化に向けて期間を短縮するもので、北海道型コンテナ苗協議会(座長・本橋伸夫道森林整備課長)が1月31日付で書面開催され、対応方向が示された。

コンテナ苗は平成30年度に民有林の造林補助事業の補助対象となり、今後は安定供給に向けた取り組みが課題となる。これを踏まえ、カラマツ、トドマツコンテナ苗の育苗期間の短縮をすすめる。期間短縮により、コンテナ苗生産者は生産コスト・労務の削減、気象害リスクの低減が期待できる。需要者からも、苗木の低コスト化、苗木不足の解消が期待されている。

協議会では、道総研林業試験場から育苗技術について研究成果が報告された。

 

北海道ウッドビルディング登録

2月17日号

イトイグループ社屋、美深町仁宇布小中学校

北海道ウッドビルディング登録

道が、道産木製品の認知度向上を図るために令和3年10月から登録を開始した「HOKKAIDO WOOD BUILDING」に、12月20日付けで、上川管内から株式会社イトイグループホールディングスCLT社屋(士別市)と美深町立仁宇布小中学校(美深町)を登録した。

2月8日、上川総合振興局で佐藤昌彦上川総合振興局長が、株式会社イトイグループホールディングスの菅原大介代表取締役と美深町教育委員会の草野孝治教育長に木製の登録証を手渡し、道産木材のPRに向けて協力を求めた。

登録第2号となったイトイグループホールディングスCLT社屋は、道産トドマツCLTの断面を随所に表し、CLTパネルを重ね合わせにより執務室は無柱空間を実現している。同社グループは、士別市朝日町で土木・住宅事業、介護事業など展開している。

また、登録第3号となった美深町立仁宇布小中学校は、町内の森林認証材を使用し、大規模木造建築物で国内初のSGECプロジェクト全体認証を取得。2つの建築物ともに木の質感と温かみを感じられる空間が創出されている。

 

低コスト造林に査定係数180

2月10日号

市町村が再造林必須区域を設定

林野庁は、森林整備事業(公共)の制度見直しを行う。再造林面積の確保に向け、省力化・低コスト化造林を行う場合には、査定係数180を適用する。これにより実質補助率は72%の高率となる。また、搬出間伐について、現行5ha以上としている面積要件を廃止する。

令和4年度の森林整備事業では、カーボンニュートラルの実現、森林吸収量確保に向けて、再造林、間伐の促進を強化する。地域に設定される「再造林を必須とする区域」において、省力・低コスト造林を進める場合に、査定係数をアップする。

この再造林を必須とする区域とは、昨年4月に施行された改正間伐特措法により、都道府県知事が「特定植栽促進区域」を指定し、この区域内で林業事業体等が作成する「特定植栽事業計画」を知事が認定する制度が開始される。この区域が対象となる。

さらにもう1つには、国の森林計画制度の運用が昨年見直され、市町村が市町村森林整備計画のゾーニングに際して「特に効率的な施業が可能な森林」を設定できるようになった。この森林区分では、皆伐後は植栽することが原則となる。この森林も、再造林を必須とする区域の対象となる。

どちらの区域も、林地の生産力が高い、傾斜条件が良い、林道からの距離が近いなど再造林・林業生産に適した場所が想定されている。

これら区域で進める省力・低コスト施業とは、ha当たり2000本以下の植栽、その後の3回までの下刈りと定めた。現状の査定係数は170だが(実質補助率68%)、これらを行う場合に査定係数180を適用する(実質補助率72%)。

 

森林吸収源対策推進計画、道が素案

2月10日号

850万トンへ増加めざす

道水産林務部は、令和4年度からスタートする新たな「北海道森林吸収源対策推進計画」の素案をこのほど作成した。ゼロカーボン北海道への貢献と国の森林吸収源対策の先導をめざし、2030年度に道内の森林吸収量を850万二酸化炭素トンに増加させる計画とした。

新計画では、▽積極的な森林の若返り(植林面積約1万haから2030年に約1万3000haに拡大)▽森林吸収量の算定対象森林の増加(市町村などと連携して手入れが行われていない森林の整備)▽伐採木材製品HWPの考え方による炭素固定効果の森林吸収量への計上など様々な取り組みを進め、森林吸収量の増加をめざす。

森林吸収量の目標値については、現状(2019年度)の840万二酸化炭素トンが、このままでは人工林の成長量鈍化とともに2030年度に480万二酸化炭素トンにまで低下すると見込まれている。これを様々な取り組みにより、850万二酸化炭素トンと大きく増加させる意欲的な目標を掲げた。

 

マカバ、立方メートル単価202万円

2月10日号

旭川銘木市で高値続出

マカバ、立方メートル単価202万円

旭川林産協同組合の銘木市が1月28日、旭川市の銘木会館で開催された。

冬山の広葉樹伐採の最盛期を迎え、道内各地から優良丸太が集まった。東京大学北海道演習林から出品されたマカバには立方メートルあたり202万円の超大台が付くなど高値が続出した。

 

原木安定供給へ里土場設置、道森林管理局

2月3日号

民有林と共同利用、全署で

原木安定供給へ里土場設置

道森林管理局は、民有林・国有林共同の中間土場を設置する取り組みを全道的に実施する。年間を通した原木の安定供給につなげる。

道森林管理局は、林道を保全するために、融雪時期となる4月、5月の山元土場からの運材について自粛要請を行っている。このため、製材工場、合板工場など需要者は冬山造材の原木を3月末までに工場土場に集積しておく必要があった。

年間を通じた原木の安定供給につなげようと、森林管理局は中間土場機能を有する「里土場」を活用することとした。国有林と市町村等が協定を締結して国有地や市町村有地に土場を設置し、国有林材と民有林材を集めて共同販売する。国の「民国連携木材供給加速化対策事業」を活用し、これまで積丹町、石狩市、芦別市、占冠村、下川町、陸別町、足寄町、滝上町の8市町村に設置されている。

里土場は、国道近くに設置することで輸送アクセスが良く除雪も迅速に済むことから、山元土場に比べて運材作業が道路状況や天候に左右されにくい。こうした利点を活かそうと、今年度から全署に拡大することとして土場の適地の検討を始めている。

 

原木が競合、供給追いつかない

1月27日号

国産材北海道地区需給連絡協議会

林野庁事業による「国産材の安定供給体制の構築に向けた北海道地区需給情報連絡協議会」(座長・柿澤宏昭北海道大学大学院教授)が1月18日、札幌市内でオンラインを併用して開催された。林野庁、道、団体、素材生産業者、木材加工業者など39人が出席し、道産建築材の供給力拡大に向けた課題を意見交換した。

構成員の事前の情勢報告や当日の発言では、輸入材の入荷減少・価格高騰の影響で国産材に注目が集まる中、道産材丸太はトドマツ、カラマツとも製材、集成材、合板、バイオマスの各用途で競合が起きて原木が不足していること、出材を増やすにも人手不足で生産能力に限界があり主伐を拡大できる状況にはないことなど報告された。

 

林業普及へ森林絵巻完成

1月27日号

旭川市と森林管理局が連携

林業普及へ森林絵巻完成

森林に囲まれ木材産業の歴史ある旭川市は、森林・林業・木材産業を市民へ普及するため、道森林管理局と連携してイラスト「旭川市森林絵巻」を完成させた。

イラスト作成は、森林管理局総務企画部企画課の平田美紗子事業企画係長が担当した。大雪山系を背景に、そこから流れ出る河川と流域に広がる旭川市、そこに立地する製材工場、家具工房、銘木市、旭川市21世紀の森、伐出や植林の営み、林産試験場、北の森づくり専門学院など描いている。

1月21日に完成報告会が旭川市役所で開かれた。

 

素材生産の景況、大幅改善

1月20日号

価格上昇、設備投資に前向き

日本政策金融公庫は、道内の素材生産業者を対象にした「林業動向調査」の結果をまとめ、12月27日に発表した。素材生産業の景況感やウッドショックの影響を調べている。これによると令和3年の景況感は大幅に改善し、特に素材の販売価格は上昇傾向を見せている。

調査は、日本政策金融公庫の農林水産事業本部・北海道地区総括課が、令和3年10月に素材生産業者を対象に実施し、127事業者から回答があった。調査結果は動向指数DIで表し、前年と比べ増加と回答した割合から、減少と回答した割合を差し引いた数値となっている。

令和3年の素材生産業の景況DI(見通し)はプラス6.4となった。新型コロナウイルスで経済停滞の影響があった令和2年はマイナス13.8なので、大幅に改善している。項目別では売上高、利益、資金繰りともにプラスを示し、景況感全体として改善した。

 

国有林所在市町村長と意見交換、道森林管理局

1月20日号

道産材に好機、価値向上を

国有林所在市町村長と意見交換、道森林管理局

道森林管理局は、国有林野等所在市町村長有志連絡協議会を12月22日、道局会議室で開催した。

道内各地の有志協議会から8市町村長が出席。道森林管理局、森林管理署、林野庁国有林野部(ウェブ出席)の幹部と意見交換を行った。

冒頭、道森林管理局の猪島康浩局長、林野庁の橘政行国有林野部長があいさつし、新たな森林・林業基本計画、私有林の森林経営管理制度、ウッドショックの影響などに触れ、民有林行政や地域振興を支援していく考えを示した。

 

林野庁予算、森林整備1700億円

1月13日号

グリーン成長総合対策に116億円

政府は令和4年度予算案を12月24日閣議決定した。

林野庁予算は、森林整備と治山の一般公共事業に1869億円を計上、令和3年度補正予算と合わせると2636億円(前年比93%)を確保した。

また非公共事業に1013億円を計上、令和3年度補正と合わせると1236億円(前年比97%)となった。森林吸収量の強化、林業・木材産業のグリーン成長を推進する。

 

北海道森林審議会に諮問、留萌、釧路根室森林計画

1月13日号

人工林が利用期、労働力に課題

北海道森林審議会が12月17日、札幌市の第二水産ビルで開催され、地域森林計画の樹立が審議された。令和4年度を始期とする「留萌地域森林計画」「釧路根室地域森林計画」の2計画が諮問され原案どおり承認された。

 

カラマツ製材大幅値上げへ

1月6日号

原木集荷で競合、価格上昇

ウッドショックの影響が北海道に及ぶ中、道産カラマツ、トドマツ原木の集荷に競合が起きている。道内カラマツ製材工場は、原料コストの急上昇に対応して、梱包材・パレット材製品の大幅値上げに動いている。

 

スマート林業普及へ

12月16日号

士別と様似で実演会、80人参加

スマート林業普及へ

道水産林務部は「ICTでスマート化する北の林業現地実演会」を士別市と様似町でこのほど開催した。苗木運搬ドローン、殺鼠剤散布ドローン、丸太の写真検知システムなど実演した。

現地実演会は、先進的なスマート林業を普及し効率化・省力化をめざす道事業で、道林業機械化協会が受託して実施した。士別市道有林(11月18日)、様似町ひだか南森林組合敷地内(11月22日)の2会場合わせて、林業事業体、森林組合、市町村、道、森林管理署など約80人が参加した。

2会場で紹介されたのは、▽苗木運搬ドローン▽精度の高いレーザ測量ドローン▽殺鼠剤散布ドローン▽丸太の写真検知システムなど。

また、士別会場では、下刈り機械・地拵え機械として、乗用タイプの下刈り機、ベースマシンのヘッドに付けるタイプの粉砕機に加え、ラジコンタイプの下刈り機械などが実演された。

 

胆振東部地震の倒木、震災伝える彫刻に

12月16日号

厚真、安平、むかわに寄贈

胆振東部地震の倒木、震災伝える彫刻に

胆振東部地震により発生した被災木を使って制作された彫刻作品が、被災地の厚真町、安平町、むかわ町に寄贈された。倒木を再び彫刻として立ち上げることで未来に願いを託したいという思いを込めて、彫刻家の北村哲朗さん(登別市在住)が制作した作品である。

被災木の活用に取り組んでいる胆振総合振興局と連携して「樹憶(きおく)プロジェクト」として昨年から取り組んできた。原料は、厚真町の復旧工事現場から出たナラ材で、作業を実施したイワクラが無償提供した。

作品の設置場所と作品名などは次のとおり。

▽厚真町福祉センター「風を集めて」高さ2m幅40cm▽早来町民センター「風駈ける」高さ1m幅1m▽鵡川中学校「明日の風」高さ2m幅80

制作した北村さんに3町から感謝状が贈られた。

 

津別町の森林環境譲与税事業

12月16日号

保育間伐を手厚く補助、林業安全装備や機械導入支援も

安全衛生の装備補助や林業機械補助、新規就業者を支援する取り組みを開始した。

森林環境譲与税を活用した市町村独自事業が進み始めている。オホーツク管内津別町は、令和2年度事業で森林整備への補助、労働安全衛生の装備補助や林業機械補助、新規就業者を支援する取り組みを開始した。

 

道産材利用、年540万立方メートルへ

12月9日号

道森林づくり基本計画の素案

道水産林務部は、このほど令和4年度を始期とする森林づくり基本計画の素案をまとめた。

森林づくりの長期目標と背策の展開方向をを示している。長期目標では森林整備で産出される木材の利用量を20年後までに540万立方メートルに拡大することをめざす。

 

新幹線5駅に道産材を

12月9日号

道木連、道森連が要請

道木連と道森連は、新幹線札幌延伸に伴う5つのJR新駅と駅前再開発への道産木材利用について、このほど札幌市内で要請活動を行った。

林業・木材産業関連団体は、公共及び民間建築物の木造・木質化を通じた低炭素社会づくりへの寄与、地域の林業・木材産業の活性化と雇用創出、適切な森林整備による自然環境の保全等に努めている。こうした中、10月には国の「公共建築物木材利用促進法」が改正・施行され、都市の木造・木質化をカーボンニュートラル実現の一助とすることが喫緊の課題となっている。

新幹線の駅舎は北海道の玄関口であり、多くの道民や観光客が利用する場所になるとともに、道内各地の建築物のモデルとなる。道内建築物の木造化・木質化の原動力となるよう、今後建設予定の札幌駅、新小樽駅、倶知安駅、長万部駅、新八雲駅の各駅舎や駅前再開発での道産材の積極的な活用を求めた。

 

木材供給体制強化に495億円、林野庁補正予算案

12月2日号

ウッドショック対策で乾燥施設

政府は令和3年度補正予算案を11月26日閣議決定した。林野庁関係では森林整備・治山事業に767億円、大雨等の災害復旧事業に252億円、ウッドショック対策を含む木材産業体質強化に495億円など、合計1242億円を計上した。

 

素材生産の増加見込む

11月25日号

道森林管理局の4年度事業

道森林管理局は、林業事業体との意見交換会を、道内5地区を対象にオンラインで開催した。11月17日には北見地区を対象に開かれ、造林・造材事業体など約15者が出席。北海道国有林での伐採や造林の効率化、生産性向上など令和4年度事業の検討方向が説明された。

 

小型軽量、電動枝打ちロボット

11月25日号

伊達市の民有林で実演

動画です。クリックで再生できます。

機械・ソフトウェア開発のイー・バレイ株式会社(名古屋市)は、小型軽量な枝打ちロボットを新たに開発した。

高枝ノコを持ち上げ枝打ちを行う仕事は重労働で、作業者の高齢化も進んでいる。自動枝打ちロボットの新たなタイプが開発されたことから、11月5日、道内の民有林で実演会が行われた。

実演会は、倶知安林産協同組合所有の伊達市大滝区カラマツ11年生林で開かれた。森林組合、林業事業体、森林管理署、道森林室、林業試験場など20人が集まった。

愛知県のイー・バレイは、数年前から枝打ちロボットの開発を進め、「eddy(エディ)」として発売を開始した。開発は本州の林業経営者のニーズを汲み取りながら進め、きわめて軽い機種をめざした。バッテリーとモーターで駆動し、重量を11kgに収めた。背負って林内を移動させることができる。

 

森林環境譲与税の活用事例集

11月18日号

私有林整備や機器導入支援

道森林計画課は「令和2年度森林環境譲与税市町村取組事例集」をまとめた。森林環境譲与税を活用し、各地域で森林整備事業への支援、低質材運搬経費支援、安全性を高める林業機械導入支援など取り組まれている。

事例集は、道造林協会が運営する北海道市町村森づくり総合支援サイトから見ることができる。森林整備、人材育成・普及啓発、木材利用、林業就業者の育成などに取り組む23市町の27事例を紹介している。

 

後志地域材利用のリゾート施設見学会

11月18日号

梁や柱にカラマツ、トドマツ材

後志地域材利用のリゾート施設見学会

後志総合振興局は、リゾート開発が進んでいる後志地域の特性を踏まえ、カラマツなど地域材利用拡大をめざす建築物見学バスツアーを10月20日、倶知安町やニセコ町を巡って開催した。しりべし・くつろ木の会が共催。

ホテルや長期滞在施設などの建設に携わる設計事務所、開発コンサルタント、建設会社、木材建材会社、森林組合など26人が参加した。

後志産カラマツ集成材、道産トドマツ羽柄材、スギ羽目板、カラマツ合板などを使った高級宿泊施設、蒸溜所などの施設を見学した。

 

鮨商組合が緑の募金30万円

11月18日号

累計1000万円超える

鮨商組合が緑の募金30万円

緑の募金の寄付贈呈式が11月9日、札幌市の林業会館で行われた。

北海道鮨商生活衛生同業組合の嶋宮勤理事長(すし善・札幌市)、山田弘副理事長(すし屋のやま田・札幌市)が、北海道森と緑の会の山谷吉宏理事長に30万円の募金額を贈呈した。

11月1日の「寿司の日」にちなんで毎年募金を行っており、今回で累計1000万円を超えた。募金はお魚殖やす植樹運動などに使われる。

 

シラカンバ合板、本格化

11月11日号

丸玉木材が加工機導入へ

丸玉木材株式会社は、道産広葉樹のシラカンバを原料とした合板製造に向け、原木規格や集荷方法の検討、製造装置の導入など取り組みを本格化させている。

同社は、シラカンバやハンノキなど広葉樹を活用したシラカンバ・プロジェクトに取り組んでいる。

令和2年度は道総研林業試験場と共同実証試験を行い、カンバ林からどの程度原木が出てくるか、利用可能な径級や曲がりはどの程度か、単板の生産性との関係はどうかなどを検討してきた。

 

遠軽地域森林整備協定

11月11日号

国有林、民有林が連携

遠軽町、遠軽地区森林組合、網走西部森林管理署の3者は、広大な遠軽地域の森林整備を連携して進めようと「遠軽地域森林整備推進協定」を締結した。

11月1日、遠軽町役場で調印式が行われ、佐々木修一町長、平井勝美組合長、勝占保署長が協定書に調印した。

対象地域は遠軽町全域で、遠軽町内の民有林(約1万8465ha)と網走西部森林管理署が所轄する町内の国有林(約9万9877ha)を対象としている。

遠軽地域森林の多面的機能の高度発揮と林業の持続的かつ健全な発展のために、森林管理技術向上に向けた人材育成、合理的な路網の整備、効率的な間伐などの森林整備を行うこととしている。民官一体となり連携して実施する森林共同施業団地を同時に設定した。

 

道民森づくりの集いに700人

11月11日号

木工体験、森づくり活動を紹介

道民森づくりの集いに700人

11月3日、さとらんど交流館(札幌市東区)で「道民森づくりの集い2021」が開催された。森林づくりや木育に関心のある道民や親子連れなど、約700人が来場した。主催は北海道、北海道森林管理局、道民森づくりの集い実行委員会(事務局北海道森と緑の会)。

このイベントは、「森を感じよう!森と手をつなごう!」をテーマに、道民へ森林づくりの大切さをPRし、森づくり活動への参加促進を目的としており、マスク着用や検温、消毒など新型コロナ感染症対策を施しつつ実施された。

森林ボランティア団体や木育活動団体、行政や試験研究機関など19団体がブースを出展し、森林の役割を伝えるパネル展示や団体の活動紹介、木工作や丸太切りなど森や木に親しむ活動を行った。

 

コンテナ苗自動植付機

11月04日号

イワフジが試作、重機に取付け省力作業

コンテナ苗自動植付機

森林・林業・環境機械展示実演会(10月苫小牧市)で、イワフジ工業(本社岩手県)がコンテナ苗植付機を展示・実演した。地拵え用重機に取り付けて使用するもので、植穴を掘って苗を穴へ落とし、転圧する作業を自動で行える。

植付機「オートプランタAP−X」は、地拵え用のグラップルレーキ(GSR−14C)に取り付けて使用する。機械地拵えを実施しながら植付けも行えるようにと開発されたもので、既存のグラップルレーキに取り付けるアタッチメント方式としたことで、機械の搬入コスト低減を図っている。

植付機械の機能は、植付器具のプランティングチューブに似ている。コンテナ苗を35本、機械上部の苗木装填装置に並べて配置する。植付工程では、空洞な円筒を地面に突き刺して穴をあけ、くちばし状の先端を開いて苗木を落とし込み、穴に落とした苗木の左右を鉄板で軽く2回転圧する。

造林分野の作業は機械化が進まず人力に頼る部分が大きく、人手不足が深刻な課題となっている。同社は、コンテナ苗植付機は試作段階だが、道内の現場で地拵えしながら植付を行う試験を実施して改良を施し、製品化していきたいとしている。

 

空知の木造施設見学会

11月04日号

教会やワイナリー施設、道産カラマツと古材活用

空知の木造施設見学会

空知総合振興局は10月21日、森林・林業・道産材を活用した木造施設見学会を開催した。地域材の建築利用拡大を目的に開催したもので、空知管内の木造施設や間伐現場を見学した。共催は道造林協会空知支部、後援は武部建設。

コロナ禍のため参集範囲を限定しつつ行われた見学会当日は、市町村、森林組合、製材会社、工務店、設計事務所、振興局など58人が参加した。

木造施設見学では、武部建設が建築したレストラン、教会、ワイン醸造施設を見学した。

 

猛暑で苗畑に被害

10月28日号

播種床、床替床408万本、2億円

今年夏の記録的な猛暑や干ばつで、道内の苗畑で養成している山行苗木に被害が出た。トドマツ、カラマツなどの播種床と床替床の合計約400万本が枯損し、被害額は約2億2000万円にのぼった。

今年の道内の夏は、8月中旬を除き、かなり高い気温で推移した。気象データによると、6〜8月の気温は平年に比べ1.5度高く、日照時間は平年に比べ136%を記録した。一方で降水量は平年に比べ65%とかなり少なかった。地点別では特に旭川などで気温が高く、降水量も少なかった。

高温と干ばつにより、道内の苗畑では、種子を播いた播種床、幼苗を数年後に移植した床替床、また出荷予定の成苗などが成長不良となり枯損する被害が出た。被害は上川、空知、オホーツク、十勝などの苗畑で発生し合計408万4000本、被害額は約2億2245万円となった。

樹種別では、トドマツが約254万本(播種床約71万本、床替床約183万本)、カラマツが約125万本(播種床約60万本、床替床約65万本)、その他グイマツ雑種F1等約30万本となっている。

これから数年にわたり優良苗木の安定供給に大きな影響が懸念される。苗木生産を担う道苗組、需要者の道森連、栄林会の3団体は10月6日道水産林務部を訪れ、山行苗木の被害対応について要望を行った。

 

日高でタワーヤーダ検討会

10月28日号

急峻な地形、土砂出さない施業

日高でタワーヤーダ検討会

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森林資源の有効活用に取り組む日高地域森林資源持続化推進協議会(会長・小野哲弘ひだか南森林組合組合長)は、日高地域へのタワーヤーダ集材システム導入を探る現地検討会を10月14日、浦河町有林で開催した。

日高管内の森林は急峻な地形で、土砂流出に配慮した林業が求められている。日高山脈の麓の町有林で行われた検討会では、森林管理局・道内の森林管理署から60人をはじめ、道振興局、市町村、森林組合、造材会社など合計150人が参加した。

実演現場はトドマツ、一部スギなど58年生の間伐事業地で、平均斜度32度。最小限に作設した作業路を登っていくと、斜面中腹の作業路上にオーストリアのコンラート社製タワーヤーダ(自走式KMR4000U)が据えられていた。

やはり急峻な地形の高知県本山町の有限会社川井木材が今年導入した最新のタワーヤーダを、実演のために道内に運び込んでもらった。この作業路から85m下方に向けて架線が張ってある。下方を覗き込むとチェーンソー伐倒した木に作業員がワイヤーを掛け、全木集材により引き上げ作業にかかっていた。

 

全国木材産業振興大会

10月21日号

国産材利用し脱炭素社会実現へ

北海道で11年ぶりとなる第55回全国木材産業振興大会が、札幌市かでる2・7で10月14日開催された。

道内外から木材関係者約300人が参加し、脱炭素社会の実現に向け、木材利用の促進を国民運動として展開する大会宣言を決議した。

 

苫小牧で林業機械展

10月21日号

全国から3000人来場

苫小牧で林業機械展

全国規模の林業機械展「森林・林業・環境機械展示実演会」が10月10日、11日、苫小牧市で開催された。全国育樹祭の開催を記念して行われたもので、2日間で全国各地から約3000人が来場した。主催は道、一般財団法人林業機械化協会。

育樹祭開催地の近郊の苫小牧市字柏原に12haの会場を設けて約70の企業・団体が出展。高性能林業機械をはじめ、木材破砕機、ドローンや画像処理ソフトなど様々な機械類が集結し、各社ブースでは省力・無人化作業やICT林業に関する機器が出展され実演も行われた。

 

第44回全国育樹祭、苫小牧、札幌で34年ぶり

10月14日号

秋篠宮ご夫妻、オンラインでご臨席

木育で未来へつなぐ緑の森

第44回全国育樹祭が10月9日苫小牧市で、10日札幌市で開催された。

秋篠宮ご夫妻のオンラインでの臨席のもと、2日間で延べ900人が参加し、継続して森林を守り育て、未来へ引き継がれるよう願いを込め、育樹と記念式典を行った。

国土緑化運動の中心行事である全国育樹祭の国内開催は、昭和62年以来34年ぶり2度目。「つなごう未来へ この木 この森 この緑」をテーマに掲げ、苫小牧市字静川の苫東・和みの森で9日、秋篠宮ご夫妻がオンラインで出席する中、地元小中学生らが、過去に道内で開催された全国植樹祭、全国育樹祭の様子をパネル説明。続いて、出席者代表による記念育樹が行われた。

 

木育で未来へつなぐ緑の森

10月14日号

第44回全国育樹祭

第44回全国育樹祭の式典行事は10日、札幌市豊平区の北海きたえーるで開催された。秋篠宮ご夫妻がライブ配信で視聴される中、緑の少年団、北の森づくり専門学院生などの協力の下、表彰行事、木育を発信するアトラクション、大会宣言など行った。

山東昭子大会会長(参議院議長)、鈴木直道北海道知事による主催者挨拶、小畑保則北海道議会議長の歓迎の挨拶で式典が始まった。秋篠宮さまのビデオメッセージによるおことばでは、森林を育み次代に継承する大切さが述べられた。

これまで緑化活動に取り組み功労があった団体・個人への表彰が行われた。緑の少年団活動発表大会・全国育樹祭大会会長賞、全国育樹活動コンクール入賞、ふれあいの森林づくり入賞の表彰、北海道緑化等功労者の感謝状授与が行われた。

 

合板不足、住宅に影響

10月7日号

道木連が意見交換会

道木連は第3回輸入材の激減・高騰の影響情報交換会を9月30日、オンラインで開催した。素材生産業者、木材加工工場、木材商社、プレカット工場など30人が参加し、現状を報告した。

輸入材の不足は、道産原木・製材の需要増加に加え、国産針葉樹合板の不足に波及するなど需給の変化が報告された。

 

エゾシカ民有林被害2000ha

10月7日号

被害面積7年ぶり増加

道森林整備課は民有林の「令和2年度エゾシカ森林被害の状況」をこのほどまとめた。被害実面積は2033haとなり、前年度に比べ5割の増加となった。枝葉食害、樹皮食害、角こすりなど被害は7年ぶりに増加に転じている。

調査は、道が市町村、森林組合等の協力を得て実施した。12振興局管内で被害が確認された。胆振、日高、釧路、十勝管内で被害が多く、これら4振興局で被害面積の約8割を占めている。

 

北海道電力と道が森林づくり協定

9月23日号

ゼロカーボン北海道の実現へ

北海道の豊かな森林を生かした吸収源対策に対し、環境意識の高い大手企業が関心を寄せている。北海道電力株式会社は道と9月15日、「ほっかいどう企業の森づくり」協定を締結した。 植樹・育樹活動に10年間取り組み、ゼロカーボン北海道の実現に向けて、森林環境の保全と林業の人材育成を支援する。

協定の計画期間は協定締結日から10年間。北電は道民の森・神居尻地区「水源の森」で、牧草跡地3haの森林再生や水源涵養機能の回復、生物多様性の保全のため、5年間かけて広葉樹を計6000本植栽する。

道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)と連携して行うことで、人材育成に協力する。学生はカリキュラムの一環として植栽樹種を選定したほか、植樹作業に参加する。このほか下刈りなど保育も林業事業体に委託して実施する。

 

全国育樹祭記念ジン発売

9月23日号

苫小牧のアカエゾ、シラカバ原料に

全国育樹祭記念ジン発売

第44回全国育樹祭を盛り上げようと、苫東・和みの森(苫小牧市静川)で育ったアカエゾマツの葉などを原料に使った蒸留酒ジンが完成した。樹木の香り漂うジンを味わい、森づくりを支援することができる。

10月9日、10日北海道で開催される全国育樹祭は、森や木に触れ理解を深める木育の推進を理念に掲げている。木育関係者による開催1年前イベントの座談会で、大会を盛り上げる新たな切り口のプロジェクトはないか話題にのぼり、記念のジンづくりが提案された。

今回の育樹祭の会場は、平成19年に全国植樹祭が開かれた森である。森づくり活動を行う苫東・和みの森運営協議会が管理や手入れを行ってきた。ジンの香り原料として、この森を除伐する際に出るアカエゾマツとシラカバの葉を採取し使うこととした。

製造は、道内の樹木・植物からクラフトジンを生産販売している株式会社積丹スピリット(積丹町大字野塚町)で行うことした。

「第44回全国育樹祭開催記念 苫東・和みの森ジン」は、積丹スピリットのオンラインショップから1本100ml入り1980円(送料別700円)で購入できる。売り上げの一部は緑の募金に寄付され、和みの森の木育活動の支援に使われる。

 

木育の森カルタ、全国育樹祭記念し制作

9月23日号

道森連、農林中金、森と緑の会の3団体

木育の森カルタ、全国育樹祭記念し制作

道森連、農林中央金庫札幌支店、北海道森と緑の会の3団体は、子どもたちに木に親しみ森づくりに触れてもらおうと、北海道「木育の森」カルタ44選をこのほど制作した。

第44回全国育樹祭が北海道で開催されるのを記念して制作したもので、道内の幼稚園や認定こども園などに配布する。

北海道「木育の森」カルタは、全国育樹祭が北海道発祥の木育の推進をコンセプトとして開催されることから、木育推進に取り組む3団体が連携して制作した。第44回全国育樹祭に合わせ札の数を44枚とした。

カルタの文章・図柄については、道水産林務部の協力も得て、小・中・高校生などから募集した緑化啓発や林野火災予防などの標語、ポスター原画から各44作品を選んだ。このカルタを1100セット制作した。

 

欧州材不足、年内の解消困難

9月16日号

林野庁が需給連絡会議

輸入材の減少・高騰など需給環境の激変に対応して、林野庁は第1回「国産材の安定供給体制の構築に向けた中央需給情報連絡協議会」を9月10日オンライン開催した。

素材生産、木材加工、木材流通、建築など関係団体から約30人が出席し、建築材や合板の需給動向など情報交換した。欧州材の減少が年内は続くとみられ、合板の不足も深刻になっている。

 

「道産材使用したい」建築材不足で

9月16日号

道がプレカット工場に調査

輸入材の不足により道産建築材の供給に注目が集まる中、道水産林務部は道内のプレカット工場にアンケート調査を行った。住宅建築材加工へのウッドショックの影響、道産材使用の意向など聞いた。

調査は道が把握するプレカット工場28社に対して7月に行い、20社から回答を得た。

ウッドショックの影響について聞いたところ、材料が減少している工場は半数以上にのぼり(11社)、不足感を持つ工場も多かった(15社)。部材加工の受注制限を余儀なくされている工場は半数近くにのぼった(9社)。

道産材の使用状況について聞いたところ、17社が使用しており、1社のみ未使用との回答が得られた。

使用している道産材について、どのような樹種と部材を使っているか聞いたところ、トドマツ羽柄材が14社、トドマツ柱が10社、またカラマツ柱、カラマツ土台が9社、カラマツ横架材も8社が使用していると回答した。

道産材を使用したいかとの質問では、使用したいが7社、増やしたいとの回答も7社あり、合わせて14社が道産材使用の意向を示した。

 

大径材対応ハーベスタ、高速フォワーダ

9月9日号

新宮商行が取り扱い

大径材対応ハーベスタ、高速フォワーダ

人工林資源が主伐期を迎える中、素材生産の効率化が課題となっており、造材会社からは大径材に対応したハーベスタや積載量が大きなフォワーダを求める声が聞かれる。こうしたニーズを踏まえ、株式会社新宮商行(本社小樽市)は林業先進地フィンランドの機種を提案している。

8月下旬、十勝管内中札内村の新宮商行社有林を訪れ、同社が提案する林業先進地フィンランドのポンセ社製ハーベスタと、8輪駆動の高速フォワーダによる短幹集材(CTL)システムによる皆伐作業を取材した。

新宮商行社有林では、造材業者がポンセのハーベスタヘッド「H8」を使用してカラマツ30年生林5ha、約800立方メートルを伐採し、8輪フォワーダ「ガゼル」を使って集材していた。

 

防風林を間伐、伐採木でおもちゃ

9月9日号

石狩管内新篠津村で

防風林を間伐、伐採木でおもちゃ

石狩管内新篠津村は、農地を守っている防風林の整備に取り組み、伐採作業で出た間伐木の有効利用にも取り組んでいる。8月下旬には、この間伐木から作った木のおもちゃを新生児の誕生記念に贈った。

昨年、新篠津村役場は、村内の農家から畑の日陰解消の相談を受けたことから、村有防風保安林の整備に取り組むこととした。整備の方法については、石狩振興局森林室に問い合わせ、保安林業務を担当する石狩振興局林務課の協力も得て検討を行った。

実際の伐採作業は、間伐ボランティア団体に行ってもらうこととし、調整を進め、昨年の9月下旬に札幌ウッディーズの18人がチェーンソーでヤチダモの伐採、玉切り作業を実施した。

新篠津村では、間伐箇所から出たヤチダモ材を有効利用しようと、製材加工(三笠市)、木のおもちゃへの加工(当別町)を行った。おもちゃは、札幌大谷短期大学講師の馬場拓也氏が中心となって進める「森の輪(わっこ)」に加工してもらい、新生児の誕生記念に贈ることにした。これら木材利用の経費には森林環境譲与税を充てた。

 

木材需給激変とカラマツ林業

9月2日号

十勝広域森林組合の広瀬重雄組合長に聞く

世界的に木材需給が激変する中、道東のカラマツ林業地帯の1市4町村(帯広市、芽室町、中札内村、池田町、豊頃町)のエリアで森林を守り育て、加工事業も展開する十勝広域森林組合(本所芽室町、組合員約1400人)を訪れ、広瀬重雄組合長に事業展開についてインタビューした。

 

建築材供給できないか

9月2日号

木材関係者が連絡会議

ウッドショックの影響で道産材の需給はどうなるのか、道水産林務部は林業・木材関係者による連絡会議を8月23日、道庁会議室と出席者をオンラインで結んで開いた。

輸入材の代替として建築材を生産してほしいという声が高まる中、道産材の対応方向が意見交換された。

 

王子与志本林業株式会社に

9月2日号

8月31日、王子木材緑化が取得

カラマツ製材を生産販売する双日与志本林業株式会社(本社東京都台東区)は、8月31日付で、王子木材緑化株式会社の100%子会社となり、社名を「王子与志本林業株式会社」へと変更した。

王子木材緑化が、自社の国内森林資源と木材流通ネットワーク事業の基盤を強化するため、双日から全株式を取得した。新たな「王子与志本林業株式会社」の本社所在地は東京都台東区、田中俊彦氏が代表取締役に就任した。

これに伴い、北海道内で製材生産を行っている双日北海道与志本株式会社も「王子与志本製材株式会社」と社名を変更した。梱包材、パレット材を生産する北海道の4製材工場(網走工場、平取工場、大樹工場、本別工場)と、大分県の製材工場の生産体制は変わらない。

 

外材高騰、建築材の生産に対応

8月26日号

猪島康浩森林管理局長インタビュー

全国林業経営推奨行事

輸入材が高騰し国産材需要が高まる中、道産材原木の供給や建築材生産への対応が課題となっている。

道森林管理局の猪島康浩森林管理局長に木材需要の状況、国産材の供給、道産材の展開方向、森林管理局の取組などについてインタビューした。

 

全国林業経営推奨行事

8月26日号

道内から5人が受賞

令和3年度の農林水産祭参加・全国林業経営推奨行事(大日本山林会主催)の受賞者がこのほど決定し、道内から地域の模範となる5人が農林水産大臣賞、林野庁長官賞、大日本山林会会長賞を受賞した。農林水産大臣賞は中澤博之氏(置戸町)が受賞した。

  ■農林水産大臣賞 ◇中澤博之氏(置戸町) ■林野庁長官賞 ◇長瀬弘侍氏(占冠村) ◇大角隆則氏(遠軽町) ■大日本山林会会長賞 ◇新家子幸夫氏(せたな町) ◇美馬貴代志氏(中標津町)

 

森づくり学院生に給付金

8月26日号

道人材育成支援協議会が250万円

北海道林業・木材産業人材育成支援協議会は7月20日、旭川市の道立北の森づくり専門学院を訪れ、森林組合・木材企業・市町村から寄せられた賛助金のうち250万円を、学院生への給付金として贈呈した。

北の森づくり専門学院の教室で行われた贈呈式には、道林業・木材産業人材育成支援協議会の沓澤敏代表幹事(林業協会副会長)、須田一事務局長(造林協会事務局長)が出席し、生徒代表の眞ア岳紀さん(学生会副会長)に目録を手渡した。

今回の給付金は、2年生が地域事業体での長期インターンシップに参加する交通費や宿泊費などに活用してもらおうと贈るもので、実習先が遠方でも費用を気にせず実習に行ってほしいとの思いが込められている。長期インターンシップが始まる2年生には、このあと9月にも給付し、1年生には9月と来年3月に給付する。

 

プレカットのニッショウが乾燥加工

8月19日号

トドマツ羽柄材の使用増やす

輸入材の入荷減・価格高騰の影響を受けて、プレカット工場の株式会社ニッショウ(本社赤平市)は、道産建築材の使用を増やそうと、道内各地の製材工場から羽柄材の原板(グリーン材)を集めて自社で乾燥・仕上げを行う新たな取り組みに乗り出す。同社の松原章代表取締役に聞いた。

 

道有林基本計画改定へ

8月19日号

トドマツ人工林伐採と再造林、天然木活用

7月26日に開かれた北海道森林審議会(会長・小泉章夫北海道大学大学院元教授)では、「道有林基本計画」の見直しについて検討を開始した。人工林資源の循環利用のほかに、天然木の有効活用の観点を加えた北海道らしい新たな森林づくりを検討する。

道有林野は約61万ヘクタール、道内森林面積の約11%を占めており、公益的機能を発揮するとともに、約13万ヘクタールある人工林の循環利用を進め、地域産業に貢献している。

こうした中、トドマツを中心とする人工林は高齢化が進んでおり、今後、間伐の対象となる若齢林は大幅に減少していく。主伐の対象となる高齢林は増加するが、再造林を支える造林分野の労働力は減少が続いている。

このままでは、人工林において若齢級で間伐し、高齢級で主伐・再造林するこれまでの森林づくりではうまくいかず、将来的には原木の安定供給も難しくなる。

これらの課題を踏まえ、道有林基本計画の見直しでは、植栽木を主体とした循環利用のほかに、資源が回復しつつある天然木の有効活用の観点を加え、森林の現況に応じて針広混交林への誘導、活力ある広葉樹天然林への誘導など検討する。

 

森林づくり基本計画

8月12日号

道森林審議会が改定へ議論

北海道森林審議会(会長・小泉章夫北海道大学大学院元教授)が7月26日、オンライン開催された。「北海道森林づくり基本計画」と「道有林基本計画」の見直しについて諮問を受け、令和4年度から始まる新たな基本計画の検討を開始した。

事務局が示した計画の柱となる取り組みは、▽ゼロカーボン北海道の実現に向けた森林整備の推進▽広葉樹資源の有効活用▽道産トドマツ材の安定供給と流通体制の強化▽担い手の育成・確保▽スマート林業による効率化・軽労化の推進▽HOKKAIDO WOODブランドを活用した道産木材の需要拡大▽多様な主体による木育活動の推進など。

 

林内情報通信システム、労働災害防止に活用

8月12日号
森林づくり基本計画

スマート林業先進技術を労働災害防止に役立てようと、林業現場の情報通信システムの現地検討が当別町で行われた。7月21日、林災防北海道支部の安全衛生指導員研修でこのシステムの実演が行われ、全道各地の林災防分会から安全衛生指導員12人が参加した。

当別町有林で行われた現地研修では、札幌市の株式会社BREAKTHROUGH(ブレイクスルー)北原健太郎社長を講師に、林業専用の情報通信システム「ソココ・フォレスト」の実演が行われた。

ソココ・フォレストは、林内の携帯電話の電波圏外で使える情報通信システムで、衛星測位レシーバー、タブレット端末、林内通信機などで構成される。

林業重機への搭載に最適だが、チェーンソーマンも同システムを使用することで、林内の離れた場所で伐倒、運材等行う作業班員の位置情報を互いに把握し連絡を取り合い、作業効率の向上や労働災害防止に役立てる。

 

樹木採取権制度の説明会

8月5日号

川中・川下と安定取引、新規需要開拓

道森林管理局は、木材の新たな長期伐採・供給制度「樹木採取権制度説明会」を7月19日、道局会議室で開催した。樹木採取権の設定を受けることを検討する道内の林業事業体、木材流通企業、製材会社など6社が参加して、制度内容、樹木採取区の候補地について説明を聞いた。

冒頭、道森林管理局の中野亨森林整備部長が挨拶し、「この制度は、森林経営管理制度の要となる林業経営者を育成するため、国有林野の一定区域で一定期間、安定的に樹木を採取できる採取権を民間事業者に設定するものである。民間事業者は安定的な事業量が確保でき、計画的な機械の導入や人材の確保が可能になる。さらには、川中・川下の事業者と協定を締結することを要件としており、国産材の供給体制の構築も可能となっている。林業経営者の育成を通じ地域振興を図っていきたい」と述べた。

林野庁業務課、道森林管理局資源活用第一課が制度内容など説明した。

 

留萌道有林の認証取得を

8月5日号

るもい森林認証協議会が要請

留萌道有林の認証取得を

地域民有林の森林認証取得をめざす「るもい森林認証協議会」は、7月21日、地元の道有林でも森林認証を取得していただきたいとして、道水産林務部に要請を行った。

るもい森林認証協議会の志子田一郎会長(遠別初山別森林組合長)と宇野治事務局長が道庁を訪れ、佐藤卓也水産林務部長に要請書を手渡した。

持続可能な森林管理を証明し、地域材のブランド力を上げようと、留萌管内の4森林組合、管内8市町村、近郊の宗谷管内幌延町も参画し、7月1日に協議会を設立した。令和4年3月末までに、市町村有林約1万2000ヘクタール、私有林約3万6000ヘクタール合わせて約4万8000ヘクタールのSGEC森林認証取得をめざす。

道への要請では、志子田会長が、認証取得の取り組みを林業成長産業化の起爆剤としていくためには、地域の森林資源の供給量の多くを占める道有林にも一緒に取得していただきたいなどと要請した。

 

森林経営管理権を設定、札幌市

7月22日号

里山活性化へ18ヘクタール

札幌市は、森林経営管理法に基づく森林経営管理制度に取り組んでいる。札幌市西区の管理されていない私有林3件について、6月14日付で「経営管理権集積計画」の告示を行った。これにより、経営管理権が札幌市に設定された。今後は、管理や施業を行う意欲と能力のある林業経営者を公募する。

道によると、経営管理権を設定した道内で初めての事例と見られる。担当する札幌市建設局みどりの推進部に取り組み状況を聞いた。

 

収穫調査に電子輪尺、森林整備公社

7月22日号

先進技術で人手不足補う

留収穫調査に電子輪尺、森林整備公社

北海道森林整備公社(森田良二理事長)は、今年度から道有林内の調査測量事業に、電子輪尺とスマホやタブレット端末を組み合わせた調査システムを本格導入した。

道有林空知管理区の伐採木調査に活用されており6月下旬に現地取材した。

 

輸入材高騰、道産材供給を

7月15日号

2×4材と欧州材、想定超える契約額

輸入材の高騰はどこまで続き、道産建築材の利用は増えていくのか。道内で建築材を販売する株式会社ハガ木材(芳賀信裕社長、本社札幌市中央区)は、これまで輸入材を専門に取り扱ってきた。同社住環境資材グループの渡辺成部長に、輸入材の仕入れ状況と道産材取り扱いを聞いた。

 

コンテナ苗の植付作業検証

7月15日号

釧路、十勝の4森林組合で

コンテナ苗の植付作業検証

道は、一般民有林でのコンテナ苗の利用促進に向けて、5月末から6月上旬、十勝、釧路の4森林組合が実施する森林整備事業でコンテナ苗を実際に植えてもらい、作業性や普及に向けた改善点を検討した。

道は、北海道コンテナ苗利用拡大推進方針の目標(令和10年までに年間300万本)の達成に向けて、民有林での利用拡大が不可欠であるとして、今年度から3カ年、道東地区(十勝、釧路)の森林組合で作業性を検証し、効果的な普及方法を検討することとした。

今年度は、次の4森林組合がカラマツ林の更新のためコンテナ苗を植えた。

  ・十勝広域森林組合=芽室町内の山林5ヘクタールにカラマツ1万100本 ・西十勝森林組合=新得町内の山林4ヘクタールにカラマツ7504本 ・幕別町森林組合=池田町内の山林6ヘクタールにカラマツ1万550本 ・鶴居村森林組合=鶴居村内の山林4ヘクタールにクリーンラーチ6700本

植栽では、剣先スコップのように先が尖った器具(スペード)、電動やエンジン駆動のオーガ、林業事業体自作の植付器具を道が貸出し、森林組合職員や協力事業体の作業員が実際に使って感触を確かめた。

 

るもい森林認証協議会が設立

7月15日号

9市町村の4万8千ヘクタール認証へ

留萌管内の全森林組合、近郊市町村は「るもい森林認証協議会」を設立した。7月1日付で設立総会を書面開催し、令和4年3月末に民有林約4万8000ヘクタールの森林認証取得をめざすことを決めた。

地域の持続可能な森林管理を証明し、地域材のブランド力を上げようと、留萌地区森林組合振興会が森林認証の先進地調査や市町村への協力要請を行ってきた。関係者の賛同により、森林認証取得の手続きを進める「るもい森林認証協議会」が設立された。

協議会構成員は留萌管内4森林組合、管内の8市町村、近郊の宗谷管内幌延町も参画して13団体。会長に志子田一郎氏(遠別初山別森林組合長)、副会長には関次雄氏(小平町長)と無量谷隆氏(留萌北部森林組合長)が就任した。事務局を遠別初山別森林組合内に置いた。

令和3年度は、森林組合による私有林所有者からの同意取り付けなど進め、るもい地域(幌延町含む)の市町村有林約1万2000ヘクタール、私有林約3万6000ヘクタール合わせて約4万8000ヘクタールのSGEC森林認証取得に取り組む。

 

国有林の樹木採取区指定へ

7月8日号

北海道は胆振東部、網走中部、根釧西部で

林野庁は、国有林の樹木を一定期間・安定的に伐採できる「樹木採取区」の指定手続きを近く開始する。今後の制度の進め方と、樹木採取区の全国10箇所の指定候補地を初めて公表した。北海道内では3箇所の候補地を示した。

国有林野管理経営法の一部を改正する法律が令和2年4月に施行され、国有林の樹木採取権制度が創設された。林野庁はこのほど、先行実施する全国10箇所の樹木採取区の候補地を公表した。各森林管理局が、樹木採取区として指定するための公告・縦覧手続きを始める。

全国に7つある全森林管理局で実施することにしており、北海道局管内では最も多い3箇所を予定している。北海道の3箇所は次のとおり。

①胆振東部森林管理署=むかわ町内、主要樹種トドマツ

②網走中部森林管理署=北見市・置戸町・佐呂間町にまたがる区域、主要樹種トドマツ

③根釧西部森林管理署=釧路町・厚岸町・標茶町・鶴居村にまたがる区域、主要樹種トドマツ

 

森林資源循環へ労働力確保

7月8日号

道が基本計画懇談会

道水産林務部は北海道林業労働力確保促進基本計画検討懇談会(座長・柿澤宏昭北海道大学大学院農学研究院教授)を6月17日オンライン開催した。5年に1度定める同計画について、新規就業者を確保する取り組みの方向を協議した。

懇談会では、事務局の道林業木材課から森林・林業、林業雇用の動向が説明された。

北海道の森林蓄積は増加傾向にあり、カラマツ人工林に加え、トドマツも主伐期を迎えており、林業、木材産業の成長産業化と地域活性化に期待が寄せられている。こうした中、林業労働者数は近年横ばい傾向で60歳以上の労働者が3割を超え、新規就業者の確保が急務となっている。

こうした現状を踏まえ、令和4年度を始期とする第6期計画の林業労働力確保対策の検討方向が示された。

 

大澤友厚氏に林野庁長官賞

7月8日号

緑化功労者表彰で

国土緑化推進機構主催の令和2年度緑化功労者表彰で、北海道から大澤友厚氏(大澤木材株式会社取締役相談役)が林野庁長官賞を受賞し、感謝状が伝達された。

緑化功労者表彰は、国土緑化運動に永年にわたって貢献し、その功績が顕著であった人を緑化功労賞として表彰するもの。全国から農林水産大臣賞3人、国土緑化推進機構会長賞3人、林野庁長官賞7人、国土緑化推進機構理事長賞1人が選ばれている。

林野庁長官賞を受賞した大澤友厚氏は、昭和51年に家業である大澤木材株式会社に入社、平成14年に代表取締役社長に就任し、44年の永きにわたり一貫して林業・木材産業の経営に専念されてきた。主に国有林・市町村有林の造材を請け負い、高性能林業機械を積極的に導入し釧路管内での作業システムの手本となり、常に業界をリードしている。

感謝状伝達式は7月1日、釧路総合振興局で行われた。

 

森と緑の会が総会

7月1日号

新理事長に山谷吉宏氏

北海道森と緑の会(堀達也理事長)は令和3年度通常総会を6月21日、ポールスター札幌で開催し、令和3年度事業計画を報告した。緑の募金4000万円を目標に運動を展開し、全道各地の緑化事業に活用する。

役員改選が行われ、堀達也理事長が退任し、後任の理事長に山谷吉宏氏(北海道信用保証協会会長、元北海道副知事)が選任された。

 

北木市定例市、買い気旺盛

6月24日号

羽柄材KDが高値、生材にも買い

北木市定例市、買い気旺盛

輸入材激減で道産材への転換が注目される中で、北海道木材市場協同組合(加賀谷雅治理事長)の新緑謝恩市が6月17日開かれ、熱気の帯びた展開となった。KD羽柄材を中心に競り合い、生材も成約が相次ぐなど例年にない好値を呈し、成約率は過去最高となった。

本格的な建築シーズンを迎え、輸入材不足により道産材需要が急激に高まり、資材不足から住宅着工の遅れも懸念されている。市売り当日は、道央圏の木材販売店を中心にプレカット加工業者など33人と、例年の2倍以上の参加者が集まる中、羽柄材を中心に215立方メートルが出品された。

競りではKD材が活況をみせた。エゾマツ・トドマツKD羽柄材は1立方メートル当たり6万円からスタートし、12尺の貫、胴縁、垂木、根太など6万円〜6万5000円で次々と競り落とされ、完売した。

また、エゾマツ・トドマツの生材(グリン)の羽柄材も好調だった。これまでの市売では良材の拾い買いに終始していた製品であるが、輸入材の不足を道産KD材で補えないとみた木材販売店やプレカット工場が、生材で確保しようと買いに走った。貫、胴縁を中心に順調に成約した。市売り全体の成約率は90%と、定例市では過去最高となった。

 

電子輪尺とスマホで立木調査、道森林整備公社

6月24日号

直径データ転送し野帳不要に

電子輪尺とスマホで立木調査、道森林整備公社

北海道森林整備公社(森田良二理事長)は、道有林内の調査測量事業に、電子輪尺とタブレット端末を組み合わせた調査システムを本格導入する。

森林整備公社は、道有林の委託を受けて伐採木調査を実施している。従来の調査は、胸高直径の測定で野帳への記入やパソコンへの転記の際にミスが出やすかった。計測員の人手不足も顕在化していた。

そこで、同公社では、電子輪尺で胸高直径を測り、計測データをタブレット端末に転送するシステムの導入を検討した。昨年度、電子輪尺を3台購入して分収育林地等で試験的に使用したところ、実用に問題ないと判断され、今年度から道有林の伐採木調査業務で使うことになった。

 

木材販売88万立方メートル1割減、道森連

6月17日号

コロナ拡大が影響、製材は3割減

北海道森林組合連合会は通常総会を6月10日札幌市で開催した。令和2年度決算では、総取扱高である事業総収益が103億1000万円の実績となった。新型コロナウイルス拡大の影響で取扱高は落ち込んだが100億円規模を保ち、経常利益約1000万円を計上した。

令和3年度事業では、製材、原木の需要動向を見極めつつ販売事業を展開する。

 

スマート林業へ先進機器レンタル

6月17日号

原木検知システムや森林レーザ計測など7種

スマート林業へ先進機器レンタル

スマート林業の北海道への導入を進めようと、道水産林務部は、先進技術を活用した機器の試行支援事業(レンタル)を令和2年度に実施した。地上レーザ計測システム、原木の写真検知システムなどを事業体・市町村に数週間程度、無料で貸し出し、林業ICT機器に理解を深めてもらった。

どのような機能があり省力化に役立つのか、導入検討の材料にしてもらおうと、次の7種類のICT機器・技術を試行してもらった。申し込みのあった市町村、森林組合、林業会社を対象に、昨年11月から今年2月まで延べ47件の貸し出し・指導実績があった。

□地上レーザ計測システム

□原木の写真検知システム

□ドローン操作の現地研修

□オルソ画像の作成作業

□森林測量用ドローン

□オルソ画像などの生成ソフト

□オルソ画像などから材積計算等を行う処理ソフト

林業先進機器の試行支援事業は、今年度も実施が予定されている。

 

林業現場の情報通信システム

6月10日号

生産性アップ、安全作業に

林業現場の情報通信システム

情報通信システムを開発する札幌市の株式会社BREAKTHROUGH(ブレイクスルー)は、スマート林業の取り組みを後押しする現場情報システムを開発した。林内で伐倒、集運材、巻立ての各作業班員の位置情報を互いに把握し、意思疎通もできる機器を提供し、作業効率アップや労働災害予防などに役立ててもらう。

同社は、森林作業の携帯電波圏外で使える情報通信技術を考え、衛星測位レシーバー、情報表示のタブレット端末、林内通信機などで構成するシステムを開発した。道内の林業現場の意見を多く聞き、林野庁補助事業による専門家検討会を経て改良を重ねてきた。軽量な電波中継機も作り、森林内での通信性能向上を検討してきた。

システムの使い方としては、林業重機に取り付けておくと、原木を積んだフォワーダがどこを走っていて、いつ到着するか、土場で荷降ろしするグラップル操縦者が常に把握することができるので、原木巻立て作業の時間ロスがなく生産性がアップする。

また、伐倒作業でかかり木が発生した際に、チェーンソーマンがスマートフォン端末に情報を入力すると、近くにいる重機がすぐにこの情報・場所を把握できるので駆けつけることができる。すぐに処理できない場合でも、かかり木の場所が地図上にはっきり表示されるので、他の作業班員が危険箇所を知ることができる。

さらに、グラップル等の旋回範囲に他の作業員が入ると、タブレット端末に警告表示が出るなど、近接作業に注意喚起を行う機能もある。

路網作設にも使える。事前の踏査の際に障害物などの情報を入力し、事務所に持ち帰ってGISに取り込んで線形を検討する。作設していった作業道の軌跡については精度の高い路網データとして記録される。

株式会社BREAKTHROUGHは、これらのシステムを商品名soko−co forest(ソココフォレスト)として販売している。さらに関係者の意見を聞いて機能を高めようと、5月に札幌市中央区の林業会館3階に事務所を開設し、林業分野に特化した開発体制をスタートさせている。

 

森林保険への加入、道森連が呼び掛け

6月10日号

市町村主体の森林経営をサポート

森林経営管理制度が平成31年4月から開始され、市町村が主体となった森林整備が進みつつある。森林所有者から委託された森林を適切に経営管理するには、災害リスク対策として「森林保険」が重要な枠割を果たすとして、道森連は市町村に森林保険の活用を呼び掛けている。

 

先進的造林実証5カ所

6月3日号

当別、下川、別海、上川などで新技術

造林・下刈り・事業地測量などの低コスト化実証を支援する「先進的造林技術推進事業」が今年度、道内5カ所で実施される。専用の植栽プランニングシステムを使った苗木位置情報の把握、リモコン式下刈り機械の活用など新たな技術が民有林で試される。

道森林整備課によると、道内で実施される「先進的造林技術推進事業」は5月中旬、林野庁の交付決定を受けた。事業費は5カ所合計で約1200万円。低コスト造林のモデルとなる次の取り組みが進められる。

□地拵え機械を活用した天然更新促進と保育省力化=当別町

□植栽プランニングシステムを活用した苗木位置情報の把握=下川町

□リモコン式下刈り機械操作に向けた保育作業システム=別海町森林組合

□ドローンによる殺鼠剤散布の実証=北海道

□リモートセンシング技術を導入した造林地測量・竣工検査の実証=上川町

 

道産トドマツで木質ボード

5月27日号

大建工業が生産検討

建材大手メーカーの大建工業株式会社(本社大阪市北区中之島)は、輸入ラワン合板の代替製品として、国産材を原料とした新たな木質ボード製造事業を検討している。木質ボード事業の工場建設については、北海道の旭川市近郊を最終候補地として調整していることを5月20日発表した。

大建工業は、近年、東南アジアで枯渇が懸念されているラワン合板の代替品として、国産材を活用した新たな木質ボードを製造し、市場に供給する。

新たな木質ボードは、特許出願中の独自技術で、細かい切片に加工した木材をプレスし板状にして製造する。MDFなどの繊維系ボードと、単板を積層する合板やLVLの中間に位置するようなこれまでにない製品だという。

原料の国産材は、北海道の森林資源に着目しトドマツ材を使用する。工場建設地は、原料の集荷体制、雇用面など考えて北海道旭川市近郊への建設を検討している。土地・建物・設備など合わせて70億円程度の投資額を見込んでいる。

使用するトドマツ原料は、年間8万〜10万立方メートルを想定している。現時点では、A材、B材グレードのトドマツ一般材を中心に使用する予定で、状況次第で将来は他の樹種も検討する。建築廃材は使用しない。

新製品は、家具什器、内装壁材などに使われる「化粧合板」の基材として使われる。今後、試作品の市場調査、原材料調達ルートの検討、工場建設地の選定、機械設備の選定など進め、2021年末を目途に最終判断を行う。2024年度中の生産開始をめざしている。

 

脱炭素社会、業界に追い風

5月27日号

道木連総会

北海道木材産業協同組合連合会は第71回通常総会を5月18日、札幌ガーデンパレスで開催し、令和3年度事業など決定した。

松原正和会長は、脱炭素社会の実現に最も貢献できるのは林業・木材産業であるとして、この好機に業界の担い手確保、木材供給体制の構築に取り組むべきだとした。

 

道有林野事業28億円

5月27日号

伐採量56万立方メートル、10%増

道は、令和3年度予算で道有林野事業に28億2900万円を計上した。道有林基本計画に基づき、多面的機能を発揮する森林の整備・管理を推進する。伐採量は前年度計画対比110%の55万6000立方メートル、人工造林は1030haで前年並みを計画している。

令和3年度事業では、74市町村にわたり所在する道有林13管理区で、地域の森林の特徴を踏まえながら、計画的な主伐・間伐や造林、路網開設などを進める。昨年のコロナ禍の影響や輸入材の減少により原木不足となる中、人工林では、木材生産林を主体に積極的な主伐・再造林を推進。天然林では、主伐を抑制しながら、かき起こし等による後継樹の確保、広葉樹二次林の間伐を推進する。

 

トドマツ製材に注文殺到、強含み

5月20日号

札幌林材協会市況委員会

札幌林材協会は、札樽圏の木材需要、市況の先行き動向など情報交換する「市況委員会」を4月下旬、書面開催した。

札幌市内の木材販売店からは、米材、欧州材が高騰、品不足との声が多く、トドマツKD材の引き合いが強まり、価格も上昇基調にある。建築材不足による、プレカット加工業や住宅着工への影響を懸念する声も聞かれる。

 

スマート林業研修や新商品企画

5月20日号

釧路森林資源活用円卓会議

林業・木材関係者、建築関係者、行政などが連携して森林資源活用を図る「釧路森林資源活用円卓会議」(事務局釧路市)の令和3年度の全体会議が4月26日、釧路市交流プラザさいわいで開催された。

鈴木一浩座長(丸善木材代表取締役)の挨拶のあと、事務局から令和2年度の事業実績が報告された。川上部会では、スマート林業の取り組みに向けてGPS調査とGISソフトに表示させる現地研修を行った。また、川下分野では、木工・設計・製材加工の若手が集まり、商品企画研究会の活動を開始した。木工教室も大人向け・親子向けに開催した。

今年度からの取り組みについては、森林資源活用の課題解決に向けて、3年間の展開方向を示すロードマップを作成して進める。森林環境譲与税の効果的な活用、林業の担い手確保、林業へのICT機器導入、建築物への木材利用促進などに取り組む。

 

輸入材不足、続く可能性

5月13日号

世界需給が変化、国産材重要に

輸入材の高騰など需給環境が激変していることから、林野庁は「国産材の安定供給体制の構築に向けた中央需給情報連絡協議会」の臨時情報交換会を4月14日開催した。

出席者からは、建築材不足は今年いっぱい続く可能性がある、強度が要る構造材の国産材代替は難しく供給タイトが続く、プレカット工場は窮地にあるなど、意見が出された。

 

道森林管理局、下刈りゼロへ実証開始

5月13日号

機械地拵え、コンテナ大苗

北海道森林管理局は、令和3年度の重点取組で森林整備の省力化・機械化の推進に取り組む。森林整備の中でも労働負荷の高い下刈り作業を省略しようと、新たな実証に着手する。

下刈り作業は、夏期の炎天下に刈払機を使用する人力作業であり、請負事業体には若手の作業員が定着せず、作業員の高齢化など人材確保が難しくなっている。また、下刈りは森林整備に要するコストの3割以上を占めており、コスト低減も森林資源の循環利用の課題になっている。

こうした下刈りにかかる労働負荷とコストを軽減しようと、道森林管理局は、ササ等の植生の抑制、成長の良いコンテナ苗の活用を通じて、将来的な下刈りゼロを目指した取り組みを進める。

 

北森カレッジに図書寄贈

5月13日号

日本製紙旭川工場が14冊

日本製紙株式会社旭川工場は4月12日、道立北の森づくり専門学院に、林業教育に役立ててもらおうと森林関係図書を寄贈した。

旭川工場の生産開始80周年と、旭川市に北の森づくり専門学院が開校したことを記念して、書籍「森林大百科事典」ほか14冊を寄贈した。日本製紙旭川工場の大内俊博事務部長が北森カレッジを訪れ、生徒代表の小野アユミさん(2期生)に目録を手渡した。

大内俊博事務部長は「製紙会社にとって森を育てていただくことに感謝します」と述べ、生徒代表の小野アユミさんは「いただいた図書を日々の勉強で大切に活用させていただきます」とお礼の言葉を述べた。

 

カラマツ製材、受注少し回復

5月6日号

原木積み上がらず先が心配

北海道カラマツ製材業協議会は4月23日、情報交換会をポールスター札幌で開いた。

梱包材需要にやや回復が見られるが、原木確保が思うように進んでいない。輸入材高騰に伴う道産材の供給対応、今後の原木確保などについて意見交換した。

 

輸入材高騰、道産材に好機

5月6日号

ハルキの春木真一社長に聞く

輸入材が高騰し、代替製品を探す動きが活発になっている。道産材の加工に変化が出ているのか。

道南でトドマツ羽柄材、集成材生産、スギ壁材、建築プレカット事業など展開する株式会社ハルキ(本社森町)の春木真一社長に、道産材への影響と新たな取り組みを聞いた。

 

北海道国有林、天然力活用し多様な森へ

4月22日号

広葉樹資源の充実、大径材の価値高める

道森林管理局(猪島康浩局長)は4月15日、北海道国有林の令和3年度重点取組事項を記者発表した。天然力を活用した多様な森林づくり、広葉樹資源の安定供給体制の検討、トドマツ・カラマツ大径材の建築材利用推進などに取り組む。

令和3年度事業では、立木販売約92万立方メートル、素材販売約74万立方メートルを計画している。 

 

輸入材高騰、道産材に注文

4月22日号

三津橋産業の三津橋央社長に聞く

輸入材の高騰と製品不足が急激に進んでいる。代替として道産材に需要は出ているのか。道北の士別市でトドマツ建築材生産、住宅部材のプレカット加工事業など展開する三津橋産業株式会社の三津橋央社長に、道産材への影響と新たな取り組みを聞いた。

 

北の森づくり専門学院落成式

4月15日号

林業人材育成の拠点スタート

動画です。クリックで再生できます。

北海道立北の森づくり専門学院の新校舎が完成し、4月9日旭川市西神楽の学院で落成式が行われた。道、林業団体、道議会議員などが出席し、北海道の林業・木材産業の振興を担う人材育成拠点の落成を祝った。

関係者によるテープカットのあと、新型コロナウイルス感染対策の影響で出席できなかった鈴木直道知事に代わり、上川総合振興局の佐藤昌彦局長が式辞を代読した。

祝辞では、北海道林業協会の阿部徹会長、北海道議会の村田憲俊議長、北海道森林・林業活性化推進議員連盟の竹内英順会長が、利用期を迎える森林資源の循環を支える担い手の養成に期待し、また就学や就職を支援していく考えを示した。

学生を代表し、北の森づくり専門学院学生会長の和泉一紘さん(2年生)が挨拶し、「北森カレッジの新しい歴史が始まり、入学した2期生とともに初めて新校舎を使用することができる緊張と期待の気持ちでいっぱいです。道産材が存分に使われており、とても明るく温かみのある空間が広がっています。新しい校舎との出会いが将来の誇りとなるよう、北森カレッジでの生活を大切にすることを誓います」と述べた。

関係者による内覧会では、カラマツコアドライを数多く組み合わせた吹き抜けの構造や、カラマツ、トドマツCLTを壁に使った広い空間の実習室、2階にある教室、7台増えて計10台になった高性能林業機械シミュレーター、窓からの眺めが良くリフレッシュできる休憩スペース、木質チップボイラーなど紹介された。

 

輸入材急減で道木連が緊急会議

4月15日号

道産管柱、羽柄材の注文増加

道木連は、輸入材の激減と高騰の影響で、道産材に問い合わせがきている。この影響と対応について、道木連は緊急の情報交換会を4月6日、オンラインで開催した。

トドマツ製材工場、木材卸、木材商社、プレカット事業者、森林管理局、道など約30人が参加し、現状と道産材の利用拡大対策について意見を交わした。

住宅市場が好調な米国が米材、欧州材を大量に購入しており、中国も欧州材の購買意欲が旺盛である。このため日本向け製品が急減し、価格が高騰している。出席者からは、輸入材の代替として道産材に引き合いが出ている現状が相次いで報告された。

 

輸入材急減、道産材にチャンス

4月8日号

北木市・村上営業部長に聞く

住宅建築に使われる輸入材の入荷難、価格高騰が起きている。道産建築材に引き合いは出てきているのか。

全道各地の針葉樹製材工場から仕入れたエゾマツ・トドマツ建築材の卸売を担う北海道木材市場協同組合(札幌市北区)の村上富士雄営業部長に聞いた。

 

胆振東部森林復旧へ指針

4月8日号

土壌と傾斜に応じ植林、天然更新

胆振東部森林復旧へ指針

道が設置する胆振東部森林再生・林業復興連絡会議は3月30日に会合を開き、「胆振東部地震被災森林復旧指針」を決定した。

森林の早期復旧に向けて、緩やかな斜面や、崩落した土壌の堆積地には植林を積極的に進めるなど、森林条件に応じた回復の方向を示した。被災森林の所有者の不安解消に努め林業経営意欲を喚起する支援も行う。

地震で大規模な崩壊が発生した森林の復旧を本格化させる段階にあるが、被災林は広範囲にわたる上、養分を含む土壌が崩落し硬い基盤が露出している急斜面が多くある。このため森林の造成はまだ一部にとどまっている。

この日、被災3町、森林組合、森林整備事業体、関係団体、研究機関などで構成する森林再生・林業復興連絡会議はウェブ会合を開き、被災森林を復旧させる具体的な方策を示す「胆振東部地震被災森林復旧指針」を決定した。

指針では、道総研林業試験場が行っている植栽試験の中間結果を踏まえ、土壌条件と傾斜の違いに応じた復旧手法を示した。

 

欧州材、2×4材が高騰、確保難に

4月1日号

木材卸売のハガ木材に聞く

輸入材の高騰が続いている。欧州ホワイトウッド建築材、カナダ産2×4材を輸入し、道内で卸売りをしている株式会社ハガ木材(芳賀信裕社長、本社札幌市中央区)は、世界的な木材需給環境にこれまでにない変化を感じている。同社住環境資材グループの渡辺成部長代理に輸入材の現状を聞いた。

 

素材販売一部見合わせを解除

4月1日号

国有林材供給調整検討委

北海道森林管理局は、令和2年度の第4回国有林材供給調整検討委員会を3月10日、道局で開催した。建築用材の需要や移出、梱包材も回復する動きが見られる中、原木不足を懸念する意見が出され、新たな供給調整は必要ないと結論した。

このため、道森林管理局は、立木販売物件の搬出期間を延長する措置を継続しつつ、素材委託販売の一部見合わせを解除、立木販売を例年ベースで販売することとした。一方で、供給過多と判断される場合は速やかに供給調整を実施する。

 

仁宇布小中学校が完成

4月1日号

美深産材で森の学び舎

仁宇布小中学校が完成

町産の森林認証材を最大限に活用した美深町立仁宇布小中学校の新校舎が完成した。建築物自体がCOC認証を取得したことから、美深町は3月24日、プロジェクト認証書授与式を新校舎で開催した。

豊かな森林に囲まれ木材のまちとして栄えた美深町は、老朽化した仁宇布小中学校を木材を使って建て替えることにした。上川管内では私有林、市町村有林、道有林がSGEC森林認証を令和元年度に取得し、約22万ヘクタールの認証地域が誕生したことから、十分な認証材の確保が可能となった。

美深町の町有林、道有林のトドマツ、カラマツなど伐採し地域で製材加工し、令和2年5月に着工した。認証材はSGECの要求基準に適合させるよう厳しく管理して取り扱った。審査の結果、プロジェクト認証の取得が決まり、この日、認証書授与式が行われた。

新校舎は木造平屋建て、床面積約800平方メートル。付属施設も含め工事費は約4億4000万円である。カラマツ構造用集成材、トドマツ間柱、トドマツ羽目板、カラマツフローリングなど町産材を原料とした製品約211立方メートルを使用した。道産の構造用合板など含めると木製品使用量は合計約278立方メートルとなる。

同校は全校児童・生徒23人で、うち14人が町外からの山村留学生が占める特色ある学校である。待望の新校舎には4月7日の入学式から登校する。

 

北森カレッジ新校舎が完成

3月25日号

道産材、適材適所に

北森カレッジ新校舎が完成

北海道林業の将来を背負う人材育成の拠点となる北海道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)の新校舎が完成し、4月の運用を前に3月18日報道公開された。道産材をふんだんに使用し、木の良さを体感しつつ木材利用を学べる新校舎で、令和3年度から1年生と2年生計73人の学生が林業の知識・技術を学習することになる。

北森カレッジ校舎は、旭川市西神楽の道総研林産試験場の敷地内で、同試験場に隣接して建設された。木造2階建て(一部RC造)、延べ床面積約1300u、1階にエントランスホール、実習室、職員室を、2階には教室と図書室、会議室などを設けた。また、機械室(バイオマスボイラー)棟を整備している。

新校舎の主要構造材として、カラマツCLT(111立方メートル)、トドマツCLT(47立方メートル)、カラマツコアドライ材(19立方メートル)、カラマツ集成材(64立方メートル)を使用した。林業を学ぶ学生が2年間の学生生活を通じて北海道の木の良さを体感しながら、様々な樹種の木材利用を学ぶことができる校舎となっている。

 

道、スマート林業推進方針策定へ

3月18日号

森林管理、生産、造林に積極導入

道水産林務部は今年度末に策定する「北海道スマート林業推進方針」案を開会中の道議会に報告した。素材生産量が多く造林保育事業が盛んで、広大で豊かな森林を有する北海道こそ林業イノベーションを積極的に推進する必要があるとして、スマート林業推進方針を策定し、先進技術の導入を本格化させる。

北海道では、森林資源が成長し今後林業生産が活発化することが見込まれるが、人口減少に歯止めがかからず、森林づくりの担い手不足が懸念されている。一方で、比較的傾斜がなだらかな北海道は高性能林業機械の導入台数が全国一であり、また、生産された原木は直送方式の流通が多くみられている。

こうした北海道の強みや特性を活かしつつ、限られた労働力で森林管理や林業生産が進むよう、先進技術を採り入れ、全国をリードする魅力ある林業を展開する。

このため、北海道スマート林業推進方針を策定し、行政、事業者、試験研究機関の連携のもと、具体的な取り組みを進める。10年後のめざす姿を大きく提示し、その実現に向け今後5年間の具体的な展開方向を記載した。

 

生分解性コンテナ苗、補助対象に

3月18日号

容器ごと出荷し植付け可能

生分解性コンテナ苗、補助対象に

北海道に適したコンテナ苗の生産・利用拡大について林業団体等が協議する道主催「北海道コンテナ苗協議会」がこのほど書面開催され、容器ごと植栽できる生分解性コンテナ苗について、民有林での造林補助対象化を協議した。

コンテナ苗は、プラスチック製のコンテナ容器で育成された根鉢付きの苗木で、平成30年度から民有林の造林補助事業の補助対象となっている。植栽時はコンテナ容器から外して植えるが、この容器に生分解性プラスチック(不織布)を使用し、容器ごと植えられる生分解性コンテナ苗も道内で生産され始めている。

しかし、植林後の成長量等のデータがないため、補助対象外とされてきた。こうした中、国有林や道有林に試験的に植栽され、試験研究機関による検証が行われてきた。

コンテナ苗協議会では、道総研林業試験場による検証結果が示された。国有林、道有林に平成28年に植栽された生分解性コンテナ苗について、平成29年〜令和元年の3年間にわたり生残率や根の成長量など、従来のコンテナ苗と比較検証したところ、差は見られなかったことが報告された。

この結果をもとに、協議会では生分解性コンテナ苗の補助対象化について協議し、公共造林事業の実用上は問題がないと了承され、道は生分解性コンテナ苗を補助対象苗木として取り扱うことを決めた。造林事業補助金査定基準を改正し、令和3年度から補助対象とする。

 

林業・木材団体が森づくり学院生に160万円

3月18日号

33人の地域実習を支援、今年度2回目

北海道林業・木材産業人材育成支援協議会(阿部徹会長)は3月4日、旭川市の道立北の森づくり専門学院を訪れ、森林組合・木材企業・市町村から寄せられた賛助金のうち159万9000円を、学院生への2回目の給付金として贈呈した。

北の森づくり専門学院の講義室で行われた贈呈式には、道林業・木材産業人材育成支援協議会の沓澤敏代表幹事(林業協会副会長)、寺島幸弘事務局長(造林協会事務局長)が出席し、学院生代表の和泉一紘さんに目録を贈呈した。

今回給付した約160万円は、地域事業体でのインターンシップに学院生が参加する旅費などを支援するもので、それぞれが道内各地で行った実習先の距離に応じて差をつけた4パターンの金額を33人の学院生に給付した。1回目は昨年9月に132万円を贈呈したので、年度合計では291万9000円の支援額となった。

 

素材生産、造林事業を安定確保

3月11日号

道森林管理局、事業説明会

北海道森林管理局は、令和3年度造林・製品生産・立木販売事業の説明会を3月5日、道局で開催した。国有林事業を請け負う造林・造材会社など約80人が出席した。造林の効率化、素材生産と販売の進め方など説明した。

開会にあたり、河野裕之森林整備部長が挨拶し、「新型コロナウイルスの影響は、当面続くと考えられる。北海道国有林としては、素材生産事業体、造林事業体の皆さんの育成に軸足を置いた対応が重要と考えている。生産事業は当初予定どおり発注を行い進めていくことが大事であり、来年度以降も安定した事業を皆さんにお願いしたい」と述べた。

 

民有林へコンテナ苗普及

3月11日号

道東で3年間モデル植栽

道森林整備課は、一般民有林へのコンテナ苗利用に力を入れる。来年度から3年間で森林組合にモデル的に植栽してもらい、作業性など聞き取り調査を行う。

道は令和2年3月に「北海道コンテナ苗利用拡大推進方針」を策定した。令和10年に300万本に拡大する利用目標を掲げ、利用促進と生産体制整備に取り組んでいる。

道内の植栽面積の多くを占める一般民有林での利用を促進するため、今年度から道東地区(十勝・釧路)の森林組合の森林整備事業でコンテナ苗を使用する機会を設ける。1組合5ha、年5〜6森林組合に植えてもらう取り組みを3年間実施する。

 

波に乗れない道産材、道内住宅に

3月4日号

トドマツ構造用集成材に展望

道森林管理局主催の北の国・森林づくり技術交流発表会で、森林総合研究所北海道支所地域研究監の嶋瀬拓也氏が「歴史から見通す北海道林業・木材産業の将来方向」と題して特別講演し、「波に乗れない道産材」と副題をつけて北海道が直面している林業・林産業の究極の問題、課題を考察した。

 

森林・林業基本計画の方向

3月4日号

再造林で森林吸収量確保

林野庁は2月25日、林政審議会(会長・土屋俊幸東京農工大学名誉教授)を開催し、森林・林業基本計画の変更について審議した。再造林の確保、林業イノベーション、都市の木造化など、新たな基本計画の対応方向(素案)を示した。

森林・林業基本計画は、森林および林業に関する施策の基本的な方針を定めるもので、おおむね5年ごとに変更を行っている。現行の基本計画は、令和3年に策定後5年を経過することから、林政審議会で変更に向けた検討を開始している。今回の審議会では、新たな基本計画の方向を提示し議論した。

新たな森林・林業基本計画の全体を通じたテーマについては、森林・林業・木材産業による「グリーン成長」の実現を掲げている。森林を適正に管理し、林業・木材産業の持続性を高め成長発展させることで、2050カーボンニュートラルを見据えた豊かな社会経済をめざす。

 

日本橋に木造高層ビル

3月4日号

三井不動産が耐火集成材で17階建

北海道の木材を活用して国内最高層のビル建築が検討されている。三井不動産株式会社と株式会社竹中工務店は、東京都心の日本橋本町1丁目に17階建てオフィスビルを新築するプロジェクトを発表した。2年後の着工をめざし検討を本格化させる。

両社は、再生可能な森林資源の循環をめざす企業として、また、これまでなかった木造オフィスビルにより都心で働く人に木のぬくもりを与える取り組みとして、木造高層建築に挑戦する。

ハイブリッド木造技術を導入し、地上17階建、高さ70m、延床面積約2万6000平方メートル、現存する木造建築として国内最大・最高層のビルを新築する。建築主は三井不動産で、事務所・店舗向けの賃貸オフィスビルとする。主な構造部材に竹中工務店が開発した耐火集成材「燃エンウッド」などを活用するほか、床や仕上材などにも木材を多用する。

使用する木材については、三井不動産グループが北海道に保有する森林の木材を積極活用する。同社グループである港エステート株式会社が、北海道各地に合計5000haの森林を保有しており、その全てでSGEC森林認証を取得している。この持続可能な森林から出る木材を活用する。これらのうち構造材に使用する木材量は国内最大規模の1000立方メートル超となる見込み。

 

造林135億円・108%、道予算案

2月25日号

新規で「豊かな森づくり推進事業」

道は令和3年度道予算案を2月19日発表した。林務関係では、当初予算と2年度補正予算を合わせた15カ月予算で、森林整備(造林・林道)の公共事業は約162億円、治山事業は約121億円を計上し、ともに前年を上回る規模を確保。また、未来森事業の後継として、植林支援対策「豊かな森づくり推進事業」に6億8000万円を計上した。

コロナ禍による影響が長期化する中、森林資源の循環利用を継続するため、着実な再造林、原木の安定供給、道産木材の利用促進、林業担い手の育成・確保など多彩な施策を展開し、森林・林業・木材産業の活性化につなげる。

 

豊かな森づくり推進事業、創設

2月25日号

未来森後継5500ha、6億8千万円

道は令和3年度予算案に、新たな植林支援事業「豊かな森づくり推進事業」を盛り込んだ。予算額は6億8200万円、事業量は5500ヘクタール分を計上し、終了する未来につなぐ森づくり推進事業と同額の予算規模を確保する。未来森を引き継ぎ、北海道の豊かな森林づくりを今後10年間支える。

豊かな森づくり推進事業は、事業主体が市町村や大企業を除く森林所有者。造林公共事業の国と道の補助率68%に加えて、市町村と道がさらに26%(市町村10%、道16%)単独補助することで、植林の森林所有者負担を6%にまで軽減する。全道に広く浸透している現行対策と同じ補助率としており、民有林関係者が活用しやすい制度となっている。

 

間伐等特措法、10年延長へ

2月18日号

地方債の起債特例を継続

政府は2月9日、間伐等特措法(森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法)の改正案を閣議決定し、国会に提出した。改正案では、地方債の起債の特例などの支援措置を令和12年度(2030年度)まで10年間延長するほか、新たに再造林を促進する措置を設ける。

地球温暖化対策を目的に平成20年に制定された同特措法は、間伐を推進するための支援措置として、地方債の起債特例措置を規定している。市町村が特定間伐等促進計画を策定し、公共の間伐等を実施、または上乗せ助成を行う場合、都道府県・市町村の負担分が地方債の対象となり、元利償還額の3割が特別地方交付税で措置される。

この地方債の特例措置の延長は森林資源の循環利用に不可欠であるとして、道内林業関係者が国など関係機関に対し積極的な要請活動を展開。その動向が注目される中、改正案では2030年度まで10年間の延長が盛り込まれた。これにより、伐採後の植林に道と市町村が上乗せ助成を行う道事業「未来につなぐ森林づくり推進事業」の継続に道筋がつく。

また、同法改正案では特定母樹から育成された「特定苗木」(道内ではクリーンラーチが流通)を用いた再造林を促進する措置を新設する。

 

素材生産業のコロナ影響

2月18日号

日本政策金融公庫が調査

日本政策金融公庫は、道内の素材生産業者を対象に「林業動向調査」を実施し、調査結果を2月10日に発表した。道内素材生産業の景況感や新型コロナウイルス拡大による影響を調査した。

調査は、日本政策金融公庫の農林水産事業本部・北海道地区総括課が、令和2年11月に素材生産業者を対象に実施した。140事業者から回答があった。結果は、前年と比べ増加すると回答した割合から、減少すると回答した割合を差し引いた指数で表している。

令和2年の素材生産業の景況DIは、マイナス34.9と大きく低下する見通しとなった。また、令和元年にプラス7.1を保っていた資金繰りDIも、マイナス14.2と悪化に転じた。

木材の販売数量、販売価格の動向では、令和2年は大幅に悪化する見通しを示している。特に販売価格は、平成30年にプラス31.3だったが、令和元年はマイナス1.6、令和2年はマイナス55.2と大幅に悪化する動きとなっている。

一方、設備投資マインドは現状維持の見込みだが、これまでと比較すると投資には慎重な姿勢となっている。

 

紙・板紙の内需前年並み、新聞用紙減少

2月18日号

日本製紙連合会2021年予測

日本製紙連合会は、紙・板紙内需試算を1月20日発表した。2021年の紙・板紙の内需は前年比0.4%増を予測するが、新型コロナウイルス拡大の影響で急減した前年並みにとどまり、コロナ前の水準までは回復しない見通し。

前年は新型コロナウイルスの影響を受け、内需全体で前年比9.6%減と大幅な落ち込みを見せている。こうした状況の中、2021年の紙の内需は計1170万トンで前年比0.4%減少、一方、板紙の内需は計1130万トンで、1.2%増加し、紙・板紙合計では2300万トン、0.4%増加を予測している。

紙・板紙の内需は、人口減、デジタル化進展などの構造的要因により下押し圧力が続いており、ピーク時の21年前に比べると72%の水準になると予測される。

 

原木の移出・輸出40万トン

2月11日号

道港湾統計令和元年度

道総合政策部は、道内各港での貨物取扱を集計した「北海道港湾統計年報」の令和元年版を公表した。木材の取扱量では、原木の移出と輸出の合計が約40万3000トンとなり、前年を4万2000トン上回った。

道が港湾管理者を通じて貨物取扱事業者に調査を実施しまとめたもの。このうち原木の取扱量についてはトンで報告を求めている。北海道港湾統計では、材積に換算する場合の換算率は1トン=0.835立方メートルとすると表記している。

令和元年の調査では、北海道からの原木の移出・輸出量は、4年連続で増加し合計約40万3000トンと、近年では最も多くなった。内訳では、移出が約35万5000トン(約5万3000トン増加)と多くを占めている。海外輸出は約4万8000トン(約1万1000トン減少)となっている。

 

エゾシカ捕獲に大型囲いわな

2月11日号

苫小牧国有林で現地検討

エゾシカ捕獲に大型囲いわな

北海道森林管理局は、道央圏で初めて実施している大型囲いわなによるエゾシカ捕獲事業の現地見学会を2月5日、苫小牧国有林で開催した。道庁・振興局、石狩・胆振管内の市町村、試験研究機関、森林管理局など約90人が参加した。

現地検討が行われた苫小牧国有林(1280林班)は、苫小牧市街と支笏湖間の国道276号線沿いの比較的平坦な林地であり、平成30年の狩猟者の誤射による森林管理局職員の死亡事故を踏まえて銃猟が禁止されている。エゾシカによる林業被害低減、食肉としての有効利用を図るため、今年度初めて大型囲いわなを設置し、捕獲事業に乗り出した。

囲いわなのサイズは全長20m、幅17m、合板で高さ3mの壁を形成している。牧草と大麦を餌にしてシカを内部に誘い込み、WEBカメラで状況を監視しつつ、遠隔操作の落とし扉で閉じ込める方式である。

胆振東部森林管理署は、エゾシカ捕獲事業をNPO法人(札幌のEnvision環境事務所)に委託し、12月から餌付けを開始、1月にわなを設置してシカ15頭を捕獲している。この日は、6頭を捕獲した。捕獲したシカは全て南富良野町の食肉処理会社に運搬し、食肉として有効利用される。

 

道庁玄関ホールに道産材

2月11日号

木質建築で需要喚起へ

道庁玄関ホールに道産材

道は本庁舎の顔である1階玄関ホールに木質内装材を一部導入する。道産木材の需要喚起をめざすもので、多様な樹種で北海道らしい空間をつくり、来庁者に道産材活用をPRする。

このほど実施設計が終わり、イメージ図を公開した。設計は札幌市の株式会社遠藤建築アトリエが実施した。大理石とガラスの重みある雰囲気の玄関ホールに、木の持つ柔らかさをプラスして空間の魅力アップを狙う。

吹き抜けの2本の柱には、カラマツ材のルーバーを配置する。また、東西にある入口の東側にはトドマツCLTのゲート、西側には道南スギ板材のゲートを配置する。さらに8基あるエレベーター入口にそれぞれ異なる種類の木材を張る。

道水産林務部は、新型コロナウイルス感染症の拡大で木材需要が減少する中、道内の市町村施設や民間施設に木質化を波及させたいと考えている。

 

パイロットフォレスト齢級平準化へ

2月4日号

道森林管理局が第3回検討会

パイロットフォレスト齢級平準化へ

道森林管理局は、パイロットフォレストの超長伐期化と齢級構成平準化に向けた第3回検討会を1月18日開催した。根釧原野に広がる約6000haのカラマツ人工林の新たな管理方向について、現地調査などをもとに検討した。

道内の国有林は主伐期を迎えた人工林が多くなっており、齢級構成の平準化が課題となっている。パイロットフォレストは、昭和31年から植栽してきたカラマツが一斉に50〜60年を迎えており、公益機能維持、木材供給量平準化の観点からも伐期の分散が必要となっている。

森林管理局は今年度「パイロットフォレストにおけるカラマツ人工林の超長伐期化と齢級構成平準化に向けた検討会」を設置し、現地61プロットの調査、専門家の委員3人による検討など進めてきた。

今回の検討会では、長伐期に適した林分とは何か考え方が整理された。

 

走行性能高い8輪フォワーダ導入

1月28日号

北見市の赤坂木材

走行性能高い8輪フォワーダ導入

北見市留辺蘂町の赤坂木材株式会社(渋谷光敏代表取締役社長)は、令和2年9月に北海道で1台目(全国で3台目)となる走行性能の高いフォワーダを導入し、素材生産における作業システムの見直しとともに、労働環境を改善するなど、作業の効率性・安全性の向上を図っている。

赤坂木材は、社員総勢25人、年間の素材生産量は4万2000立方メートルで、4〜7人の4セットのチームで、所有する林業機械のハーベスタ2台、プロセッサ3台、フォワーダ5台、グラップルソー12台などを組み合わせて作業システムを形成している。また、社員は機械の操作以外に、造林の地拵え・植付け・下刈り・チェーンソーでの造材まで、全てこなすことができる。

今回、作業システムの見直しのために導入した高性能林業機械は、スウェーデンのGREMO(グレモ)社、1050F4フォワーダ、10・5トン積み、走行速度が23q/hと速く、低重心で安全性に優れている。また、8輪駆動にボギーチェーンなどを装備すると悪路走行性が高く、林内での集材や荒れた集材路でも安全な走行を実現している。

会社では、1050F4フォワーダの導入により、集材距離が長い林分においても、作業の工程間のバランスが保たれ、作業のムラや無駄が解消された。また、荷台に装着している短幹集材用ステッキは、全幹・全木集材用のクラムバンク(大きいトングで材を束ねるもの)に交換可能で、約30分程度でスキッダに変更でき、脱着による作業時間の縮減と1台で各作業システムへの適応を可能にしている。

 

若狹靖道治山林道協会長に農林水産大臣賞

1月28日号

日本林道協会70周年記念林道功労者

日本林道協会は創立70周年を記念して林道功労者表彰を行い、道内からは、北海道治山林道協会の若狹靖会長(厚岸町長)が最高位の農林水産大臣賞を受賞した。林道功労者は、日本林道協会の役員、または地方協会の役員として顕著な功労のあった者を表彰するもの。

 

下川町が原木保管土場の使用開始

1月21日号

国有林と共同で5500立方メートル

下川町が原木保管土場の使用開始

下川町は、新型コロナウイルスの影響で滞留する原木流通対策として、原木の保管土場を町内に整備した。国有林と共同で使用する原木土場として開設し、12月から使用を開始した。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い木材需要が悪化、原木流通が停滞する状況に対して、下川町は市街地の東側にある町有地(緑町47等)に広さ5000平方メートルの原木ストックヤード整備に踏み切った。8月の町議会で「下川町原木供給拠点緊急整備事業」1826万円の補正予算を可決し、対象地の整地、道路取り付け、木柵設置など工事を進めていた。

原木保管土場の開設は、国有林と共同で取り組む。地元の上川北部森林管理署が、国有林ストックヤード整備事業を使い砂利敷きなど担った。このほど工事が終わり、冬山造材で出材する原木の受け入れを開始した。この原木供給拠点緊急整備事業では、町有林材の積み降ろしや椪積み、土場の除雪など管理経費も賄う。

 

森林整備1744億円、109%に

1月14日号

林野庁予算案

政府は12月15日に令和2年度第3次補正予算を、21日に令和3年度予算案を閣議決定した。林野庁関係では、当初と補正を合わせて公共事業の森林整備に1744億円を計上するなど、森林整備、治山とも前年の当初と補正合計を約1割上回った。

 

浦幌町がデジタル森林浴

1月14日号

企業と協力、癒し空間提供

浦幌町がデジタル森林浴

十勝管内浦幌町(水澤一廣町長)とフォレストデジタル株式会社(辻木勇二社長)は、デジタル森林浴を体験できる施設「uralaa park urahoro(うららパーク浦幌)」を12月12日にオープンさせた。

ITベンチャー企業のフォレストデジタル株式会社は、浦幌町に本社を置き、森林空間を体感してもらうデジタル森林浴の事業展開をめざしている。事業化は浦幌町、森林環境の研究者、地元林業関係者などの協力を得て進めている。

このデジタル森林浴の国内初となる体験施設「うららパーク浦幌」が、廃校になった同町の旧常室小学校を活用した施設内にオープンした。正面、左右、上の5面にマルチスクリーンを配置し、北海道の森林や屋久島の天然スギの風景を映し出す。葉のざわめき、森の香り、流れる風まで再現する。

施設を整備した浦幌町は、この技術を活用し、森林の普及や森を守る人材の育成につなげるほか、森林へ行くことが困難な人たちに癒しの空間を提供し、心身の健康増進につなげたいとしている。

体験施設「うららパーク浦幌」は、浦幌町常室51番地1のTOKOMURO Lab内にある。木曜・金曜・土曜日(祝日を除く)にオープンしており入場無料。1回の上映時間は約45分。

 

ナラ枯らすキクイムシ、北海道で初めて捕獲

1月14日号

雄島南西部の山林で5匹

森林研究・整備機構森林総合研究所と道総研林業試験場は、ナラ類を枯死させる昆虫「カシノナガキクイムシ」を北海道で初めて、道南の松前町、福島町で捕獲した。日本森林学会発行の学術誌でこのほど発表した。

カシノナガキクイムシは、ナラやカシの木を枯死させるカビ「ナラ菌」を運ぶ昆虫。この虫がナラ・カシ類の幹に侵入すると、ナラ菌の増殖により樹木が通水機能を失う「ナラ枯れ」が起こる。

令和元年に青森県でナラ枯れ被害が急増したことを受けて、北海道に生息していないか、松前町、福島町、知内町にある20カ所の森林にキクイムシが誘引される匂いのするフェロモン剤をいれた捕獲器を令和2年7月に設置し、生息状況を調査した。

その結果、松前町と福島町の4カ所で雄2匹、雌3匹の計5匹が捕獲された。北海道で捕獲器を使った調査が行われたのは今回が初めてで、カシノナガキクイムシが北海道に侵入した時期は不明。

森林総研北海道支所は、現在、道内でナラ枯れ被害は確認されていないが、北海道に生息するミズナラ、コナラ、カシワはいずれもナラ枯れに弱い樹種で、今後の発生が危惧される。早期発見、防除する体制を整えておくことが重要であるとしている。

 

北海道開発予算、森林整備56億円

1月7日号

当初と補正では100億円超

国土交通省北海道局が発表した北海道開発予算案では、森林整備に令和2年度補正で48億9400万円、3年度当初で56億3000万円が盛り込まれ、合計で100億円を超える規模となった。


2020年

 

スマート林業実演会、芦別市で

12月17日号

苗木運搬ドローン、自動採材、丸太写真検知システム

スマート林業実演会、芦別市で
スマート林業実演会、芦別市で

道水産林務部は「ICTでスマート化する北の林業現地実演会in芦別市」を12月7日、芦別市有林で開催した。苗木運搬ドローン、ハーベスタ採材システム、丸太の写真検知システムなど実演した。

現地実演会は、スマート林業普及をめざす道事業で、道林業機械化協会が受託して実施した。10月の厚真町での実演会に続き2会場目となる。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、現地実演(19人参加)のほかYouTubeライブ配信を行い、感染リスクを避けて開催した。

紹介したのは、▽苗木運搬ドローン▽GPSによる植栽位置への誘導ナビ▽ICTハーベスタ▽写真検知システム。

 

枝幸町、森林環境譲与税で独自事業4300万円

12月10日号

間伐、保育、林業機械導入を支援

宗谷管内の枝幸町は、森林環境譲与税を活用して森林整備事業に補助する独自事業と、林業機械の導入等を支援する独自事業を創設し、今年度から本格スタートさせた。この2事業で譲与税を合計4300万円活用する大規模な事業となっている。

枝幸町は私有林人工林が1万3500haあり、林野率81%と高率なことなどから、9月時点の交付額は全道で7番目に多い。独自事業は、森林整備への助成、機械導入費等の支援の2つを柱とし、今年度から事業を本格スタートさせた。

 

森林認証取得へ準備会

12月10日号

留萌4森林組合と9市町村

留萌管内の4森林組合、8市町村と宗谷管内幌延町の計9市町村は「るもい森林認証協議会準備会」を設立した。民有林約4万8000haのSGEC認証の取得をめざす。

留萌地域の持続可能な森林管理を証明し、地域材のブランド力を上げようと、留萌地区森林組合振興会が森林認証の先進地調査や市町村への協力要請を行ってきた。地域関係者の合意を得て、12月1日、るもい森林認証協議会準備会の設立総会を遠別町生涯学習センターで開催した。

 

北海道林業会館が完成

12月3日号

札幌駅近く林業団体の拠点

北海道林業会館が完成

建設を進めてきた北海道林業会館が11月16日完成した。札幌駅近く道庁赤レンガ庁舎前の一等地に、西日本鉄道株式会社と共同で地上14階建「西鉄・林業会館ビル」を建設した。主に3、4階を林業会館が使用し、その他は上質感あふれるホテルとして使用される。

建築面積は約1250平方メートル、全体事業費は約100億円、うち林業会館分の建築費は約10億円である。1階に林業会館と大きく表示された専用玄関を持ち、会館は2階に1部屋、3階に13部屋、4階に12部屋を持つ。共用部分、会議室、理事長室の壁・フローリングには、カラマツ、トドマツ、ナラなど木材を多用している。

 

美幌町が森林整備事業創設

12月3日号

森林環境譲与税3600万円活用

森林環境譲与税を活用して大型独自事業を創設した市町村が出てきている。オホーツク管内有数のカラマツ地帯の美幌町は、譲与税約3600万円を活用し、間伐など森林整備に対する独自の補助事業を創設した。

森林認証林で間伐等事業を行う場合は補助率をさらに手厚くすることで、所有者の森林認証取得に向けた意欲を高め、適切な森林管理につなげる。

 

浦幌小学校が森林体験

11月26日号

杉江山林と木下林業で学習

浦幌小学校が森林体験

十勝総合振興局は、浦幌小学校から依頼を受け、4年生を対象に町の基幹産業の一つ「林業」を学ぶ森林体験学習を年3回の予定で実施している。

10月29日に実施した第1回は、北海道指導林家である杉江英雄さんの所有するカラマツ林を訪問し、森林室職員による講話後、杉江さんから祖父の代からの森づくりの話を聞き、身のまわりの森林が人の手によって大切に育てられていることを学習した。

11月16日に実施した第2回目の学習では、大切に育てられた木がどのように伐採され、地元工場に運ばれて加工されているかを学習するため、教室で伐倒〜造材〜運材までの一連作業について動画を見て学習したあと、町内にある木下林業株式会社を訪問した。木下真利社長から説明を受けながら、土場に積まれた丸太の樹種や規格、工場では製材やチップの製造を見学した。

 

パイロットフォレスト超長伐期へ

11月19日号

林況、風害、野鼠害データ収集

道森林管理局は、パイロットフォレストの超長伐期化と齢級平準化に向けた検討会を設置している。11月9日と10日には検討会の委員が現地パイロットフォレストを訪れ、カラマツ単層林、混交林、伐採現場などを視察した。

道内の国有林は50年生以上の森林が増加している。主伐を迎えた人工林が多く、齢級構成はいびつな釣鐘型となっている。公益的機能、事業コストの平準化などを考慮し、伐期の分散による齢級構成の平準化が不可欠となっている。

このため、根釧西部森林管理署管内にあるパイロットフォレストの広大なカラマツ人工林を対象として、一斉に伐るのではなく、地況、林況、野鼠害、風害等のリスクを踏まえ、200年生を見据えた超長伐期化と齢級構成の平準化に取り組む。

検討会の委員には、渋谷正人北海道大学大学院農学研究院教授、嶋瀬拓也森林総合研究所北海道支所地域研究監、滝谷美香道総研林業試験場森林経営部主査が就き、この夏に第1回会合を札幌市で開催した。今回は、道森林管理局の小島健太郎計画保全部長、根釧西部署の相澤伴軌署長らとともに、厚岸町と標茶町にまたがるパイロットフォレストを訪れた。

 

地材地消見学会

11月19日号

北見市の林業現場、工場、新庁舎

北見の地域材活用推進の会(代表・西村貴寿北見第一木材株式会社常務、事務局はオホーツク総合振興局東部森林室)は11月4日、道立北見高等技術専門学院の建築技術科訓練生等21人を対象に、丸太から製材を経て建築に利用されるまでを視察する「北見地域地材地消見学会」を開催した。

地域材活用推進の会では、地域内での地材地消をさらに促進するため、オホーツク東部地域の木材加工や建築・建具の技術を有する企業など、その地域特性を普及PRし、木材産業の活性化、雇用確保や地域経済の拡大につなげることとしている。

今回の見学会は、将来の建築や設計を担う技専訓練生に、地元企業の技術を継承し、地域材を意識して使うことが、地域を元気にすることを理解してもらうため実施した。

 

北森カレッジ校歌を制作

11月19日号

笹木勇一郎さんらに感謝状

北森カレッジ校歌を制作

北海道立北の森づくり専門学院の校歌が完成した。この楽曲を提供したシンガーソングライターの笹木勇一郎さんら3人に、寺田宏学院長が感謝状を贈呈した。

感謝状が贈呈されたのは、作詞作曲の笹木勇一郎さん、ピアノ編曲の幡宮航太さん、2人に校歌提供の働きかけをした元水産林務部長の幡宮輝雄さんの3人。10月27日に道庁で贈呈式が行われた。

代表して感謝状を受け取った笹木勇一郎さんは、札幌生まれのプロのシンガーソングライターで東京在住。昨年12月に、学院が開校する林産試験場、道有林伐採現場など訪問し、楽曲「木漏れ日の賛歌」を制作。このほど著作物許諾契約が結ばれた。

 

ICTハーベスタ、厚真町で実演

11月12日号

価値高い径級、長さ算出し玉切り

ICTハーベスタ、厚真町で実演

情報通信技術(ICT)等の先進技術を活用して森林整備や木材生産を効率化し、儲かる林業を実現しようと、道はスマート林業の構築を推進している。10月30日「ICTでスマート化する北の林業現地実演会」が厚真町で開催され、ICT搭載ハーベスタが紹介された。

現地実演は三菱マテリアル社有林(厚真町豊川)を会場に行われ、森林組合、市町村、振興局など約90人が参加。ICT搭載ハーベスタ、苗木運搬ドローン、タブレット端末による丸太材検知システムの実演など行われた。

このうちICT搭載ハーベスタは、インターネット等を通じて原木の需要・生産情報等を送受信することで、需要に合わせて効率的に生産しようとするもの。この日は、日立建機日本から、フィンランドのワラタ社製ハーベスタが紹介された。

 

林業会館ビル、完成間近に

11月12日号

会館内装にトドマツ、カラマツ、ナラ

林業会館ビル、完成間近に

新たな北海道林業会館が完成間近となっている。10月下旬、北海道林業会館の役員と評議員が建設現場を訪れ、竣工直前の会館内部を視察した。

道庁赤レンガ庁舎を眺望できる札幌市中央区北4西5に、道林業会館が西日本鉄道と合同で14階建ての複合ビルを建設した。旧林業会館を建て替えたもので、全体建設費は約70億円。新たに「西鉄・林業会館ビル」として生まれ変わった。

林業会館は1階に専用の入り口を持ち、2階の一部、3階と4階のほぼ全フロアを会館専有としている。このほかは、ソラリア西鉄ホテル札幌として来年2月1日に開業し、北海道らしいデザインの高級感あふれる客室を提供する(全318室)。

林業会館内部の視察には、役員・評議員12人が参加。設計施工の竹中工務店の案内で、各林業団体が入居する3階、4階を視察した。

 

国有林の生産、供給事業

11月5日号

道森林管理局原田隆行局長に聞く

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、道産材の流通が低調となっている。

国有林からの素材生産や立木販売を通じて木材供給を進める北海道森林管理局は、今年度後半の事業をどう展開していくのか。森林管理局の原田隆行局長に、北海道国有林の対応について聞いた。

 

胆振林業青年部が復興支援

10月22日号

厚真町の被災林で植樹指導、シカ柵設置

胆振林業青年部が復興支援

9月28日、厚真町立上厚真小学校の5年生13人が、胆振東部地震による土砂崩れで崩壊した町有林で、森林の再生や町の復興を願い植樹会を行った。苗木の植栽やシカ柵設置の活動には、胆振林業青年部(大宮健二会長)が協力と支援を行った。

この取り組みは、厚真町、厚真町教育委員会、NPO法人北海道市民環境ネットワーク、胆振林業青年部が主催した。

 

広葉樹材の価値向上へ

10月15日号

日高南森林組合が板材販売

広葉樹材の価値向上へ

ひだか南森林組合(小野哲弘組合長)は、地域の広葉樹の価値向上をめざし、集荷したバイオマスチップ原料材から大径広葉樹を選別して板材に製材、家具・什器向けに販売する取り組みを本格スタートさせた。

ひだか南森林組合は様似町と新ひだか町静内に木質バイオマスチップ加工場を整備し燃料チップを生産、江別のバイオマス発電所に供給している。地域から未利用の低質材、原料材、林地残材を集荷する中で、大径広葉樹も全体の1割程度集まってくる。

地域の広葉樹は、需要面で折り合いがつかず原料材に仕向けられるものが大半だが、集められた広葉樹の中には、樹齢200年以上に達するものもある。これをチップにするのは惜しい、大径材の重厚な佇まいを活かした利用ができないかと考え、旧鵜苫小学校に所在する本所敷地内に大径材が挽ける製材機など昨年度導入。家具・什器用の広葉樹原板を挽いて、天然乾燥してストックし販売することとした。

10月4日には、地域の需要を探るため、日高産広葉樹の板材の展示即売会を初めて開催した。

 

仁宇布小学校構造見学会

10月15日号

美深産材211立方メートル

仁宇布小学校構造見学会

美深町立仁宇布小中学校の構造見学会が10月8日開催された。美深町内から産出する森林認証材を最大限に活用し、森林とともに栄えた地「仁宇布」にふさわしい校舎が建築されている。

美深町市街地から東に約20km、森林と草原に囲まれた小さな集落に仁宇布小中学校がある。校舎が老朽化したため、町産材の活用をテーマに新校舎を建築することにした。今年5月に着工。カラマツ集成材、トドマツ製材など主軸部分が立ち上がったことから構造見学会を開催した。

見学会は上川森林認証協議会と上川総合振興局が共催し、仁宇布コミュニティセンターに、建築設計、プレカット、木材加工関係者、周辺市町村、森林組合、道、森林管理署など63人が集まった。

 

森林環境譲与税、道内に15億3千万円

10月8日号

令和2年度9月期

総務省は、令和2年度9月期分の森林環境譲与税を9月30日に譲与した。森林環境税譲与税法の改正が行われ、令和2年度の全国譲与額は200億円から400億円に倍増される計画である。この改正により、今回の北海道への譲与額は15億3335万円となり、昨年度1年分と同じ額が配分された。

道内市町村には約13億334万円、道庁には約2億3001万円が配分された。2年目は、市町村への配分割合がやや高くなっている。

 

苫小牧広域森組が要請

10月8日号

地元市町に木材利用対策

苫小牧広域森林組合は、新型コロナウイルス感染症による木材需要減退の影響を受けていることから、組合事業地域の2市4町に、木材利用を促進する事業の予算計上を求める要請を行った。

苫小牧広域森林組合は、むかわ町穂別に木材加工センターを持ち、製材、チップ、円柱材、O&Dウッド生産事業を行っている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で全道的に製材加工は一時休止や減産が見られており、苫小牧広域森林組合の製材工場も打撃を受けている。

厳しい現状を踏まえ、木材を積極的に使った地域施設や市町村事業について、地元の2市4町に予算計上を要望した。

 

小高良樹氏に林野庁長官賞

10月1日号

山林種苗生産功労者表彰

全国山林種苗協同組合連合会が主催する「令和2年度山林種苗等生産事業功労者表彰」の受賞者が決まった。北海道から音更町の小高良樹氏(有限会社晴耕園苗畑代表取締役)が最高賞の林野庁長官賞を受賞した。

山林種苗の生産に永年従事し、優良な種苗を供給する生産者に対し全苗連が表彰を行っている。道苗組の協力により道が推薦したところ、今回、小高良樹氏の受賞が決まった。林野庁長官賞は全国で計3人が受賞し、道内からは4年ぶりとなる。

 

北海道銀行が100万円

10月1日号

全国育樹祭に協賛金

北海道銀行が100万円

来年10月に開催する第44回全国育樹祭に役立ててほしいと、北海道銀行から協賛金100万円が贈られたことから、道は9月18日、知事感謝状を贈呈した。

北海道銀行は、道民の森の中に「道銀の森」5haを設定し、植栽・保育を行うなど環境保全活動に積極的に取り組んでいる。北海道で開催される全国育樹祭を応援しようと、今年2月に100万円を協賛した。道は3月に感謝状贈呈式を予定していたが、コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ延期していた。

この日、札幌市中央区大通にある北海道銀行本店の役員応接室で感謝状贈呈式が行われた。

 

新たな植林支援の枠組み検討、知事答弁

9月24日号

「未来森」の後継、道議会で質問

森林所有者の植林の負担を軽減し、民有林整備の継続を後押しする「未来につなぐ森づくり推進事業」が最終年度を迎えている。9月11日道議会第3回定例会の代表質問で清水拓也議員(自民党・道民会議、帯広市選出)が今後の植林支援について質問。鈴木直道知事は、植林を着実に実施するための新たな枠組みについて検討を進めていく考えを示した。

 

北の森づくり学院生に給付金

9月24日号

地域実習の旅費、宿泊費に

林業・木材産業団体は、次代を担う人材の育成を支援しようと、「北海道林業・木材産業人材育成支援協議会」(阿部徹会長)を昨年設立し、森林組合・企業・市町村からの賛助金を募っていた。集まった賛助金のうち136万円を、今年開校した道立北の森づくり専門学院の1年生への給付金として9月15日に贈呈した。

 

下川町が滞留原木保管土場

9月17日号

国有林と共用し5千立方メートル

下川町は、新型コロナウイルスの影響で滞留する原木を保管しようと「下川町原木供給拠点緊急整備事業」1826万円を補正予算に計上した。

町内に国有林と共同で使用する保管土場を設定し、造材事業の継続、来年の造林事業の確保、コロナ収束後の原木安定供給体制の確立など図る。8月31日の町議会第5回臨時会で事業費1826万円を可決した。

市街地の東側にある町有地(緑町47)を整地して広さ5000平方メートルの原木保管土場を設ける。道路取り付け、木柵設置など行い、原木を受け入れる。また、原木運搬、積み降ろし作業、除雪もこの事業の対象とする。

今年度の原木保管量は、町有林4000立方メートル、国有林材500〜1000立方メートルを想定している。

 

道産材の飛沫防止パネル寄贈

9月17日号

知事室、道議会議長室に

道産材の飛沫防止パネル寄贈

北海道木材産業協同組合連合会は、新型コロナウイルス感染症防止対策と道産材の普及拡大を促進しようと、このほど道と道議会に道産材を活用した飛沫防止パネルを13基寄贈した。知事室や道水産林務部、道議会議長室の受付などに設置されている。

新型コロナの感染拡大の影響により、木材需要が大幅に減少している。会員企業の丸善木材株式会社(本社釧路町)と株式会社ハルキ(本社森町)が、感染防止対策製品を通じて道産木材の良さを広く知ってもらい、建築材の利用拡大につなげたいとの思いから、飛沫防止パネルを製作した。

 

未来森継続を知事に要請

9月10日号

全道6万8千人の署名提出

未来森継続を知事に要請

道森連や道木連、全道林活議連連絡会など7団体は、「未来につなぐ森づくり推進事業」の継続を求めて9月1日、鈴木直道知事に要請活動を行った。

森林所有者の植林の負担を軽減し、民有林整備を支える重要事業が最終年度を迎えたことから、全道から集まった約6万8000人の署名を提出し、事業の継続を求めた。

「未来につなぐ森づくり推進事業」は、森林所有者が植林する際、公共造林事業の補助に加え、道が市町村と連携して補助する事業。これにより森林所有者の負担を6%程度に抑えることができ、毎年約6000haの植林が進み、森林資源の循環と多面的機能の発揮、山村振興に寄与してきた。

10年の事業期間の最終年度を迎えたことから、道森連と森林組合振興協議会は、この事業の継続を訴える署名活動を全道の関係者に呼びかけた。1カ月強の短期間で全道合計6万8126人もの署名が集まった。

全道の声を携えて、道林業協会の阿部徹会長(道森連会長)と沓澤敏副会長、道森連の富田満夫副会長、道森林組合振興協議会の山本良二会長、道木連の松原正和会長、道苗組の竹内一秋代表理事、栄林会の永野仁理事長、全道林活議連連絡会の竹内英順会長らが、鈴木直道知事に面会し、事業の継続または新事業の創設を強く要請した。

 

原木保管支援に1億円、道産建築材利用に5千万円

9月3日号

コロナ影響対策で道が補正予算

道は道議会第3回定例会に提案する補正予算案をまとめた。業木材関係では、新型コロナウイルスの影響で停滞した木材流通を支えようと、「道産木材保管・利用拡大等対策事業」1億5200万円を計上した。滞留する原木の一時保管支援、建築材購入費用への補助など行う。

 

収穫調査に地上レーザー、道森林整備公社

9月3日号

道有林立木の材積、曲がり計測

収穫調査に地上レーザー、道森林整備公社

北海道森林整備公社(森田良二理事長)は、道有林の立木収穫調査に情報通信技術(ICT)を活用する新たな手法の実証試験に取り組んでいる。従来の輪尺を使用した毎木調査に代えて、背負子式の地上レーザースキャナーを使用して森林資源情報を計測できないか検討した。

 

道木連がトドマツ内装材贈呈

8月27日号

札幌市内の小学校に

道木連がトドマツ内装材贈呈

北海道木材産業協同組合連合会は、森林環境譲与税の市町村への配分額が今年度から増額されることを踏まえ、小中学校での道産材利用と木育を促進するため、このほど札幌市立ノホロの丘小学校(札幌市厚別区上野幌)にトドマツ腰壁を寄贈した。

 

戦後植栽されたトドマツ、カラマツ資源が成熟期を迎える中、道産材の価値を高めて使っていくことが重要であるとして、道木連が丸善木材株式会社からの寄付金と、一般財団法人日本森林林業振興会札幌支部の助成金を活用し、初めて実施した。

 

トドマツ腰壁は、松原産業株式会社が、トドマツ間伐材(西興部村産)を使って羽目板など腰壁部材を製材し、高さ92cm、31mにわたり2階廊下に施工した。トドマツの白い木肌、表面の平滑さを活かした腰壁に仕上がった。

 

パイロットフォレスト200年の超長伐期化へ

8月20日号

森林管理局が検討会

道森林管理局は、令和2年度の重点取り組みである多様な森林づくりを本格化させる。標茶町にあるパイロットフォレストの超長伐期化と齢級平準化に向けた検討会を設置し、第1回会合を8月4日札幌市で開いた。

パイロットフォレストは、根釧原野の広大な荒れ地に昭和31年から10年間、カラマツを植栽し、計画的に造成を進めてきた森林である。現在、約6000haにおよぶカラマツ林が成長し50〜60年生を迎えている。道森林管理局は、成長したカラマツ林を一斉に伐るのではなく、200年生を見据えた超長伐期化と齢級構成の平準化に取り組む壮大な構想を打ち出した。

新たな森林施業に向けて、「パイロットフォレストにおけるカラマツ人工林の超長伐期化と齢級構成平準化に向けた検討会」をこのほど開催した。この日は新たな取り組みの方向性を確認したあと、どのような手法で多様な森林に誘導していくか検討を始めた。

 

神居尻山の避難小屋完成

8月20日号

道産カラマツCLTで

神居尻山の避難小屋完成

道は、道民の森の神居尻山(標高947m)に設置している避難小屋を新たな木質材料であるCLTパネル工法で建て替えた。CLT工法による登山避難小屋の建築は道内初となる。

石狩管内当別町にある神居尻山の山頂付近に避難小屋が設置されている。この避難小屋が平成30年9月の台風21号により被災したことから、道は建て替えることとした。建て替えには、従来の丸太小屋より断熱性などに優れるCLTパネル工法を採用した。

新たな避難小屋は床面積約24平方メートル。この壁と屋根部分にカラマツCLTを10立方メートル使用した。部材は十勝大雪森林組合が生産した十勝産カラマツラミナを、協同組合オホーツクウッドピアで集成加工した。

 

ドローンで森林調査・測量

8月20日号

道造林協会が研修会

ドローンで森林調査・測量

道造林協会は、「ドローンを活用した森林情報の運用研修」を7月28日から30日の3日間、岩見沢市で開催した。ドローン空撮画像等を活用して森林資源情報を管理する市町村林務職員等を育成するもので、森林環境譲与税を活用した道委託事業として開催した。

 

高性能機械シミュレータ、北森カレッジで本格活用

8月13日号

学生に人気、自由に練習可能

高性能機械シミュレータ、北森カレッジで本格活用

道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)は、授業が6月から本格スタートし、チェーンソーや高性能林業機械の操作に必要な資格取得が集中的に実施されている。北森カレッジには林業先進地のフィンランド製シミュレータが3台常設されており、学生の高性能林業機械操作の教育に活用されている。

道はフィンランドの林業専門学校と覚書を交わし、同国の協力を得て北海道に適した林業機械オペレータ教育プログラムを構築。その中核を担うのが高性能林業機械シミュレータである。

北森カレッジに導入したのは、フィンランド製シミュレータソフトウェア、操作スティックなど付属品3セット。ハーベスタの伐倒・玉切り、グラップルの細かな動作がCGで再現され、基本操作から様々な条件の作業まで段階的に訓練する。

 

道が森林整備地域懇談会

8月6日号

植林支援制度は必要

道は「森林整備事業に関する地域懇談会」を7月から8月にかけて14振興局で開催し、未来につなぐ森づくり推進事業が最終年度を迎える中、新たな植林事業の検討に向けて地域の意見を聴いている。

7月30日には石狩管内の市町村、森林組合などが出席して札幌市で開かれ、道森林整備課が新たな事業の検討視点を説明した。

 

造林補助申請・検査にドローン

8月6日号

空撮データで測量、施業確認

人工林が利用期を迎え、伐採後の植栽や下刈りなど森林整備事業の業務量増加が見込まれる。道は、補助金申請業務とこれに伴う竣工検査の省力化につなげようと、ドローン等を活用した新たな仕組みを導入した。

林野庁は、補助金申請や検査にドローン等のリモートセンシング技術の活用を進めることは可能と判断し、令和2年度から要領等を改正。道も、6月に「造林事業に係る補助金交付申請の取扱い」「造林事業竣工検査要領」を改正し、ドローン等を活用した新たな仕組みを導入した。

事業主体が、ドローンで施工地を空撮し作成したオルソ画像データ等を、補助申請書類とともに提出。道の検査員が、GIS(地理情報システム)上で現地状況を確認することにより竣工検査を実施する。

 

道、団体が中央要請需要拡大や経営維持を

7月23日号

コロナ打撃、森林整備の停滞懸念

道内の林業・木材団体、道議会水産林務委員会、林活議連、道は7月中旬、中央要請を行った。

林業・木材生産に深刻な影響を与えている新型コロナウイルス関連対策、森林整備や治山事業の財源確保などについて関係省庁、国会議員に要請した。

今回の要請では、▽新型コロナウイルス対策▽林野公共事業予算の安定的確保▽間伐特措法の延長▽林業・木材産業の成長産業化に向けた施策の充実などを柱とした。

 

ワラビ繁茂させ下刈り削減、西十勝森林組合

7月23日号

造林地にカバークロップ

 ワラビ繁茂させ下刈り削減、西十勝森林組合

西十勝森林組合(村岡昇組合長、新得町)は、林野庁補助の「先進的造林技術推進事業」として、植栽地にワラビを繁茂させるカバークロップ技術の実証に乗り出した。

人工林が主伐期を迎えているが、主伐跡地への植栽と下刈りは、担い手不足により事業量を増やすことが難しくなっている。下刈りの省力化を進めて育林作業の労力を十分に確保しようと、販売収入が得られるワラビを活用したカバークロップ技術を実証する。

カバークロップは、道内の林業では初の取り組み。植栽したワラビを繁茂させることでササを抑制し、下刈りを削減する。さらに、ワラビを収穫・販売することで、毎年継続して収入が得られる取り組みである。

7月16日にはワラビを植栽し、実証試験が本格スタートした。

 

森林管理局「北の森漫画」

7月23日号

全道の公立小中高に配布

森林管理局「北の森漫画」

道森林管理局は、森と人とのつながりを楽しみながら学んでもらおうと「北の森漫画」を今年3月に発行した。

森林の魅力が詰まったこの漫画が、このほど北海道教育委員会の協力により、全道の公立小学校、中学校、高等学校に配布されることが決まった。

「北の森漫画」は、道森林管理局企画課事業企画係長の平田美紗子さんが、森の生き物、林業、木の文化などを緻密なイラストとマニアックな解説文で紹介した冊子である。道局勤務の前には林野庁に勤務し(林政課、林野図書資料館など)、広報誌林野などに作品を掲載してきた。これらの作品に、北海道に関する最新作を加えて約90ページにまとめた。

多くの人に森林・林業・木材産業を理解してもらおうと、道森林管理局が発行し普及を進めている。7月7日には、原田隆行森林管理局長らが、北海道教育委員会を訪れて小玉俊宏教育長に普及協力を依頼したところ、全道の公立小学校、中学校、高等学校に配布されることが決まった。

平田さんの作品は、林野庁、道森林管理局のホームページで見ることができる。

 

素材生産76万立方メートル、8%減少

7月16日号

後半から米中貿易摩擦、コロナ影響

道水産林務部は製材工場動態調査の3月分確報をこのほど公表した。

令和元年度(4月から3月末まで)の累計値では、針葉樹製材生産量が約76万3000立方メートルで前年度比8%の減少、原木の消費量は約162万9000立方メートルで同7%の減少となった。

針葉樹製材の生産量のうち、カラマツ製材の生産量は約39万8000立方メートル、前年同月比11%減となった。また、エゾ・トド製材は約33万4000立方メートル、同5%減となっている。

 

O&Dウッド製品、白老町に寄贈

7月16日号

苫小牧広域森組とコシイプレザービング

O&Dウッド製品、白老町に寄贈

白老町が4月に開設した白老駅北観光商業ゾーン「ポロトミンタラ」に、苫小牧広域森林組合と(株)コシイプレザービング(本社大阪市)は木製の外構施設を寄贈した。この環境整備の支援に対し、7月3日、白老町から両事業者に感謝状が贈呈された。

観光振興の拠点となるポロトミンタラは、JR白老駅の北側に整備され、インフォメーションセンター、お土産販売・ソフトクリーム販売コーナー、駐車場など備えている。民族共生象徴空間ウポポイの近くに立地しており、大勢の観光客の来場が見込まれる。ここにO&Dウッド円柱材で組み立てたゲート1基、観光案内板1基、O&Dウッド角材のプランター50基など寄贈した。

 

林業苗木運搬ドローン

7月9日号

裸苗100本、一度に運搬

住友林業株式会社と国内ドローン製造メーカー株式会社マゼックスは、共同開発した林業用苗木運搬ドローン「森飛(morito)」を発売した。重労働の苗木運搬作業を人力からドローンへ転換し、1人で行えることをめざした。

このドローンの特徴は、1回の飛行で8kg(コンテナ苗40〜80本、裸苗100本程度)の運搬ができること。

機体にはウインチを搭載しており、専用の「自動切り離しフック」に苗木を吊り下げて飛行する。運搬した苗木の離脱はウインチのまき下げにより行い、着地したときにフックが自動で開く仕組みになっている。これにより荷外し作業が不要となり、大幅な省力化が図られている。

 

先進的造林技術の実証

7月9日号

道内民有林4カ所で

下刈りの省力化や造林事業へのドローン導入など実証する林野庁補助の「先進的造林技術推進事業」が今年度、道内4カ所で実施される。植栽地にワラビを繁茂させるカバークロップ技術、遠隔操作の下刈り機械導入など新たな造林技術が民有林で試される。

道森林整備課によると、「先進的造林技術推進事業」は林野庁の採択を受け、予算額855万円、道内4カ所で実施される。

・カバークロップの実証=西十勝森林組合

・遠隔操作による自走式下刈り機械の実証=別海町森林組合

・ドローンによる殺鼠剤散布の実証=北海道

・リモートセンシング技術を導入した造林地測量の実証=当別町

 

森林認証材で美深町の仁宇布小中学校建替

7月2日号

道有林材を地元事業者に供給

上川管内の美深町は、町立仁宇布小中学校を町産の森林認証材を使って建て替える。上川総合振興局北部森林室は、この建物に道有林材を供給するため、美深道有林のトドマツ立木の売買契約を6月24日、上川北部森づくり協同組合と締結した。

美深町市街地から東に約20km、道有林や町有林に囲まれた小さな集落に仁宇布小中学校がある。この校舎が老朽化したため、建て替えが決まった。新たな校舎には、町有林材や道有林材などの町産材をできる限り使用することになった。

木造平屋建て、床面積803平方メートル。柱や梁にトドマツやカラマツの集成材、壁にトドマツ羽目板、フローリングにカラマツを使用するなど、木の利用を重視した建築物となる。今年5月に着工し、来年3月に完成する。

 

全国育樹祭、1年延期

7月2日号

コロナ対策徹底し来秋開催

今年10月3日、4日に苫小牧市および札幌市で開催予定の第44回全国育樹祭が、新型コロナウイルス対策のため1年延期されることが決定した。

また、森林・林業・環境機械展示実演会(苫小牧市)など併催・記念行事も1年延期される。